本日の音源紹介は「砂漠のブルース編第2弾」です。
砂漠のブルースはアフリカからナイル側周辺の中近東まで広大にひろがるサハラ砂漠で生まれた北アフリカから西アフリカの先住民ベルベル人系遊牧民トゥアレグ族が生み出した音楽。
ここ何年か砂漠のブルースの元祖的バンドTenariwenがワールドミュージックファンの間では注目されついに「砂漠のフェスティバル」が開催されたり、砂漠のブルース系のバンドが世界のワールドミュージックFes.で出演するに到るわけだす。
20世紀後半のアフリカ諸国の独立の中で国境など関係なく生きる遊牧民トァレグ族は他の北アフリカ~西アフリカのベルベル人系遊牧民と同じく行き場を失い各国の政府により弾圧を受けてしまう。
そんなトゥアレグ族の多くはリビアの独裁者カダフィ大佐の元でゲリラ養成キャンプや難民キャンプに身を預けるしかなく、その中で自分たちの伝統的なメロディをラジオから流れる欧米のROCKを参考にして、ギターでかき鳴らし、歌い、士気を高めトゥアレグ人としてのアイデンティティを歌った。。
その歌はカセットテープによりトゥアレグ人のキャンプの間で広まり、各地のキャンプ地でRebel Bluesとして熟成されたわけだす。
このBlogでは00年代以降の民族音楽としての「Global Beats」をサブタイトルに付けていますが、砂漠のブルースは上記のように音楽として成立して約30年あまり、それがトァレグ人のコミュニティの外で聴かれる様になったのは00年代以降なので紹介したいと思う次第。
本日の「砂漠のブルース第2弾」は
砂漠のブルース 幕の内弁当オムニバス!
砂漠のブルース ネクストジェネレーション!
サイケデリック砂漠ブルースROCK!
以上3音源を紹介!!
VA「THE ROUGH GUIDE TO DESERT BLUES」
2010年作
このVAはWORLD MUSIC NETWORKというレーベルから世界各地の民族音楽を紹介しているTHE ROUGH GUIDEシリーズの砂漠のブルース特集として発売された音源。
砂漠のブルースのオリジネイターのTineriwen、Tineriwenの元メンバーからなるTerakaft、テゥアレグ人とサハラ南部の砂漠と緑地からなるサヘル地域に住むウォダベ人からなるEtran Finatawaなど所謂、砂漠のブルース系のバンドだけでなくアフリカのテゥアレグ人が住んでいるエリアのペンタトニックスケールのブルージーなミュージシャンも紹介していて、音楽的な繋がりや違いなどを聴き比べる事ができる好VAなわけだす。
非テゥアレグ人系のミュージシャンとしてはMANU CHAOの運営するRADIO CHANGOでも紹介されマリの盲目の夫婦デゥオとしてそのアフリカンブルースが注目されたのAMADOU&MARIAM、東ニジェールの五弦楽器ビラムの演奏者MAMANE BARKAなどが収録されている。
おまけにBonus TruckとしてEtran Finatawaのアルバムが1枚ついている太っ腹ぐあいw
いわゆるブルースは西アフリカからアメリカ大陸に連れて行かれた黒人奴隷が、その哀愁(Blue)を込めて歌い上げた音楽。
そのBluesの末裔であるROCKがトァレグ族の間でラジオで聴かれ、生み出された砂漠のブルース。
時間と空間を越えて目の前に広がるのは広大なサハラ砂漠の上に広がる哀愁(Blues)という音楽。
アルバムが視聴できるHP
http://www.amazon.com/Rough-Guide-Desert-Various-Artists/dp/B003S897KA