2018年04月22日

一瞬一生ー現代に生かす森田療法

 帚木蓬生氏の「生きる力 森田療法の15の提言」を読みました。作家であり精神科医である帚木氏が神経症治療法として日本で伝統ある森田療法を再解釈して、現代人の精神的苦悩に対する森田療法の可能性を教えてくれます。
 森田療法は主に神経症の治療に用いられる精神療法です。薬などを用いず4週間にわたるひたすら自分自身の内面を見つめる精神療法によって自らの症状を克服するやり方は、日本の伝統的な仏教や武道の修行にも通ずるものがあり、対人関係に敏感で神経症的傾向の強い日本人の気質に合った精神療法だととらえられています。
 帚木氏はそのような森田療法は、神経症の精神症状に苦しむ人だけでなく、神経症的要素は大なり小なり誰でもがもっている。神経症とは言えない普通の人々に対しても大いに通用し、森田療法の精神や治療法を普通の人々の生活に取り入れることによって、より一層豊かにする要素を多く含んでいるといいます。
 森田療法の大きな特徴は、他の精神療法とは違って、患者の過去の来歴を一切問わない点。ひたすら現代の生きざま動きのみを問題にすることです。なぜならば、人が変えられるのは現在、今の事象であり、過ぎ去った出来事ではないからです。
 今の目の前の一瞬に、一生をかける。森田療法の神髄はここにあります。種種の悩みはある。しかしそれはさておいて、生きている現時点の瞬間瞬間に、自分の一生をつぎ込んで進んでいく。「一瞬一生」が森田療法の神髄です。
 つづく。

miki00011 at 04:03|PermalinkComments(0)

2018年04月21日

心の静め方

 心身統合氣道家藤平信一氏の「心を静める」を読みました。
 合氣道は心を整えるために身体を鍛えます。合氣道の訓練を通じて潜在意識に働きかけることによって、大事な場面に臨んで心を静める方法を体得していきます。
 合氣道では心身一如であるときに、最大限にその人の潜在力が発揮できると考えます。呼吸法、型の訓練など身体的アプローチすることで、心と身体双方向にコミュニケーションが潤滑になったとき、心身一如の状態になります。
 その際に重要なのは、心を静めることです。人はストレスを受けると無意識に緊張してしまいますが、合氣道ではストレスを受けた時に、リラックスして身体の力を抜き、心を静めることができるように、意識を臍下一点に集中する呼吸法を繰り返すことで、心を静めます。
 合氣道では「身につく」、つまり無意識に行えるようになるまで、繰り返し訓練をします。それは身体を通じて潜在意識に働きかける方法で、そのように身についたものだけが、才能として開花することができると藤平氏は合氣道を通じて数々の一流プレーヤーを育ててきた経験から語ります。
 潜在意識は常にプラスの状態にすることが大切だと、そのコツは3つ。
 1.プラスの言葉を発する
 2.プラスの観念を持つ
 3.プラスの記憶を取る
 そうして潜在意識に自信を植え付け、自分の才能を信じて邁進し、才能を開花することができます。
 また、学ぶためには、とことん素直になること。自分の思い込みを完全に保留して、いったんまっさらな姿勢で学ぶことが大切だと藤平氏はいいます。
 心を静めるための様々なノウハウが合氣道の体系として構築され、訓練を通じてそれを体得していくプロセスを知りました。

miki00011 at 04:06|PermalinkComments(0)

2018年04月20日

がん治療の実際

 呼吸器外科医奥仲哲弥氏の「最高のがん治療を受ける方法」を読みました。大学病院で長年臨床を積まれ、現在山王病院で呼吸器疾患の治療をされている奥仲氏が、医者としての立場から、様々な角度で患者にとって最良となるがん治療の実際を具体的に指南してくれています。
 がんは進行性の病気で、日本人の半分が罹り、死亡原因の1/3を占める病であるにも関わらず、「がん=死」の旧態依然としたイメージがいまだに残っています。実際がん治療は日進月歩の進歩を遂げているので、がん治療の実際を現場の医者から教えてもらうことは、いざがんとなったとき(そうなる可能性はすべての日本人にとってかなり確率が高いです)の心の準備として有効だと思います。
 そもそもがんとはどんな病なのか。その正確な病態を把握しないまま、検査→手術→抗がん剤治療・放射線治療→治癒もしくは再発・転移→治療継続という治療の流れに自動的に組み込まれて、患者自身の意向が反映しにくいようになっているようです。あれよあれよという間に「がん患者」にされてしまい、実際に自分の患っている病の実態や適切な治療法の情報も与えらえないままの人が多いようです。
 命に係わる病だけに、がんの治療に際しては、患者自身の人生観も踏まえた治療を受けたいものです。
 奥仲氏のがんの解説は、豊富な臨床経験から、そのような患者側の戸惑いや不安や悩みなどに考慮した、がん治療の実際を教えてくれて、「へえ〜」と初めて知ることも多く、参考になります。
 がんはできる部位と進行度によって3つに分類されます。扁平上皮、腺がん、未分化がんです。扁平上皮がんは皮膚や粘膜と外界と接触している体の表面にできるがんで、腺がんは腺という物質を分泌する細胞組織にできるがんで、未分化がんは進行の早いがんで、胃がんではスキルス、肺がんでは小細胞がんがあります。
 それに対する治療について最新の情報を与えてくれます。放射線治療では定位放射線治療や重陽子線治療、ガンマーナイフやサイバーナイフ治療について、抗がん剤では分子標的治療薬はどんな働きを利用しているのか、その代表的な薬であるイレッサはどのような機序になっているのか、その適応範囲と効果について、詳しく説明してくれています。
 またがん治療にかかる費用についても具体的な数字を挙げて、保険適応や再発の際の治療費も考慮した実際に治療を送る際の心配事項なども教えてくれて、あらかじめがんに備えた対策を講じることができます。
 がんをいたずらに恐れるのではなく、がんになる可能性が高いことを前提とした人生設計にとても役立つ指摘をもらいました。

miki00011 at 04:03|PermalinkComments(0)

2018年04月19日

医者の側の事情を知ることのメリット

 呼吸器内科医 奥仲哲弥氏の「『余命3か月』と伝えるときの医者のホンネ」を読みました。
 大学病院、個人病院の勤務医である奥仲氏が、ぶっちゃけ医者のホンネを教えてくれて、病院にかかったときの参考になること満載です。医者の側にもいろいろ事情があり、その上での発言であることを理解すれば、それに対する患者としての対応も変わってきます。その意味で、「医者という人間」を理解して、最善の医療をうけるヒントを受け取るべきという、奥仲氏の主張に深く納得します。医者も人間、様々な事情を抱えて日々激務に携わっているということを考慮することは、医者ー患者関係を、病を治すタッグを組むコンビと捉え、より良い関係が築けるためにお互いを理解することは大切だと思います。
 いろいろ参考になることがありますが、その中でも、
病院のホームページの活用法ー常勤の医師が多いことーなどの確認や、お目当ての大学病院の間近にあるクリニックは、その病院に勤務していた優秀なドクターの患者のアフターフォローとしての役割を果たすために開業している場合が多いということ、「非常勤」医師は、その病院の系列の大学病院の医者がアルバイトできている可能性が高いこと、紹介状には、医者を名指ししたほうが、「ウケ」がいいこと、入院の平均日数が載っていたら、それが短いほうが「技術的にうまい」という証拠、乳がんの手術で「センチネルリンパ節生検」を行っているか否かである程度先進的な施設であるかどうかが判断される、希少がんの治療を行うにはランキング本が役立つこと、
がんセンターは合併症のある患者は受け入れにくい、つまり「元気な」がん患者のみを地検者として治療しがちである、病院の風邪薬は市販の風邪薬よりも処方範囲が狭いこと、ジェネリックは薬のコーティング成分が先発薬と異なるだけであること等々、医者の側の内部事情を知らなければ、もしかしたら「損をする」かもしれない治療を受ける際の留意点を教えてもらい参考になりました。

miki00011 at 04:02|PermalinkComments(0)

医者の側の事情

 循環内科医 奥仲哲弥氏の「『余命3か月』と伝えるときの医者のホンネ」を読みました。
 大学病院、個人病院の勤務医である奥仲氏が、ぶっちゃけ医者のホンネを教えてくれて、病院にかかったときの参考になること満載です。医者の側にもいろいろ事情があり、その上での発言であることを理解すれば、それに対する患者としての対応も変わってきます。その意味で、「医者という人間」を理解して、最善の医療をうけるヒントを受け取るべきという、奥仲氏の主張に深く納得します。医者も人間、様々な事情を抱えて日々激務に携わっているということを考慮することは、医者ー患者関係を、病を治すタッグを組むコンビと捉え、より良い関係が築けるためにお互いを理解することは大切だと思います。
 いろいろ参考になることがありますが、その中でも、
病院のホームページの活用法ー常勤の医師が多いことーなどの確認や、お目当ての大学病院の間近にあるクリニックは、その病院に勤務していた優秀なドクターの患者のアフターフォローとしての役割を果たすために開業している場合が多いということ、「非常勤」医師は、その病院の系列の大学病院の医者がアルバイトできている可能性が高いこと、紹介状には、医者を名指ししたほうが、「ウケ」がいいこと、入院の平均日数が載っていたら、それが短いほうが「技術的にうまい」という証拠、乳がんの手術で「センチネルリンパ節生検」を行っているか否かである程度先進的な施設であるかどうかが判断される、希少がんの治療を行うにはランキング本が役立つこと、
がんセンターは合併症のある患者は受け入れにくい、つまり「元気な」がん患者のみを地検者として治療しがちである、病院の風邪薬は市販の風邪薬よりも処方範囲が狭いこと、ジェネリックは薬のコーティング成分が先発薬と異なるだけであること等々、医者の側の内部事情を知らなければ、もしかしたら「損をする」かもしれない治療を受ける際の留意点を教えてもらい参考になりました。

miki00011 at 04:01|PermalinkComments(0)

2018年04月18日

効果的な学習法

 ベネディクト・キャリー氏の「脳が認める学習法」を読みました。脳科学者のキャリー氏は、最新の脳科学の知見に基づいての効果的な学習法を指南しています。それは従来の「正しい」とされている学習法が必ずしも効果的とは言えず、むしろ無駄である、効果がないとされている方法の方が、実は脳科学的には有効であるということも教えてくれます。
 脳にとって最も効果が高い学習法は「自己テスト」であると氏はいいます。それも全くそれについての知識がない状態で、まずとにかくテストしてみることです。結果は気にしません。(何しろ勉強していないので惨憺たる結果になることは明らか)それによって、これから学習することの要点が絞り込まれ、それに意識を集中することができるため、効果的な学習を促すことができるからです。
 つぎに学習と記憶の関係ですが、それには忘却が重要な役割を果たします。忘却することで情報をふるいにかけ、フィルターの機能を果たします。さらに忘却して時間が経って思い出すことは、筋肉の増量と同じで学ぶ量が増えます。
 「覚えるために忘れる理論」は、こうして忘却を利用して、時間が経ってそれを思い出すことを繰り替えすことによって、学習の量と質が増強されます。忘れることは、新たなスキルの習得にとって、そして古いスキルの保存と取り戻しによって不可欠です。
 覚える→忘れる(インターバル期間)→思い出す。この一連の行為によって、学習内容が強化されます。
 さらに集中している際に「邪魔を入れる」ことが、学習にとって効果的なことも脳科学的に明らかです。なぜならば中断された脳は、それによって事前に集中していたことにより「こだわったり」、「別の角度から眺める」ことが可能になるからです。よって複数のことを並行して進めることは効果が高い学習法です。
 このように従来言われていた、勉強した成果を確かめるためのテスト、忘れないようにしっかり記憶する、一度に一つだけに集中するという、勉強法は実は効果があまりなかったことがわかりました。これからはこの本で提唱されているような「脳が認める」学習法を実践していこうと思いました。

miki00011 at 04:04|PermalinkComments(0)

2018年04月17日

ホテル業は人間産業

 洞爺湖ウインザーホテル総支配人窪山哲雄氏の「プロジェクトホテル」を読みました。
 アメリカコーネル大学の近代ホテル経営学で学んだ窪山氏は、やがてハウステンボスの立ち上げに関わり見事に成功した後、日本初高級リゾートホテル洞爺湖ウインザーホテルの立ち上げ、その総支配人になります。フランス三ツ星レストランや日本の山野料理の名店も入る、食の名門ホテルとしても有名となり、先進国首脳会議サミットの会場にもなるなど、名実ともに名門高級リゾートホテルとして同ホテルを導いています。
 その窪山氏のホテル経営者の極意と、究極の接客業としてのホテルマンとしての在り方を伝えています。
 氏はホテルは泊まったお客様に「予感、体感、実感」をしてもらうことが目的だといいます。ホテル業は空間を売っている商売であり、空間が価値を生み出すにはリラックスがもたらす満足感、究極には「癒し」をお客様は求めて、それを提供することにあると窪山氏はいいます。
 そのためには、そこで働く従業員がその仕事に誇りを持ち、充実して、幸せを感じていることが大切で、従業員の幸せがそこを訪れ滞在するお客様をも幸せにすると氏は考えます。
 よって氏のホテル経営の哲学は、人間産業であるホテル業務にあっては人こそが財産。社員の笑顔が消えたホテルはお客様を満足することができないと、経営の筆頭に利益ではなく、従業員の個人の幸せを置いています。
 そのようにして最高のサービスを提供すると、人間は自分が価値を見出したものに対してはお金を惜しまないものだから、たとえ宿泊費が高くでも、お客様は喜んでそのホテルを利用し、リピートしてくれるようになると窪山氏はホテル経営の方針を打ち立て、それを一貫させます。
 私も洞爺湖ウインザーホテルは、オープン前からコンセプトに惹かれ、いつかは泊まってみたいホテルだとあこがれています。そのような思いが醸し出されるのは、ホテルという箱物に生命を吹き込んでいる、そこで働く従業員の精神が作り出している賜物だとわかりました。

miki00011 at 03:58|PermalinkComments(0)

2018年04月16日

「臆病」の本質を見つめる

 浄土真宗僧侶 松本圭介氏の「脱臆病入門」を読みました。
 仏教の根本的教えは「すべては苦である」ですが、その苦を生み出すもののうち、「臆病」に焦点を当て、その現代的なかたち、そしてその克服方法を、仏教的見地から提唱しています。
 臆病の原因は3つ。「自信不足」、「自意識過剰」、「存在の不安」です。
 仏教は不安を安心へ、恐れを自信へ、我欲を慎みへと転換し、臆病を乗り越えて力強く生きる道を指し示します。
 臆病の根底にあるのは、「自己中心性」です。「自分の価値を認めてほしい。」、「自分を守りたい。」です。臆病は慎重とは異なり、後者は目の前のことに注意深くなることによって、実際の多くの情報を受け取りやすくなる効用があるのに対して、臆病は実際に存在しない、己の欲が生み出す幻想=煩悩に取りつかれている状態です。
 松本氏は、臆病はあらゆる人間が抱えているものであり、それを完全に排除することはできない。ただ、その発生のメカニズムを知れば、具体的な対処法を講じて、臆病を上手にコントロールできると考えます。仏教はその教義の中に、臆病の対処法として、そのメカニズムを明らかにし、その克服方法を教えとして具体的に提示しているようです。
 まず、臆病を生み出す3つの原因が生じる理由について。
 「自信不足」は、失敗を過度に恐れてその人の成長に必要なチャレンジができない状態にあることです。
 「自意識過剰」は、他人と比べる心から生み出されます。
 「存在の不安」は、人間の自己中心性から生まれる孤独感によって将来や自分の存在そのものに対する不安で頭がいっぱいになることです。
 それらを克服するには、仏教的な世界観ー一切が同じ状態にと怒鳴ることなく、常に変化し続ける「諸行無常」を心底認識することです。すべては変化し続けるのだから、自分の思い通りになることなど一切なく、そのような欲望を抱くことが、臆病を生み出すのだと知り、執着を手放すことです。
 とわかっていても、なかなかそれを実践することは難しいです。松本氏は、まず自意識の存在を徹底的に自覚することだといいます。具体的には、臆病が意識されるような状況になった時に、自分自身の内面から沸き起こる感情を客観的に見つめ、仏教的解釈に則ってその感情を分析することによって、臆病から距離をとることができると、現代の心理学的にも説得力のある仏教的な臆病の解釈の例を挙げて説明しています。
 こうして松本氏の仏教の現代的な翻訳によって、現代人の抱える悩みに仏教が応えを与えてくれる可能性を教えられました。


miki00011 at 04:01|PermalinkComments(0)

2018年04月15日

仏教は気づきの教え

 浄土真宗僧侶 松本圭介氏の「『こころの静寂』を手に入れる37の方法」を読みました。
 仏教界の若き理論派で革新派の松本氏が、現代人の悩める心に役立つ仏教の教えを解釈しています。
 松本氏は自身と仏教の体験から、仏教は「鏡」であるといいます。仏教はスマートに論理的な方法で、たくさんの「気づき」=智慧を与えてくれるといいます。それは仏教には2000年以上もの蓄積された智慧の宝庫だからです。氏はそのような仏教の芳醇な知恵を現代人の求めに応じる形で提供しようとチャレンジしています。
 仏教の「気づき」=智慧の神髄は、「物事をありのままに認識する」ということに尽きます。それはあまりにも当たり前のように思われますが、それを実践するのを困難にしている原因は私たちの煩悩にあります。仏教の教えを理解し、それを実践していくことでその煩悩の火を消し去ることができ、物事をありのままに認識すること=悟りの境地に至ることができ、心の平穏を手にして幸せになるという体系を提供してくれるのが、仏教だと松本氏はいいます。
 世の中のことはすべて思い通りにならない。そのために私たちの人生の問題が生じます。仏教ではそれを「あきらめる」という解決法によります。「あきらめる」とは物事を「あきらかに見る」ということで、決して思い通りにならない私たちの人生の有り様を明らかに見定めることが大事だと理解することで、苦からの脱却を試みます。
 松本氏は現代人の苦悩の源泉は、膨大な情報に接することから生まれてくると捉えます。迷いを減らしたいと思ったら、意識的に情報をコントロールすることが必要であると。選択肢の多い時代だからこそ、あえて自分の中で優先順位を決めてコントロールする工夫が必要だと。
 そして現代人の苦悩は、「思い通りになる快」にとらわれすぎていることからくると氏は考えます。人間は自分の思い通りになる範囲を広げようとし、なるべく多く自分の支配下に置きたいという欲望に囚われます。
 そこから解放されるために、「なんでも自分の思い通りにしたい」という衝動を見つめ、「すべては自分の思い通りにならない。」という現実を見極めることが必要であり、「自己の延長」の限界を知ることが、仏教的心の平穏を手に入れる手段だといいます。
 ストレスを軽減する3つの方法、1.原因から遠ざかる、2.原因に対する耐性を高める、3.原因を減ずるがありますが、仏教は3番目の方法を採ります。
 松本氏は仏教的ポジティブシンキングは、思い通りになろうとなるまいと、たとえどんな状況でも、物事を柔軟に前向きに考えることだといいます。
 確かにすべての苦悩、ストレスは、「思い通りにならない。」つまり事態が自分の思い通りにしたいという欲望が生み出していることに気づきます。仏教の教えはそこからの解放の手段をシステマチックに提供してくれるものだと思いました。

miki00011 at 04:07|PermalinkComments(0)

2018年04月14日

埃をかぶったダイヤの原石を売る商売ー僧侶

 東大卒浄土真宗僧侶 松本圭介氏の「おぼうさんはじめました」を読みました。
 若き仏教改革派の松本氏が、お寺に「新卒就職」して修行の日々をブログにつづったものです。
 大学で仏教哲学に触れ、その芳醇なコンテンツに魅了された松本氏は、仏教が2000年以上に渡って蓄積してきたものを現代社会に生きる人々が求めるものとしてアレンジして提供できる可能性に気づきます。
 葬式仏教と揶揄されている日本の仏教ですが、その形骸化したお寺の存在を見つめなおし、仏教というコンテンツを広めるための個々の個人商店としてお寺を捉え、そこの個人店主として住職をはじめとする僧侶が日々の修行を通じて檀家さんをはじめとして人々に仏法を広めていく新たなお寺の可能性を切り開いていくべきだと、松本氏はお寺の現代的な機能を開拓しています。
 松本氏が「就職」したのは、東京のど真ん中神谷町の浄土真宗のお寺ですが、氏はそこにテラテラスを設け、ネット接続化のカフェのような環境を設定し、若い人が積極的にお寺に集えるようにしました。
 そのように松本氏がお寺の改革を進めるのは、氏自身が仏教が持つコンテンツは、現代的にアレンジすれば、宗教が本来持つ必ずや悩める若き現代人の心の支えとなる役割を果たすことができるという確信を仏教に感じたからです。情報やサービスが溢れて価値観が多様化した現代だからこそ、それらにストーリーと思想を付与できるのは仏教をおいて他にないと考えるからです。
 そのためには、従来のお寺の宗教行事を通じただけの仏教の普及はあまりにも現代人にとって魅力を欠いたものになっている。もっともっと仏教の魅力を現代人の心に響くように伝えなければならない。松本氏は僧侶としての自身の役割を、仏教界の広報として位置付けて積極的に仏教の魅力を広めていこうとしているようです。
 仏法の深い理解の上に、そこに新たで斬新な解釈を施し、それを伝えていく。それは過去仏教の宗派を開いた開祖が試みたことと同様であると。ゆえに、松本氏は現代の親鸞であるかもしれないと感じました。
 
 

miki00011 at 04:03|PermalinkComments(0)
Archives