2020年10月25日

心房細動とは何か?

 86歳で亡くなった父が、70代初めに心筋梗塞を起こし、幸い何の後遺症もなく過ごしていましたが、79歳の時、脳梗塞で倒れ、言語麻痺が残り、晩年の3年は肺炎で危篤となったことを契機として認知症症状もありほとんど寝たきりで自宅療法していました。
 脳梗塞の原因は、心臓の血栓が脳に飛んで脳の毛細血管が梗塞をおこしたことでした。
 痩せていて血圧は低く血糖値も低かったのですが、心臓の波形に異常があるといつも検診でいわれていました。
 今から思えば、それは心房細動の予兆だったのかもしれないと、そして、父の遺伝か?私の心電図も一応標準範囲ないではありますが、いつも異常な波形がみられるとかで、ジョギングなどの運動の際は感じないのですが、階段の上りなど、急に心臓に負荷をかけた時、息切れがするのは、もしかしたら、心房細動ではないかと思い、
 「心房細動に悩むあなたへ」山下武志著を読みました。
 心臓は左右の心房と心室がありますが、心房は血液の貯蔵庫、心室は全身に血液を送るポンプの働きをしています。
 心房細動とは、血液の貯蔵庫が細く震えて、その結果として貯蔵庫で血液がよどみやすくなり、一方ポンプは正常なので全身の血液を送り出すことはできる。
 多くの人は心房細動を持って健康的な生活を送ることができるようです。
 一方心室細動は、ポンプ自身が細かく震えることになるので、全身に全く血液を送ることができなくなり、重篤な症状がでます。
 両親のいずれかが心房細動であれば、子供のなりやすさは1.8倍、脳梗塞のなりやすさは約5倍だということで、私は注意しなければなりません。
 血栓を予防するためには、抗血小板→バイアスピリンもしくは、抗凝固薬→ワーファリンがあります。
 ワーファリンの働きは、肝臓でビタミンKを使いながら凝固因子が作られていますが、このビタミンKの働きを抑えます。したがって、ワーファリン投与しているときは、納豆、クロレラ、青汁、モロヘイヤなどのビタミンKを多く含む食品を摂取すると効き目がなくなるので禁止です。
 ワーファリンを使用したまま抜歯をすることはOKで、抜歯の際の出血予防のためにワーファリン投与を1週間前から中止し、その後薬が効き始めるまで時間が必要なので、その間に脳梗塞が起きる確率が1%高くなるからです。
 ワーファリンの代わりに直接的経口抗凝固薬ならば、口の中だけに効果があるので大丈夫なようです。
 心房細動の手術としては、カテーテルアブレーションと呼ばれる、血管の中を通して心臓まで細い管を入れ、不整脈の原因となっている場所を探して、その部位を焼き、不整脈の原因を取り去ってしまうというのがあります。
 発作性心房細動に対して、1回で50%、2回で80〜90%の効果があるようです。
 脳梗塞や突然死の原因となる心房細動についてわかりました。
  
 

miki00011 at 11:40|PermalinkComments(0)

2020年10月24日

ボケを受け入れて、人生楽しく生きる

 精神科医和田秀樹氏の「自分が高齢になるということ」を読みました。
 和田氏は20年以上も老齢精神医学に携わっていて、高齢者専門病院で臨床されている経験から、実際にボケた幸せな高齢者を多く診てきて、世間で考えられているほどボケは悪くない。
 少なくとも本人にとってボケは人生最後に与えられたプレゼントのようなものだと捉えるようになったそうです。
 和田氏がそのように考えるようになったのは、85歳を過ぎるとほぼ全員の脳にアルツハイマー型の変化が生じることが明らかになったこと。そしてそれは老化現象の一種であり、必要以上に恐れる必要はないという臨床所見から思うようになったようです。
 ボケることが長生きすることに伴う必然的で避けがたい現象ならば、ボケてもいいから幸せな老人を目指したほうがいいと、気持ちの切り替えを勧めます。
「人はボケる」ということを素直に受け入れ、どうせなら愛されるボケになろうと決めてしまえば、いろいろな意味で人生は楽になる。
 能力の低下を悲しむだけでなく、それを受け入れ、楽しむぐらいの気持ちになったほうが幸せな人生ではないか。
 そして「できなくなる」といっても、「今まで出来てきたことができなくなる」だけであって、「何もできなくなるわけではない」と。
 今までのようにできなくなったとしても、助けを借りたり、見守ってもらうことで、ちゃんとできることがたくさんあると。
 そして認知症になっても人生を楽しもうと思えば、まわりに迷惑をかけることは避けられないことを自覚し、それでもできることをあきらめずに取り組む人や、やってみたいことは誰かの手を借りてでも挑戦してみるような人は、同じような脳の衰えがあったとしても進行は遅くなるそうです。
 とにかく一番大切なことは、(残り少ない)人生を楽しむこと。
 そしてどんなにできないことや不自由に感じることがあっても、それは自分のせいではない、ボケのせいだと割り切ってしまうことも肝要です。
 実際、86歳の認知症初期の母を遠距離で見守っていますが、本人はいろいろ苦労はあるようですが、精神的にはとてもおおらかで、少女のように初々しくなってきたように感じます。 
 今まで生きてきた中でつけてきた多くの垢を落として、きれいな生まれたままで人生を追えるのではないかと。
 ボケを否定的に捉えるのではなく、人生末期の様相の一つだと、母の様子を見て私もボケを受容できるようになりました。

miki00011 at 10:43|PermalinkComments(0)

2020年10月23日

香港の「一国二制度」とは何か?

 台湾在住のジャーナリスト野嶋剛氏の「香港とは何か」を読みました。
 野嶋氏は台湾在住で、香港にも留学した経験があり、一貫して、中国の「華夷思想」の「夷」に位置する台湾や中国の動向から、中国という「華」を見つめる視点をとっています。
 野嶋氏は香港の魅力・価値・生命の源は、その「境界性」にあるといいます。
香港はアジアであって、完全にアジアでもない。
香港は、中華世界であって、完全な中華世界でもない。
西洋的な制度や文化も生きているが、もちろん西洋ではない。
 そして香港のもう一つの特性は、「例外性」であるといいます。
香港は、常に中国によって「例外」の地位を担ってきた。
 このような香港の「境界性」+「例外性」の特性から、中国政府との微妙な関係性の下でできた制度が「一国二制度」でした。「一国二制度」による高度な自治を香港は認められてきました。
「一国二制度」に基づく高度の自治の方針によって、独自の行政権を存し、WTOやIMFに国家扱いで亀井でき、オリンピックにも香港チームで参加する特別行政区となった。
 しかし、2020年6月中国の全人代で決定された香港の「国家安全維持法」は、この「一国二制度」をなし崩しにして、香港の自治を脅かすものと香港人は捉えました。
 一連の香港の民主化を求める運動は、「国家安全維持法」の撤廃を要求するもので、若い学生たちを中心に盛り上がり、中国政府の恐怖心を掻き立てました。
 この運動をリードしている若者グループには彼らの主張によって、大きく二つに分かれます。
 一つは「本土派」です。「本土派」は本土(故郷)思想から誕生した政治勢力で、香港は自らの故郷であるというアイデンティティを共有する若者たちのグループです。
 もう一つは「民主派」です。香港愛国党が主張しているもので、絶対に実現しない中国の民主化を求める過激なグループで、中国政府と武闘対決も辞さないというものです。
 野嶋氏は、今回の香港の民主化は、それまでの「お金儲けをやらせてもらうことが大事で、政治には逆らうべきでない」という香港人のアイデンティが変化してきた表れだと捉えます。
 本土派の若者たちの多くは、そのような意識は希薄で、自分たちの力で社会を変えていこうという意識が生まれてきました。
 中国政府にとっても、香港は、「香港という口から『外貨』という酸素を補給しなければ生きていけない」香港と中国との関係の仕組みが、一国二制度の下で作り上げられてきただけに、香港を完全に中国化することは、自分自身を窒息させる恐れがあります。
 「一国二制度」の枠内で、香港人が求めるものと、中国政府が求めるものの折り合いがつくかどうかが問われているのが、今回の香港の民主化運動の実態です。
 そして香港の若者は圧倒的に「中国化」を拒否しています。それは若い世代ほど自分は中国人ではないと自己定義する「香港アイデンティティ」が強烈であるからです。
 では中国政府が推し進める「国家安全法」とはどのような法なのか?
「国家分裂」、「政権転覆」、「テロ活動」、「外国勢力との結託」による、国家安全の危害について、無期懲役以下の刑事罰を科す。
 それは中国政府の出先機関「国家安全維持公署」が設けられ、国家安全に関わる政策については香港政府を指導し、自らも情報収集や分析を行う。
 つまり、司法権は完全に中国政府が握るということです。これでは自治は成り立ちません。
 中国が香港に対して進めてきた政策は「港澳台政策」と言われるもので、香港を中国の辺境であり、同時に外部世界との接点、境界、あるいは緩衝材とみなすものでした。
 そのメリットは、多くの国々が異質をみなす社会主義、権威主義体制の中国に対する緩衝材となっていました。
 その前提は、中国の主権は形式上存在するが、在地住民に納得のいく自治や自由もあり、ハイブリットは辺境性が維持されることでした。
 しかし現在の中国の港澳台政策は、国家を背景とした経済の力で、民主や自由や自治とおいった価値観を求める香港人の口を塞いでしまうものです。
 運動の中心となる若者たちが求めるのは、中華人民共和国民の幸福ではなく、共同体、香港の幸福です。
 野嶋氏は、日本ができることは、中国に対して「多様性」、「多制度」、「多民族」を求め、中国内部の中央集権制をマイルドに外部へ適合させる方法を中国に重視させることだといいます。
 それは長い目でみて、日本と隣国中国との共存にも役立つだろうと。
 その意味で、香港の行方は、これからの中国隣接国たちの動向を占うものとなる重要な指標だと思いました。

miki00011 at 11:37|PermalinkComments(0)

2020年10月22日

新型コロナウイルスワクチン開発

 インフルエンザ研究者河岡義裕氏の「新型コロナウイルスを制圧する」を読みました。
 世界で初めて人工的にインフルエンザウイルスを作った河岡氏は、今現在新型コロナウイルスのワクチン開発に、世界中の研究者との間でしのぎを削っているそうです。
 その河岡氏が、新型コロナのワクチンをつくるということはどういうメカニズムなのかを解説しています。
 新型コロナウイルスで人に感染するのは7種類だけだそうです。
 同じコロナウイルスのSARSと新型コロナウイルスはゲノムが80%近くが同じだそうです。
 なぜ新型コロナウイルス感染がこれほど拡大したのか?
  • 人類が罹ったことのないウイルスで、まったく免疫がなかったから
  • 世界がグローバル化して、飛行機など交通網がひろがったことによって、ウイルスが世界中に伝搬したから
 今世界中の新型コロナウイルスワクチン開発は、遺伝子ワクチンが主流です。
 遺伝子ワクチンとは
病原体を複製するメッセンジャーRNAやDNAの断片を、ワクチンとして身体に直接投与することで、病原体の一部のタンパク質が細胞内で合成されそれに対する免疫があらかじめ獲得される。
 コロナウイルスは、外側にスパインという突起があります。
 これが人間などの細胞表面にある受容体と結合し、細胞に侵入して感染が成立します。このスパインは、s−タンパク質から成り立っています。
 新型コロナワクチンとして開発中のRNAワクチンとは、s-タンパク質を複製するためのメッセンジャーRNAを作り、それをワクチンとして体の中に直接注入すると、細胞の中にs-タンパク質ができます。
 するとs-タンパク質に対する抗体がつくられ、s-タンパク質に結合します。
 ウイルスが体内に入っても、s-タンパク質が細胞の受容体に対する抗体がすでにできているので、入ることができなく、感染が阻止されます。
 ただワクチンの安全性に関して、ワクチンを接種することで、ADE(抗体依存性感染症増強)という病気が重篤になる現象が起きることがあります。
 RNAワクチンの他の方法として、河岡氏のチームは、インフルエンザウイルス合成で成功したリバース・ジェネティクスという、ウイルスを人工合成する技術を使って、新型コロナウイルスを作り、変異を導入して病原性がないようにした上でワクチンにできるかを研究しているようです。
 また人工抗体法は、感染から1か月後の柿福した患者さんの血液をもらって、その中から抗体をい発現しているメモリーB細胞を選び、そこから抗体の遺伝子をコードしているメッセンジャーRNAをより出して、遺伝子配列に基づいて、人工的に抗体をつくるという方法です。
 またさらに、新型コロナウイルスに対して、インフルエンザウイルスで治療するという方法もあるようです。
 その方法とは、新型コロナウイルスが人の細胞に侵入するには、ACE2という人の細胞膜にあるタンパク質がレセプターになります。
 ACE2はさいぼうまくに突き刺さっている状態ですが、その突き刺さっている部分を取り除いて、新型コロナウイルスがくっつく反対側の部分sACE2)だけを作る遺伝子を合成します。このsACE2遺伝子を一回しか増強しないようにしたインフルエンザウイルスに組み込み、これを新型コロナウイルスに感染した患者に導入します。
 すると体内でsACE2が新型コロナウイルスにくっつことで、細胞の表面のACE2レセプターに新型コロナウイルスが結合するのを邪魔することができます。
 なんだか、ウイルス開発の最前線はSF世界のような実験が行われているのですね。
 とにかく、早く安全なワクチン開発が待たれます。

miki00011 at 11:01|PermalinkComments(0)

2020年10月21日

ダイエットの経済原理

 ロバート・バーネット、クリストファー・ペイン氏の「やせる経済学」を読みました。
 経済学者である二人は、ともに典型的な欧米人型肥満者でもありました。
 あるとき、バーネット氏がダイエットを決意し、実行し、その成果が目に見えるようになった時、仕事のパートナーでもあるペイン氏もダイエットに興味を持つようになりました。
 そして、経済学者として、「肥る」という現象を、需要と供給のバランスの崩れという経済原理と捉え、食べたもののカロリーを経済の財とみなし、ダイエットの新たな原理を経済原理で構築しました。
 それを実践し、そして見事に成功した自らの事例をもとに、食べることと経済は、同じ人間の営み=意思決定的行為であるということを立証しました。
 減量し、それを維持するのは、カロリーではなく、行動の問題。
 欧米人、特にアメリカ人の個々数十年の肥満人口のうなぎのぼり現象には、社会経済的な背景があることを二人は指摘します。
 食品の加工と包装を含む大量生産技術の進歩により、食品の量が増え、種類が増え、食事の時間が増えれば、当然過食へとつながる。 
 問題は需要と供給の両方にある。
 このような社会経済状況の中で、個人が試みるダイエットは、「みずからに課した食事の緊縮政策」であると両氏は捉えます。
国家が明日の経済危機を避けるために、今日支出を削減するように、ダイエットに取り組むときは、明日の健康を危機にさらすのを避けるために、今日食べる量を減らすことをまなばなければならない。
 そしてダイエットのぐたいてきな方法として、毎日体重を測定することだといいます。
減量の最大の味方は、毎日体重を量ること。
減量を諦めないためには、自分の進歩を測り、何を正しく、何を間違っているかを知る必要がある。
食べたものが翌朝の体重にどう影響するかを実験する。
そうすれば、自分の身体が理解できるようになる。
毎日活動量が同じならば、何を食べると体重が増し、何を食べると減るのかがわかるようになる。
 それは習慣としてではなく、意識的に食事することを意味します。
 けれども、先進国での肥満の増大は、社会経済的に根深い背景があることを、経済学者として両氏は「肥満は市場の失敗」と呼びます。なぜならば
負の外部性と呼ぶ、需要と供給の原則では負担できない予想外の費用が発生している。
からです。負の外部性が発生する原因は「情報の非対称性」にあるといいます。食品に関するデータの情報公開が遅れていることなどによって、消費者は自分自身が摂取した食品のカロリーや栄養素を正確に知ることができなくなっているからです。
 そこから自衛するためには、調理済み食品を買ったり、レストランで食事したりするときに、カロリー計算ではなく(正確にできないので)、カロリーを「意識する」ことが役立つだといいます。
 カロリーを「意識する」ことによって、情報過多の状態に陥らずにより良い選択ができるからです。
 さらに減量は、短距離走ではなくマラソンに例えられます。
 それは経済学の「費用便益」の考え方と同じで、長期的な費用と便益を比べると、量の多い食べ物は、支払う費用以上の犠牲(肥満や健康障害)が発生するため、結局は、製品価値が小さくなると。
 そして何かを食べることは、食べれば食べるほど、次の一単位から得られる満足度(限界効用)は小さくなること→収穫逓減の法則で表されます。
 それに対する対策は、食べるものを変えないと、食べすぎを防ぐことができることです。
 また、ダイエットの成功とは、身体の状態をある均衡から別の均衡へと移行させることだといいます。
肥満の問題に向き合い、食べる量を減らして、より健康的な未来を迎えるために、新たな均衡へと移行することは、経済においては個人支出を抑えて、豊かな未来のために貯蓄を増やし、実体経済への投資を増やして、長期的な成長力を高めるという新しい均衡に移行するのと似ている。
 こう考えると、食べる行為と経済の原理は、同じ人間の欲望が行動に現れたものであるので、同じ原理であることが納得できます。
 そして現在の経済が陥っている問題が、それを営む主体であるヒトの本能的な行為=食べる行為に現れているのも必然的なのだと感じました。
 その意味で、経済に精通されている両氏が、自身の身体というシステムを修正する方法として、経済理論に則ったのは理にかなったものであると思いました。

miki00011 at 11:21|PermalinkComments(0)

2020年10月20日

環境の変化を拘束条件としてとらえるーレリジエンス

 ハーバード・ビジネス・レビューから「レリジエンス」を読みました。
 コロナ禍は全く思いがけない現象でしたが、昨今のグローバル化した社会で、めまぐるしく変化するビジネス環境で活躍するのに、今、最も必要とされているもの、それは「レリジエンス」だとし、
 それは、何か、どのようにすればそれを獲得できるのかを提唱しています。
 「レリジエンス」の定義。
不運が重なり、心が折れそうになっても、なんとか踏みとどまる力。
打たれ強さ。
挫けない精神。
逆境から立ち直るしなやかさのようなもの。
 そしてこれは、個人の資質であるけど、むしろ、周囲との関係性の中に立ち現れてくる性質だといいます。
 レリジエンスはなぜ今求められているのか?
 それは、レリジエンスの持つしなやかさが、現在の先の見えない世界において、私たちの潜在的な力を喚起するドライビングフォースになると考えるからです。
環境の変化を外乱として嫌うのではなく、むしろ、拘束条件として運動の自由度を上手に減じるために利用する。
 変化によって被る事態を不自由として否定的に捉えるのではなく、むしろ拘束条件の厳しさ=自由度の限定は、人類の歴史においても、多くのブレークスルーを生み出してきたことを思い出し、肯定的に積極的に利用していこうという精神。
レリジエントな行動を生み出すのは、用意周到なプランではなく、むしろ多くの選択肢や運動の自由度の存在。そして環境の変化させも味方にしてしまう敏捷性。
 レリジエンスの高い人とは
  1. 現実をしっかり受け止める力
  2. 「人生には何らかの意味がある」という強い価値観によって支えられた確固たる信念
  3. 超人的な即興力
 その際キーワードとなるのが「ブリコラージュ」力です。
 「ブリコラージュ」とは、構造人類学者レヴィストロースが作った言葉で、未開の人たちが、自然にあるものを利用して様々な生活に必要な道具を臨機応変に作り出していくことを表現したもので、
一種の独創的な能力。必要なツールや素材が手元になくても、問題解決策を即興的に作り出せる能力。
 これは、どんな状況にあろうとも、自らの力で何とかするという能力と言えます。
 しかしながら、人間には扁桃体、すなわち、危機を察して闘争・逃走反応を誘致するレーダーが脳の前頭前野にあります。危機的な状況で、扁桃体が反応し、遂行能力を乗っ取ってしまいます。
 しかし、この乗っ取られた状態から速やかに解消へ向かうことがレリジエンスに繋がります。。
 レリジエンスを発揮するコツは、
  • ポジティブなものに目を向け、それに感謝の念を抱く
  • 失敗を学習の機会だとみなせば、そこから学ぶべきことを誰もが知っている
  • 回復に必要な時間を十分にとる。
 そしてレリジエンスを構成する三つの要素とは、
  1. 感情的知性
  2. 自分を偽らない
  3. 敏捷性
これらを意識して鍛えることが、レリジエンスを育むことになります。
 今ほど、このレリジエンスが必要とされている状況はないと思います。 
 したたかで、しなやかな、生き様を実現するレリジエンスをぜひとも身につけていきたいと思います。

miki00011 at 11:05|PermalinkComments(0)

2020年10月19日

体に効く「インターバル速歩」

 能勢博氏の「ウオーキングの科学」を読みました。
 能勢氏の提唱する「インターバルウオーキング(最大酸素摂取量の70%の速歩と40%以下のゆっくり歩きを3分ずつ繰り替えすウオーキング)」が身体に与える機序を科学的に分析し、その効果が身体にどのような影響を与えるかを、能勢氏が地元信州の住民の人たちを対象に10年以上実施したデータから立証しています。 
 ちなみに私も一度挫折した(インターバルウオーキングの原理を理解していなかったので)インターバルウオーキングをこの本を読んだ9月初旬から再挑戦し、効果は早1週間後ぐらいから出始め、1か月以上が経過し、その効果の大きさに驚いています。
 高齢者の体力の低下の大きな要因は「筋持久力」であると能勢氏は考えます。
 持久力の評価は、運動時に筋肉で単位時間当たり最大どの程度の酸素を消費できるかで計られます。
 持久力の高い人とは、ミトコンドリアで単位時間あたりに多くの酸素を消費できる人のことです。
 「筋持久力」とは、一定の強度の運動を持続できる能力を示し、筋肉のミトコンドリアに十分な酸素供給があって、エネルギー源の供給があれば、筋肉が無制限に動き続けることができます。
 筋疲労物質は、以前は乳酸だと思われていましたが、筋肉運動に伴う乳酸の分解で発生する水素イオンが疲労物質で、乳酸イオンは有酸素運動によって、エネルギー源として再利用され、疲労物質ではありません。
 持久力は、20歳をピークとして、10歳加齢するごとに5〜10%低下します。
 体力の低下は、「慢性炎症」の原因となります。なぜならば、加齢に伴うミトコンドリアの機能低下が体力の低下の原因ですが、ミトコンドリアが古くなると、活性酸素という排ガスを出すようになるからです。これが細胞を破壊し、慢性炎症を発生させます。
 多くの高齢者に熱中症=熱失神が生じる機序は、
体温が上昇すると、皮膚温度が拡張するので、より多くの血液が下半身に貯まります。その結果、血液が心臓に戻ってこなくなり、一回心拍出量が低下し、それが心拍数の増加で保証できなければ、心拍出量が減少し、血圧が下がり脳血流が低下して失神します。
 延髄にある血液運動中枢は、体温調節中枢から体温が上昇しているから皮膚血管を拡張しなさいという信号が来て血圧を低下させます。しかし、心臓に戻ってくる血液の量と心臓の壁の伸展度合いをモニターし、血圧を下げないように信号をだします。
 脳の血流を維持することが優先されるので、血圧は維持されたまま、体温は上昇するので、熱中症になってしまいます。
 これを防ぐには、もともと血液量が十分にあれば、高体温によって皮膚血管が多少拡張しても、心臓に戻ってくる血液量が一定量維持されて、体温の上昇に比例して、皮膚血液量が増え続け、体熱を放散しつづけることができるので、失神は生じません。
 筋肉をつけて水分を保持することが、熱中症の予防にもなります。
 インターバルウオーキングは、速歩3分+ゆっくり歩き3分×5セット=30分、3〜4回/週のエクササイズで、年齢、性別に関係なく、下半身の筋力がつく効果があります。
 初めに挫折したのは、3分という時間にこだわりすぎて、ストップウォッチ片手に歩いたりするのが煩雑だったからですが、最大酸素摂取量の70%の運動を続ける限度が3分であるということ、逆に3分ぎりぎり続けられる運動強度が最大酸素摂取量のウオーキングであるという原理(能勢氏がどの年齢の人にも可能な運動として考案した)を理解して、一度3分ごとの速歩とゆっくり歩きの距離の目印をつけて実施すると、いちいちストップウォッチで計らなくてもおおよそのめどでできる手軽さを体感しました。
 さらに、運動後30分以内に消費されたブドウ糖の取り込みに伴って、アミノ酸の取り込みも亢進しています。筋トレをする人は、その時にプロテインを摂取しますが、能勢氏は、糖質とタンパク質両方を含んでいる乳製品(牛乳やヨーグルト)を180cc摂取することを推奨します。
 それは疲労回復だけでなく、筋力亢進と、筋肉内のミトコンドリアが活性化され、活性酸素などの「排ガス」を出さなくなり、慢性炎症の抑制も引き起こすことができるからです。
 私もさっそく、インターバルウオーキング後、30分以内にヨーグルトを摂ることにしました。 
 確かに、14年間ジョギングを続けてきてつかなかった筋肉が(有酸素運動は筋肉がつかないのですが)、1週間でしっかりついてきているのを実感しています。
 買い物ついでに、緑道を毎日インターバルウオーキングするのが楽しみになってきました。

miki00011 at 11:31|PermalinkComments(0)

2020年10月18日

嗜好を変えるには思考を変える必要がある

 南和友氏の「老いるほど血管が強くなる健康法」を読みました。
 南氏は日独で長年血管の研究をされてこられました。
 私たちの健康は血管力に左右されている。
 では「血管力」を高めるためには、どうすればいいのか?
自律神経をコントロールして、血管を高める生活習慣を築く。
 血管の状態が、血流の状態を決め、血流の状態は、細胞の代謝の状態を左右します。
 血管に良い生活習慣でまず挙げられるのは、運動です。
運動することで、骨に直接刺激が与えられ、骨が活性化して造血力が高まります。
さらに太陽の光でビタミンDが作られる。ビタミンDは、カルシウムの吸収を高めるため、骨の新陳代謝が活発になります。
 次に血管によい生活習慣で重要なのは食事です。
HDLコレステロールを増やすことで、プラーグは退縮して、血管は柔らかくなります。
タンパク質は、血管中膜の結合を強くすうrので、動脈壁そのものを強くします。
 そして血管によい生活習慣でぜひ必要なのは、感動です。なぜならば、感動することによって、心臓の拍動流が高まるからです。
拍動流にはその動きによって血管内皮が刺激されNOが増加します。血管内皮にはエンドセリンが血管を収縮させるがNOはこれと拮抗し、悪玉コレステロールの沈着や酸化を防ぎ、動脈硬化を防ぎます。
 健康には生活習慣を変えることが必要で、生活習慣とは嗜好の集積。
 嗜好を変えるには、思考を変える必要があると南氏は考えます。
 そのために、血管の状態に影響を与える、「運動」、「食事、「感動」について、何が良くて悪い生活習慣なのかを考え、自身の嗜好を変え、しいては生活習慣の改善へとつなげていきたいと思います。

miki00011 at 11:04|PermalinkComments(0)

2020年10月17日

栄養素を考えた食材

 新谷弘実氏の「水と塩を変えると病気にならない」を読みました。
 食べ物を変えれば、食べ物の栄養素によって作られている細胞の質が変わると新谷氏は考え、
  • 砂糖
これら4つの食材の摂り方によって、それらに含まれている栄養素が細胞の質を変えるといいます。
 水は大事な栄養素として捉えます。なぜならば細胞に十分な水が届かなくなることで、古くなった水を新し水に入れ替えることがうまくいかなくなるからです。
 一日1.5リットル、飲料水として水分は水から補給することが必要です。
 理想的な水のミネラル成分配合は、カルシウム:マグネシウム=2:1
 カルシウムは、骨を作る成分であると同時に、全体の1%は、血液や筋肉の中に含まれ、神経や筋肉の働きを調整します。

 塩は製法によってミネラルの含有量が違ってきます。
  • イオン交換膜・・・海水のミネラルは失われている
  • 溶解法・・・再生自然塩(伯方の塩など)
  • 天日・平釜・・・海水を天日干ししたもの(海の精、キパワーソルト、ぬちまーす、雪塩、粟国の塩など)
 オリーブ油は、オレイン酸が多く含まれていて、善玉コレステロールを下げず、悪玉コレステロールのみを下げ、熱に比較的強いです。私は料理やお菓子作りの油はすべてエキストラバージンオリーブオイルを使用しています。
 「酵素」を多く含む食品は、
  • 新鮮である
  • 生である
  • 自然に近い条件で栽培されている
これらの特徴があります。
 毎日必ず摂っているこれらの食材を変えるだけで、身体に良い影響を与えることができることを知りました。

miki00011 at 11:42|PermalinkComments(0)

2020年10月16日

思考の老化には前頭葉を鍛えよ

 老年精神科医和田秀樹氏の「思考の老化をどう防ぐのか」を読みました。
 長年臨床で高齢者の精神病理に接してきた和田氏が、多くの高齢者の思考パターンを分析し、思考の老化予防を指南しています。
 思考の老化予防法は、脳の前頭葉機能を高めることが必要です。
 IQで測定されるのは、側頭葉+頭頂葉の機能、つまり記憶や知識を調べるだけです。
 それに対して、前頭葉の機能は、創造力や意欲、新しい世界を切り開く力と関係します。
 そして前頭葉は予備能も大きいため、多少老化したところで別の部分で補完できると考えられます。
 けれども、構造的には脳が最初に縮むのは前頭葉です。前頭葉は老化の影響をダイレクトに受けるけれども、予備能も高いため、老化の影響を受けるまでにその予備能力を高めておくことが、思考の老化予防として有効です。
 前頭葉には、前頭極と呼ばれる自発性、意欲、気持ちの切り替えスイッチを司る部分と、運動前野と宇呼ばれる、創造性、意欲、感情のコントロールを司る部分があります。
 つまり前頭葉の機能のポイントは、
  • 意欲と感情のコントロール能力
  • 思考のスイッチ
  • クリエイティビティ
では、どのようにして前頭葉を鍛えるのか?
 前頭葉を鍛えるのは、高等教育以降の学習です。
 テレビのような「答え」しか言わないメディアにばかり接していると、自分で考える必要がなくなり、前頭葉の機能が落ちてしまいます。高齢になると日がな一日テレビをつけっぱなしにしている人がいますが、これは前頭葉の機能を衰えさせるということで、改めなければなりません。
 思考とは、側頭葉や頭頂葉にある知識や記憶と、前頭葉がもたらす創造性や意欲が、相互に行ったり来たりする状態です。
 思考の老化が恐ろしいのは、自分の経験の中で確率の高いことがスキーマやバイアスになっていることが多いのですが、改めてそれが正しいかどうかを疑えないところです。
 こうして知らず知らず前頭葉の同じところばかりを使っていき、全体が萎縮して、思考の硬直性が高まっていることを本人が意識できなくなります。
 思考の老化を防ぐには、変化を嫌ってはいけないと和田氏はいいます。
 そして、言われることについて「そうだったのか」とよく考えもせず、すぐに納得するのではなく、「そうかもしれない」と思考することによって、前頭葉が活性化されます。
 自分と正反対の意見と対峙するのはエネルギーを使うので疲れますが、脳にとっては大きな刺激となります。
 だからSNSなどで自分と同じような意見の人たちだけとコミュニケーションすることは、前頭葉の機能を衰えさせる危険性があります。
 積極的に前頭葉を鍛える勉強法は、入力よりも出力の割合を増やすことです。そのためには、「試して行う」という一連の行為が重要です。そして実際に動いてみた結果に対して、きちんと分析と評価をしなければなりません。
 思考の老化を防ぐには、いくつになっても前頭葉に刺激を与えることをし続けなければならないのだとわかりました。
 

miki00011 at 11:05|PermalinkComments(0)
Archives