2007年05月19日

愛すべき負け犬の国民ーアイルランド人

 経済史家高橋哲雄氏の「アイルランド歴史紀行」を読みました。ケン・ローチ監督の「麦の穂をゆらす風」を観て以来、アイルランドの特にナショナリズムに対する興味をおぼえていました。
 緑豊かな風土の様子、大国イギリスからの支配抑圧を受け続けた歴史、そしてアイルランド人のもっとも顕著な特質であるカトリックへの厚い宗教的帰依を、豊富な知識によって解き明かした一級のアイルランド紀行文となっています。
 アイルランド人U2のボノが、アフリカ諸国の債務の帳消しを働きかけるために債権国代表であるアメリカのブッシュ大統領と会談したことを指摘して、日本にコンサートで訪れた際筑紫哲也の「ブッシュ大統領におもねりすぎるのではないか?という声もありますが」との質問に対し「目的を果たすためには悪魔とも手を結ぶさ!」と言い放っていたのをテレビで見て、これがアイルランド人ならば慣れ親しんだやり方であるということをこの本で初めて知りました。
 「敵の敵は見方」という考えは、数百年に渡って抑圧と貧困・飢餓に徹底に苦しめられた国民が抵抗する手段として残されたしたたかな戦略なのだそうです。だからだから第一次世界大戦中はドイツと手を結び武器を輸入して独立運動の蜂起を試みようとしました。しかし、歴史上何度も繰り広げられた独立運動の失敗要因ー計画性のなさ、仲間われ、情報不足などによりそれも失敗してしまいました。
 しかし、アイルランドナショナリズムのユニークさは、そのような「まぬけな(私自身の考え)」失敗であるにも関わらず、いやだからこそ、事件の首謀者の処刑の際、処刑者は自分たちの失敗を殉教へと仕立て上げたのです。それによって独立を果たすことができました。
 高橋氏いわく
 情欲、怒り、恨み、見栄、劣等感、そして演技衝動。こうした「情熱と失敗」の記念碑をアイルランドのあちこちにみつけることは、おそらくどの国よりもたやすいのではないか。
 ニューヨークの警察・消防士にはアイルランド系の閉める割合が極端に高いそうです。よく映画やドラマなどで人間臭い彼らの生業が描かれていますが、それらが繰り返し取り上げられるのは、彼らの表面上の数々の失敗の心の底に正義を愛する計算抜きのアイルランド魂の情熱にひかれるからでしょう。

miki00011 at 06:46│Comments(0)TrackBack(2)

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