2008年01月29日

禅と脳

 脳神経の研究をされている有田秀穂氏と玄侑宗久氏の対談「禅と脳」を読みました。
 有田氏は脳神経の中でも、特にセロトニン神経について研究なさっています。
脳の活動に影響を与える神経として、ドーパミン神経・ノルアドレナリン神経・そしてセロトニン神経の3種類がありますが、それぞれ担う役割が違っています。
 ドーパミンは快楽を感じる物質を分泌し受容体と結合し、ノルアドレナリンはストレス、痛み・不快感などを感じる物質を分泌し、セロトニンは、脳の特定の働きに結びつくのではなく、脳全体の働きを潤滑にします。
 鬱病は、セロトニン神経から分泌されるセロトニンという物質が不足するために、脳が不活発になったり、セロトニン神経が脳全体に分布しているために、記憶を司る領域がいたずらに活発になり、過去の記憶に囚われてしまうといった症状になやまされたりします。
 有田氏によると、セロトニン神経を活発にするには、大脳皮質の働き、言語活動が休止した状態になることが必要だといいます。そうすると、脳の下位の部分、呼吸や摂食や性などを司る脳幹の部分が活発になり、そこから分布しているセロトニン神経が活性化されて、身体全体が爽快な心地になるといいます。
 セロトニンが活性化されている状態というのは、玄侑氏によると、座禅や瞑想における状態と同じことで、仏教の修行は、そのようなセロトニン神経が活性化されている状態になるゆうに促すものであるということがわかります。
 禅は「ものごとにとらわれない=悟り」の境地に至ることが修行です。それは脳神経の働きからいうと、セロトニン神経が最も活性化された状態ことのようで、セロトニン神経を活性化する3つの身体運動は、呼吸・咀嚼・歩行だそうです。どれもリズミカルな筋肉の動きが、脳幹にあるセロトニン神経に作用しているのでしょう。そして、それは、禅の修業の中にまさに取り入れられています。
 そして、セロトニン神経は脳だけでなく、実は一番多く分布しているのは腸管だそうです。日本文化は昔から腹の文化だといいますが、腸の蠕動こそは、情動を生み出し、それが脳に作用して心という現象を作っているのだという西原克成氏の説も納得できます。
 それにしても、仏教は、仏陀自身が、自らの身体を駆使して、脳の作用をコントロールし、自他の区別が消失し、世界と一体化する三昧の境地を実現させたという、ものすごい宗教だと改めて感心しました。

miki00011 at 06:54│Comments(0)TrackBack(1)

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