法定速度内の運転と言ってもこの日は燃えるものがあった。
「このままA110にやられっぱなしで良いのか?」
「良いところを見せてほしい」
確かにA110は評判通りのマッキナ。
一般道での走りが良過ぎて自分の所有しているフェラーリでは感覚的に叶わないのだ。
常に路面とコンタクトが取れてる、脚が路面に追従している、軽い車体、トルク感ある不足の無いエンジン。素晴らし過ぎる。
ただ唯一気になるところを書くと、タイトコーナーが連続するところでうっかりシフトダウンすると。
「ヴァ〜ン!」という音と共に ダウンするのだが、どうもこの感触が良くない。
「今、一瞬遅れたよねシフトタイミングが!」とツッコミを入れたくなるのだ。
まぁただターボエンジンなので「シフトダウンなんてしなくてよかった」という感じでもあるのだが。
その部分を比較すると「フェラーリは違う、高揚感が揚る場面だ」
誰かが「あの大袈裟なシフトダウンは嫌だ」みたいなことを書いていたのを見かけたことがあるが、自分としては「あの感覚は最高だ」と思う。
で、この日はどうだったのかと言うと。
まず道が空いていて良かった。
当然法定速度内の走行とは言っても40km以下で走る車両もいる、そして譲ってもくれない。空いているに越したことはない。
そしてスクーデリア自体の調子もいつも通り良く素晴らしいパフォーマンスを連発!
とても気持ち良いドライヴィングができた。
いつもならアクセルを少し緩めるところを若干遅らせてフロントタイヤに圧をかけ気味に回ったりもした。やはり信頼関係が築けると運転が楽しい!!
そしてスクーデリアのエンジンの伸びは素晴らしい。
5千回転以上回してしっかりトルクを出せば本当に力強い上にキレのある走りが楽しめる。
もともとブレーキには絶大な信頼を寄せている、冬場は硬さばかりが気になるCup2タイヤのグリップもさすがにこの陽気だと安心感に変わる。タイヤが安心だとブレーキへの信頼はさらに増す。
実際に500馬力クラスのクルマの中で車体の軽さもあるとは思うが、ストレートパフォーマンス、ブレーキパフォーマンスはいまだそんなに低くはないだろう。
「あの感覚を思い出すとまた乗りたくなるな!」
なんて素晴らしいことだろう。
確かにA110は間違いなく素晴らしいが、自分のスパルタンなフェラーリはやはり「今日は真剣に向き合うのだ」という気持ちで乗らなければ本当の良さは味わえないのかも知れないと思った。
次は599GTOと真剣に向き合おう。