前のブログに書いたが、注文していたMCトランスが到着した。
オシャレな小箱入り。
ソフトンのPLT-1(6800円)である。
ソフトンのフォノイコライザー に内蔵されているMCトランスを単品で販売(しかもお安く)してくれている。
そのフォノイコライザー は管球王国でも取り上げられていて、なかなかの高評価だった記憶があるので、MCトランスを購入するならまずはソフトンのPLT-1にしようと思っていた(安いから)。
元々使っていたのがタムラの10Ω:600Ωのトランスで、ギリギリ何とか使えるレベルまで昇圧してくれていたのだが、SN的にもう少しゲインが欲しいところだった。
そこでMCヘッドアンプの製作に挑戦したものの、バランス受け状態でのハム退治に挫折。
ほぼ衝動的にソフトンのPLT-1を注文していた。
数日で到着して開封してみると、上写真の様な小箱に入っていた。更に開けると黒い鉄製のシールドを纏ったMCトランスが出てきた。
さてこのPLT-1は24倍と12倍の昇圧ができる上、バランス巻きになっている。バランス型フォノイコライザー を計画している身としてはありがたい。
PLT-1の取説より。
PP300はインピーダンス的には低インピーダンス(4Ω)だが、出力が0.28mV(写真にあるDL103は0.3mV、MC20は0.07mV)なので、12倍の昇圧で問題無さそうだ。
ただSNをより稼ぎたいのでフォノイコライザー 的に問題無ければ24倍でも良いかも知れない。
まずは24倍(写真左の並列接続)から試してみた。
尚、ソフトンのフォノイコライザー ではトランスの2次側に18kΩの抵抗を入れているが、手持ちに18kΩが無かったので(買いに行こう)、とりあえず20kΩの中から低い値(19.5kΩ)を探して接続する。
さぁ試聴…が、ハムノイズが酷い。
まぁ、ちゃんとアース(GND)を取ってないから当たり前なのだが、PP300をバランス接続しているから、現状の接続(写真左)のどこでアースを取って良いのかがわからない。
ソフトンのフォノイコライザー はトランスのマイナスとなっている所を全てアースに落としているが、それでもハムノイズは無くならない…。
その後あちこちをアースに落としてみたが、一向に答えが判らなかった。
そこで「PP300バランス接続」でGoogle先生に聞いてみたところ、フェーズメーション(PP300の会社)のHPにMCトランスのバランス接続に関する解説があった。
その解説によると「T-500はバランス受けが可能です。 シグナルグランドを入力の中点に設定する 事により、完全バランス伝送を実現します。」とある…。「シグナルグランドを入力の中点に設定」…。
それだ!
こゆことですなぁ
12倍用の直列接続図を見ると、白と黄色の接続部が巻線の中点になるので、そこをフォノイコライザー のアースに接続すれば良さそうだ。
早速接続をやり直す。
するとどうだろう、上手い事ハムノイズが激減してくれた。
よしよし。
さぁ試聴試聴といつもの「ダブルビジョン」を再生。
2次側の抵抗値がソフトンの値よりも若干高いのが原因なのだろうか、高域に少々ピークを感じる。
卓のチャンネルフェーダー上のEQのハイレベルを若干下げる。そもそものEQポイントがずれているので、根本の解決にはならないが、ましにはなった。
非常に現代的な音だ。クリアーで伸びた高域、トランスの大きさの割にちゃんと出る低域。
「ダブルビジョン」を最後まで聴いた後にダイアナクラールを聴いてみた。
ダイアナクラールのレコードはDECCAもDL-1000Aも苦手としており、どう言う訳か必ず歪むが、PP300は問題無い。
スモーキーなボーカル高めのミックス。
音像のかっちり感は、元々使っていたタムラトランスとは明らかに違う。高域特性の違いだろうか?