魔法のパン屋さん

創作イラストをまったり掲載しています

2月から新しいプリキュアが始まりましたね。
今回のHUGっとプリキュアのキャラデザインは、昨年よりも私好みです。

可愛いキャラは無性に描いてみたくなる性分です。
娘からキュアアンジュ描いて!とリクエストがあったので早速描いてみました。
私にしては、けっこう大きめのサイズです。
なかなかの出来かなと、自己満足です。

「何か写して描いた?」と娘から突っ込まれてしまいましたが、決してコピペなどはしていませんので悪しからず・・・


キュアアンジュ

久しぶりの更新です。

イラストのお仕事をいただきました!
いつもお世話になっている方からのご依頼です。

原画というか、参考資料をいただきまして、それがとてもふわっとした優しいタッチのイラストでしたので、そんな雰囲気を出したいと思いながら描かせていただきました。
こういった感じの帽子を描くこともあまり無かったので、とても楽しく描かせていただきました。

最近はずっとドット絵一辺倒になりがちですが、やはりたまにイラストを描くのはとても楽しいです。

どうもありがとうございました!



茜銃杖32

最近ずっと多忙で更新していない日が続いていました・・・

ここ最近はドット絵のお仕事をメインに携わっています。
イラストのお仕事とはまた違い、とても楽しく作業させていただいています。

ドット絵のお仕事は複数のご依頼を一度にいただくことが多いので、納品完了まで意外と時間がかかってしまいます。

作品例を数点掲載させていただきます。
(無断DL・使用は厳禁です

黒騎士02  勇者  クレリック01   腐った死体01

 塔01  大きな城05  庭園01


ドット絵のお仕事をメインに活動してもいいかな・・・と少し考えているところです。 

いつもリピートしてくださっている方より、夏祭りのイラストのお仕事をいただきました!

光の具合を考えながら描くのはとても楽しかったです(^^)
喜んでくださったというメッセージもいただき、私としてもとても光栄でうれしく思いました。

どうもありがとうございました!


  SAMPLE056

映画庭園

17.虹子の下のどしゃ降りで

          *

「侑子、私たち、映画を撮ることにしたわ。ね、霧子」

「はい。二人とも帰宅部でしたけれど、二学期から映画研究部に入ったんです」

「そうなの。
 まあ、あなたが観たらメガホンを叩きつけるような出来になってしまうかもしれないけど。
 監督と脚本は、あなたが育ててきた部員たちがやるから、いいでしょ」

 気早な夏の光が、空ろな灰色を慰める面会室。
 私と霧子は、侑子に大切な報告をしていた。
 すっかり厳めしさの抜けた侑子は、あえかな微笑みを返してくれる。
 ただ、

「そう。それは大仕事ね。
 元登校拒否児と、元眠り姫には、かなり大変よ?」

 ブラックユーモアなのか本当に心配しているのかわからないあたりが、実に侑子らしいところ。

 いくらか場の緊張がほぐれたところで、私と霧子は顔を見合わせた。
 ただでさえ身長差がすごいのに、私だけ椅子に座っているから霧子が巨人に見える。

 それは、今こそ大切なことを告げようという合図。
 私はガラス越しでも想いが届くよう、彼女のほうへ身を乗り出した。

「それで、私たち、侑子と虹子が温めてきた、マリー・アントワネットを題材にした映画を撮ろうと思うの」

「…………!」

 侑子は言葉もなく、口に手を当てて感嘆する。

 私の後ろに立った霧子が、侑子のほうへ一歩、歩み寄った。
 それはもちろん、ためらいがちにじゃなく、自信に満ちた動作で。

「私が、マリー・アントワネット役をやろうと、皆さんで企画しているのです」

「霧子さんっ……!」

 そのとき侑子の大きな瞳の周りで、透明な水玉が夏の日差しにきらめいた。

 霧子の言ったことが意味するところは、自分が虹子の意志を引き継ぐということ。

「侑子さん、私はあなたのしたことが今でも許せない。
 でも、馬鹿らしいいがみ合いはもう終わりです。
 私、自分の命を救ってくれた虹子に、なんとか報いたいのです」

「うぅっ……」

 うつむいた侑子は、祈るように組んだ両手へと、涙の粒をこぼしていった。
 優しい光を反射するそのエナメル線に、私は励ましの声を投げる。

「だから侑子、あなたが台本をチェックしたり、演出の指示をしたりしてよ?
 そういうことなら、塀のなかからでもできるでしょ?
 何度も会いに来るから……」

「ありがとう、ありがとうございますっ……」

 侑子は面(おもて)を上げないまま、私たちに向かって何度も頭を下げていた。
 もう一度だけ顔が見たかったけど、そこで「時間です」の声がかかる。

「じゃあね」

「ごきげんよう」

 私と霧子が背を向けて少し歩いたところで──

「姉さん!」

 奇跡の声が私たちを振り向かせた。
 侑子が、もう半開きになったドアの隣で、涙に濡れた、けれども強い信頼の瞳を霧子に向けている。

「霧子姉さん! お元気で……」

「あなたこそ」

 霧子が優しく告げて、侑子がドアの向こうへ消えたとき、夏の太陽がいっそう強い眼差しで、この寂しい灰色の箱を照らしてきた。

          *

「これ、虹子の残骸」

 寮の中庭の休憩スペース。
 私はテーブルをはさんで座った霧子に、白い虹が埋め込まれた指輪を見せていた。
 真ん中に虹の形をした溝が掘られていて、そこに〈白いもの〉が埋め込まれた指輪。

「え!? 残骸って──遺骨ですか?」

「うん」

「どうしたんですか?」

「虹子、大空家のお墓に入れてもらえなくって、コインロッカーみたいなところに納骨されてるでしょ?
 だから、大空家と交渉してもらってきたの。
 霧子、あなたの叔父さんが力になってくれたわ」

 そう。霧子がいつか、
〈はい。大空家の娘ということになったんですが……、母親が違うわけですから、それなりにつらい生活だったみたいですよ?〉
 と言っていたとおり、虹子の育った家は比留田家ほどではないにしろ、かなり浅はかな人たちの集まりだった。

 そんななか、雷蔵さんに代わって粟辻を仕切るようになった叔父さんが、私の力になってくれたということ。
 三姉妹と仲のいい私に対して、粟辻の叔父さんはとても友好的で、彼がお金をちらつかせたら、大空家は簡単に遺骨を譲ってくれた。

 左手の薬指を、雪のような物静かさで飾る虹子の破片。
 ただ、霧子の心は少しざわついているようだった。

「左手の薬指って確か……」

 その意味のない問いに、私は軽い冷酷さで答える。

「一生外すつもりはない。一生涯、あの子のことを忘れないように」

 私の〈覚悟〉を感知したのか、霧子は話題を少しずらす。

「ひどい家ですね大空家も。
 三姉妹のなかでは、私が最も幸せだったのかもしれません」

 けれども、その霧子もまた、肉親や家の者を次々に失ってしまった。

「霧子、叔父さんとは上手くいってる?」

「ええ。遺産相続の件も、なんとか片付きましたし。
 叔父様とお父様、相続税のことまで色々と話し合っていたようで、国に盗られる額も最小限で済みました」

 この霧子という人は、表情を変えずに毒を吐くことがあるから面白い。

「そうね。金持ちから取った相続税を、恵まれない人たちにダイレクトに配るなら構わないけど。
 今の日本のシステムじゃ、粟辻がお金を持っていたほうが世のためだわ」

「お父様、本当に知っていたんですね。自分が近いうちにどうなるか……」

 霧子がうつむくと、この休憩スペースを照らす元気な陽射しも、悲観的な雲によってさえぎられた。

「侑子とあなた、父方の兄弟に引き取られたところが同じなのよね。
 侑子はそれで救われたけど、あなたはどう?
 上手くいってる?」

「ああ私の場合、もう二十六ですから。
 叔父とも年は離れていませんし、兄妹のようにやっていけたらって、話してます。
 父より性格が軽いですから、むしろ家のなかが明るくなった気さえしますよ」

「なら良かった。
 侑子のほうの伯父さんもいい人で、彼女のために有能な弁護士を雇ったんですって。
 彼女の少年院はここからすごく近いから、いつでも会えるし。
 ──って、あなたにとっては両親の仇なのに、ごめん」

「いえ。本当の悪は、侑子さんの両親と、粟辻の人間です。
 比留田家のネグレクトと、私の母のよこしまな替え玉計画がなければ、なんの事件も起きなかったでしょう」

「そうね……」

 結局は、大人になれない大人たちの愚行が諸悪の根源でした。
 というありがちなオチが、ただもう身も蓋もないやりきれなさをもたらす。

 私たちの悲しい心を演出するように、涙雨が中庭を湿らせだした。

「あら、雨だわ」

「ちょっと……どんどん強くなりますね」

 夏の不安定な空は、いつもこういう気まぐれなことをして、人類の生活にちょっかいを出してくる。
 気づけばこの休憩スペースは、長方形の質素な屋根のせいで、四方を滝に囲まれた谷底のような趣になっていた。 

 夏服のパフスリーブから露出する二の腕に、時折ふりかかる水滴が冷たい。
 ミレットカルフールの夏服は、リボンスカーフのついた白いブラウスに黒のスカートを組み合わせるスタイル。

 けれど霧子は白一色の中間服が気に入っていて、年中これを着るつもりかもしれない。
 もう〈白〉を主張する必要もないのに。

 水滴を指でぬぐううちにも、雨はますます勢いを増す。
 それはもう、霧子と私をこの水の谷底に閉じ込めるように。

 ────気まずい沈黙。
 霧子が〈なにか話さなければ〉とばかりに、言葉を無理にこねくり出す。

「あ、ああ、依里夜、もしもここに私がいなかったらどうしようかって、思っているでしょう?」

 とっさの一言でさえも、きちんと私の心を見抜いているから怖い。

「そうね。虹子は雲の上。侑子は塀のなか。三条さんも、転校しちゃうし」

 そう。三条さんは、〈近くで連続殺人のあった学校になど通わせられない〉という、過保護な親の意向で、別の学校へ移ってしまった。

 ただ、霧子の勉強の面倒は今でも見てくれているし、私たちの映画にもエキストラ出演してくれるとか。
 一時は、腹心の友といえる人物が四人もいたのに、悲しいかな二学期を待たずして、そのうちの三人がミレットカルフールからいなくなってしまった。

 友達はどこへ行っても友達。
 それは本当だけれど、できればこの場所でもっと、みんなと苦楽を共にしたかった。

 霧子は烈しい訴えかけをもって私の手を握ってくる。

「私だって、依里夜がいなったら最悪でした。
 今までの家族をすべて喪っても、こうして普通に生きていられるのは、あなたがいるから……」

「二人きりに、なってしまったわね」

「そうですね……」

 テーブルの上で握られた手にだけは、なぜか雨粒が叩きつけてこない。
 私は思った──この谷底も悪くないって。

「でも霧子、これって映画の精神なのよ」

「ああ、海が割れるという」

「違うのよ。
 映画を見てる間、人はその映画の出演者たちと過ごすでしょ?
 でも『THE END』の文字が出たら、また一人か二人で映画館を立ち去る」

「結局は〈個〉に返るのが映画……」

「でも、映画が心に刻み込んでくれた想いは、一生の財産になる」

 私がそっと目を輝かせて語ると、霧子は手を離して、また不安そうに胸の前で結ぶ。

「私たちに、それができるでしょうか?」

「さあ、それは、──!?」

 講釈を垂れようとした瞬間、まるで霧子の言葉を肯定するように、雨が止み、雲が晴れていく。

「虹──」

 立ち上がった霧子が眺める方角を見ると、雲の上から天の彼方へ、大きな虹がかかっていた。
 私はハッとして立ち上がる。

「霧子!
 今のうちにファーストシーンを撮るのよ、ここで!
 映画研究部のみんなを呼んでこないと!
 今日は日曜日だからみんないるはず!」

「そうですね」

 この虹はきっと、霧子の妹たちも見ている。
 ただし、一人は格子ごしに、もう一人は雲の上から。

 でも、私と三姉妹との友情は、いつか必ず大きな財産として形にできる。

 綺麗な虹がファーストシーンを彩る映画に、THE ENDの文字を飾ることができた、その日に。


~fin~

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