わたしは翌朝には男性と別れ、地元へ帰ります。
そして、いつもどおり男性の生活に戻り、勤め先のお店で店員として働いていました。
2日、3日経ち、男性からの連絡が気になりまじめた頃・・・。
「舞、今何している?」
勤務中に送られてきたので、仕事が終わった夕方にメールに気づきました。
「仕事の帰りです」
わたしは返信しました。
「家に着いたら、すぐ女の子になりなさい。いいね」
電車の中でしたが、わたしの気持ちが高まります。
帰って、女の子にならないと・・。
この間の週末のことを思い出し、下半身も興奮した状態へなっていました。
「着きました」
わたしは男性にメールをしました。
「このあいだ渡した下着の中に紫の下着があるだろう。それをつけなさい」
男性からすぐに返信がありました。
わたしは言われたとおり、紫の光沢のある下着と先日と同じようにスリップを身に付けました。
「メイクし終わったら、写真を送りなさい」
わたしは、自撮りの写真を男性に送ります。
「清楚なワンピースだね。素敵だよ」
Aさんのメールに、わたしの気持ちは女性モードに変わってきます。
すると、携帯に電話がかかってきました。
「もしもし」
女性を意識して、少し高めの声で電話にでます。
「可愛い声だね。姿も声もこの間より女性らしくなっているよ」
「ほんとですか。うれしいです」
メイクや声に自信がなかったので、Aさんの女性らしくなっているという言葉にうれしくなりました。
「舞の中にある女の部分が日に日に目覚めてきているようだ。自分でもわかるだろう」
「はい」
Aさんの言葉に乗せられ、気持ちが高ぶります。
「この間話した件だけど・・」
この間話した件?何のことだろう?
「知り合いの社長に舞の話をしたら、一度会ってみたいと言っていたんだ」
「えっ。本当に」
そんなことって本当なんだろうか。このとき私は半信半疑でした。
「いきなりだけど、明日東京まで出てこれないか?」
「仕事もあるし、明日は・・・」
すごく良い話と思いながらも、私は躊躇しました。
「仕事なんて休めばいいさ。こんな機会そうないぞ」
Aさんは言います。
「じゃあ、お願いします」
飛び上がるほどのうれしさを押さえて、私は翌日東京に行くことにしました。
2015年10月
しばらくして男性が部屋に入ってきました。
私は意識が朦朧としている状況でした。
「舞の目は本当に魅力的だな」
男性の言葉が聞こえてきます。
「少し疲れたかな」
男性はそう言うと、私の縄を解きました。
縄から解かれると、これまでの拘束から放たれ、脱力するような感覚に襲われます。
そして、私はシャワーを浴びるよう指示され、大きなバスルームで寛ぎます。
これまでに見たことのない立派なバスルームでした。
お金持ちの人はこういうところにこれるんだな。
せっかくなので、ゆとりの在る大きな湯船にお湯をため、体を大きく伸ばしました。
綺麗に毛をそった自分の肌が艶かしく見えます。
男性に怒られるかもしてないなと思いながら、ウィッグも外し、メイクも落としてしまいます。
「せっかくだし、いいよね」
私はこんなバスルームにそう入ることはないだろうと思い、好きにバスルームの時間を楽しもうと思いました。
こんな生活が出来るのなら、女性になるのもいいな。短絡的にこんなことまで思いながら、バスルームでゆったりとした時間を送りました。
バスルームから出ると、白いバスタオル、シリコンで出来た胸のパットと黒地に赤いや紫の模様の入ったブラジャーとパンティー、薄い紫色のスリップが並んでいました。
柔らかいバスタオルで体を拭き、下着をつけました。
メイクを落とした自分の姿が鏡に映ります。
眉毛も細く、エクステでつけた長いまつげのせいか、自分で言うのもおこがましいですが、鏡に映った自分の姿がメイクを落としていても女性に見えました。
男性の姿になると怒られるような気がしたので、一応、髪の毛にはバスルームの白いタオルを巻き、恐る恐る下着姿でバスルームを出ます。
これなら怒られないかな・・・。
少し不安でした。
男性がこちらを見ます。
「舞、こっちにおいで」
男性は少し高揚しているようでした。
メイクを落として、ウィッグも外しているのはまずかったかな。少し後悔します。
そして、私はソファーの横に座らされます。
「これすっぴんだよな」
やっぱり・・・。怒ってしまったかな。
「ごめんなさい。メイク落としてしまいました・・・」
すぐに謝ります。
「すっぴん姿も可愛いじゃないか。舞をもっと好きになってしまいそうだ」
よかった。私はほっとしました。
すると、男性は高揚している気持ちを抑えられないようで、ゆっくりと顔を近づけてきます。
「舞は喉仏もないし、天性の女性顔だな。髪をもう少し伸ばして、スキンケアをしっかりすれば、私の理想の女性姿だ」
「髪を伸ばして、あとは女性なんだから耳にピアスの穴ぐらい作ろう。いいな」
これまで冷静だった男性が、興奮しながら言います。
「でも、仕事が・・・」
私は男性に気を使いながらも、やんわりと切り出しました。
「仕事?。舞はどんな仕事をしているんだい」
「派遣でお店の店員をしています」
私は正直に答えました。
「女性店員かい?」
「いえ。男性店員です」
「わかっているよ。舞はまじめなんだな。洒落が通じないのか」
男性はこれまでにない表情で笑っています。
「舞がその気なら、知り合いに女性の姿で働かせてもらうように頼めるけど。舞はこう見えてまじめに働きそうだしな」
「こう見えて?」
私はにわかに信じられないことでしたが、女性の姿で働くということを想像し、気分が高揚してきます。
「ごめんごめん。見た通り真面目だから」
「ただ、言ってみないとわからないから、あまり期待されると困るけど、その気ある?」
「ぜひ女性の姿で働いてみたいですけど、、」
そんないい話はそう簡単にはないなと少し冷静になります。
「いざとなったら、今の仕事やめられないとかは勘弁してくれよ。大丈夫?」
「はい。大丈夫です」
私ははっきり答えます。すぐにでも今の仕事はやめよう。そう思いました。
男性はそれから、私を抱きしめ、ゆっくりとキスをはじめました。
「舞、綺麗だよ」
そう言いながら、何度も男性は舌を絡めます。
男性の舌が絡み合うたびに、私も積極的になってきてきました。
「あっ・・・。もっと・・。お願い・・」
わたし、何でこんなことを言ってしまうんだろう・・。
そう思いながらも、気持ちが高ぶることを抑えられません。
そして、その夜わたしは男性に抱かれ、一晩をすごしました。