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 ブログを書くことは大変に久しいことになってしまいました。
別会社の決算処理、新規2寸将棋盤製作等々に追われなかなか書くことが出来ませんでした。
 昨年の末、富山県の愛棋家豊田博保氏より、「漆の剥奪のある宮松駒の彫り埋め駒の修理は出来ますか。」との連絡を受け、「見てみませんとわかりませんが、多分出来るでしょう。」とお答えしたところすぐに当工房へ駒を持って見えられました。
使い込まれた宮松名の錦旗の彫り埋め駒でしたが、一目「静山宮松」の駒で、銀将 1枚と歩兵2枚に漆の剥奪が見られました。
 氏は静山による作品との答えに驚かれがっかりされたようですが、私にとっては非常に珍しい駒でそのことを説明させていただきました。
 「静山の手による宮松名の駒は数多くありますが、彫り埋め駒、彫り駒はほとんど存在せず、彫り埋め駒として見たものはこれで2点目です。私たちにとって静山の製作工程を見ることが出来るめったに無い機会で、是非やらせていただきたい。」とお話しすると、直してほしいとのことでした。
 3枚だけを補修すると、駒色に違いが出る恐れがあり、3ヶ月の時間を頂き、補修を始めました。
 最初に、他の駒にこれから同じように剥奪の恐れがあるかを調べましたが、大丈夫のようでした。剥奪した駒の漆を丹念に取れるところまで取り、駒字の周りをマスキングし、漆の色調整をして埋めて見ましたが、時期が時期だけになかなか乾いてくれません。約2ヶ月間乾燥をさせた後、マスキングの上から研ぎ出しをし、どうにか埋めることには成功しました。次に使い込まれて汚れた駒全てを年代感のある状態にまで少しづつ磨きなおしどうにか、自分なりに満足のいく程度になり先日度連絡をさせていただいたところ、HP上にそのことを書いていただければとのことで今日のブログ
となったわけです。珍しい駒ですので喜んでご紹介をさせていただきます。ブログの
関係で1枚しか写真を掲載できませんので、他の写真はHP上に掲載いたします。
 他に、作品集に「留形隠蟻組継」の箱を載せます。
俗に隠し蟻ホゾ組と呼ばれる指物の工法による駒箱です。材料はホンジュラス産の本紫檀に島桑の象嵌を施し、天面は網代をイメージした木画としました。
 以前、秀峰師と「中国のピカソ」と呼ばれる「古干」の甲骨文字による駒製作にたずさわり中国大使館でお披露目をした駒の箱として古干氏に贈呈をすることになっております。