2014年09月20日

米海軍特殊部隊Navy SEALs史上最悪の作戦を描いたローン・サバイバー4

ツタヤの新作コーナーにあったDVDを借りて来ました。

【STORY】
作戦に参加した4人のシールズは、アフガンの山岳地帯での偵察任務中、ある「決断」により200人超のタリバン兵の攻撃にさらされる。
それは世界一の戦闘能力を誇る隊員たちも死を覚悟する絶望的な状況だった。
しかし、あるひとりの兵士がその極限状況を生き延び、奇跡の生還を果たす。
いったい彼は、どうやって4人対200人超の過酷な戦場をサバイブすることができたのか?


ネイビーシールズとは米海軍の特殊部隊で、最近では2011年5月にウサーマ・ビン・ラーディンの殺害作戦を担当しています。ビンラディンの暗殺作戦を知ったとき、「何で海軍がこんなパキスタンの陸地で殺害作戦を実行するんだろ?海軍なら海での作戦を担当するでは?」と不思議に思いました。しかし、シールズという名称はWikipediaによると以下からつけられたそうです。
SEがSEA(海)、AがAIR(空)、LがLAND(陸)と、陸海空のアルファベットの頭文字から取られており、アザラシ(英: seal)を掛けたものでもある。その名の通り陸海空問わずに偵察、監視、不正規戦等の特殊作戦に対応出来る能力を持つ。


その名の通り、映画の冒頭はシールズの過酷な訓練シーンから始まります。腕立てやマラソン、泳ぎ、潜水などずば抜けた運動神経と体力が無いと合格できません。候補生は次々と脱落していき、最後まで残る者は心身共に優れた本当のエリートだけだとわかります。中には手足を縛ってプールに落とす訓練もあり、こんなことされたら死者が出てもおかしくありません。

(以下ネタバレあり)
その後、かっこいいイケメンの若者がシールズの部隊に配属されます。迎え入れるシーンがまたアメリカらしく、真面目なスピーチでは許されずおかしなダンスとお約束の誓いの言葉を言う事でようやくメンバーとして認識されます。(彼の後々の運命を知ると胸が痛みます。)

シールズは2005年6月に、アフガニスタンの北東部山岳地帯で「レッド・ウィング作戦」と称してタリバンの秘密拠点に潜入します。4人の偵察狙撃部隊が派遣され、可能ならそこの親分を狙撃して暗殺するというミッションです。

当初は予定通り順調に偵察地点まで到着しますが、なんとアクシデントが発生!偵察中の山中で山羊飼いの老人や子供を含む3名に遭遇してしまいます。他のサイトを見ると、「彼らをすぐに解放したのが判断ミス」と評されていますが、かと言ってその場で民間人3人を射殺していたらとんでもない戦争犯罪と糾弾されていたでしょう。後から考えれば捕縛して米軍ヘリコプターが来るまで一緒に連れて行くのが良さそうですが、適当な紐もインシュロックもなかったのでしょう。

この解放した子供が恐ろしい速さで下山して、タリバン拠点に通報します。この子供の身体能力を予期できなかったのが致命的なミスだったと言えるでしょう。

後は、ひたすらすさまじい戦闘シーンが最後まで続きます。敵はタリバン200名!ライフルやRPGでこれでもかと攻撃してきます。シールズの4人は崖から何度も落下したり、通信兵は通信機と指を撃ち抜かれたりしてとにかく痛そう。200人 vs 4人なのに、シールズは不死身の戦いをしてきますが、結局最後生存者は1名だけとなります。

アフガンの人々がみんな反米なのかと思っていましたが、後半に別の村(パシュトゥーン族)のアフガン人が米兵を救って匿います。その理由がまたびっくりで、「パシュトゥーンの掟」すなわち「助けを求めてきた客人は、どんな犠牲を払っても守り抜く」というものだそうです。パシュトゥーン族はタリバンが大嫌いだと言うのも初めて知りました。

今、「イスラム国」がイラクやシリアで勢力を伸ばしていますが、やはりタリバンと同様に極端な思想を持つ彼らについていけない地元の人たちも多いのでしょう。

さて、シールズのこの「レッドウィング作戦」というのを知らなかった私は、てっきり救出ヘリが2機来た時点で助かったのかと思ったら、とんでもない悲劇が襲います。攻撃型ヘリが随伴しないと、輸送機ヘリだけで敵地に行くのは大変リスクがあるんですね。

この偵察部隊の「判断ミス」で、シールズは史上最悪の犠牲者を出す事になります。(その何倍のタリバン兵が殺傷されているはず)

戦争の作戦では、「判断を遅らす事が最悪」とされているそうで、この時の指揮官の心情を考えると民間人を殺害しなかったのを責めるのは酷では、と思いました。結局、そんな優しい心情では生き残れないのが戦争ということなんでしょう。

持参した無線機が電波障害でつながらなく、その代わりにイリジウム衛星電話を使う、というのも興味深かったです。無線機はわかりますが、なんで衛星電話も調子が悪かったのでしょう?山陰になって通信衛星が捕捉できなかった?

いつも合理的な米軍らしく、この悲劇を教訓にしてさまざまな装備や行動ルールの改良や改訂を行ったことと想像します。

現代の戦争(タリバンなどの狂信的イスラム民兵 vs 近代装備された少数の米軍)の悲惨さを描いた映画だと思いますが、この作品を見て「自分も入隊してヒーローになる!」と志願するアメリカの若者も多いんだろうなーと心配しました。

あと、最後に実在のシールズ部隊の写真があり、アジア系の兵隊さんもいましたが映画では全員が白人でした。なんでアジア系の兵隊さんは登場しなかったのか不思議に思いました。英語ペラペラで屈強なアジア系の役者がいなかった??

ソマリアの首都モガディシュでの特殊作戦を描いた映画ブラックホークダウンが好きな方なら絶対ハマる作品です。

  
Posted by miliken at 16:54Comments(0)TrackBack(0)