2005年08月18日

オトナの夏休み(5)―nature―

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実は子どもの頃。
「アンデルセン」よりも、「ドリトルせんせい」が好きだった。
「グリム童話」よりも、「ファーブル昆虫記」が好きだった。

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家の中で本を読むのも好きだったけれど、
それと同じくらい庭や野原で、
しじみ蝶をつかまえたり、蟻の巣をつついたりするのが好きだったのだ。

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だからなのか、今も森や林や野山に行くと、
ついイキモノに目が奪われてしまう。
木漏れ日の中でオハナシを考えるよりも先に、
虫や動物を追いかけてしまう。

nature7中でも一番好きだったのは、
蝉の抜け殻。
小田原にあった祖母の家の裏手には雑木林が茂っていて、
そこには数え切れないほどの、蝉の抜け殻が落ちていた。
それを虫かごいっぱいに詰め込んで帰ったら、
その夜蝉の夢を見た。
半透明の抜け殻が、かさこそかさこそ音をたてながら、
あたしに向かってくるのだった。
翌日その抜け殻は、ひとつ残らず林に戻した。

青白く成長した蝉を送り出した抜け殻は、役目を終えて、
長い年月潜んでいた湿った土に、静かに還っていったのだった。


◆◇◆

セミは寿命が短いというけれど、幼虫として地下で生活する期間は、
『3-17年(アブラゼミは6年)ほどと長く、短命どころか
 全体の寿命は昆虫類上位である。』という。
それでも地上に出て太陽を浴びるのは、わずかに1,2週間。
それじゃセミは、その短い期間をどう生きるのか。
学校でちゃんと習ったはずなのに、いつの間にかすっかり忘れてしまっている。
知っているようでなんにも知らないのだ。
で、ちょっとだけ調べてみた。
(虫が苦手な人は、この先読み飛ばしてくださいねー。ごめんなさい)

オスの成虫のお腹の中には『音を出す発音筋と発音膜、
音を大きくする共鳴室、腹弁などの発音器官』があり、
この共鳴室というのはとても大きくて、
大声で鳴くヒグラシなどは、
『腹部を透かして見るとほとんど空洞に見えるほど』だという。
まるで楽器のようだ。
オスのセミにとって「鳴く」ことがどんなに重要なのか、
その体の造りからも分かるような気がする。
そしてその鳴き声は、まさにメスを呼ぶためのもの。
(『外敵に捕獲されたときにも鳴く』そうで、
そういえば子どもの頃セミを捕まえると、
耳がじんじんするほどに鳴いていたっけ)

一方、メスの成虫のお腹の中は『大きな卵巣で満たされ』ている。
そして『尾部には硬い産卵管』がある。
つまり、メスにとっては子孫を産むことが最も大切なことなのだ。
交尾をしたメスは枯れ木に産卵し、
その卵がふ化するのは『翌年の梅雨の頃』だという。
幼虫は枯れ木の上で最初の脱皮をおこなったあと、地下にもぐる。
木の根から樹液を吸って成長し、いくどかの脱皮を繰り返しながら、
また地上に出る日を待つのである。
何年ものあいだ、ずっと。

時を迎えた幼虫は、
夏の晴れた日の夕方、羽化をおこなうべく地上に出てくる。
『羽化のときは無防備で、この時にスズメバチやアリなどに襲われる』
こともあるという。
何年もかけてようやく光を浴びたというのに。
『翌朝には翅がのびて体色がついた成虫となるが、
 オスはすぐに鳴けるわけではなく、
 数日間は小さな音しか出すことができない。』 (参照:Wikipedia

いったいぜんたい、蝉はどうしてこんなに手間と時間をかけて、
一生を過ごすことになったのだろう。
昆虫や植物は、種の保存や子孫を残すことが「生きる目的」には違いない。
でも、それにしたって。

ここ数日、街路樹の「ゆりのき」にとまって鳴く蝉を何度か見た。
1本の木に5匹も6匹もいるのである。
それも手を伸ばせばすぐに捕まえられるようなところに。
蝉も必死なのだろう。
駆け足で過ぎていく夏の中で、懸命にメスを呼んでいるのだ。

今が盛りと賑やかに鳴けば鳴くほど、
セミの声はどこか哀しい。




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この記事へのコメント

1. Posted by kujira    2005年08月21日 22:59
数日たってのコメント。(笑)

うちのムスコも昆虫大好きです。

ただいま、カブトムシを飼っているんですが

卵27個・0才幼虫13匹も来年に向けて

新しい命が。

卵をマットから探し見つける度にムスコは

あっ!あった!うぉー

と叫んでいますよ。
2. Posted by なな    2005年08月22日 23:39
蝉が長い間、土の中で暮らすのは知っていたけど
17年も・・・の種類があるんですね〜
これまた、驚きです!!

人が本当の意味で精神的に成熟するのには
結構時間がかかる
なんか、土の中にいる蝉の幼虫みたいだなって
思った事がありますよ(笑)
蛹から出る時は、葛藤している時とか
すぐ擬人化して考えてみたりします(笑)
3. Posted by ミメイ    2005年08月24日 14:44
おおお。
左サイドの「コメント欄」が全然更新されず、
コメント頂いていることに気づきませんでしたー。
うぅ。すみません。

kujiraさん
カブトムシ!
この辺は蝉は佃煮にするほど(おいおい)いるんですが、
さすがにカブトムシは見かけません。
探せばいるんでしょうけれど。
カブトムシってやっぱりカッコイイですよね。
ムスコさんのカブトムシ。
みんな大きくなーれ。

ななさん
なるほど、ほんとにそうよねー。
ニンゲンだってちゃんとしたオトナになるには時間がかかる。
虫は「成虫」になると、きちんとオトナとしてのツトメを果たせるようになるけど、
ニンゲンは「成人」しても、中身はまだまだだものね。
ななさんも今脱皮してるのかな。
羽化したらきっと美しい蝶になるんだろうなぁ。
あたしも何度目かの脱皮をせねばならない時かも。
やれやれ(笑)

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