
もう、其処此処で梅が咲いている。年末から橘の実ばかり突いていたメジロも、甘く薫る花が咲いて嬉しいだろう、と思うものの、今日はなぜかメジロを見かけない。我が家の周りはいつもメジロが飛び交っているのに。彼らにもテリトリーがあるんだろうか。それにしても富士山というのは、思いがけないところから現われるもので、見つけるたびに嬉しくなる。

快晴とはいえ、歩き始めはやはり寒い。それで横着して立ち止まりもせず、歩きながら携帯でぱちりと撮ると、こんなものが撮れてしまう。まぁ、これはこれで面白いとは思うのだけれど。考えてみたらあたしの写真は、偶然の産物であることのほうが多いような。いいのかそれで。
歩いているうちに、ようやくホカホカしてきたのでバッグからカメラを出してミメオに渡す。ふたりで散歩するときは大抵このパターン。ミメオがコンデジ、あたしが携帯。引地川の橋を渡ると、電線に鳩が鈴なりになっている。遠景は携帯では無理があるので、ミメオにお任せ。試しに携帯でモノクロで撮ってみたら、バックの空が澄み切っているせいで、空が空に見えなくて、なんだか現実感のない絵になってしまう。鳥というのは空があってこそなのだな、とあらためて思う。

ほっこりと耕されて、きれいに均された畑の土。思わず手で掻き回したくなるような。そうもいかないので写真を撮ったら、ミメオもやっぱり撮っていた。が、同じ場所を撮ったというのに、どうしてこんなに違うものになるのだろう。カメラのせいもあるけれど(と思いたい)、ミメオの写真にはちゃんと柔らかそうな土が写っているのに、あたしの撮った土はごわごわと固そうだ。しかも、畑っぽくない。

しばらく歩くと、とあるメーカーの工場跡地にぶつかった。言わずもがな、かもしれないけれど、左がミメオ、右があたしの撮ったもの。ミメオの方は、広々として明るい。あたしの方は閉ざされていて、しかもあの赤い三角(?)ばかりに目がいっているのが丸わかり。

途中、コンビニで温かい紅茶を買ってひと休みしたり、方向がよく分からなくなってヒトに訊ねたり。でも空は相変わらず澄みわたったままで、マフラーも外すくらいに暖かい。丸裸の木がぽかんと立っていて、携帯をかざすうちに、なんだか眠くなってくる。街路樹を見上げると、まるで実がなるように何羽もの鳥がとまっていた。ミメオの撮った写真を見たら、なんだか「だまし絵」みたいで面白い。「この中に鳥がいます。何羽いるでしょう」。雀よりずっと大きくて鴉よりずっと小さな鳥。この辺ではよく見るけれど、いつも「何ていう鳥だろう」と言い合っては通り過ぎてしまうから、いまだに名前が分からない。

と、そんなこんなで無事駅にたどり着き、喫茶店で軽くお昼を食べて、電車で戻ってきたのでした。少し迂回したので、藤沢から辻堂まで、距離にして5kmほど歩いたことになる。海沿いを行くわけでもなく名所を訪ねるわけでもなく、住宅街や国道沿いを歩く、ただそれだけの散歩だったけれど、これがなかなか楽しくて。いつもと違うルート、歩いたことのない道。探してみれば、まだまだたくさんあるから、また晴れた日に歩いてみようかな。辻堂の次は茅ヶ崎、と辿っていけば、そのうち東海道五十三次歩けるかも(って、いくらなんでもそれは無理)。