離婚コラム

交渉か手続きか

離婚紛争において、交渉による解決と手続きによる解決のどちらを優先させるか、ということについては様々な考え方があります。
私はどちらかといえば交渉の見込みが大きくない場合、交渉を長くやるよりは早く手続きに入った方がよいと考えています。
交渉には強制力がありませんので、何かを妥協しなければならないことが多いと思います。(こちら側の一方的な主張を言うだけでは交渉にならないと思います)
また、妻から夫に対して離婚を切り出すという場面では客観的に無理であっても男のプライドを傷つけられたりしてなかなかすぐに受け入れる気持ちにならないものです。
裁判所という公的機関が間に入ることによって現状を客観視し、受け入れる気持ちになる、ということはよくあると思います。
裁判沙汰という言葉があるとおり、裁判所にいくというのは決定的に決裂してしまうんじゃないか、と思われる方も多いかもしれませんが、家庭裁判所の調停はまず円満解決を目指すためにやるものであり、結果が出れば、協議離婚よりも納得感は大きいように感じています。
 

離婚後300日問題

離婚後300日問題というのは民法の規定により離婚してから300日以内に生まれた子供が前夫の子と推定されてしまい、真実は別の父親の子なのに出生届を出すと前夫の子として記載されてしまうという問題です。
一時期無戸籍者の原因として取り上げられ社会問題として認識されましたが、その後も離婚後300日の推定という根本的な問題は解決されていません。
常識的に考えれば離婚直前の夫婦が子供ができるようなことをしていることの方がまれなのではないかと思いますが、この問題には家族の考え方に関する思想的な問題が絡んでいるようであり、なかなか法改正が進まないようです。

実際にこの問題が発生する場合の多くは前婚が形骸化している間に別の人との間にお子さんができてしまうというケースだと思います。
きちんと法的手続きをとれば血縁上の父親の戸籍に入れることは可能ですので、弁護士に相談されることだと思います。




 

婚姻費用と養育費で払う側が違う場合

子供がいる夫婦の離婚前の別居において、多くのケースでは母親が子供を連れて別居していますが、中には母親が単独で別居し、父親が養育している場合もあります。
このような場合、多くの人が婚姻費用はもらえないと思われているようですが、双方の収入によっては婚姻費用は貰うが、夫が親権者としての離婚成立後は養育費を払うという場合がありえます。
婚姻費用の趣旨は生活保持義務の履行であり、配偶者に同等の生活を送らせるという建前だからです。
夫が正社員で妻がパートというような世帯ではむしろ多くの場合婚姻費用はもらうことになると思います。
これは一般的な養育費・婚姻費用算定表では算出できませんので、基礎となる計算式を理解して計算する必要があります。自分では難しい場合が多いと思いますので、自分はどうかと思われる方は、ぜひ一度ご相談ください。


兵は凶器

中国のことわざに兵は凶器、とあります。戦は危事、と続きます。
戦争は忌むべきものであり、避けなければならないということを示した言葉であります。

弁護士は戦闘産業であると言われます。
弁護士が弁護士たるゆえんは紛争行為の代理をすることを許されていることにありますから、その業務の本質は紛争解決です。
漫画やドラマに出てくる弁護士のイメージは戦闘的で争いに自ら首を突っ込んでいくような感じが多いと思います。

しかし、実際に弁護士として多くの紛争を見ていると、兵は凶器、ということを実感させられる場合も多いです。紛争になればやはり当事者はそれぞれ傷を負うものです。
それを丸く収めるのが弁護士の仕事でもありますが、避けられる争いは避けた方がいいに決まっています。
私はやらなくていいような事件は受けないし、止めた方がよいと助言させていただいています。

もちろん、そうであるにもかかわらず、やらなければならない事件というのはあります。
離婚事件の多くはその一つであると思います。
争いを避け続けていれば不本意な日常が続くわけで、やらなければ一生我慢を続けなければいけません。
新しい人生を切り開くためには傷を負うことも覚悟して闘う必要があります。
弁護士とはまさに兵でありますが、本当に必要な戦いのためであれば凶器ではなく、利器になると考えています。





 

男性弁護士が女性の離婚事件を担当するメリット

今まで女性の離婚事件に力を入れている弁護士は女性弁護士でフェミニスト系の活動をしてらっしゃる方が多かったと思います。
私は男性でとくにフェミニスト主義について勉強したこともありません。
お問い合わせで女性弁護士はいないんですか?と聞かれることもよくあります。

以前「男性弁護士が女性の離婚事件を取り扱うということ」という記事を書きましたが、
女性があえて男性の弁護士に離婚事件を依頼するメリットはあるでしょうか。
私はあると考えています。(そうでなければやっていないわけですが)

考えてみれば女性の離婚事件の相手方は必然的に男性なわけです。
相手方である男性の気持ちは同じ男性である方がわかりやすいのではないかと思います。
交渉においては、どのような話でもそうですが、表面的な主張だけ見ていても意味がなく、向こうの主張がどのような気持ちに基づいて出ているのか理解する必要があると思いますので、男性と交渉するのに男性の気持ちがわかるのはメリットだと思います。

また、これはべき論でいえばなくなるべきだとは思いますが、男女によって態度が変わるいわゆる「ジェンダーバイアス」というのは厳然と存在していると思います。
そもそも離婚紛争になってしまう原因がジェンダーバイアスにある(いわゆる亭主関白)場合もあるわけで、女性に対して強く出るタイプの男性に対しては男性弁護士の方が対応しやすいというのはあると思います。


 
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