離婚コラム

兵は凶器

中国のことわざに兵は凶器、とあります。戦は危事、と続きます。
戦争は忌むべきものであり、避けなければならないということを示した言葉であります。

弁護士は戦闘産業であると言われます。
弁護士が弁護士たるゆえんは紛争行為の代理をすることを許されていることにありますから、その業務の本質は紛争解決です。
漫画やドラマに出てくる弁護士のイメージは戦闘的で争いに自ら首を突っ込んでいくような感じが多いと思います。

しかし、実際に弁護士として多くの紛争を見ていると、兵は凶器、ということを実感させられる場合も多いです。紛争になればやはり当事者はそれぞれ傷を負うものです。
それを丸く収めるのが弁護士の仕事でもありますが、避けられる争いは避けた方がいいに決まっています。
私はやらなくていいような事件は受けないし、止めた方がよいと助言させていただいています。

もちろん、そうであるにもかかわらず、やらなければならない事件というのはあります。
離婚事件の多くはその一つであると思います。
争いを避け続けていれば不本意な日常が続くわけで、やらなければ一生我慢を続けなければいけません。
新しい人生を切り開くためには傷を負うことも覚悟して闘う必要があります。
弁護士とはまさに兵でありますが、本当に必要な戦いのためであれば凶器ではなく、利器になると考えています。





 

男性弁護士が女性の離婚事件を担当するメリット

今まで女性の離婚事件に力を入れている弁護士は女性弁護士でフェミニスト系の活動をしてらっしゃる方が多かったと思います。
私は男性でとくにフェミニスト主義について勉強したこともありません。
お問い合わせで女性弁護士はいないんですか?と聞かれることもよくあります。

以前「男性弁護士が女性の離婚事件を取り扱うということ」という記事を書きましたが、
女性があえて男性の弁護士に離婚事件を依頼するメリットはあるでしょうか。
私はあると考えています。(そうでなければやっていないわけですが)

考えてみれば女性の離婚事件の相手方は必然的に男性なわけです。
相手方である男性の気持ちは同じ男性である方がわかりやすいのではないかと思います。
交渉においては、どのような話でもそうですが、表面的な主張だけ見ていても意味がなく、向こうの主張がどのような気持ちに基づいて出ているのか理解する必要があると思いますので、男性と交渉するのに男性の気持ちがわかるのはメリットだと思います。

また、これはべき論でいえばなくなるべきだとは思いますが、男女によって態度が変わるいわゆる「ジェンダーバイアス」というのは厳然と存在していると思います。
そもそも離婚紛争になってしまう原因がジェンダーバイアスにある(いわゆる亭主関白)場合もあるわけで、女性に対して強く出るタイプの男性に対しては男性弁護士の方が対応しやすいというのはあると思います。


 

婚姻破綻の認定方法

裁判所の婚姻破綻の認定方法にはダブルスタンダードなところがあります。
一つは、客観的に見て破綻しているか、という基準です。
もう一つは、離婚を認めていいのか、という基準です。
婚姻破綻の認定とは、すなわち民法770条1項5号にいう婚姻を継続しがたい重大な事由があるかどうかという判断の問題です。
ネットとかによく民法によれば離婚原因は5つあって・・・というふうに書いてありますが、
実際に実務で使われるのは1号(不倫)か5号で、ほかの原因を主張したり認定されたりすることはほとんどないと言っていいと思います。
1号は事実があるかどうかの問題ですので簡単ですが、5号は評価の問題になるのでわかりにくいところがあります。
5号にいう「婚姻を継続しがたい重大な事由」とはいったいなんなのかというと、上記の二つの基準を満たすかどうか、ということだと思います。

裁判官によって前者を重視するか、後者を重視するかは幅があると思いますが、誤解をおそれずに言えば、妻側から離婚を請求する場合、主に前者で判断してもよいのではないか、という考え方が広まってきているのではないかと思います。(妻側と夫側の違いについては以前に書きましたので参照されてください)

つまり、客観的にもう無理なら理由はどうあれ仕方ないのではないか、ということです。
このような判断に当たっては、別居期間の長さに加え、離婚意思が一貫しているか、ということが問われます。
従って最短で離婚したいのであれば、別居後すぐに代理人を入れた交渉に入り、見込みがなければ調停を申し立てる、という方法がベストなのではないかと私は考えています。



 

不倫慰謝料請求事件についての考え方

当事務所では現在不倫慰謝料請求事件については請求側のご相談はお受けしておりません。
(離婚請求に関連する場合は除く)
いろいろ考え方はあると思いますが、当事務所では不倫慰謝料請求事件は依頼者にとってあまりメリットのあるものではないと考えております。
前に触れたこともありますので、簡潔に書きますが、不倫慰謝料請求事件には

・立証のコスト、困難さがある
・訴訟期間が長期化する傾向がある
・プライバシーに属することが立証の対象になる 
・判決の認容額が低下傾向であり経済的な満足が得られない場合が多い
・相手方が必然的に個人となり確実に回収できるとはいえない

という特徴があると思います。

当然違う考え方もあると思いますので、そのような方針を批判するものではありませんし、事件によって上記に当てはまらない、あるいは請求のメリットが上回るということはあるかもしれませんが、当事務所においては一律に引き受けないという方針を採用させていただいております。

なお、離婚請求に絡む場合は全く別のことがいえると思います。
夫が不倫をしながら離婚請求を行うことは信義則に反し認められないという判例がありますので、不倫の有無は重要な争点になりますし、それによって財産分与や慰謝料等の条件が変わってくることもあります。そのような事実があるのであれば、当然に主張立証することになろうかと思います。


 

逆転裁判

先日静岡家裁で棄却された離婚裁判の控訴事件で離婚させるという逆転判決をいただきました。
静岡家裁を管轄する高等裁判所は東京高裁ですが、東京高裁は婚姻の破綻を客観的に見てくださる感じがしています。
詳細は伏せますが、別居期間が短くても積極的に手続きをとった方が解決につながるという考えを強くしました。


 
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