離婚コラム

親権争いについて

親権についてご相談をいただくケースの多くがお母さんがお子さんを連れて別居されているという状況です。
その場合、基本的に母親が親権者と指定されるでしょうという見通しを申し上げます。
基本的にというのは例外があるからで、一つは母親の養育状況が子の福祉に反する場合です。
しかし、これは母親が弁護士に依頼して親権を争おうという場合にあまり見ないケースだと思います。
相手方はこじつけでも主張してくる場合がありますが・・・
もう一つはお子さん自身がお父さんと暮らしたいと言う場合です。
お子さんがそう言われる理由は単純にお父さんの方が好きだとか、母親の別居先が遠い場合元々住んでいたところの友達と離れたくないとかいろいろだと思いますが、最近の裁判所は結構お子さん本人の意見を重視するという印象を持っています。
昔は小さいお子さんだと判断能力がどうなのかと言われましたが、今は5歳ぐらいのお子さんの意見でも重視される感じです。
さすがに4歳ぐらいまでだと微妙かもしれませんが・・・

よくネットとかに書いてあることで当てにならないのは母性優先ときょうだいは一緒という原則だと思います。
母性は最近3歳ぐらいまでしか通用しないと思います。
大きなお子さんで持ち出しても裁判官に一蹴される感じです。
きょうだいの親権者が別々という結論は結構あります。
お子さんの希望が別れることが前提ですが、裁判所はむしろその方が落ち着きがよいのではないかと考えている節もあって、きょうだいだから一緒という考えはもはやないと思います。




 

I'm So Happy I Can't Stop Crying

私が好きなイギリスのシンガーのスティングの曲に

I'm So Happy I Can't Stop Crying

という曲があります。

離婚した父親の心情を描いた曲なのですが、弁護士が今話題の共同親権を取ってくれたというくだりがあります

そのうえで、
「僕たちは与えられた時間でできるだけのことをした」
「子供は母親と一緒にいるべき。誰でも知っていることだ」
「父親にときどき子供と遊ぶ以外何ができるだろう」
と続きます。

共同親権は父母が平等に子供を監護するかのようなイメージがありますが、そうではありません。
スティングの歌に出てくる父親は現在の制度における日本の父親とあまり変わらない感じがします。
法制度の違いはさておき、夫婦や親子の関係には普遍的なものがあるのではないでしょうか。



 

共同親権について

政府において共同親権の制度が検討されているという報道があります。
今まで日本は離婚したら単独親権でしたから具体的なイメージがわかりづらいところがありますが、親権には当然責任も伴います。
現在の養育費制度は裁判所が決める額が不当に低額であり、非監護親の負担が軽すぎると思いますが、共同親権というのであれば金銭的な負担もきっちり分担する制度にしてもらいたいと思います。

制度が実際導入されるとすれば、実務はどうなるのかというのは非常に気になります。
いままで単独親権しか選べなかったところへ共同親権を導入すると、これまで定まった親権はどうなるのでしょうか。
親権は継続性を重視し、滅多なことでは変更されないと言われていますが、共同親権であれば裁判所も認めやすいのではないかと思います。 
そうなると、親権を取れなかった父親から共同親権を求める調停申し立てが続発するのでしょうか。

いずれにせよ共同親権導入後の離婚事件は今より遙かに困難な問題が生じると思います。


離婚手続きのスケジュール

東京高裁が別居後3年で婚姻破綻を認めたという判例を紹介しましたが、多くの離婚事件は調停ないし和解で成立しますので、必ず3年必要というわけではありません。
では、どうしても相手方が応じないときというのはどのようなスケジュール感になるでしょうか。

離婚訴訟を提起するためには基本的には(例外は相手方が失踪している等です)調停が不成立になる必要がありますが、調停が不成立になっても自動的に訴訟に移行する制度にはなっていません。
こちら側が離婚を求める場合は任意の時点に提訴するということになりますので、どの時点で提訴するか、というのを考えることになります。

家裁に提訴して高裁判決までどの程度時間がかかるか、ということを考えてみます。
一般的に言って、家裁に訴訟を申し立てて判決が出るまで10ヶ月程度というところだと思います。
当然ながら審理内容によって長短はあります。また、裁判官によって進行管理が厳格な人とそうでない人がいるので、裁判官によっても変わるといえます。概ねならすと10ヶ月程度だと思います。
家裁判決で負けた場合、控訴して控訴審が始まるまで2,3ヶ月程度、高裁は既に家裁で審理されたことを前提にしますので、基本的に1,2回で結審しますから結審までに1,2ヶ月程度、結審して判決まで2ヶ月程度というところだと思います。
家裁で10ヶ月、控訴して6ヶ月程度ということになると、トータル16ヶ月程度ということになります。

逆算すると高裁判決時別居後3年になっているためには、提訴時に別居して1年8ヶ月程度ということになります。(繰り返しになりますが、別居後3年で必ず離婚判決が出るかということはまた別の問題です)

多くの訴訟は和解で終結しますので、判決を見通して提訴を待つかどうかというのは悩ましい判断になるのですが、離婚を求める側にとって時の経過は味方になるということはいえます。
調停や訴訟中の和解協議においても、以上のようなスケジュール感を念頭に交渉していくことになります。


 

東京高裁、別居3年で婚姻破綻を認める

前にも書きましたが、別居して何年で婚姻破綻が認められ離婚判決が出るか、というのは微妙な問題なのですが、あえてといわれれば3年くらいが目安ではないかと思います。

最新の「家庭の法と裁判」(14号)に掲載されていた判例で、別居3年で家裁が婚姻破綻を認めなかった事件の控訴審で東京高裁は逆転判決を出しました。

以前私も静岡家裁で負け判決だったのを東京高裁でひっくり返していただいたことがありましたが、どうやら東京高裁は

・どちらかに一方的な非があるわけではない
・別居後に修復に向けた具体的な動きはない
・別居から3年程度

というような事案ではもう婚姻破綻を認めてもよいと考えているようです。

このような事案は離婚案件の中で多い類型ではないかと思いますが、正直言って一昔前なら難しいからもう少し我慢してみてはと弁護士にアドバイスされる状況だったのではないかと思います。

前に書いたことの繰り返しになりますが、個々の事案で背景事情も裁判官も違いますから、かならずこのような条件なら勝てるということはいえません。
しかし、離婚手続きというのはやらなければ我慢するほかないということになるので、であればやった方がいいというのが私の考えです。


 
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