面会交流

面会交流を拒否したい場合について

こちらが監護親で面会交流を求められているが、断りたいという相談はよくあります。
断りたい理由は様々で、子どもが拒否しているとか、夫や元夫ともう関わりたくないとか、ご事情はいろいろあると思います。

昨今の裁判所は面会交流至上主義になっていると言ってもよく、面会交流に消極的な態度を示すと、調停委員も裁判官も子どもにとって非監護親との交流も必要であるという原則論を言われます。

確かに審判になったとして、面会交流を拒否できる場合はDV等限定的な場合に限られるというのは見通しとして押さえておかなければなりません。

しかし、面会交流調停の中で面会を拒否したい理由が解消されていくことはよくあります。
たとえば夫と関わりたくない、という理由であればそもそもの夫婦の葛藤状態が解消されていない、ということが原因であったりします。
面会交流を求めるのであれば、そこを解消しないと円滑な面会を続けていくのは困難であると主張し、夫に態度を改めて貰う場合もあります。

このように進めていくと、面会交流の調停は時間がかかります。
2,3回では終わらず、5,6回やることはざらだと思います。
調停をやりながら試験的に面会することで問題点をフィードバックし、お互いが納得できるようになることもあります。
面会を求める側のすぐ会いたい、という気持ちもわからなくはないのですが、監護親が拒否したい理由を解消していった結果、面会の内容に合意する方が求める側にとっても長期的によい結果になるのではないかと思っています。 

面会交流事件の代理人の仕事

弁護士が扱う事件というのは何かを請求し、あるいは請求される事件というのが多いと思います。
請求する側であればできるだけ請求を満たすように、請求される側であればできるだけ請求に応じなくてよいようにするのが仕事です。
多くの場合が金銭請求ですから、お金は多く貰った方がいいに決まっているし、払わされる方だったらできるだけ払わないで済んだ方がいいに決まっています。

面会交流事件でも同じ事がいえるでしょうか。
面会は会う方ならできるだけ会った方がよい、会わせる方ならできるだけ会わせない方がいい、といえるでしょうか。
そうではないと思います。

金銭請求なら金自体が目的と言っていいと思いますが、面会の目的は非監護親と子どもとの良好な関係を継続する、ということにあると思います。
できるだけ会ったら関係は良好になるでしょうか。
人間関係の本質として、毎日顔を合わせていたら必ず仲良くなるかと言われればそうではないと思います。
ましてや、会いたくないのに無理矢理呼ばれて会う、あるいは現在の生活を犠牲にして会う、というのでは関係が良好になるどころか悪化してしまうでしょう。
他方、会わせる方も非監護親と子どもとの良好な関係という目的自体には大半の場合(DV等のケースを除けば)反対しないと思います。

これをどう折り合わせるのかというのが面会交流事件の代理人の仕事であって、金銭請求とは違うアプローチが必要だと思います。

金銭請求であれば負けた方がどんなに悔しく思っても金を取れば事件としては終わりです。
場合によっては強制執行によって強制的に取り立てることもあるでしょう。

しかし、面会交流事件においては、定期的に会うということが何年も続くのですから、双方が納得した上で行われるということが一番よいと思います。
どのようにしたらお互いが納得できるのかというと、信頼関係だと思います。
面会交流というのは結局のところ両親間の信頼関係が醸成できるかどうかということにかかっているのであって、信頼関係があれば自ずとどの程度が適当か落ち着くところに落ち着きますし、なければ会わせろ会わせないという問題になってしまいます。

私は妻側しかやりませんので、多くの場合会わせる方ですが、逆側から見ていて頭ごなしに権利だから会わせろというようなアプローチは逆効果であると思います。
面会交流事件を請求権的にやるとそうなってしまいがちですが、面会交流は人間関係そのものという特殊な法益を目的にした事件だということを考慮に入れてやるべき事件ではないかと思っています。




 

頻繁すぎる面会を取り決めた場合

最近面会交流の重要性が強調されるようになり、夫側が離婚時に面会交流の内容を交渉条件にすることも増えてきました。
場合によってはとにかく離婚して貰いたいということで、多すぎる内容の面会交流を取り決めてしまうこともあると思います。
一度調停や公正証書で決めた面会交流はずっとそのまま行わないといけないのか、法律でいうと民法766条3項に子の監護に関する事項の定めについて、裁判所は必要があると認めるときは子の監護について相当な処分を命ずることができるとされています。
この必要があると認めるときとはどのようなときのことをいうのでしょうか。
裁判所は子の利益にとって、どのような内容が望ましいかを後見的に判断すべき立場であり、父母の取り決めの拘束力にとらわれずに判断することができると解されています。
ではどのような内容が望ましいかというのはどういう基準で決めるのかというと、

面会交流の頻度や内容等は、同居期間中の相手方と未成年者との関係、これまでの相手方と未成年者との面会交流の状況、未成年者の年齢や生活状況、申立人と相手方双方の生活状況等を考慮して決定すべきである

とした審判例があります(京都家裁平成26年2月4日)

昨今の風潮からすると、ともすれば面会交流実施至上主義ということになり、一度取り決めたのだからどんなに現在の生活を犠牲にしても面会交流を優先すべきである、と言われがちです。
しかし、面会交流が子のためであるとすれば、子の現在の生活状況を考慮に入れるべきなのは当然であり、一度決めたからといって諦める必要はないと思います。

具体的な手続きをしては面会交流の調停を申し立て、折り合わなければ審判で裁判官が決めるということになります。


物心つかない間の再婚と面会交流

子供が生まれてすぐ離婚した場合、子供がお父さんのことを覚えていない場合があります。
この状態で父親から面会を求められた場合、求められた側としては微妙なところがあろうかと思います。

裁判所はこのような場合でも面会させた方が子の福祉に資すると解しているようですが、実際そうなのかは正直言って私はよくわかりません。
ともかく、裁判所がそう考えている以上、ゼロ回答は難しいということになろうかと思います。

では、この状態で再婚し、再婚相手が実の子と同じように接し、お子さんも再婚相手をお父さんと思っているような場合どうでしょうか。

現在の裁判所は基本的に再婚が面会交流を妨げる事情とは考えていないようです。
しかし、お子さんが離婚によって実親と離ればなれになった場合と、そもそもお子さんが実親を覚えていない場合とではまた違うのではないかと思います。

このような場合、再婚相手を実親と考えている子供の心情に配慮することが子の福祉に資するのではないでしょうか。
実際裁判所がどう判断するかはやってみないとわからないというところですが、争う余地はあるのではないかという気がしています。



 

離婚前の別居状態における面会交流

離婚前にお子さんを連れて別居されるということはよくあるケースだと思います。
その際、父親が勝手に学校とかに子供と会いに来てしまうということはままあります。
そのような場合、勝手に来て会わないでほしい、といえるでしょうか。
子供を誰と会わせるか、というのは監護権に含まれると思います。
離婚前に監護権者の指定をすることはありますが、通常は子供と同居していない側が子の引渡しとあわせて申し立てることが多く、同居している側が申し立てることはまれでしょう。
親権も監護権もあるのであればなぜ子供に会いに行くのに母親の許可が必要なのか、という言い分はもっともな気もします。
しかし、自由に会いに行けるならそもそも離婚前の面会交流を家裁が審理する理由がないのではないでしょうか。
この点が争われた件で、最高裁平成12年5月1日決定は離婚前の面会交流について当事者間で協議が調わない場合は家裁が判断するものとしました。
従って、離婚前の面会交流については協議を求め、協議が調わなければ家裁で判断してもらいたい、と主張することは十分ありうるといってよいでしょう。
 
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