不倫慰謝料

不倫慰謝料についての最高裁判決

あす注目の判決が予定されているという報道がありました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00000001-mai-soci

争点は離婚慰謝料を第三者である不倫相手に請求できるかということとのことですが、一般に不倫慰謝料については請求者が離婚している場合、不倫自体の慰謝料と離婚の慰謝料が一体として請求されています。

離婚慰謝料は払わなくてよいということになると、不倫慰謝料の相場自体が大きく変わってくることになると思います。

蛇足ですが、私はそもそも不倫慰謝料を第三者に請求できること自体を疑問に思っています。
私が修習中に裁判官が不倫慰謝料訴訟の不毛さを嘆いて「最高裁が不倫は不法行為じゃないという判決を出せばいいんだよ」と言っていたのを思い出しますが、婚姻の平穏は夫婦間の問題であり、第三者にまで請求ができるというのはおかしいというのは実は民法学者の中では多数説と言われています。
最高裁がそこまで踏み込めば実に画期的ですが・・・ 

不倫事件で謝罪はすべきか

不倫の慰謝料請求を受けた場合、よく不倫慰謝料は謝罪の有無で変わるとかネットに書いてありますので、誠意を見せて謝罪した方がよいのではないかと思われる方もいらっしゃると思います。
また、請求側から金銭だけでなく直接謝罪せよと言ってくる場合もあるでしょう。
 
私の意見を言うとすれば、仮に判決になれば大差ないうえ、精神的に疲弊してしまうのでおすすめしません。

ご依頼をいただいた場合、 やりとりは全て弁護士経由としていただき、謝罪は書面で盛り込む場合はあるとしても直接的には行っていただいておりません。

受任後このような対応をすることは、金銭請求事件を弁護士が代理した場合、弁護士経由の交渉となるのは法曹界の常識なので、裁判になって不利になるということはありえないと思います。 
また、謝罪の有無が判決で慰謝料の金額に影響するかというと現在の実務感覚では、ほとんど影響しないと言っていいんじゃないかと思います。

では、交渉においてはどうかというと、謝罪しようがしまいが請求する人はしてくるので、一緒じゃないかと思います。
ご依頼をいただく前に謝罪されていた案件を見ると、むしろ請求側が自己の正当性を確信してより要求を強める結果になっていることが多いように感じています。



 

誓約書で不倫慰謝料を定めた場合

不倫が一度バレて次やったら何百万払う、というような誓約書を作っている場合と言うのは時々見かけます。
私が相談を受けたらそんな約束はしない方が良いと助言しますが、当事者間で作ってしまっている場合というのはよくあるのではないかと思います。
そのような約束に法的拘束力はあるでしょうか。
契約は自由という原則からすると、ありなような気もしてしまいます。
このような約束は民法上は損害賠償額の予定(民法420条)にあたるのではないかと思います。
仮に裁判になったとして違約の事実が認定されれば誓約した通りの支払いが命じられるかというと、私は疑問です。
裁判所は実損がない場合の損害賠償について極めて抑制的です。
損害賠償とは損失を填補するものであるという原則があるからです。
損害賠償額の予定の本来の趣旨は、実損がある場合に、その評価についての立証の手間を省くというものであったのではないかと思います。
不倫慰謝料には基本的に実損がありません。精神的苦痛を金銭に見積もればいくら、というのを裁判官が心証で定めた額が全てという場合が多いでしょう。
おそらく、裁判官が誓約書があるという理由で自分の心証以上に高い損害賠償を命じるということはないのではないでしょうか。

私も受けてみたら誓約書があったという事件を担当したことがありましたが、訴訟では裁判官はだからどうだということではなく自分の心証で金額を決めていました。原告がとくに主張しなかったということもありましたが、仮に主張していても一蹴されていたのではないかという気がします。 

私が不倫慰謝料請求事件を受けない理由

前にも触れましたが、当事務所では不倫慰謝料請求事件については請求された側のみお受けしており、請求したいという事件はお受けしておりません。

不倫事件についてはなぜか裁判で認められるよりも高額な慰謝料を請求するということが横行しています。
慰謝料というのには法律上ははっきりした基準がありませんが、裁判官の間で相場観はあり、昨今200万以上というのは異例で300万以上というのはおおよそ考えられないという感じだと思います。
蛇足ですが、交通事故の場合はいわゆる赤本といって裁判になればこれぐらいの判決になる、という相場をまとめた本に準拠して請求するのが通常だと思います。
しかし、不倫事件の場合は内容証明で300万とか500万とかを請求することが通常のプラクティスとなってしまっています。(請求を受けた側の相談でよく見ます)
このような状況の中で100万が妥当だと思うという理由で100万の請求をしたら、依頼者からすればちゃんとやってくれないと思われかねません。
そこで依頼者の希望に沿って高額の請求をして、相手方が内容証明に驚いて本当に500万とか払ってきたとして、それでいいのかという気がしています。
あとでそんなに払わなくてもよかったと知ったとして相手方はおそらく恨みに思うのではないでしょうか。
それは依頼者にとっても、紛争が解決しないという点で200万とか300万とかを得したことよりもマイナスのではないかと思っています。






 

不倫慰謝料請求事件についての考え方

当事務所では現在不倫慰謝料請求事件については請求側のご相談はお受けしておりません。
(離婚請求に関連する場合は除く)
いろいろ考え方はあると思いますが、当事務所では不倫慰謝料請求事件は依頼者にとってあまりメリットのあるものではないと考えております。
前に触れたこともありますので、簡潔に書きますが、不倫慰謝料請求事件には

・立証のコスト、困難さがある
・訴訟期間が長期化する傾向がある
・プライバシーに属することが立証の対象になる 
・判決の認容額が低下傾向であり経済的な満足が得られない場合が多い
・相手方が必然的に個人となり確実に回収できるとはいえない

という特徴があると思います。

当然違う考え方もあると思いますので、そのような方針を批判するものではありませんし、事件によって上記に当てはまらない、あるいは請求のメリットが上回るということはあるかもしれませんが、当事務所においては一律に引き受けないという方針を採用させていただいております。

なお、離婚請求に絡む場合は全く別のことがいえると思います。
夫が不倫をしながら離婚請求を行うことは信義則に反し認められないという判例がありますので、不倫の有無は重要な争点になりますし、それによって財産分与や慰謝料等の条件が変わってくることもあります。そのような事実があるのであれば、当然に主張立証することになろうかと思います。


 

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