離婚手続き

海外在住の場合の離婚調停

別居して海外におられる方が国内にいる夫に対して離婚を申し入れたという調停が先日無事成立しました。
相手方が国内にいる場合、国外におられたままでも委任状をいただいて弁護士が出席する形で調停を進めることはできます。 
なお、離婚調停は成立時には基本的に来ていただく必要があります。
(テクニカルなことを言うと調停に代わる審判を出して貰って確定すれば出頭しなくても成立するということもありますが、本人が1回も来ていないという事案だとおそらく裁判官が出したがらないと思います)
婚姻費用のみの場合や離婚成立後の養育費・年金分割等だと成立も代理人でできると思います。(思うというのは裁判官の裁量の部分もあるからです)
この事件は1年ぐらいかかりましたが、成立までの間はラインやメール、電話等でやりとりしながら進めていました。
訴訟ですと基本的に書面のやりとりになるので海外におられても尋問以外はあまり不便はないと思うのですが、調停ですとその場の応答が求められる場合が多いので、緊密に連絡を取らせていただく必要はあります。
海外におられて離婚を考えておられる場合はぜひ当事務所にご相談ください。
 

離婚手続きのスケジュール

東京高裁が別居後3年で婚姻破綻を認めたという判例を紹介しましたが、多くの離婚事件は調停ないし和解で成立しますので、必ず3年必要というわけではありません。
では、どうしても相手方が応じないときというのはどのようなスケジュール感になるでしょうか。

離婚訴訟を提起するためには基本的には(例外は相手方が失踪している等です)調停が不成立になる必要がありますが、調停が不成立になっても自動的に訴訟に移行する制度にはなっていません。
こちら側が離婚を求める場合は任意の時点に提訴するということになりますので、どの時点で提訴するか、というのを考えることになります。

家裁に提訴して高裁判決までどの程度時間がかかるか、ということを考えてみます。
一般的に言って、家裁に訴訟を申し立てて判決が出るまで10ヶ月程度というところだと思います。
当然ながら審理内容によって長短はあります。また、裁判官によって進行管理が厳格な人とそうでない人がいるので、裁判官によっても変わるといえます。概ねならすと10ヶ月程度だと思います。
家裁判決で負けた場合、控訴して控訴審が始まるまで2,3ヶ月程度、高裁は既に家裁で審理されたことを前提にしますので、基本的に1,2回で結審しますから結審までに1,2ヶ月程度、結審して判決まで2ヶ月程度というところだと思います。
家裁で10ヶ月、控訴して6ヶ月程度ということになると、トータル16ヶ月程度ということになります。

逆算すると高裁判決時別居後3年になっているためには、提訴時に別居して1年8ヶ月程度ということになります。(繰り返しになりますが、別居後3年で必ず離婚判決が出るかということはまた別の問題です)

多くの訴訟は和解で終結しますので、判決を見通して提訴を待つかどうかというのは悩ましい判断になるのですが、離婚を求める側にとって時の経過は味方になるということはいえます。
調停や訴訟中の和解協議においても、以上のようなスケジュール感を念頭に交渉していくことになります。


 

「モラハラ夫」と離婚した38歳専業主婦の決断

という記事が東洋経済のサイトに載っていました。

https://toyokeizai.net/articles/-/221083

ファイナンシャルプランナーの方が書いた記事ですが、 離婚手続きの実際の流れがよくまとまっていると思います。
ネット記事は玉石混交で、大手のサイトでももっともらしいでたらめが書いてあったりするので要注意ですが、かえって法律と関係のない職業の方が書いているので、客観的な記事になるということはあるのかもしれません。

 

離婚事件のゴール

離婚・離婚関連事件の進め方については弁護士によっていろいろな考え方があると思いますが、私は一番のゴールは禍根を残さないことに尽きると思います。
もちろんとことん争って最大限有利な結果を導くのがゴールだという考え方もあると思います。
そのような方針の弁護士を求められる方はそのような方針の弁護士に依頼されるとよろしいかと思います。 

しかし、婚姻関係というのは究極の人間関係であり、これを円満に解消できるか、ということは長い目で見れば100万とか200万の経済的利益を積み上げることより大事なことではないかと私は考えています。
よくネットとかに載っていますが、離婚後に妻の弁護士にDVをでっちあげられたとか主張する夫はよくあるようです。(私の受任事件では今までありませんが)
本当にDVをでっちあげる弁護士がいるかというと、私はあまり考えられないのではないかと思います。
事実に反してDVをでっちあげることのデメリットの方が依頼者にとってはるかに大きいのではないかと考えられるからです。
もちろん精神的に病んでいるとかどう対応しても悪意に取られる相手方というのはいます。
弁護士は依頼者の盾としてそのような相手方とも戦わなければなりません。
しかし、そのように思われないように布石を打つことは十分意味があると思います。
離婚を申し入れられるという場面はこれまでどんなに理不尽な夫であっても不本意なことには間違いないわけです。
相手方の不本意さをどのように解消していくかというと、誠実に対応した上でここに至った以上やむを得ないという結論に達してもらうということになると思います。
これにはある程度の時間を要しますし、場合によっては弱腰だと感じられることもあるでしょう。
もちろん法律上の主張はきちんとした上で、法律によればこうなる、ということを相手方に理解してもらうことが前提です。

その上で、相手方もこれ以上は仕方がない、と考えて離婚という結論に至れば後々離婚紛争が蒸し返されるということはないと思いますし、お子さんがいらっしゃれば養育費等、お子さんのためには協力していくという関係を築くこともできると思います。



 

専門家のアドバイス

離婚というのは普遍的な人生の問題で、相談に乗る人の中には占い師から弁護士まで様々な人がいます。
離婚の解決は法的解決だけに限らないので、近所のおばさんに相談しても有益な場合があるかもしれません。
しかし、法的解決のアドバイスを受けるのであれば弁護士に相談することをお勧めします。
なぜなら有償で他人の法的手続きを代理できるのは弁護士法により原則として(例外としては一定の訴額までの司法書士の代理権などがありますが、離婚分野ではあまり考えられないと思います)弁護士だけであるからです。
日々調停や訴訟の代理行為をしていればこそ、手続きの進行がどのように進み、裁判官がどのように考えるのか、というのをわかる面はあると思います。
いかに法律を知っていても実際に運用していない人にアドバイスを求めるのはむしろ有害な場合があると思います。
法律を知っているが故にもっともらしい誤りをアドバイスしてしまうということがあるからです。

 
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