いいところも悪いところもあって楽しかった。
戦う動機が弱い
大人になったらデジモンと別れなければならないという設定が追加された。可能性の力が人間とデジモンの紐帯であるという理論づけなのだが、それ以上に、大人になって自分の道を見つけ始めると、現実的に四六時中デジモンと一緒にはいられないという実情がきちんと描かれていたのがよかった。
- ただし、強めの設定を追加してしまったせいで02の及川さんの立場はどうなるんだろうと思ってしまった。及川さんめちゃ好きなんですよ…面倒くさいオタクなので…
メノアは選ばれし子どもたちに別れの辛さを経験させないために、自ら生み出したエオスモンの力で彼らを空想の世界に閉じ込めようとするが、太一とヤマトは「みんなを助ける」という目的でメノアとエオスモンを倒そうとする。
この太一とヤマトがどういうロジックを持っているかが一番大事なところで、かつ弱かった。前半では大人になろうという確固たる意思はなくむしろ悩んでいたし、戦いのさなかでも「こんなところにいていい訳がない」「明日に進むんだ」というような抽象的なことしか言えてなかったように思う。メノアは当然「私がやっていることこそが救済だ」と主張していて、それを否定するようなロジックを打ち出せていなかった。結局デジモンたちに「成長していく姿を見るのはワクワクする」とケツを叩かれてようやく覚悟完了する。やっぱりフワッとしてる…。
太一とヤマトはこの戦いに勝って子供であり続けることを否定するんだけど、その後の描写もイマイチ未来や成長への希望を感じさせない。アグモン・ガブモンとの別れのシーンでは太一はアグモンと初めて会ったときの話をするし、ヤマトはハーモニカを吹くし、つまり過去のことばっかり考えてるんだよね。さらに太一は明日何するのと聞かれてうまく答えられない。そこは「卒論のテーマ決めなきゃ」とか言わせておけば作品のテーマに合致するし前半の話も拾えたのではないか。
演出
- 水滴
- 窓ガラスの水滴の影がメノアの顔に落ちて涙を流しているように見える
- 水滴が流れ落ちる中で2つに別れる(パートナーとの別れのメタファー)
- 陰影
- 全体的にコントラスト強め
- 太一の部屋で夕日をバックにシルエットになるやつ
- エオスモンは空間に壁を作ってものを分断するという攻撃方法をとるが、これはパートナーと引き裂かれる痛みの表現
- メノアはまさに「身を裂かれるような痛み」みたいな言い方をしていた気がする
キャスティング
- 全体的に成長した男子キャラに男性声優をちゃんと当てる方針が取られており、良い
- 伊織きゅん♡
- 光子郎さん…
- 松岡茉優が要所要所でドヤ顔でヘボい英語を話すのは辛かった。
ヒカリの声優は荒木香恵からM・A・Oに変更になっているのだが、これがうまくはたらいたシーンがある。
エオスモンの世界では選ばれし子どもたちは幼くなってしまう(おそらくデジモンたちともっとも幸せに関わっていた年齢になっている)。彼らは太一のホイッスルで本当の年齢に戻るのだが、戻って最初に太一に声をかけてくるのがヒカリだ。そこではヒカリの声がM・A・Oであるという事実が、ヒカリの年齢がちゃんと戻っていることのなによりも強い表現になっている。
音楽
劇伴はそこそこ。ただし『brave heart』のクソダサアレンジ(イオンで流れてそうなサックスがメロディーを吹くやつ)はどうかと思う。
宮崎歩の『brave heart』の新録版はコレジャナイ感があった。AIMのED曲は最高。
作画
冒頭の戦闘はものすごい。その後も全編アベレージ高い。
ただし進化バンクはなぜかオリジナルよりも見劣りした印象。何が悪かったんだろう。あれデジモンを立体的に回すので結構難しいと思うんだけど、オリジナルが実はかなり丁寧に作られていたということかなあ。
小ネタ
- 選ばれし子どもたちが解放されたあとのシーンで02夏映画『デジモンハリケーン上陸!!/超絶進化!!黄金のデジメンタル』のウォレスがテリアモンとロップモンと一緒にいるカットがあった。パートナーデジモンとの別れをテーマにしたこの映画に、同じくパートナーデジモンと引き裂かれてしまったウォレスを出しつつ、彼をロップモン(チョコモン)と再会させてしまうのはおかしいだろう。テーマが一貫していない。
- 時系列的にウォレスが子供のままのはずがないので単なるサービスカットで深い意図はないと割り切るべきかもしれないが…
- 強敵には新しい進化で勝つのがデジモンシリーズのお約束なので仕方ない面もあるのだが、最後の切り札として新しい曲に乗せて新しい進化形態(最近の潮流に乗って人間よりになっており、ダサい)が出てくるのは興ざめだった。
- パンフレット買えなかったのでマイナス1兆点です。
※公式サイトに記載されているものは略
※空欄は左と同じ
車いすバスケ編
#1 | #2 | #3 | #4 | |
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絵コンテ | アルバクロウ・ラボ | |||
演出 | 西川将貴 | 中島政興 | ||
作画監督 | 西川将貴 | |||
原画 | 松崎大 髙梨聖子 西海賢嗣 糸山怜央 |
まつざきいずみ 中島政興 桑谷伊智 糸山礼央 |
野口さおり 髙梨聖子 杉江拓実 糸山礼央 |
まつざきいずみ 渡邉暁子 松崎大 糸山礼央 |
動画検査 | 多田野緋兎 | 和田麻友美 | 多田野緋兎 | 和田麻友美 |
動画 | 吴耀 吴存 |
関口沙織 飛地泉里 |
飛地泉里 桑谷伊智 |
鈴木杏奈 桑谷伊智 |
背景 | 石井竜生 武井優希 |
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色彩設計・色指定 | 小松亜理沙 | |||
仕上げ | 和田夏樹 | |||
撮影 | 堀奈都美 森澤ひろみ |
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3DCG | 宮崎渉 若山裕哉 橋本和明 林竜太 |
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音響制作 | 内村友祐 | |||
効果 | 川田清貴 | |||
録音 | 早野利宏 | |||
編集 | ホリタダイスケ | |||
スポーツ科学監修 | 信太奈美 | |||
タイトルデザイン | 門明洋平 | |||
アニメーション制作担当 | 貴田祐太 中村優作 |
達野ふうこ 中村優作 |
パラ陸上競技 走り高跳び編
#1 | |
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絵コンテ | 西川将貴 |
演出 | 西川将貴 |
作画監督 | 西川将貴 |
原画 | 八島祥子 杉江拓実 中島政興 糸山怜央 |
動画検査 | 多田野緋兎 |
動画 | 吴耀 史更新 |
背景 | 石井竜生 武井優希 |
色彩設計・色指定 | 小松亜理沙 |
仕上げ | 和田夏樹 |
撮影 | 堀奈都美 森澤ひろみ |
3DCG | 宮崎渉 若山裕哉 林竜太 永井努 |
音響制作 | 内村友祐 |
効果 | 川田清貴 |
録音 | 早野利宏 |
編集 | ホリタダイスケ |
タイトルデザイン | 門明洋平 |
アニメーション制作担当 | 貴田祐太 中村優作 |
スタッフツイッターリスト
- 西川将貴
本日 1月7日(火)18:45~ Eテレにて
— へむはい (@nishishimasa) January 6, 2020
パラアスリートを題材としたアニメシリーズ「ブレーカーズ」が放送開始いたします
車椅子バスケ編では監督+αで参加しています。
パラスポーツやパラアスリートの方々について知るきっかけになってくだされば幸いです
よろしくお願いいたします! pic.twitter.com/DiGpxf1MET
- 熊本浩武
年明け1月7日(火)からEテレの天てれアニメ枠でスタートするパラスポーツを題材にしたアニメ『ブレーカーズ』の脚本を担当しております。
— 熊本浩武 (@kumamu818) December 15, 2019
東京2020向けてパラスポーツの魅力を知る意味でもご覧いただけるととても嬉しいです。#ブレーカーズ https://t.co/uVR3Im0aqo
- とすがりん
ほんの少しですが、第二原画やTP修正をさせて頂きました。
— とすがりん (@tosugariN) January 7, 2020
私の可能性の扉も開いてくれた作品です!Eテレ毎週火曜18:45放送#ブレーカーズ pic.twitter.com/sR02Suwx53
- ふゆの
パラスポーツアニメの『ブレーカーズ』車椅子バスケ編、作画で参加してます。宜しくお願いします。 pic.twitter.com/v2ockJzvZ8
— ふゆの (@who_u_no) January 21, 2020
備考
- 完全なリストではなさそう