奥利根も若葉萌える季節を迎えました。5月15日、我が町藤原地区・明川の「豆桜」の花見に行ってきました。この「豆桜」は300年余の樹齢を誇る山桜で、藤原の地にしっかり根を張り、美しく咲く満開の花は訪れる人々に感動を与えてくれます。
藤原地区は藤原湖を取り囲むように、青木沢、明川、大芦、久保、平出等の集落が点在しております。昔、この地は奥州藤原氏の一族が隠れ住み、それ故に藤原という地名が生まれたと言い伝えられています。集落ごとにはそれぞれの歴史があり、豪雪の地ゆえに大変な苦労がありますが、その雪が解ける新緑の頃は正に桃源郷が想像できます。そこで、明川集落の皆さんは年々高齢化が進む中で、美しい山里の景観を次代に引き継ぐために、「桜の里づくり」を思いたちました。
それは、あの「豆桜」を中心に明川集落内に1,000本余の桜を植えて、自然を求めてこの地を訪れる人々や藤原を故郷とする皆さんに喜んでもらう藤原桃源郷づくりであります。幸いなことに明川の出身者や、この地域に縁のある「三菱UFJ環境財団」の賛同を得て事業がスタートし、町も一部に参画をしました。
植えられた桜の種類は、大山桜、ソメイヨシノ、枝垂れ桜等20種類に及び、既に開花から3ヶ月近くも楽しめる木々もあり、愈々明川集落が桃源郷になりつつあります。また業者に依託することなく、明川の皆さんの力で3kmに及ぶ遊歩道の建設が進められており、後世に残る価値ある取り組みに感嘆しています。
更には「ホタルの里づくり」にも取り組まれ、集落内の生産調整で耕作しない田んぼをビオトープにしており、そこには蛙や鰌、やご等が沢山います。トンボが飛び交い、7月下旬から8月上旬に掛けてホタルが乱舞する光景が今から楽しみです。その他、藤原地区には「奥利根水源の森」、「宝台樹やすらぎの森自然花苑」、「照葉峡」等、四季を通して楽しめる素晴らしい景勝地があります。
多くの皆さんのお出かけをお待ちしております。