9月7日の早朝、7年後のオリンピック開催地が東京に決まりました。IOC総会での日本招致のプレゼンターの皆さんは、それぞれが力強く、心を込めてスピーチされ、東京招致を熱望していた私達日本国民に、誇りと勇気と希望を与えてくれました。特に、トップバッターの佐藤真海さんのスピーチは印象的でした。I'm here because I was saved by sport.「私はここにいます。何故なら…」と話し始めた彼女は、大学時代に骨肉種で右足膝下を切断し、その後はパラリンピアンとして活躍していました。そこに、あの3.11の震災に故郷気仙沼の両親と共に遭遇され、その辛さ、悲しみを乗り越えられたことを、溢れそうになる涙を押さえて話されました。そしてプレゼンターとしてIOC委員に、幾度もスポーツに支えられた体験をアピールし、「私がここにいるのは、スポーツによって救われたのです。」と、スポーツの持つ力を真剣に訴えました。時には胸に手を当て、かみしめるように実感をこめて話す姿に、視聴者の誰もが感動しました。 いずれのプレゼンターも素晴らしいものでしたが、その余韻の中でIOC会長の発表を待ちました。しかし、朝5時の発表はプレゼンテーションから余りに長く、その間の期待と不安は隠し切れず、最後は神仏に手を合わせました。IOC会長が「TOKYO 2020」の決定カードを掲げた時は、夫婦で思わず歓声を上げ、何時しか目頭が熱くなり、止めどもなく感動の涙が流れました。そして、これからも健康に留意して、必ずオリンピックを観に行こうと誓いました。
東京オリンピックの招致決定は、開催地東京は下より全国の各地に歓喜の輪を広げ、マイナス思考になりがちな風潮の中で、社会経済情勢が好転する兆しを国民に与えました。
東京都知事は「いつでもスポーツに親しみ、子供たちに夢を与え、少しでも復興の力になるような、オリンピック・パラリンピックにしたい。」と語り、安倍首相は「日本は安全で確実なオリンピックを提供すると期待されたと思う。私は日本の総理大臣として、その責任を果たしていく。」と力強く宣言されました。
言うまでもなく、東京オリンピックは世界のアスリートが一堂に集い、競い合い、また世界各国から大勢のお客さんを「おもてなしの心」で迎える、人類最大のスポーツの祭典であります。
それだけに計画通り開催されることは当然ですが、それと共にこの一大イベントに集う人々の安全は、国の責任で守らなければなりません。安倍首相は招致活動にあたり、「安心・安全・確実な五輪」を訴えました。競技会場や各施設等に通じる社会資本の整備、宿泊施設等の安全と環境整備等は当然ですが、これらの全てを支えるのは「水」であります。どのような条件下にあっても、治水・利水の体制が万全でなければ「安心・安全・確実な五輪」は開催できません。
利根沼田地方には、6つのダムがあります。その貯水量は4億3,000万t余りに及び、正に首都圏の水源地であります。しかし、この豊かな自然をつくる森林・山・川は、今日までに何度も自然災害等の危険シグナルを発信しており、併せてダムの上流域は深層崩壊の発生が特に高い地域になっています。従って、これらのダムの危機管理体制と集中豪雨等による災害時の復旧・復興体制の確立は、東京オリンピックの必要条件であり、開催時までに国の責任で整えなくてはなりません。
先ずは利根沼田地方を「水源地特区」に指定して、更なる「水源の確保」と災害時における安全対策を最優先に取り組むべきであると考えます。


