1ブログ原稿

 みなかみ町は平成20年9月議会に於いて、みなかみ・水・「環境力」宣言を行いました。みなかみ町にとって、「環境力」を示す象徴は、何をおいても「水」であります。天より授かる「水」を守り、生かし、広める行動を通じて、首都圏をはじめ利根川流域に暮らす人々に安全かつ安心な環境を提供することが、水源地に住む私達みなかみ町民の願いであるからです。


ところで記録的な豪雨をもたらした先の台風18号に於いて、気象庁は京都、滋賀、福井の3府県に特別警報を発令しました。この警報は数10年に一度の頻度で発生する、大災害が想定された場合に発せられるものです。3府県では連日、未曾有の豪雨で河川が氾濫し、各地で浸水や土砂崩壊等が発生しました。
 京都の観光名所・嵐山は、桂川の氾濫によって多大な洪水被害を受け、福井県敦賀市の日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」は、停止中とは言え伝送用の光ケーブルが損傷し、原子炉の状態を送るシステムが止りました。更にそこに通じる道路は1路線しかなく、しかも2か所に土砂崩れが発生し、一時、「もんじゅ」が孤立したことをテレビ朝日
の「報道ステーション」で知りました。その内容によれば「交通不能が半日続き、その間、職員が構内に入れなかった。その後は手動で情報を送り、原子炉の安全性に問題はなかった。しかし、道路の復旧は1週間以上もかかり、「もんじゅ」の安全性と緊急性の確保は道路が命綱であり、そこに通じる道路が一路線しかないとは余りにも危機管理に乏しい。」と代替え道路の必要性を訴えていました。


2020年のオリンピックが東京で開催されることが決まり、多くの国民がこれを喜び、それぞれがプラス思考で大いなる明日に向かって歩き始めました。安倍首相は「安全・安心・確実な五輪」を国際公約しました。早速、開催地東京のインフラ整備を加速するために「国家戦略特区」指定の検討に着手すると共に、「単に東京だけでなく、日本全体が活力を取り戻す大きな弾みにしたい。」と訴えています。
 是非とも、これを契機に日本経済が上向き、震災復興と国家財政の再建が実現し、スポーツ通じて国民が誇りと生き甲斐の持てる福祉文化国家の建設を願っています。

言うまでもなく、オリンピックは世界の祭典であり、これに優るイベントは他にありません。この成功の鍵は、究極的には「水」でありますが、台風18号のように牙をむき濁流となった水は、容赦なく破壊を重ね、生命を脅かし、人間の力ではどうすることもできません。


 幸い、利根川上流の利根沼田地方には6つのダムがあり、そこには4億3
,000万t余の水が貯水され、発電や洪水調整など、治水・利水に大きな役割を担っています。しかし、みなかみ町藤原にはその大半を貯水する4つのダムがありますが、そこに通じる道路は急峻な地形の中に狭隘な県道水上・片品線の1路線しかありません。
今日までに利根沼田の自然は、私達に集中豪雨や豪雪によって各地に土砂崩壊等の災害をもたらし、ダムの危機管理体制を含めて、幾度となく危険信号を送っています。それだけに今こそ、異常気象によるゲリラ豪雨、これに伴う表層や深層崩壊等、山地の破壊力の恐ろしさを再認識しなければなりません。
 東日本大震災を経験し、一昨年の台風12号、今年の18号等の災害の惨状を目の当たりにして、「数10年に一度の災害」は明日にもくるかも知れません。
 この機会に、東京の「国家戦略特区」に併せて利根沼田地方を「水源地特区」に指定し、一朝有事の際の万全な復旧・復興体制を確立すべきであると考えます。