2012年02月10日
あおなみ線 需要予測 (3)
平成4年1月10日、「名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備に関する基本計画について」運輸政策審議会答申第12号が出されている。
運輸政策審議会答申は、各地の総合的輸送体系の樹立のための基本的な計画の策定について調査審議し、関係大臣に建議する役割を担っており、現在の運輸政策の多くはこの答申に基づいて実施されている。
名古屋市はこの答申に基づき、新路線整備の認可を受けながら、国庫補助金等を確保した上で、ゆとりートラインの新設、名城線の環状化、あおなみ線の旅客化、桜通線の徳重までの延伸などを進めてきた。
さて、運輸政策審議会答申では、今後、整備すべき路線として、以下の路線が明記されている。
■ 市交6号線の延伸
七宝‐稲葉地‐中村区役所‐名古屋‐今池‐野並‐徳重‐豊明北‐豊田市南部方面
■ 市交東部線の新設
笹島-丸田町-吹上-星ヶ丘-高針橋-岩崎
・西名古屋港線(あおなみ線)との相互直通運転を検討
■ 市交金山線の新設
戸田-金山-丸田町-黒川-楠町
・戸田駅において近鉄名古屋線との相互直通運転を検討
■ JR城北線
枇杷島-尾張星の宮-勝川
・現在工事中。(枇杷島駅・勝川駅間開業中)
■ 南部線
桜本町-大江-名古屋港-稲永
・中量軌道系の交通システムとして整備すべき路線である。
■ その他
・中部国際空港の検討に併せて高速鉄道によるアクセス線を検討する。
現在の本市の財政状況や路線需要から判断すると、これら「整備すべき路線」の事業化は極めて厳しいものがある。しかし、近隣市町村との広域連携を進める上で、地下鉄・新交通システムの延伸に対する要望は避けて通れない。実際に周辺自治体の中には、名古屋市との合併・地下鉄の延伸を公約に掲げて戦う首長候補者・議員候補者は何人もいた。
今後、これら「整備すべき路線」の検討を進める上で、再び過大な需要予測が繰り返し行われるとすれば、市民を欺いて負の遺産を後世に引き継がせることになる。今後、路線整備を進める際、どの程度の赤字が見込まれるのか、できる限り正確に需要予測し、正しい情報を市民に提供した上で、赤字を飲み込んででも事業を行うのか、やめるのか市民を巻き込んだ議論を進めるべきだろう。
つづく...
2012年02月09日
あおなみ線 需要予測 (2)
実際、鉄道館開業であおなみ線「金城ふ頭駅」降車人員は大きく伸びた。
■ 金城ふ頭駅降車人員の推移
平成22年3月〜12月(開業前) 36万1,309人
平成23年3月〜12月(開業後) 64万3,613人
「金城ふ頭駅」降車人員の増加率は78.1%にのぼった。
しかし、「金城ふ頭駅」での乗降は増えたもののあおなみ線全体の需要増加へ影響は限られたものとなった。
■ JR東海リニア鉄道館開業前後の1日あたりあおなみ線乗車人員
平成22年4月〜12月 28,200人
平成23年4月〜12月 30,600人(増加率は8.5%)
※ 平成23年度の需要予測は1日あたり73,500人
金城ふ頭の開発の遅れが需要予測を下回った理由の一つにあげられていたが、大型集客施設が整備されても需要予測には遠く及ばず、やはり過大な見通しだけが浮き彫りになった。
さて、鉄道や高速道路といった交通基盤施設の整備は、移動の改善や地域経済の発展を通じて人々の生活水準を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。しかし、一方で、莫大な整備費用を必要とし、整備の可否には的確な判断が必要となる。
交通需要予測は、的確な判断を行うために欠かすことのできない項目であり、需要予測をもとに、整備の判断や財務の予測、利用料金、税投入の是非などを行政や民間企業、議会などが判断することになる。
しかし、最近では需要予測に対する社会的信頼が大きく揺らいでいる。
2001年に開業したゆとりーとラインは、軌道法特許申請時の需要予測では、開業時における1日あたりの輸送人員を23,579人と予測していたが、実績値は5,645人にとどまっている。のちに予測値を12,643人に下方修正したものの、ずさんな需要予測が、今日の厳しい経営環境につながっている。
こうしてみると、行政当局が事業実施を正当化するために過大な需要予測を行ってきたのではないかとの疑念を抱かざるを得えない。需要予測は行政・議会の意思決定プロセスの中で極めて重要な位置を占めているだけに、交通需要予測に対する信頼の低下が交通基盤施設の整備を進めていくうえで大きな障害になるのを懸念する。
つづく...
2012年02月08日
あおなみ線 需要予測 (1)
あおなみ線は、東海道本線の貨物支線である西名古屋港線を旅客・貨物共用化した路線。平成4年の運輸政策審議会答申において、名古屋駅 - 稲永駅 - 金城ふ頭駅間を平成20年までに整備することが適当である路線として位置付けられた。
答申を受け、名古屋市、愛知県、名古屋港管理組合、JR東海、日本政策投資銀行などの出資により第三セクター会社である名古屋臨海高速鉄道を設立。建設費963億円を投じ、平成16年10月に開業した。
あおなみ線は、従来、鉄道空白地域であった名古屋南西部地域を通過することから、地域の開発の起爆剤になると大いに期待されていた。
しかし、需要予測が実際の乗降客数と大きくかい離。走れば走るほど赤字が膨らむという厳しい経営状況だった。
平成22年7月には、企業再建手法の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請。負債総額は約570億円にものぼり、事実上経営破たんした。
名古屋市は同社への貸付金266億円を株式化し全額債権放棄。愛知県も貸付金39億円を放棄した。さらに日本政策投資銀行からの借入金142億円を市が肩代わりしている。
平成22年当時、名古屋市会は日本政策投資銀行からの借入金を肩代わりする第三セクター債の発行を議決しているが、過大な需要予測に起因する400億円を超える市の損害をよく認めたものだ。
さて、あおなみ線建設にあたり、計画で予測された輸送人員は、以下の通り。
平成16年 65,500人
平成18年 67,100人
平成20年 68,700人
平成22年 72,500人
しかし、実際の輸送人員は、
平成16年 18,200人(需要予測の28%)
平成18年 22,900人(34%)
平成20年 26,500人(39%)
平成22年 28,200人(39%)
需要予測の1/3程度の輸送人員というずさんな計画が、市に400億円をこえる損害を与える結果となった。
事業者側は、輸送人員が需要予測を大きく下回った理由として、金城埠頭はじめ沿線開発が遅れたこと、自動車依存からの脱却ができなかったことをあげているが、もともと、輸送人員が過大であったとの指摘もある。
しかし、400億円を超える損害金の総括はまだ行われていない。
つづく...
※ 図は平成4年に出された運輸政策審議会答申
2012年02月07日
30万アクセス 名古屋市会委員会中継
市民に「見える議会」を目指して始まった委員会中継に、予想以上のアクセスをいただいている。
平成23年4月から12月の9か月間、6常任委員会に対するアクセス総数は、生中継・録画中継を合わせて、29万9,221件にのぼった。市民の皆さんの議会に対する関心の高さを示しているといえる。
特に、議員報酬や地域委員会、中京都構想等を審議した「総務環境委員会」、市民税減税を議論した「財政福祉委員会」に関心が集まり、両委員会だけで、全体アクセス件数の60%に及ぶ。
■ 委員会別アクセス件数(ライブのみ/H23.4〜12)
1. 総務環境委員会 29,701
2. 財政福祉委員会 24,204
3. 経済水道委員会 8,757
4. 教育子ども委員会 8,010
5. 都市消防委員会 7,590
6. 土木交通委員会 7,424
さて、名古屋市議会基本条例第5条には、「議会は、市会だより、ウェブサイト、インターネット中継等多様な広報手段を活用し、議会活動に関する情報を積極的に公開し、発信する。」
インターネット中継の根拠条例はこの第5条だが、では、市会が市民に身近で信頼されているかといえば、まだまだ。
改選後、各会派間の議会改革に対する考え方に隔たりが大きく、議会改革に向けた議論が停滞していたが、ここへきてようやく議会改革推進会議が設置され、今月から本格的に議論が再開したところ。さらに市民に開かれ信頼される議会にするためにはどうすべきか...。
ご意見をよろしくお願いします。
2012年02月06日
公会計制度、名古屋市は消極的
民間企業会計では、
・ 当期にどの程度儲かったのか?
・ 期末の資産や負債の状況は?
・ 株主持分はいくら?などを目的として会計が行われている。
いわゆる発生主義。
一方、自治体公会計では、
• 議決予算(現金主義)どおりの行政活動をおこなわれたかどうか?
歳入・歳出を定めた予算どおり執行したことを説明することが目的とされた。
しかし、右肩上がり経済の終焉、低成長、少子高齢化、地方分権の推進という自治体を取り巻く環境の変化の中で、行財政改革の断行、限られた予算資源の配分、将来世代の負担の明確化など、明確にする必要に迫られてきた。
例えば、自治体会計における「コスト」は、いくら現金を使ったのか(現金主義)のみで決算を行う。これがお役所仕事はコスト意識に欠けると批判されるゆえんだ。一方、発生主義によるコストでは、ヒト・モノ・カネのすべての行政資源がどれだけ使われたのかを明らかにしなければならない。
公会計制度の導入により、複式簿記・発生主義に基づく財務諸表(貸借対照表、行政コスト計算書、キャッシュフロー計算書、純資産変動計算書)を、会計別や組織別、事業別に作成することにより、財務マネジメントにおける「予算(PLAN)→執行(DO)→検証(CHECK)→見直し(ACTION)」というPDCAサイクルの構築が可能となる。
行政改革には必須のツールとなることはまちがいない。
橋下市長は府知事時代に、公会計制度の導入を「自治体運営の1丁目1番地」として掲げ、大阪府への導入を決定し、大阪市への導入についても会計室に指示している。
一方、名古屋市では公会計制度の導入の動きはない。その理由を確かめると、河村市長は公会計制度の導入には消極的だからとのことだ。
ここ数年、名古屋市の行政改革が止まってしまっている原因のひとつに、河村市長自身の行革への消極的な取り組み姿勢があるが、今回もまたかという思いを持ってしまうのは残念なことだ。
平成24年度予算議会において、自民党は公会計制度の導入について、質問する準備を進めている。
2012年02月05日
震災前後の各区人口動向
そこで、1月1日を基準とし、震災前後の人口動向を比較すると...
震災前基準日:平成23年1月1日
震災後基準日:平成24年1月1日
■人口増加区
1. 緑区 +2,285人
2. 中区 +1,075人
3. 千種区 +1,031人
4. 東区 +916人
5. 守山区 +762人
6. 西区 +109人
7. 熱田区 +84人
8. 瑞穂区 +67人
人口減少区
1. 港区 -1,481人
2. 南区 -1,056人
3. 北区 -922人
4. 昭和区 -402人
5. 中川区 -420人
6. 天白区 -269人
7. 中村区 -73人
8. 名東区 -53人
調査の結果、港区、南区の人口の減少が1,000人を越えていることが明らかとなった。因果関係があるかどうかはさらに調査しないと不明だが、津波等の影響があったのではないかと考えられる。
仮に震災や津波の影響で人口が減っているとすれば、求められるのは、いかに港区、南区に住む市民の不安を払しょくするかだろう。高潮防波堤の津波対策、河川堤防の震災対策、地域の液状化対策、避難場所の確保、災害情報の伝達方法など。
目に見える形で震災対策を進める中で、来年1月1日現在の人口の減少が食い止められるかどうかがひとつの目標となる。
2012年02月04日
減税の旗を降ろしちゃった...
「河村さんが減税をどんどん打ち出すなら、政策が違う(読売新聞)」
「減税の旗を降ろすか、何かの調整がないと一緒になれない(読売新聞)」
「今の段階で増税か減税かを政治家が意見表明するのはナンセンス(橋下ツイッター)」
「住民税が下がるかどうかはちっぽけな最後の話(産経新聞)」
「減税日本が衆院選で減税を公約に掲げたら連携は困難(毎日新聞)」
など減税に批判的な姿勢を示していた。
これに対し、河村市長は橋下市長との関係修復を図るため、河村市長から会談を申し入れ、減税施策をいったん棚上げすることを表明。「減税改め反増税(NHK)」を打ち出した。
市議会でいくら異論が出されても、頑として減税の実施を譲らなかった河村市長が、国政における大阪維新の会との連携のためなら「減税」の旗を降ろすとは...
結局、「減税は一丁目一番地」と訴え続けていたものの政策などどうでもよく、国政への転向、つまり政局しか視野になかったということなのか...
そうなると、市民税減税で使われる4年間417億円の支出の是非が、平成24年度予算議会であらためて問われそうだ。
2012年02月03日
自治体監査制度を変えないと...
民間企業では監査法人等による「監査」が行われてるが、名古屋市においても同様に、毎年「監査」が行われている。
地方自治法第195条以下に基づき、監査委員と、その補助者としての監査事務局(市職員)が、
・市民の税金が無駄遣いされていないか。
・それぞれの事業が所期の目的を達成しているか。
・それぞれの事業は効果を上げているか。
などを目的に監査を行っている。
しかし、実際に現場に出て監査事務を行っているのは、内部の市職員で構成された監査事務局職員だ。
ここに限界がある。
監査事務局職員には、いわゆる「本籍」がある。「本籍」とは監査事務局に配置される前の主な所属部局、出身部局のことだが、例えば、緑政土木局出身の監査事務局職員が、土木事業において無駄がないかどうか「本籍」に調査に行ったら、そこに元の上司がいたなんてことがあるかもしれない。
また、健康福祉局に厳しい監査をした結果、「覚えておけよ〜」とにらまれることもあるだろう。
監査事務局職員は市職員である以上、数年が経過すれば、また一般部局に配属される。自身の将来を考えれば、あまり厳しいことは言いにくい。
もちろん、市職員は市の複雑な業務を見るための専門性は極めて高く、その優位性はある。しかし、自分が過去に所属したことのある組織に対する公正な監査を行う独立性という視点で見ると、現行制度には限界があるだろう。また、財務の視点、いわゆるコスト意識という点でも、市職員は甘いと言わざるを得ない。
それならいっそのこと、官民協働で監査をしてはと全国初の試みをおこなったのが大阪府。新日本有限責任監査法人から大阪府へ官民ベストミックスの提案事業として持ち込み、平成22年度に実現した。
市職員の専門性と監査法人の独立性・コスト意識というそれぞれの強みを生かした監査を実施した結果、「行政運営の改善等」を求めた委員意見は、平成21年度の14件から22年度に53件と増えている。また、「指示事項」は1件から8件へ、「指摘事項」は27件から26件となっている。
自治体の自立が求められている今こそ、財源確保・職員の意識改革といった視点から、監査制度の改革が求められる。
2012年02月02日
早稲田大学大学院日本橋キャンパスでパネリスト
2月2日、早稲田大学大学院日本橋キャンパスにおいて、「新しい時代の地方政府における議会・議員のあり方」をテーマに、パネリストとして参加した。他に、浅田均・大阪府議会議長、目黒章三郎・会津若松市議会議長もパネリストとして参加。進行は北川正恭・早大大学院教授がつとめた。私から、河村市長という特異な市長が現れたことにより、議会制民主主義の危機を招き、議会が自ら市民に身近で信頼され期待される議会を目指して改革を進めた経緯を紹介。
また、名古屋市議会の改革の特徴として、議会基本条例を報道機関や市民に見えるところで制定作業を進めたことなどを紹介した。
さらに、名古屋市議会議会基本条例の特徴として、
・議会報告会の明記(議会報告会は地方自治法上違法の疑いがあるとして、市長により関連予算はすべて削除されていること。)
・ 委員間討議の導入により、議員が都合の悪いことには「だんまり」して、市民への説明から逃げることはできない議会に。
・ 本会議や委員会のインターネット生中継の導入。平成23年度、市会ホームページ84万アクセスのうちの半分は本会議や委員会の議会中継が占めている。
・ 本会議や委員会議事録のネット公開。
・ 委員会にテレビなど報道機関を入れているため、連日議会の様子が報道され、市民の関心も高まった。
・ 議会活動のサイクル(本会議開会前、議決日)に合わせて正副議長の定例記者会見をおこない、ユーチューブで配信。
・ 議員自身の編集による議会広報誌市会だよりの作成
などの説明を行った。
会場から、
・議員間討論のあり方
・市長の反問権
・中京都構想
について、質問があった。
市長の反問権(議員の質問に対し、市長も議員に質問すること。)については、現市長に反問権を与えることはかなり危険であることを説明したところ、会場全員が納得していた。
今回の研修会で、私が関心を持ったのは、自治体への公会計制度の導入。今後、研究を重ね、名古屋市に導入した場合のメリットや導入の可否について可能性を探りたい。
2012年02月01日
議決を取り消してくれ!!
河村市長の意図は、2月2日の控訴期限までに「議会の議決を取り消してほしい。」というもの。そうすれば控訴しないというものだ。
しかし、議会の議決を取り消したり、修正するためには、本会議を開催する必要がある。1月30日の申し入れから、控訴期限までは、たった3日。事実上、本会議を開催することは不可能だ。
なぜなら、議会のルールでは、本会議1週間前に議会運営委員会を開催し、議会の開催について、市長より議会に提案しなければならない。また、議会運営委員会を開催するためには、理事会を開催しなければならず、少なくとも1日前までには、理事会の開催通知も出さなければならない。つまり、合計8日が、本会議を開催するには必要だからである。
ましてや、いずれの条例も河村市長が条例を交付しておらず、議会としても交付されていない条例を廃止したり修正したりすることもできない。本会議を開催したとしても、条例改正、条例廃止も不可能だ。
では、なぜ、河村市長はこんな無理な申し入れをしたのか。
その背景には、愛知県知事裁定においてもその後おこなった名古屋地裁判決でも、議会の議決は違法だという河村市長の主張は全面的に退けられ、敗訴していることがある。
今のまま、1審判決を不服として控訴すれば、「河村市長の無理強い」との批判が出される可能性が高い。あわせて、訴訟にかかる費用など税金の無駄遣いとの批判は、河村市長の行革姿勢を問われかねないばかりか、自身が予定している衆議院選挙にも悪影響を与える可能性がある。
そこで、議会に「協議」を申し入れたが、議会が協議すら受け付けず、やむを得ず控訴したというストーリーを印象付けるため、言い逃れのために「協議」の申し入れをしたという見方が大勢だ。
控訴せず、いったん条例を交付した上で、どうしても気に入らなければ条例改正案を提案するという、地方自治法にのっとった当たり前の手続きをなぜしないのか、市長の思いがわからない。
控訴期限の明日、河村市長は控訴する方針だ。
2012年01月31日
名古屋陽子線治療センター内覧会
2年前、河村市長が「陽子線治療はエビデンスが明らかでない。」として、3か月にわたって工事が中断。私は当時、所属していた常任委員会が陽子線治療施設の担当だったこともあり、「体を張って」工事再開に向けた議論を展開した。それだけに、今日の内覧会は感慨深いものがあった。
それでは、内覧会の様子を紹介する。
まず、「名古屋陽子線がん治療センター」入口。高級マンションの入口を思わせる落ち着いた雰囲気だ。まだ、看板等はかかげられていない。
中に入ると、まず、受付カウンターが...ホテルのロビーのような雰囲気。
治療ゾーンに入るには、専用カードが必要。
回転ガントリ照射室2入口。治療室は回転ガントリ室が2室、固定照射室が1室だ。アメリカヒーストンにあるMDアンダーソンがんセンターは、ガントリ室が3室、固定照射室が1室あり、名古屋より1室多い。
照射台。患者は、奥の青い台の上に固定され、陽子線治療を受ける。照射台の上にあるのは固定具だ。説明しているのは、陽子線治療施設事業担当荻野浩幸放射線腫瘍医。
治療の際には、白いスノコの板が回転。照射装置により幹部に誤差0.5mmで陽子線を照射する。照射時間は1〜2分で、痛みや熱などはない。
照射は、スポットスキャニング照射法を採用するため、細い陽子線で、がんの部分を塗りつぶすように照射する。この照射法により正常細胞の損傷を抑えることが可能となった。
ガントリを支えるローラー。ガントリとは、陽子線を任意の角度から照射することができる装置。内径5m、重さ200トン。これにより、360度どの方向からでも、陽子線を照射することが可能となる。
陽子は、水素原子から電子を取り除いて作られる。陽子の記号は「H+」。写真の赤いボンベは水素ボンベ。この中に、およそ3年分の陽子の原料となる水素が入っている。
取り出された陽子は、銀色の筒の中を通り、加速器へ運ばれる。加速前の陽子線は、光の10%程度のスピードしかない。
その陽子を治療に必要なエネルギーに高めるため、直径7m、1周23mの加速器の中を1秒間に数百万回回転させながら、光の速さの60%まで加速する。陽子線は真空のパイプの中を飛び、磁石の力で曲げながら繰り返し加速される。赤い装置は磁石。1m以内に近づくと、腕時計が壊れるそうだ。
加速された陽子線は、ビーム輸送系を通り、治療室へ輸送される。
さて、陽子線がん治療は、決してすべてのがんに適応するわけではない。胃や腸などの消化器系のがんや、複数のリンパ節転移のあるがん、血液のがんなど治療はできない。また、前立腺がんや肺、肝臓がんなどにも適応するとされているが、今後、治療を繰り返す中で、研究が進められることになる。なお、指宿では、陽子線治療による乳がんの適応について研究が進められている。
「陽子線治療Q&A」
■ がん治療と陽子線治療について?
がんの治療には、主に「外科療法」「放射線療法」「化学療法」があり、これらの中から治療方法を選択、または組み合わせて効果的な治療がおこなわれる。
近年、それら治療に加え、さらに高い効果が期待され、正常細胞への影響が低減できる陽子線治療が注目されている。
■ 総事業費は?
名古屋陽子線治療センターの総事業費は245億円。
■ 治療開始は?
平成25年3月から、先進医療の指定を受けるため10症例の治療を目指し、その後、5月から一般の治療をおこなう予定。
■ 治療費は?
240〜280万円と推定されている。現在、治療費の補助制度について、検討中。
2012年01月30日
おかげ横丁
1月29日(日)、お伊勢さんのおかげ横丁を訪れた。お伊勢さんの内宮は、例年、本殿階段下まで参拝者の大行列ができているが、今年はなぜかガラガラ。本殿正面に5〜6列程度並んでいるだけで、10分程度でお参りすることができた。
一方、今日のおかげ横丁は、歩くのも困難なほど大変な人出だった。最近では、おかげ横丁のついでに伊勢参拝に行くという方もあるそうだが、おかげ横丁の根強い人気を感じさせた。
さて、おかげ横丁は、平成5年7月に「赤福」が誕生させたまち。約2,700坪の敷地に45店舗、総事業費140億円を投じて整備された。
敷地内には、江戸時代から明治時代にかけての伊勢路の代表的な建築物が移築・再現され、伊勢路の特産品、料理、町並みを体験することができる。
また、名古屋城にも400年前から城下町が形成されていた。特に、江戸時代中期、芸所名古屋の基礎を築いたといわれる7代藩主徳川宗春の頃の城下町では、小売り、食べ物屋、呼び込み、芝居小屋など、大変にぎわっていたという。名古屋城おかげ横丁予定地の敷地面積は、約7,000坪。単純に伊勢おかげ横丁を参考に名古屋城おかげ横丁の規模を推測すると、117店舗、総事業費363億円の事業費となる。
徳川宗春の頃のはなやかな城下町を、民間ノウハウや民間資本により、整備するためのプロジェクトチームが立ち上がったが、民間からの引き合いも少なくない。今後、官民が知恵を絞りながら、名古屋の魅力作りに向け活発な検討を始めることになる。
※ 写真上…伊勢おかげ横丁
※ 写真下…徳川宗春の頃の城下町
2012年01月29日
議会改革推進会議の協議事項
今回の議会改革の進め方の特徴は、「小委員会」で、「協議事項」について論点整理をあらかじめ行い、推進会議においてかみ合った議論をおこなえる環境をつくり、できるだけ改革が目に見える形で進めることができるようにしたこと。それだけに、小委員会の役割が重要だ。
さて、小委員会は2部構成。
第1小委員会の「協議事項」
・議会基本条例の課題
−議会基本条例のうち、まだ実施されていない条項について早急に意見をまとめる。
・議会報告会の実施
−議会報告会を実施する前提で、その方法論を議論
・海外視察のあり方
−海外視察の実施の可否、実施の場合の視察のあり方、視察報告の公開などを議論
第2小委員会の「協議事項」
・議員報酬
−暫定となっている議員報酬について、あり方を議論
・議員定数
−名古屋市会における議員定数削減率は、政令指定都市では第1グループ。今後の議員定数のあり方について、さらなる削減を視野に検討
なお、議会報告会については、他の協議事項に先行し、2月定例会までに結論を見出す予定。
2012年01月28日
河村市長正念場
石原知事の呼びかけで、大阪維新の会代表の橋下大阪市長、大村愛知県知事、松井大阪府知事らが、2月中旬にも名古屋市で、「大都市制度の確立」「道州制の実現」「地方主権改革」などの問題を中心に協議をおこなうとの報道がなされた。
この動きは、次期衆議院議員選挙に向けて、三大都市圏における選挙協力を視野に入れたもの。
しかし、協議の中に河村市長の名前がない。背景には、河村市長が掲げる減税政策に対する抵抗感が各氏に少なくないことだろう。
石原知事は、平成23年3月4日定例記者会見で、「どうかしてるよ、アレ。この財政下に減税するったって、名古屋だって赤字を抱えてるんだろ。・・・(中略)・・・国民もそんなのに付和雷同するのはバカだと思うよ。減税する余裕がどこにあるんですか。」
一方、橋下大阪市長も減税には否定的(2012年1月23日 中日新聞)とされている。
つまり、市民税減税を主張すれば主張するほど、人気首長との連携が遠ざかるというジレンマに河村市長が陥っているという構図だ。
ここで、注目されるのは、河村市長が人気首長との連携をはかるために、減税の旗を降ろすかどうか。今のままでは、衆議院選挙で減税日本単独での獲得議席は多くても名古屋市内の2〜3議席程度だろう。しかし、減税の旗を降ろし、「大都市制度の確立」「道州制の実現」「地方主権改革」「公務員改革」を人気首長と共同で訴えれば、更なる議席アップを望める可能性がある。
河村市長正念場だ。
2012年01月27日
議会改革に関するパネルディスカッション
会場は、早大大学院ファイナンス研究科日本橋キャンパス。
進行案は、北川正恭・早大大学院教授、また、地方議会を代表して、浅田均・大阪府議会議長、目黒章三郎・会津若松市議会議長、そして、横井利明・名古屋市会前議長がパネリストをつとめる。
当日は、
■ 昨今の潮流(大阪都構想、地域政党、議会不要論等)を受けどう感じているか。
■ 議会改革の実践について
−取り組みのポイント
−最も力を入れて推進していること
■ 目指すべき議会について
−どのような議会改革・議会運営を進めていくのか、決意・抱負
などについて、発表する予定だ。
全国が注目した「議会リコール」の背景をできる限りわかりやすく伝えること、また、各地の議会改革が進む一助となることをねらいとしたい。




