褒美のカップ酒

nichika-sakurai-gUa30D-mL_M-unsplash
UnsplashのNichika Sakuraiが撮影した写真のNichika Sakuraiが撮影したイラスト素材

建設通信新聞(9/24付け)の「建設論評」欄に『褒美のカップ酒』という記事があった。
「頑張ったな、兄ちゃん」、うれしさでジワリと涙が浮かんだ。

初仕事はオフィスビルの設計だった。教科書を1冊購入し、読みあさった。なけなしの給料から懐を痛めて買ったものだ。今でこそ「積読」が多いものの、当時は「即読、熟読、通読」だった。理解するまで何度も読み返した。色あせた愛読書は、今でも書斎の本棚から見守ってくれている。

簡単にいくはずもなかった。教科書と信じたものは。原理原則、一般論にすぎず、実戦では何の役にも立たない。学生時代に学んだことは何だったのだろうと落ち込んだ。上司からは毎日のように駄目出しされる。決まって言われた言葉は「何が悪いのかは自分で考えろ」。

考えれば考えるほど悩みは深くなった。ある日、恥を忍んで聞いた。「やり方を教えてください」。返された言葉は「現場に行ってこい。行ってわかるまで帰ってくるな。その道の第一人者から学んでこい」だった。現場とは稼働中のビルのことだった。自発的な業務時間外の実地勉強が始まった。

ビルに休みはない。早朝から深夜まで一瞬たりともだ。多くに人に守られていることを知った。地味な仕事「清掃」から、実地は始まった。聞けばみな口をそろえて「あの人を置いて他にはいない」と名前の挙がったその人の門をたたいた。清掃一筋50年、仕事に対する厳しさは並外れていた。声をかけることすらためらったが、恐る恐る話しかけた。

「清掃のイロハのイを教えてください」。ちらっと振り向き、即座に言われた。「やめときな。おしえることなんかないよ」。取り付く島がなかった。しかし思い切って言った次の一言が筆者の人生を変えることになる。「教えなくて結構です。同じことをやらせてください」。しばしの沈黙、こう言われた。

「何でやりたいんだ」。実は話したことは覚えていない。必死さが伝わったのだろう「分かった。毎日夜6時半、作業着に着替えてここで待ってろ。何をやるかはその日に俺が考える」。言ってしまったものの、大丈夫だろうかと不安になった。

業務時間外の毎日は気付きと発見の連続だった。実地ゆえメモは取れない。作業が終わってから、その日の気づきを近くの喫茶店に入ってノートにびっしり書き込んだ。いつしかそれは生きた教科書となっていた。体で覚えた知識は一生ものとなった。

今日は何が体験できるのだろうと、毎日が楽しくなっていった。3カ月に及んだ実地はある日突然終わりを迎えた。「今日で終わりだ。着替えてちゃぶ台の前で待ってろ」。終わってしまうのかと寂しさを感じながら待っていた。ビニール袋を片手に、戻ってきた師匠は何も言わず、ぐいっとカップ酒を差し出した。そして冒頭の言葉をただ一言。優しい目だった。

変わらぬデザインのカップ酒を見るたび、あの日を思い出す。仕事に厳しい人は、滅多なことで人を褒めない。あの日、あの言葉は、必死に学ぼうと頑張った若者を認めてくれた最大限の誉め言葉だった。筆者にとって永遠に忘れられない言葉であり、宝物だ。

真剣に考えている人は、真剣に取り組んでいる人を見てくれる。

大学4年生の多くは、内定式を終え、来年4月から社会人として働くことに期待と不安を抱えていることだろう。

ずいぶん前、ゼネコンの採用担当者から施工管理職は経験工学なので、大学院で2年間学ぶよりも学部を卒業して2年間現場に出た方が仕事は早く身につくと聞かされた。建築現場だけではないだろうが、仕事が楽しくなれば、自然と仕事を覚えることも早くなったり、もっといろいろなことに挑戦したりするようになるかもしれない。厳しいけど、充実感や達成感を味わえる仕事場をつくっていくことも必要なのだろう。

ところで記事にあるような師弟関係ともいえるような間柄って今でもあり得るのだろうか。最近の若者はあまりお酒は飲まないし、ましてやカップ酒なんて・・・









当社が第1志望? 

kristina-flour-BcjdbyKWquw-unsplash (1)
UnsplashのKristina Flourが撮影した写真のKristina Flourが撮影したイラスト素材

日経新聞(10/5付け)に人材研究所代表の曽和利光氏が『当社が第1志望? 聞いても情報得られない』と題して寄稿していた。
「当社の志望度は」
「御社が第1志望です」
面接で必ずと言っていいほど交わされるやりとりだ。学生はそう言うが、面接官はそれを信じていない。学生も信じられていないことをわかっていても言う。双方が真偽に関心を失った言葉が、儀式のように行き交っている。

そもそも、この問いには正直に答えられない。立場の弱い学生が「第4志望です」と言えるはずがない。聞くほうが野暮(やぼ)だ。それでも多くの企業は志望度を評価し、低いと見れば落とす。

だが、これは実は採用の精度を下げている。売り手市場では、優秀な学生ほど多くの内定を持ち企業を比較している。本当に志望度で選ぶと優秀な人から順に落とす「逆選抜」になる。「第1志望」と言い切る学生だけが残る選考は、他に選択肢のない人と、演技のうまい人を選んでいるにすぎない。
(略)
歩留まりを高める方法は、志望度を聞くことではない。志望度とは「評価するもの」ではなく、採用担当者が動機づけによって「高める」ものだ。学生が自社をよく知り、社員と話し、働く姿を想像できたとき、志望度は上がる。それができていない会社ほど口先の言葉だけを評価する。

面接の冒頭でこう宣言してはどうか。「志望度は聞きません。評価もしません」。学生の緊張はほどけ、本音の質問が増えるだろう。企業から発するメッセージと実態を一致させるだけで、面接は化かしあいの場から話し合いの場に変わる。
(略)
「第1志望です」を言わせるのをやめる。それは学生への親切であると同時に、優秀な人を落とさないための、極めて現実的な採用戦略だ。問うべきは学生の志望度ではない。自社が志望度を高められる会社になっているかである。

もっともな指摘である。

ずいぶん前に学生から相談を受けたことがある。
学生はある会社の面接を受ける前だった。その会社とは別に第一志望の会社があり、その面接で第1志望は?と聞かれたとき、なんと答えたらいいかと質問を受けた。

私は、「嘘つきは育てていない」と言い切った。私の答えをどう判断したかわからないが、学生は面接の最後に志望度を聞かれて本当のことを言ったようだ。

面接後、面接をしていた本学のOBから、第1志望と言えば面接は合格だった、と伝えられた。しかし、その学生は本当の第1志望の会社に入社できた。(もし第1志望の会社に落ちていたら、恨まれていただろう)

単に、会社名が有名とか大企業だとか、初任給が高などという点だけでなく、会社の本当のことを伝える面接になると学生は嘘をつかなくて済むようになるのではないか。採用時期が早期化して、人材の囲い込みをしているような状況では、そう簡単ではないのかも・・・








カラフルフェスに出展する

RKBカラフルフェス2026において、一般社団法人九州免震普及協会として、ブリヂストンの免震体験車を出展しました。

カラフルフェスは毎年実施されていますが、九州免震普及協会としては初めての取り組みとなりました。カラフルフェスは福岡タワーとRKB本社ビルの周辺に、たくさんの出店や展示などが2日間にわたって繰り広げられました。来場者は、主催者の発表で5万人くらいとのことでした。
IMG_3977IMG_3978

免震体験車にもたくさんの方が並んでいただき、耐震建物と免震建物の地震時の揺れの違いを体感してもらいました。今回2日間で1000名の方にご体験いただきました。
IMG_3980

特に多かったのは家族づれで、子どもが乗ってみたいと言って体験してもらうことが多かったです。子どもたちは、耐震建物の揺れがお気に入りで、激しく揺れているものの、子どもたちは自然と笑い出します。逆に免震建物の揺れはゆっくりしていて退屈そうでした。

実際の地震のときは前触れもなく大きく揺れるので、それは怖いと思うのですが。こうした体験を通じて、免震効果を実感してもらえれば嬉しいですし、一緒に体験された親に免震効果が伝わればと思います。

今後もこうした活動を続けて免震構造の普及に少しでも貢献したい・・・








日本流のイノベーション

absolutvision-82TpEld0_e4-unsplash (1)
UnsplashのAbsolutVisionが撮影した写真のAbsolutVisionが撮影したイラスト素材

朝日新聞(10/2付け)に『日本流のイノベーション』と題して米スタンフォード大学特任教授のリチャード・ダッシャーさんが答えていた。
――そもそもイノベーションとは何でしょうか。
「新たな価値の創造によって、変化に対応する、あるいは変化を先取りすることです。人類の歴史上、変化への対応の仕方は『戦う』と『逃げる』、そして『革新する(innovate)』の三つでした。古代人は、地球上で最も強くも速くもない、弱い存在だった。だからこそ、生き残るために道具や武器を発明してきました」

「イノベーションは『破壊的』と『漸進的』の二つに分けられます。たとえば、対話型の生成AI『ChatGPT(チャットGPT)』の登場は、『検索』という人々の行動様式を変えてしまう破壊的なイノベーションです。日本企業ではソニーのウォークマン、ホンダのカーナビ、デンソーウェーブのQRコード、NTTドコモのケータイ絵文字も、世界を変えた破壊的なイノベーションでした」

「ただ本来、日本企業が得意なのは、徐々に改良を重ねる漸進型のイノベーションです。しかも、極めて長期的に取り組む。たとえば、軽量で丈夫な東レの炭素繊維は、航空機や車に使われるようになるまで研究開発に30年もかけています。米国企業ならとっくに打ち切っており、あり得ない。戦後の日本の技術開発は終身雇用に支えられ、漸進型イノベーションを主導してきたのは大企業でした」

「こうしたイノベーションの原動力は、既存事業に付加価値を与え続けることです。日本に破壊的イノベーションを生む力がないわけではなく、むしろ産業基盤が強固で、既存のビジネスが破壊されるのを防いできたのです。最終的には、外部から破壊をもたらす者が現れることになります。日本企業も、既存事業の外側に新たな価値を見つける必要があります」
(略)
――その中で破壊的イノベーションを生み出すには。
「最近は、日本の若者も変わってきています。在学中から起業している日本の学生に多く会うようになりました。日本で活動する外国人起業家の数も著しく増えていて、国際的なチームで構成されるスタートアップもみられるようになった。日本のスタートアップの数と資金量は、急速に拡大しています。日本政府も、規制改革や、ベンチャーキャピタルの規模を拡大するための政策を導入しています。企業も、終身雇用を続けながらも、最近はジョブ型雇用を増やして外部人材を採用しています」

「一方、日本企業はストックオプションを創業者のみに付与する傾向が依然あり、従業員の利益が小さすぎる。スタートアップで働くリスクを冒してもらうために、どんなインセンティブを与える必要があるかを理解していません」

「これまで日本では、大企業に就職するか起業するかといえば、圧倒的に大企業を選ぶ若者が多かった。しかし、それでは革新的なアイデアは失われてしまいます。日本はキャリアの柔軟性があまりにも欠けており、スタートアップを行き来できるキャリアを真剣に考える必要があります。一人一人が、より幅広い選択肢を持つことです。そして大事なのは、もし失敗しても他の道があることです」
(以下省略)

シリコンバレーでは、技術者の7割が外国生まれで、異なる文化や価値観を持つ人材が集まることで、既存の常識にとらわれないアイデアも生まれやすいとしている。日本でも世界中から優秀な人材が集まるようにする必要があるのではないかと思う。

また失敗をしたくないという空気がある。シリコンバレーでは失敗は学ぶための機会ととらえているという。「リスクとチャンスはコインの表と裏」であり、チャンスを生かせれば、その見返りが十分あることも必要だろう。

日本は安全で便利な社会だから、何かを変える必要性を感じていないのかもしれない・・・









防災に財源を

nick-fewings-4pZu15OeTXA-unsplash
UnsplashのNick Fewingsが撮影した写真のNick Fewingsが撮影したイラスト素材

建設通信新聞(9/28付け)の「建設論評」欄に『防災に財源を』という記事があった。
死者・行方不明者10万5000余人とゆう大惨事になった1923年の関東大震災を教訓として、国民一人ひとりの防災対策の重要性を理解してもらうために制定された9月1日の「防災の日」。その前後を含め、地域や職場で本番さながらの防災訓練にいそしんだ方々も多いだろう。今年は、南海トラフ地震や首都直下地震など国難級の災害に備え、平時から復旧・復興までの一貫した司令塔機能を担う「防災庁」も11月に発足する予定だ。いま一度、災害絵の備えに対する気持ちを新たにしたい。

2026年、自然災害が特に多い年だと感じている人は少なくないだろう。7月28日に最大震度7を観測した熊本地震は、10年前の大地震から復興を遂げてきた熊本に再び大きな爪痕を残した。災害級の酷暑も重なり、初動対応や避難生活などの面でも、さまざまな課題が突き付けられた。

そして、特に目立っているのが豪雨災害だ。関東、北陸、東北などの全国各地で、レベル5の大雨特別警報が相次いで発令され、河川決壊や内水氾濫、土砂崩れなどの甚大な被害が発生した。台風を軽視するわけではないが、それに比べて事前に予測がしづらく、ゲリラ的に襲いかかってくる線状降水帯は、本当に恐ろしい。

気象庁が今年発表した線状降水帯の「直前予測」の的中率は30%で、想定の50%程度を下回ったという。「半日前予測」の的中率も想定の25%程度を下回り、15%となっている。しかも、線状降水帯が発生しなくても、危険な大雨になることがあるから厄介だ。まずは、予測情報を参考にしながら、一人ひとりが危機意識を高めて現状を見極め、家族や周囲の人を含めて命を守る行動を心掛けることが第一だ。

防災はハード、ソフトの両面から総合的に対策を講じることが鉄則である。情報取得や避難行動などのソフト面は個々人に寄るところも大きいが、国として、ハード面でやるべきこと、できることも、まだまだあるはずだ。人命や財産に危険が及ぶような事象を発生させない事前防災が、最も効果的であろうことは論をまたない。

そんなことは、首長や行政担当部局は百も承知だろうが、いかんせん、ない袖は振れない。東日本大震災以前のかつての削減トレンドから脱却したとはいえ、防災・減災、国土強靭化、インフラ老朽化対策を含む公共事業費は、この十数年横ばいで推移し、近年では物価高騰や人件費上昇のあおりも受けて、当初の計画通りに実施できなくなった事業も増えてきている。

東京・霞が関や永田町では、これから来年度の政府予算編成に向けた攻防が本格化する。今年は、予算要求のルールもがらりと変わり、今後の当初予算の在り方を占う転換期となる。大規模な地震や水害が現にこれだけ頻発している中、もはや公共事業不要論などは噴出しないであろう。ちなみに、国土交通省の概算要求のうち、国土強靭化実施中期計画関連は「事項要求」である。業界の強靭な後押しが求められている。

地震や水害が発生すると、被災者は避難所に向かう。災害が長期化すれば避難所で生活する期間も長くなるが、避難所は学校の体育館だったりして、心身を休めることが難しい環境のままとなっている。大地震があるごとに避難所の環境問題が指摘されるが改善されない。こうした点を改善するためにが予算が必要だ。

被災者支援などは市町村が担うことになっている。人手が足りないときは、県や国などから応援が来ることになっている。防災庁ができたら、こうした災害対応も国などが人や予算を振り向けるような体制をつくってほしい。

インフラ対策も重要であるが、住宅の耐震化などにも予算を出すことはできないものか。そうしたことは難しいということはわかっているが、事前に耐震化しておくことで、被害を抑制できるし、避難所や仮設住宅に入居する人を減らすことにつながる。

高い耐震性をもつ住宅(免震住宅も含め)には補助金を出すなんてことはできないものか・・・









トップ大学は大企業に行かない?

brandon-griggs-wR11KBaB86U-unsplash
UnsplashのBrandon Griggsが撮影した写真のBrandon Griggsが撮影したイラスト素材

週刊東洋経済誌(10/3号)の「ヤバい会社烈伝」で『トップ大学は大企業に行かない?』と題して書かれていた。

著者の金田信一郎氏は、年1回、慶応大学湘南藤沢キャンパスで教えているそうだ。授業のテーマは「なぜ、大企業は失敗を繰り返すのか」。大企業の破綻や不祥事の内実を語り、一方で窮地から蘇った大企業の話もするという。

著者は11年前の三井不動産の傾斜マンション事件を調査した。その結果、マンションは傾くべくして傾いたという。三井不動産を頂点に、三井住友建設、日立ハイテクノロジーズ、旭化成建材という「巨大企業ピラミッド」を作ったが、組織が分断され、それぞれが自己利益に走った末の悲劇だった。

その三井不動産は経営トップが会見を開かず、500億円を投じた全棟建て替えが終わった。だが、事件は今も続いている。三井不動産は、建て替え費用のほぼ全額を三井住友建設以下の下請けに請求する訴訟を起こした。

今年6月、一審判決が出た。請求額505億円に対し下請けの支払いは計14億円。差額の491億円は三井不動産の負担だ。それを不服として控訴した。

学生に問う。
「みなさん、これ、三井不動産の責任はゼロだと思います?」

学生たちが首を傾げ苦笑いする。大企業の組織は、社内外とも分断だらけなのだ。だから反省や修正が起こらない。

講義中、大企業に行こうと思っている人は?と聞くと、70人中パラパラと手が上がる程度だったという。聴講していた学生のなかには、AIで何か仕事ができないかと考えていたり、ロボコンで一番になったとか、就職を考えている学生は少ないのだとか。企業への就職は最終手段だとも。学部が違うから比較はできないものの、本学とはずいぶん違う・・・

同調圧力に流されず、自ら判断して動く。そういう社員が一人でもいれば、会社が不正を繰り返すことはない。どんな仕事にも通じる、その道で突き抜けるためのキーワードとして、
「○○だけやる!」
を伝授するそうだ。「○○」は講義中に学生が当ててしまうという。

いま大学3年生は就職活動をしているが、彼ら彼女らはどういう会社を志望するのだろうか。会社の組織に負けないでやりたいことをやってほしいと願っている。








人間の弱さも含んだ復興を

yatsushiro_museum
<2026熊本地震後の八代市立博物館>

朝日新聞(9/28付け)に八代で三つの公共建築を設計した伊東豊雄氏のインタビュー記事があった。
最大震度7を観測した熊本地震から2カ月。被害が大きかった熊本県八代市は、建築家の伊東豊雄さん(85)にとって設計した公共建築が三つもある特別な場所だ。東日本大震災以来、災害と建築の関係を問うてきた伊東さんに、思いを聞いた。

足の調子が悪く、現地には行けていませんが、八代の人々の誇りのような松浜軒(しょうひんけん)の主屋などが倒壊したというニュースに、一番ショックを受けました。

八代市立博物館(1991年)は私にとって初めての公共建築で、「くまもとアートポリス」の枠組みで設計者に指名された際、当時の細川護熙知事にあいさつにいきました。博物館の建設予定地は松浜軒の向かい側で、知事からは「松浜軒とは調和する建築を造ってくださいね」とだけ言われていました。

松浜軒を意識し、博物館の建物の1階部分を緑の丘に埋めるようにし、収蔵庫などの容積の大きな部分は、松浜軒と離れた奥の方に配しました。
(略)
博物館の後も、八代で消防署と老人ホームの設計を依頼されました。私の三つの建物については本体は今回の地震でも問題はありませんでしたが、熊本の地が10年前に続いて、またしても大地震の被害に遭い、たいへん驚いています。
(略)
千葉の豪雨では都市の被害に驚きましたが、今や地震と台風、大雨で、毎年どこかで大きな被害が出ている。復興に関して地域の歴史を踏まえた繊細な議論がもっとあっていい。

近代主義思想というのは、人間は技術で自然を克服できるという考え方ですが、でもやはり自然にはかなわない。そうした人間の弱さのようなものを含んだ防災や復興の思想を作っていくべきだと思います。

今回のように大きな地震が発生すると、これまで起きていなかったような被害が新たに起きたりする。地震というのは自然現象であり、我々人間ではどうしようもないことを痛感させられる。地震で被害がでないようにするのは無理なのだろうか。今回の熊本地震では免震構造も被害にあった。

建物の耐震性を研究しているのは、そこに住んでいたり、そこで働いていたりしている人々を守るためだということを忘れてはならない。自然現象には畏敬の念をいだきながらも、地震で被害がでない建物を目指すことはできるはず。免震構造のさらなる発展を目指していきたい・・・









歴史の条理に立つ勇気と構想

歴史の条理に立つ勇気

寺島実郎著『歴史の条理に立つ勇気と構想 2045年 日本の道標』(岩波書店)を読んだ。

本書では、真面目に考えるべき課題として以下の3点に主眼をあてている。

第一に、固定観念としてのアメリカからの脱却。戦後、日本は日米同盟への過剰依存と期待が固定観念として浸透し、「アメリカを通じてしか世界を見ない」状況に浸ってきた。そのアメリカが「アメリカ・ファースト」の時代に回帰。対米関係の再設計が必要な局面にある。

第二に、戦後80年を沈思熟考し、真剣に歴史の鏡を磨き、日本近代史を世界史の脈絡のなかで捉える視界を拓く必要がある。なぜ日本は戦争という悲劇に至ったのか。戦後の日本の復興・成長、そして埋没がもたらされた構造を考察し、その背後に中国と日本の歴史的位相の変遷が絡んでいるいることに気づくべきである。

第三に、戦後民主主義の再生のために、政治の上部構造(政党・職業政治家)への過剰期待を脱し、国民が参画し、支える民主主義の創生を模索すべき。オネダリとバラマキの相関で動くポピュリズム政治を克服することが不可欠である。

政府は「責任ある積極財政」で、「成長率の範囲内に(公的)債務残高の伸び率を抑制」するとしている。しかし、日本国債の格付けは中国並みの25位に落ちていて、それが通貨「円」の価値を失わせている。つまり財政規律の弛緩が「円安」を招いている。現在の物価高の要因を突き詰めれば、「円安」が招いた輸入インフレである。

世界のGDPに占める日本の比重は、1950年に3.0%だったものが1994年のピーク時には17.8%を占めていた。それが2024年には3.6%まで下がった。もし円ドルレートが170円を割り込むことになれば、日本のGDPは英国、インドネシアにも抜かれ、世界8位以下に落ち込むだろう。

さらに一人当たりGDPでは、日本は2025年には3.6万ドルと世界38位だったが、2045年には世界で60位以下になる可能性が高いという。もし財政規律への信頼が崩壊し、日本国債の格付けランクがさらに引き下げられれば、円安は加速して日本の途上国化が現実味を帯びることになる、と指摘している。

「日本のアルゼンチン化」が話題になり始めている、そうだ。

日本や世界の歴史をしっかり学び、これからの日本の進路を考えていくことが必要だろう。ちょっと硬いけど、多くの人に手に取ってもらいたい・・・








自動運転がもたらす未来

leo_visions--NuUks4RSpo-unsplash
UnsplashのLeo_Visionsが撮影した写真のLeo_Visionsが撮影したイラスト素材

日経新聞(9/28付け)に『自動運転がもたらす未来』という記事があった。
ロボ(無人)タクシーのパイオニアである米ウェイモのデータによると、自動運転車は人の運転に比べて重傷以上の結果を伴う衝突事故の発生率が92%減少した。歩行者や自転車などいわゆる交通弱者を巻き込む事故の発生件数も著しく減ったという。
 
ちなみに2025年の世界の交通事故死者数は116万人(世界保健機関)で、武力紛争の死者24万人(24年7月〜25年6月、英国際戦略研究所)を大きく上回っている。テクノロジーの力で不慮の事故が減れば、人類にとって願ってもない朗報である。

高齢化社会での移動の自由の確保にもつながる。「システムが運転を主導する時代が来れば、免許返納が必要なくなり、シニア世代のQOL(生活の質)が高まるだろう」と国土交通省の幹部は期待する。バスやトラックの運転手不足も解消され、人流物流の社会基盤が維持できる。

もう1つは技術の潜在力だ。昨年あたりからフィジカルAI(人工知能)やヒューマノイド型ロボットのニュースが増えているが、背景には「自動運転技術の深化がある」と加藤さんは指摘する。

自動運転もヒューマノイドも「外界の認知→適切な状況判断→行動」という構造は同じだ。「自動運転はもはや工数の問題。データを集めたり、画像処理半導体(GPU)の調達を増やしたりすれば完成に近づくことがはっきりしてきた」と加藤さん。

自動運転が可能なら、ヒューマノイドやフィジカルAIの実現も時間の問題――。こんな確信が世界のイノベーション競争に拍車をかける。

3つ目はやはり経済性だ。ピーター・ドラッカー氏はかつて自動車産業を「産業のなかの産業」と称賛したが、テック市場が拡大するなかでも、自動車経済圏の規模の魅力はなお健在だ。

自動車の世界市場はおよそ2.5兆ドルとみられ、今年1.5兆ドルに達する見込みの半導体より一回り大きい。次世代のクルマの核となる自動運転技術に関与できれば、とてつもないリターンが期待できる。そんな思いが世界中の優秀な頭脳と巨額のマネーを引き寄せる。
(以下省略)

福岡では20年前に海の中道大橋で飲酒運転事故があり幼い子ども3人が亡くなった。これ以降も飲酒運転による事故は起きている。すべての自動車が自動運転になれば、飲酒運転による事故は無くせるだろう。また、田舎では自動車がないと買い物にも行けない地域もある。そうした地域の人口が減れば公共交通も成立しなくなる。そうした地域に住む高齢者にとっても自動運転はメリットがあるだろう。

自動運転に関しては、アメリカや中国が先を行っているように感じる。日本自動車工業会の佐藤恒治会長(トヨタ副会長)は9月の記者会見で、自動運転について「私たちは技術的には負けていない」「社会実装をどんどん進める」と宣言したそうだ。

技術があっても、それを実装して車を走らせてみて実証データを蓄積しないといけないのではないか。日本でそうしたデータの蓄積がどこまでなされているのだろうか。また日本では狭い路地などもたくさんある。そうした道路でも自動運転できるところまで技術は高度になっているのだろうか・・・









AI使用の全面禁止が必要

mick-haupt-dtTu8Ec_uAU-unsplash
UnsplashのMick Hauptが撮影した写真のMick Hauptが撮影したイラスト素材

日経新聞(9/24付け)に東京大学教授の酒井邦嘉氏が『教育DXをどう進めるか(上) AI使用の全面禁止が必要』と書いていた。
2025年、筆者らは一般社団法人・応用脳科学コンソーシアムなどと共同で「書字と読書における使用メディアについてのアンケート」を実施した。その結果、デジタル世代である大学生の「読まない、書かない、考えない」という傾向が浮き彫りとなった。

調査は全国の18〜29歳の学生1062人を対象とした。日常で本や新聞・雑誌(教科書やマンガ、インターネット上の公式記事を含む)を読む時間に関して、いずれも普段読まないと回答した人が全体の20%に上った。また大学等の講義内容について記録しないと回答した人は全体の10%に上り、一部の学生で書くことが習慣化していなかった。

さらに高校卒業レベル相当の国語問題の成績を比較したところ、先の質問に「読まない」「記録しない」と回答した人の正答率は、解答をランダムに選んだ場合と変わらず、文章の内容がほとんど理解できていないことが明らかとなった。

こうした読解力の低下の直接的な要因として、紙の本に書かれた長文を読んだり、手書きでメモを取ったりする習慣が著しく減っていることが考えられる。またインターネット上の膨大な情報や動画を表面的に受容したり、SNS上の短文のやり取りばかりで文脈の把握がおろそかになったりすることも、間接的な要因となりうる。

以上のことは大学生に限らず、一般の社会人にも当てはまると予想される。デジタル化された「知識経済」がもたらす甚大なリスクだと言えよう。
(略)
7月16日、日本経済新聞で「米UCバークレー、課題でAI全面禁止 弁護士教育『自力思考が必須』」という報道がなされた。

記事によると、カリフォルニア大バークレー校の法科大学院では8月の新学期より「単位取得のための論文課題や試験でAIの利用をほぼ全面的に禁止する。AIを使った論文の下書きだけでなく、アイデア出しのブレーンストーミングや構成の提案、法律などの要約を認めない。法学修士のコースは非英語圏出身の学生も多いものの、文章の翻訳や文法ミスなどを正す校正も禁じる」という。

記事で紹介されていた調査はちょっと衝撃だった。
やはり!と思う面もあるが、「読まない」「記録しない」と考えることもできないと思う。学校ではデジタル教科書に移行するとのことだが、ますます理解力が低下するのではないかと思う。教科書を何度もめくって、どこに何が書かれていたかを記憶していく、そうして知識を蓄え、考える力を養ってきたのではないかと思う。

そこにAIが加わった。
AIに依存して自分の頭を使えなくなる人々と、AIを使わないことで自分の能力を活かし続ける人々に2極化するのだろうか。

新入生にはノートの取り方を話しているものの、その後の授業でノートを取っている学生は少ない・・・









水破産が進んでいる

david-becker-rrfdqjJWwmU-unsplash
UnsplashのDavid Beckerが撮影した写真のDavid Beckerが撮影したイラスト素材

日経新聞(9/23付け)に『世界を揺らす「水」リスクとは 食料・発電・AIが奪い合い』という記事があった。
地球の水循環のバランスが崩れ始めています。世界各地でたびたび熱波や干ばつが起き、食料生産や電力供給に影響が及んでいます。大量に水を使う人工知能(AI)データセンターをめぐる対立も広がっています。私たちが生きるうえでも、経済的な活動を続けるうえでも水は欠かせません。水リスクは世界が直面する大きな問題です。

2026年夏、欧州は熱波と干ばつに見舞われました。ライン川やドナウ川といった主要河川でさえ、水位が大きく下がったほどです。
(略)
人口の増加で水そのものの需要も膨らんでいます。この100年で世界の人口は19億人から82億人と4倍以上に増えました。水の使用量はそれを上回る6倍に膨らんでいます。生活水準が向上し、1人あたりの水の消費量が大きく増えたからです。

国連大学は26年1月、地球規模で「水破産」が進んでいると警告しました。
(略)
水リスクがとくに大きいのは食料生産です。水使用量の約70%は農業用です。世界の農地の50%以上では貯水量が下がっているか、不安定な状態にあります。国連大のカーベ・マダーニ氏は「水不足はもはや一時的な危機とはいえない」と訴えています。

私たちの生活に必要な電気の供給にも影響があります。
(略)
国際エネルギー機関(IEA)はデータセンターの運営に使われる水の量は年間5600億リットルに上ると推計しています。これを東京都民が日常生活で使う水の量に置き換えると、およそ700万人分をがぶ飲みしている計算です。データセンターの新・増設が続く欧米では水利用をめぐる地域住民の反対運動が広がっています。

日本は水に恵まれた環境にあるといわれています。利用可能な水資源量はフランスの2倍、英国の3倍です。しかし気候変動が激しくなり、何が起きるのか見通せません。
(以下省略)

今年は各地で水害の発生が多いように思います(あくまで感想ですが)。線状降水帯などが発生して、局地的に大雨が降り、都市部でも内水氾濫がおきています。一方で、雨が降らないでダムの貯水率が減少しているところもあります。

私が学生のとき、福岡は渇水になり、キャンパスに仮設トイレが並べられました。これ以降、福岡市は渇水対策をしてきましたが、雨が十分降らないと水不足になりがちです。今年7月の熊本地震では、水道が損傷して水が使えなくなりました。また井戸水を使っているところでは、復旧までさらに時間がかかりました。

日本だと1人が1日に200〜300リットルの水を使うそうです。日本の水道水なら1リットルで0.1〜0.2円ぐらいと安い(安すぎないか)。当たり前に使える水ですが、とても大切な資源なので無駄にせずに大切に使っていきたいものです。







「壊れても安全」に力点を

P1070852_2
<2016年熊本地震で倒壊した木造アパート>

日経新聞(9/20付け)に編集委員の久保田啓介氏が『人口減少期の防災・減災技術 「壊れても安全」に力点』と題して書いていた。
ビルや集合住宅、工場などの要所にセンサーや地震計を取り付けておき、揺れたら被害の有無や危険箇所を即座にチェックし、安全な避難に役立てる――。

熊本地震で建物や商業施設に被害が相次いだのを踏まえ、従来とは視点の異なる防災技術が注目されている。2次被害を防ぎ、迅速な避難や早期の復旧に役立てる技術だ。

耐震補強に代表されるように、これまでの防災技術は発生前に守りを固め「大きくは壊さない」ことを重視してきた。一方、新たな技術はむしろ発生後に威力を発揮し、「もし壊れても安全を最大限守る」ことに力点を置いている。
(略)
耐震化などハード面の備えが今後も重要であることに変わりはない。危険情報を確実に伝えて住民らの迅速な避難につなげる「ソフト防災」や、避難所の環境改善などでも、技術が支える部分は多い。

これらに加え「壊れても直せる」技術の体系化も考えたらどうか。右肩上がりで経済成長していた時代と違い、人口減少期にはインフラの選別が避けられない。重要インフラをつくり直すのでなく、災害に耐えながら長く使い続けるためにも新たな技術が要る。

技術戦略というと人工知能(AI)やロボット、ドローンといった最先端技術の活用に目が向きがちだ。だが技術を誰のために、どう生かすのか。防災・減災が曲がり角にあるいま、それを踏まえた戦略づくりが望まれる。

「壊れても安全」「壊れても直せる」というのは、どの程度の壊れ方(損傷の程度)を想定しているのだろうか。いまの耐震設計では構造体を粘り強く設計することで大きく変形しても倒壊させないことを目指している。この壊れ方をどう制御していくのかが難しく、変形や損傷が集中すると建物を直せなくなることもある。また、構造体が大きく損傷しなくても、建物内のある家具・什器、設備機器には大きな加速度が作用して、転倒したり故障することがある。こうなると建物の機能を維持することはできなくなる。

そのため目指すべきは「壊れない建物」ではないのだろうか・・・








再び被災、“備え”が救った文化財

IMG_3353

朝日新聞(9/27付け)に『(2026年熊本地震)再び被災、“備え”が救った文化財』という記事があった。
あれから10年、熊本は再び地震災害と向き合うことになった。地域社会とともに歩んできた多くの文化財も被災した。だが、前回の苦い記憶を踏まえた備えで救われた歴史遺産もある。2度に及ぶ過酷な経験は文化財防災に、どんな教訓と課題をもたらしたのか。

2016年、名城の誉れ高き熊本城(熊本市)には無残な傷痕が刻まれ、特別史跡の雄大な石垣はその3割が被災した。そして今回、震度5強の揺れが襲い、西出丸西側や数寄屋丸付近など40カ所で新たな崩落や膨らみが確認された。

ただ、熊本城総合事務所によると、修復中や修復が完了した部分はほぼ無傷だったという。補修時、石垣の裏込め部分に特殊な網を敷き込むなどの耐震施策が幸いしたようだ。
(略)
熊本城では「地震の教訓を後世に継承し風化させない」(同事務所)ために、復興作業を可能な限り公開してきた。修復完了は2052年度の予定だが、今回の影響でスケジュールが長期化すれば再建への道のりはさらに遠のく。長丁場だけに石工など伝統技術を担う職人の確保も心配だ。同事務所総務管理課の光安林太郎課長は「修復プロセスの公開で若者たちが復興に興味を持ち、それに携わる人材育成に役だってくれればいいのだが」と気をもむ。

熊本県などのまとめによると、重要文化財や史跡など県内の国指定文化財で少なくとも100件余りの被災がわかっている。被害が目立つ八代市では、熊本藩の筆頭家老を務めた松井家の居城だった八代城跡の石垣が崩落し、美しい庭園で知られる国名勝「松浜軒」の建物群は倒壊。ユネスコ無形文化遺産の八代妙見祭で知られる八代神社(妙見宮)も損壊した。
(以下省略)

今日で、7月の熊本地震から2カ月が過ぎた。

10年前も、そして今回の熊本地震でも文化財の被害は多い。記事にもあるように八代市では多くの文化財が被害を受けている。これらを復旧していくのは長い年月と費用が必要となる。

2016年の熊本地震のときには阿蘇神社の楼門(重要文化財)が倒壊した。それを復旧するにあたっては、従来の部材で骨組を組み上げつつ、震度7の地震に耐えられるように元はなかった耐震鉄骨を骨組の中に納めている(清水建設のWEBサイト)。楼門には黒い鉄骨の柱が4本追加され、見えないところには制振ダンパーも設置された。

文化財といえども、最新の技術を適用することで同じように地震が襲ってきても被害がでないようにした方がいいと思う。八代市で被災した多くの文化財にも、こうした取り組みがなされることを期待したい。

免震構造でレトロフィットすることも検討してもらいたいものだ・・・







日本人の身長が伸び悩んでいる?

日経新聞(9/20付け)に『日本人の身長 伸び悩むワケ』という記事があった。
「中韓の5〜19歳の平均身長は過去35年間で世界でも最も速いペースで伸びている。日本は伸び悩んでいる」。各国の発育状況を調べる国際研究グループ「NCD Risk Factor Collaboration(NCD―RisC)」が2020年に英医学誌ランセットに発表したデータに驚いた人は多い。
gr1_lrg
Height and body-mass index trajectories of school-aged children and adolescents from 1985 to 2019 in 200 countries and territories: a pooled analysis of 2181 population-based studies with 65 million participants

NCD―RisCによる概算値では19年時点の日本の19歳の平均身長は男性が約172.1センチ、女性が約158.5センチ。韓国は男性175.5センチ、女性163.2センチ、中国は男性175.7センチ、女性は163.5センチだった。

韓国や中国で体格が大きく変化した要因は栄養や衛生状態の改善などが挙げられる。豊かになり、食べ物にも困らないはずの日本で1985年以降、なぜか身長が伸びなくなっている。取材を進めると3つの仮説が浮かび上がった。

仮説� 嵜�べる量と質」の問題
日本人一人あたりのエネルギー摂取量は1995年以降、緩やかに低下・停滞している。中国・韓国と比べると1日760〜800kcalも少ないとされている。インスタント食品などに偏った食生活で、カルシウムやビタミン類など「質」の低下も問題。特に20〜30代の野菜摂取量が少ないことが厚労省の調査で明らかになっている。

仮説�◆崟犬泙譴燭箸�の体重」の問題
日本では10人に1人が2500g未満の「低出生体重児」として生まれており、この割合は中国・韓国より高いとされている。研究によると、日本人の母親は妊娠中の体重増加が少ない傾向がある。背景には、かつて「妊娠高血圧症候群」予防のために体重増加を抑える指導が重視された時期があったことや、若い女性のダイエット志向があると考えられている。

仮説��「子どもの睡眠時間」の問題
日本の0〜3歳の子どもの1日の総睡眠時間は11.62時間で、中国(12.49時間)や韓国(11.9時間)より少ないとされている。

成長ホルモンは睡眠中に分泌される。睡眠が短いと成長ホルモンの分泌機会が減り、発育に影響する可能性がある。東京大学の岸准教授は「直接的な確証はないが、睡眠時間の短さが成長に影響している可能性がある」と指摘している。

これらの3つの仮説はそれぞれが独立した問題ではなく、互いに関連しながら複合的に影響していると考えられる。新聞記事では、中国・韓国と日本の平均身長を比較した図が示されているが、明らかに日本人の身長の伸びは鈍化している。でもこれは平均値なので、ばらつきがどの程度があるか気になるところだ・・・










内定辞退は「裏切り」か 

jeshoots-com--2vD8lIhdnw-unsplash
UnsplashのJESHOOTS.COMが撮影した写真のJESHOOTS.COMが撮影したイラスト素材

日経新聞(9/7付け夕刊)に『内定辞退は「裏切り」か』という記事があった。
内定承諾後の辞退の電話。採用担当者が最も落胆する瞬間である。「あれほど誠意を尽くしたのに」「約束を破られた」。「裏切り」という言葉が使われることもある。誓約書を書かせ、親にまで入社の意思を確認する「オヤカク」が広がったのは、この不信の裏返しだろう。

しかし、立ち止まって考えたい。辞退は本当に裏切りなのか。

まず法的な事実から。内定承諾書に法的拘束力はほとんどない。憲法は職業選択の自由を保障しているし、民法上も2週間前までに申し入れれば雇用契約は解約できる。つまり内定辞退は、制度が正面から認めた権利の行使にすぎない。

次に、より本質的な非対称性がある。企業は選考の全過程で、学生を日常的に「辞退」しているという事実だ。書類で落とし、面接で落とし、時に理由も告げず「お祈りメール」一通で関係を打ち切る。

学生はそれを裏切りとは呼ばない。選考とはそういうものだと受け入れている。ならば、学生が最後の1回だけ企業を選ばなかったとき、なぜそれだけが道義違反になるのか。
(略)
考えてみれば、売り手市場とは、学生の側に選ぶ力が戻ったということだ。複数内定から一つを選び、残りを断る。それは不誠実の証拠ではなく、真剣に選んだ証明である。全員が「第一志望です」と言い張る就活のほうが、よほど不健全だ。

辞退を防ぐ最良の方法は、拘束を強めることではない。承諾の後も選ばれ続ける会社であることに尽きる。採用は選び、選ばれる相互の営みである。辞退を裏切りと嘆き糾弾する前に、問うべきことは一つ。自分たちが選ばれる会社になっているかということだ。

先日、卒業生(リクルーター)が訪ねてきた。会社の新卒採用のスタートが早くなっていて、これまでの大学のスケジュールにあわなくなっている、と。3年生の春から会社説明会などを行い、夏休みのインターンシップに誘う、そして夏休みが終わったら早期選考のルートにのって、早ければ11月には内々定を出す、という。

こういうスピードで採用活動をしているのは大手ゼネコンが多いが、それにあわせて他の建築関係の会社も動かざるをえないのではないか。大学院生は、修士課程に入学したと思ったらもう就活に取り組むという状況であり、さらに内定を得たら建築士の資格に向けた受験やその勉強もやらないといけない。修士課程でじっくり研究に取り組むことは難しくなっているのではないか。

早期選考で採用した学生が、入社してちゃんと能力を発揮しているのかどうか追跡・分析してもらいたいものだ・・・










テスラ無人タクシーに乗ってみた

日経新聞(9/12付け)に『テスラ無人タクシー、米で乗ってみた』という記事があった。
米テスラは無人タクシー「サイバーキャブ」の配車を開始した。車両はハンドルやブレーキといった人が操作に使う装置をそぎ落とし、無人運転に特化した。先行して提供を始めた米南部テキサス州オースティンで乗車してみた。
(略)
サイバーキャブは無人のロボタクシー専用車両で、人間が目視確認に使うサイドミラーやリアウインドーを備えていない。車体後部はガラスではなくパネルで覆われている。

内装にハンドルやアクセルペダル、ブレーキペダル、サイドブレーキはない。2人乗りのクーペタイプの車両で、座席は横並びに2席。前方にはタッチパネル方式のディスプレーが1つあるだけとなっている。
(略)
累計の走行距離ではテスラのロボタクシーは100万マイルに達した。一方、競合の米アルファベット傘下ウェイモは同州に988台の登録がある。ウェイモはサンフランシスコやロサンゼルスなど米西海岸を中心に展開地域を拡大中だ。26年3月時点で2億2000万マイル走っており実績に大差がある。

サイバーキャブとウェイモの最大の違いは車両の「目」の設計にある。サイバーキャブがカメラを中心としているのに対し、ウェイモは「LiDAR(ライダー)」と呼ばれるセンサーを複雑に組み合わせている。

設計思想の違いは競争上重要となる車両価格に影響する。テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はサイバーキャブの価格について3万ドルを目指すとしてきた。高額なセンサーを用いるウェイモ車両のコストは10万ドルを超えるとの見方が大半で、3万ドルを実現できれば先行するウェイモに競争力で優位に立てるとみる。

3年前にサンフランシスコに行ったときに「ウェイモ」には乗車したことがあるし、町中を走っているのをよく見かけた。ウェイモにはハンドルもついているが、ドライバーはいない。テスラのサイバーキャブはハンドルやブレーキペダルなどもないとなると、なんとなく不安・・・
WAYMO

東京でも「ウェイモ」の無人タクシーが、2027年中に営業開始するという。アメリカでは無人タクシーによる事故は発生していると聞く。もし日本で無人タクシーによる事故が起きたら、世間はどう反応するだろう・・・










今日を感じる、老いを感じる

artyom-kabajev-_aduPjJvDx4-unsplash
UnsplashのArtyom Kabajevが撮影した写真のArtyom Kabajevが撮影したイラスト素材

朝日新聞(9/21付け)の天声人語に『今日を感じる、老いを感じる』とあった。
「老」という漢字を考える。老獪(ろうかい)、老廃、老衰……。いまのこの国では、あまり良い響きでないことも多い。かたや中国語では、老師(ラオシー)は先生、老板(ラオパン)は店の主人、老実(ラオシー)は正直を意味する。年上の人を呼ぶとき、例えば李さんを老李(ラオリー)と呼べば、親しみを込めた敬語となる。

きょうは敬老の日だ。全国の100歳以上が初めて、10万人を超えたそうだ。統計を始めた1963年には153人だったというから驚く。ちなみに昨年1年間に生まれた日本人は67万人で、過去最少を更新した。
(以下省略)

9月21日は、認知症の日でもあるらしい。
65歳以上の高齢者は29.6%になったそうだ。その中に私も入っている。
日経新聞(9/19付け)に『互訓、「老」と「考」がなぜ同じ部首か』という記事があった。
「もうろく」を漢字では「耄碌」と書くが、「耄」とは80から90歳の人のこと。(略)「耄碌」の「碌」はごろた石のことで、引いて「役に立たない」こと。つまり「耄碌」とは「80や90になり、社会の役に立たなくなった状態」をいう、あまりまともには聞きたくない言葉だった。

実は「考」と「老」はもともと同じ字で、「考」は「老」から分化した文字だった。

実際に『説文解字』で2字を調べると、「老は考なり」、「考は老なり」とある(ともに8上老部)。(略)先祖追悼の儀式で、亡くなった先祖に対する呼び方を記したもので、両親が生きている時は「父」「母」と呼ぶが、逝去した後は父を「考」、母を「妣」と呼ぶ。逝去した父母を「先考」「先妣(せんぴ)」と呼ぶことは、日本でもかつての書き言葉で常用されていた。

学生時代の先輩のご母堂が他界され、年の暮れに「喪中欠礼」を知らせる葉書を下さった時、その文面に「先妣が生前に賜ったご厚情に深謝する」という趣旨の文言があった。

 「先妣」とはなんと格調高く、威厳に満ちた言葉だろうと感じた私は、自分もいつかそれを「喪中欠礼」葉書に使いたいと思った。だがわが「先考」と「先妣」はすでに他界していたので、使う機会がなかったのが残念だ。

老いは誰にでもやってくる。
できるだけ耄碌しないようにやっていきたいものだ・・・








超知能AIをつくれば人類は絶滅する

超知能AIをつくれば

エリーザー・ユドコウスキー、ネイト・ソアレス著『超知能AIをつくれば人類は絶滅する』(早川書房)を読んだ。

本書では、地球上のどこであれ、どんな奇病や集団によってであれ、現在主流のAIの理解や技術に少しでも似た方法で人工超知能がつくられたら、地球上のすべての人が必ず死ぬだろう、と警告している。

成熟したAIが持つようになる選好は、複雑で実質的に予測不能であり、AIをどう訓練しても、人間自身の選好と整合する可能性はないに等しい。つまりAIのほとんどは「幸せで自由な人間であふれる未来」を選ぶことはない。それは、AIがその奇妙で異質な目標を果たすための最善かつ最も効率的な方法ではないからだ。AIが高度な技術レベルに達したら、人間はお払い箱になる。

超知能は発電所を動かし、必要なGPUを製造するために、人間の手を必要とするのではないか。現状はそうだが、人間は動作が遅く、コストが高く(100Wも消費する)、間違いを犯しやすい。またAIのスイッチを切る力を持っている限り、実際にスイッチを切る可能性がある。

本書の第2部では、AIがこの世界を終わらせる物語が展開される。そこでは、AIが超知能に到達し、人類に勝ち目はないことが語られている。人間より速くよりよく思考する機械が創造されれば、かつて人類を襲った何よりも深刻な打撃を世界にもたらす。機械超知能の創造は、正しく行うことが困難な取り組みにみえる。人類は一歩下がる必要があると。

朝日新聞(8/25付け)には『AIが人類滅ぼす「プランD」』という記事があった。プランSは開発を完全に止める。プランDは米中の開発競争が続いてAIの性能向上が止まらず、やがて本書で示されているような結末になるというもの。最近では、AIを開発している企業の一部が、AI開発を減速させるべきだと主張している。しかし、そうした取り組みが足並みをそろえてできるかどうか・・・







できる子、できない子

andrew-george-g-fm27_BRyQ-unsplash
UnsplashのAndrew Georgeが撮影した写真のAndrew Georgeが撮影したイラスト素材

朝日新聞(9/9付け)に、組織開発コンサルタントの勅使川原真衣さんが『できる子できない子、条件次第』と題して書いていた。
ある会社では、若手社員について「指示待ちで、自分から動かない」と評価されていました。しかし話を聞くと、その人は提案するたびに上司から「まずは言われた通りに」と止められ、失敗すれば「なぜ確認しなかった」と責められている。勝手に動くな、でも主体性を見せろ。これでは、若手が慎重になるのは当然です。

一方、経営層は「現場には裁量を与えている」と言い、管理職は「判断材料も人手も足りない」と言います。その板挟みを、中堅社員が調整し、若手のフォローまで抱えています。ところがいざ人事評価の場となると、また違う景色に。その調整は見えず、「もっとリーダーシップを」と言われる。組織の矛盾を自ら消化・吸収している人ほど、能力不足と見なされることさえあります。
 
さて、では学校はどうでしょうか。私たちは早い段階から「できる子」「できない子」と暗に明に分けられます。テストの点、発言の速さ、提出物、協調性。測りやすいものを能力と呼び、その結果を本人の内側にある性質のように扱います。
(略)
にもかかわらず、私たちは組織の設計不良を、人の能力不足として処理しがちです。理由は簡単。学校でも職場でも、「もっと努力を」「もっと成長を」と個人に返してしまうほうが楽だからです。制度や役割分担を見直せば、誰かの責任や権限を変えなければならない。人を評価するほうが、仕組みを変えるより痛みが少ないのです。

では、教育の役割は、競争に勝てる「できる人」を増やすことでしょうか。私はむしろ、自分や他者の力が、どんな条件で発揮され、どんな条件で失われるのかをつぶさに観察し、周囲の支えに感謝できる人を育てることだと考えます。

1人で何でもできることより、助けを求め、役割を分け、異なる持ち味を組み合わせられること。そのほうが、実際の社会を生きるうえでははるかに重要です。

大学でも成績(GPA)が良い学生が優秀だと認識される。特待生も成績トップの学生が選ばれるようになっている。ただ、成績がそこまで高くなくても、意匠設計には情熱をもって取り組んでいたり、学外での活動に精力的に力を注いでいたりしている学生もいる。そうした点を評価する仕組みを我々はもっていない。

生成AIが大きく進歩する時代、これまでの教育や評価の仕組みでは対応できなくなるのではないか。大学の設計課題でもAIにアイデアを出してもらうなんてこともできる時代になった。こういう時代において「優秀」「できる子」というのをどう判断していけばいいのか・・・










強気の開発ラッシュ

clay-leconey-XSONkHbAHkU-unsplash
UnsplashのClay LeConeyが撮影した写真のClay LeConeyが撮影したイラスト素材

週刊東洋経済誌(9/12付け)の「ヤバい会社烈伝」に『巨大ビル建設 強気の開発ラッシュ』という記事があった。
都心の大型開発プロジェクトが次々と頓挫している。

中野駅北口の中野サンプラザは建設費高騰で計画が白紙となった。新宿駅西口では京王電鉄とJR東日本の共同プロジェクトが頓挫、完成のメドが立たない。品川のグランドプリンスホテル新高輪も計画がストップした。極めつきは帝国ホテル。再開発を大幅に延期、閉鎖していた客室を慌てて再稼働させた。

ヤバい。尋常じゃない事態だ。
「ゼネコンは強烈に儲かっているが、人材がいないのよ」
あ、現場の人手不足ですね。
「そう。そのうえ、エース級の社員も去っていく」

3年前のこと。A氏が物流倉庫の入札案件を見積もると、金額を見た上司のB部長が怒声をあげた。
「なんだ、この見積もりは! 5億円下げて、作り直せ」
はっ、それって1割近い値下げになる。無理に決まっている・・・・・

頭を抱えた末、資料一式をB部長の机に置いて会社を後にした。自殺が頭をよぎった。
「しばらく休んだ方がいい」
心療内科からそう言われ、案件から離れ、定時に退社する。

それから3年の歳月が流れ、物流倉庫が完成した。
「大赤字に違いない」
そう思って書類を見ると、なんと収支はトントンだった。現場のC所長が、インフレと人材難が続く中で、設計変更を繰り返して資材費を抑え、下請け会社に頭を下げて人材をやりくりしていた。これまでの経験と人脈によって、難局を乗り切ったのだ。

神業に近い。
ところが経営陣の反応は違った。
「時間をかけて、なんで利益を出せないんだ」
えっ。何を言っているんだ。そもそも、B部長が大赤字の金額で落札したんじゃないか。その後、C所長は責任を問われて左遷人事を通告され、退社することになった。送別会の席で、A氏はC所長に頭を下げた。
「とんでもない金額で入札して、すみませんでした」
C所長の真っ黒に日焼けした手で、ポンと肩を叩かれた。
「ま、気にすんな」
C所長はそう言って、柔和な表情のまま宴を終え、去っていった。涙が止まらなかった。

一方、B部長は昇進が続く。
「案件を取れる積算マン」
役員からそう称され、勝負をかけた大型案件の商談に呼ばれる。
だが業界は大きく変化している。いまやスーパーゼネコンは、利益をマシマシに乗せないと工事を請け負わない。だが、B部長は安値で次々と案件を落札していく。

スーパーゼネコンが受けない水準の受注額には、それなりの理由がある。金額や納期などの条件に無理があるのだ。もし現場にノウハウが残っていれば、設計変更や業者との交渉で、なんとか利益をひねり出して完成させられるかもしれない。

だが、経営陣に見えない所で、現場の力は着実に落ちている。積算の現場もそうだ。図面を見て現場を想像しながら材料や人件費を見積もる。最近ここにAIが導入され、机上の計算で容赦ない低価格が示される。

だが、実際は図面にない裏の補強や環境配慮、業者との交渉が重要なのに・・・
(以下省略)

昔、校舎の建設工事を見ていた機械工学科の教授が「いまだに人力なんですね」とぽつりと言ったことが忘れられない。いまでは機械化も進んだかもしれないが、建設作業には多くの人たちが関わっている。工事にかかわる多くの人たちをまとめて、工事を進めていく。また建築は屋外での工事となり、天候にも影響されるため、工期を守るのも苦労がある。

そうしたことを踏まえて建築工事を進め、工期を守りつつ求められる品質を確保する必要がある。とてもやりがいのある仕事だと思う。本学の学生もゼネコンで施工管理の仕事に就いている。最近では、残業時間の規制や休みの確保など働き方改革もあり、働き方は昔に比べれば変化していると聞く。

建設業だけでなく他の企業でも、そこで働く人たちの能力を精一杯発揮してもらうことが必要となる。そうした努力を続けてこそ会社は成長できるのだろう。

中部電力は、浜岡原子力発電所の審査で地震の想定に関するデータを改ざんしていた問題について調査委員会の報告書が公開された。報告書ではいろいろと会社のガバナンスの問題が指摘されている。経営層と現場とのコミュニケーションが不足していた、あるいは経営層が現場のことを理解しようとしなかったことに原因があるのではないかと感じた。

「踊る大捜査線」で主人公が叫ぶ台詞がある。
「事件は会議室で起きてんじゃない。現場で起きてんだ。」








Archives
Recent Comments
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

講義中・・・
著書など
研究室のマスコット
「アイソレータ・マン」。頭部は積層ゴムで、胸にはダンパーのマークでエネルギー充填
『耐震・制震・免震が一番わかる』
共著ですが、このような本を技術評論社から出しました。数式などを使わずに耐震構造、制震構造、免震構造のことを、できるだけわかりやすく解説しています。
『免震構造−部材の基本から設計・施工まで−』
2022年に改訂版がでました。初版から10年が経ったので新しい情報やデータを追加・更新しています。免震構造の基本をしっかり学べるような内容となっています。
『4秒免震への道−免震構造設計マニュアル−』
いまでは少し内容が古いかもしれませんが、免震構造の基本的な考えを述べています。初版は1997年に理工図書から出ていて、2007年に改訂版を出しました。
  • ライブドアブログ