たった1畳のラーメン店

日経産業新聞(7/3付け)に『ロボット飯に沸く米西海岸 「1畳のラーメン店」も』という記事があった。
100近いラーメン店が競い合う米サンフランシスコ。日本でも有名な「一風堂」のすぐ近くに今年開業した風変わりな店が話題を呼んでいる。広さは1畳ほどで、チップは不要。スタッフさえいないその店の正体は「ラーメン自販機」だ。キワモノにも見えるが、家賃や給料が高騰する西海岸では機械やロボットによる自動化を進めた飲食店はひとつのトレンド。ハンバーガーやカフェなどにもそのうねりは広がりつつある。

IT(情報技術)企業のイベントなどでにぎわうサンフランシスコ中心部にある商業施設。その一角に2月、大きめの自販機が設置された。売っているのはコーラやジュースなどではなく、米国でも人気が定着したラーメンだ。
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タッチパネルで「ブラックガーリックオイルとんこつ」(税別11.99ドル=約1300円)を選び待つこと45秒。チャーシュー3枚とネギ、コーン、キクラゲが載った熱々のラーメンが出てきた。日本で食べられるラーメンと比べ決して安くは感じないが、近隣のオフィスで働くサンドラ・チョーさんは「便利だし、普通のラーメン店より値ごろ」と満足そうに麺をすする。
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この自販機を作ったのはYO―KAIエクスプレスという2016年設立のスタートアップ企業だ。冷凍したラーメンを自販機の中で加熱して提供する仕組みで、アンディ・リン最高経営責任者(CEO)によれば「今は自販機に保管できる40杯分を1日かけて販売している」。この商業施設での売上高は月1万ドルほどに達し、リピーターが約2割を占めているという。

「味と提供の早さ、価格を総合すれば一風堂よりも満足できるはずだ」とリン氏。レストランを経営する協業相手と、短時間での提供でもおいしく食べられる材料や加熱の方法を吟味してきた。7月にもテスラの工場やスタンフォード大学に導入してもらうべく協議を進めている。

台湾出身のリン氏はもともと半導体メーカーで電機系の技術者をしていた。夜中に温かいものを食べたいと思っても、米国のコンビニで見つけられたのはホットドッグとカップめんぐらい。「おいしいものをもっと手軽に食べられればいいのに」と考えていた時に、日本のうどん自販機の動画をネット上で見つけ「これだ!」と起業を決意したという。将来はラーメン以外のメニューの拡充やスマートフォン(スマホ)アプリとの連携などを計画している。
(以下省略)

こうした自販機を設置したり、ロボットを店舗に導入する背景には、人件費も高騰し、レストランの経営コストが高くなっていることがあるのだろう。それにしても記事にあるラーメン1杯が1300円は高い(!)。

日本でもホテル(変なホテル)にロボットを導入したりする事例もある。一方で、日本での自販機の設置台数は群を抜いて多い。飲み物だけでなく、いろいろなものを売る自販機があっても面白いかもしれない。

こうした動きが広まれば、建設界にもロボットや自動化といった動きが浸透していくことにもつながる?










新国立競技場の屋根工事

新国立競技場は屋根工事にはいったようです。
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(写真は、JapanTimesより)

日本スポーツ振興センターは、2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の観客席を覆う屋根工事の一部を報道陣に公開しました。高所での屋根工事は全工程で最も難しい作業とされ、19年5月まで続くといいます。↓は時事通信社による映像です。



このなかで、屋根を構成する鉄骨部材に木材を組み合わせた木質ハイブリッド構造について説明がされています。鉄骨だけだと強風や地震時などに振動が大きくなるので、木材を組み合わせることで揺れを小さくする、と説明されています。

これについては、大成建設設計本部副本部長の細澤治氏は「強風や地震などの影響で屋根が上下する動きを抑える工夫が必要だった。木と鉄のハイブリッド構造は、木部分が短期荷重による変形を抑制する剛性を付与する役割を果たす」と説明しています。(日経アーキテクチュア
H形鋼と集成材を組み合わせたハイブリッド構造の部材は、ラチス材や下弦材として使用する。大成建設は屋根架構にハイブリッド構造の部材を使うことを想定し、木材がどれほど軸力負担に効果を発揮するかの実験を行っている。
木質ハイブリッド

「鋼材のみ」と「ハイブリッド材」の剛性を比較。その結果、ハイブリッド材ではラチス材で約10%、下弦材で約25%も鋼材のみに比べて剛性が高かった。木材は「繊維の束」であるため、繊維方向への剛性が高い性質があるためだ。

大成建設構造研究室木・鋼チームの森田仁彦チームリーダーは、「下弦材に使うカラマツの木材は剛性、耐力ともに高い特性がある」と話す。屋根架構に使う木と鉄の体積比率は木材1に対して鉄骨は0.6。つまり、木材を使った部位は、より多く観客の目に映る。一方、重量比率は圧倒的に鉄骨が大きく、木材の約10倍となる試算だ。

なるほど、木材によって軸剛性を高めることで、変形を小さくするようにしているということですね。ただ、木材は経年変化(劣化)すると思いますが、木材と鉄骨は部材の軸方向に引きボルトで接合するようにして、物理的につなぎとめる手法を選択した、と。いろいろと検討された上での、木質ハイブリッド構造ということですね。

もともと性質の異なる2つの部材をうまく組み合わせることができれば、よりよい効果を生み出せるということのようです。









机上で野菜栽培「ベジテーブル」

ベジテーブル

建設通信新聞(6/29付け)に『打ち合わせテーブルで野菜を育てよう』という記事があった。
竹中工務店は、人と建築が寄り添うことで健康的な環境を実現する“健築”の新たなソリューションとして、スタンディング式の打ち合わせテーブルと野菜栽培を一体化した『ベジテーブル』を開発した。植物工場の考え方を導入し、 無機培地式水草栽培装置などを採用し、無農薬で80種類以上の野菜を栽培できる。

ベジテーブルは、インテリア・グリーンの「見る」に加えて、オフィスで働く人に野菜を「育てる」「収穫する」「食す」という体験を通じて完成・創造性の活性化や執務環境の改善、コミュニケーションの活性化などに貢献する。

植物工場で使われている固形無機培地による水耕栽培方式を採用し、無農薬で野菜栽培ができる。湿度確保と衛生に配慮したスライド開閉式のアクリルカバーを備え、収穫も簡単にできる。LED照明は栽培モードの明期とインテリアモードの暗期の強度切り替えを自動化。生育に必要な気流を確保するため、静穏ファンを採用したほか、栽培部と胴体下部にドレンパンを設置し、漏水を防止するなどメンテナンスの手間を省略。通常業務に影響がないように野菜栽培の自動化を図っている。
(以下省略)

オフィスに緑があれば、落ち着くかな〜。
単に緑を見るだけでなく、食べることができるというのは新しい。職場交流を活性化するのには役立ちそうだ。しかし、税別で86万8000円は少々高い。これ以外にもメンテナンス費や苗代が必要となるとのこと。

職員が十分野菜を食べることができるようにするには(それが目的ではないだろうけど)、相当な数の机が必要そうだ・・・









大学進学者が2割減少

日経新聞(6/26付け)に『大学進学者 2割減 40年度51万人に』という記事があった。
大学などの将来像を議論する中央教育審議会の部会は25日、2040年度の大学進学者が17年度比で2割減となる推計を盛り込んだ中間まとめを大筋で決めた。都道府県ごとの大学の定員充足率も提示。地域で大学の連携や統合といった協議を進める材料にするのが狙いだ。地域の産官学で話し合う「地域連携プラットフォーム」(仮称)の構築も提唱した。

中間まとめは14〜17年度の大学進学率の伸び率を基に、40年度の進学率を17年度比で4.8ポイント増の57.4%と推計。一方で18歳人口が減るため、40年度の大学進学者は17年度より約12万人少ない約51万人になると推計した。
大学進学者の将来推計

都道府県別では立地する大学への40年度時点の入学者数のほか定員充足率の推計も提示した(資料PDF)。国公私合計の推計は47都道府県で97.3〜66.0%。それぞれで国公私別の推計値も出した。機械的に算出したが、中教審は「今後の定員のあり方を検討するうえで基本的なデータになる」と指摘。大学などの連携や統合といった戦略を立てるうえでも重要だとした。
(以下省略)

2040年の大学入学定員充足率が都道府県ごとに推計されている(国公私立大学の合計、%)。
  1位 沖縄 97.3 
  2位 福岡 93.6 
  3位 東京 92.1
   ・
   ・
  45位 徳島 66.9 
  46位 秋田 66.5 
  47位 岩手 66.0

員充足率は地域ごとに大きな差がある。福岡の定員充足率は高いものの、本学が入学者を確保していくことは徐々に難しくなっていくかもしれない。また入学者の確保だけでなく、大学教育のあり方自体も変えていかないといけない状況になるのではないだろうか。

加えて、2040年以降はどうなるのだろうか。今から100年後の日本の人口は約5060万人、現時点の約40%となるという推計もある。これに従って18歳人口も減っていくだろう。そうなれば、現在の大学数は必要なくなる可能性が高い(もちろん進学率が大幅に高くなれば別だけど)。

さて、22世紀には、どの大学が生き残っているだろうか・・・








群馬や大阪で相次ぐ地震、首都直下地震は?

地震計

日経産業新聞(6/25付け)の記事で、群馬や大阪で相次ぐ地震について東京大学教授の平田直氏がインタビューに答えていた。
政府の地震調査研究推進本部地震調査委員会は、首都圏でマグニチュード(M)7程度の地震が30年以内に起きる確率を70%と推定する。17日には群馬で最大震度5弱、18日には大阪で震度6弱の地震が起きた。各地で地震が相次いでいるが、首都直下地震のリスクは高まっているのか。地震調査委の委員長を務める東京大学の平田直教授に聞いた。

――群馬、大阪と地震が起きました。日本列島は活動期に入ったのですか。
「地震が相次いでいるのは偶然と思う。日本とその周辺では、M7程度の地震は1年に約1回、M6程度は月に1回程度起きている。現時点の地震活動が、特に活発とは思わない」

――18日の大阪北部地震について、調査委は断層を特定しませんでした。調査委がまとめている主要活断層の地震発生の長期評価への影響はありますか。
「M6.1程度の地震は、地表に痕跡を残さない。活断層の長期評価では、今回のような規模の地震の発生は考慮されていない。だが、地震は活断層だけで発生するわけではないので、地域評価を始めた。九州などで公表済みの活断層の地域評価では、M6、M5などの地震も考慮した。大阪を含む中日本は審議中でまだ公表していない」

――6月、千葉県東方沖で巨大な岩板(プレート)がゆっくりすべる現象「スロースリップ」が確認され、千葉県でまとまった地震が相次ぎました。首都直下地震のリスクは高まっているのですか。
高まったとは思っていない。首都圏で大地震が発生する確率の計算は、過去の大地震の発生間隔から統計的に導いている。そこにスロースリップは含まれていないためだ。千葉県東方沖では過去に、スロースリップと群発地震がセットになって繰り返し起きている」

――首都圏の地下構造はどこまで分かっているのですか。
「陸のプレートの下に、フィリピン海プレートと太平洋プレートが沈み込むという複雑な構造をしている。地表に近い地盤と、プレート(巨大な岩板)の構造に大別される」「地盤の硬さは揺れやすさに影響する。プレート構造は地震波を解析することで、コンピューター断層撮影装置(CT)のように推定できる。そのために2007年から関東に約300カ所地震計を設置した。フィリピン海プレートの上面は、東京湾北部で深さ約30キロメートルにあることなどがわかった」

「過去の地震も参考にしている。1703年から現在までに首都圏でM7級の地震は、大正関東地震の余震を除くと9回起きた。そのうち1855年に起きた安政地震について、古文書を専門家と共に丹念に調べた。仕組みがわかっていなかったからだ。その結果、フィリピン海プレートで起きた地震ということがわかった」

――備えはどうすればいいですか。
「都市は作りやすい平地にできた。平地は陸から海へ流れた砂や泥が積もって隆起したもので、揺れやすい性質がある。高層ビルではエレベーターが止まり、容易には復旧しないだろう。電気や水、ガスなど当たり前に使っていたものがなくなる」

「3日分の食料や水を備蓄するなどいざというときに備えてほしい。地震調査委は年に1回、全国地震動予測地図をまとめており、対策を思い出す機会にしてほしい」

大阪北部地震では2500棟超の建物に被害が出たとされている。鉄道や高速道路などインフラにも大きな影響があり、改めて都市部を襲う直下型地震の影響の大きさが実感された。もし同規模、もしくはそれ以上の地震が首都圏で起きれば、多大な影響が及ぶことは避けられない。

平田教授は地下構造をコンピューター断層撮影装置(CT)のように推定できるとしているが、それにはもっと多くの地震計が必要なのではないだろうか。民間の建物(高層ビル)やガス会社・鉄道会社などでは独自に地震計を設置して、地震データを保有している。こうしたデータも活用できるような仕組みをつくっていくことが必要ではないだろうか。

もっといえば、建物内にも地震計を計画的に設置する仕組みが必要だろう。そうしないといつまでたっても、耐震設計手法の検証はできないのではないか。建物の損傷の有無や損傷の程度だけで、耐震設計法の妥当性を議論していたのでは、いつまでたっても設計法の高度化、設計用入力地震動の評価などには結びつかないのではないか。










非破壊で鉄筋の腐食を評価

物質・材料研究機構構造材料研究拠点の何東風主幹研究員らは、コンクリート中の鉄筋の位置や錆具合を測る磁気センサーを開発した。検出感度は10ピコテスラ(ピコは1兆分の1)。厚さ8センチメートルのコンクリート板の下の鉄筋を計測できた。携帯型の鉄筋腐食センサーとして計測機器メーカーと実用化を進める。

ホウ化鉄・コバルト・ケイ素のアモルファス合金をセンサーに利用した。アモルファス合金をコイルの芯に利用して磁気インピーダンスの変化から透磁率と電導率を計算する。センサーをコンクリート構造物にかざすと、内部に鉄筋がある場合は透磁率が変化する。このとき鉄筋の腐食具合によって導電率の値が変わる。鉄筋の位置と腐食をそれぞれ別々に確認できる。(日刊工業新聞より)

日経クロステックでも紹介されている。
↓は腐食の進捗がそれぞれ異なる4つの鉄筋の上に、アクリル板と木を置いて鉄筋コンクリートを模擬し、その上からスキャンしている何東風主幹研究員。
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検出する信号がユニークだ。一般的に電磁波を非破壊で使うときは振幅を測るが、このシステムでは透磁率と導電性に着目した。位相の違う2つの信号から導き出されるグラフの傾きで、腐食の程度を判別する。

「さびの厚さを測るのではなく、腐食の程度を4ランクぐらいに区分けすることが狙い」。定期的にスキャンすれば、腐食の進展が分かるため、補修の計画が立てやすくなる。スクリーニング技術として活用が見込めそうだ。

スキャン装置が軽く、コンクリート表面をなぞるだけで鉄筋の腐食程度の状況が分かるので、自治体の職員などでも手軽に使える。現場では、外部電源は不要。装置から延びるコードをパソコンにUSBでつなぐだけでよい。

社会実装に向けて、これまでに新幹線高架橋で現場実験を実施。今後は、電柱などもターゲットに入れて試験を繰り返す予定だ。また、鉄筋の腐食具合だけでなく、かぶり厚さと鉄筋の直径も1台で測定できるような装置も開発している。

鉄筋の有無だけでなく、腐食の程度までわかれば、補修や改修といった計画を立てやすくなる。今後、建築物やインフラ構造物の維持管理が重要性を増してくる。耐久性が高い構造物をつくっていくことも必要だが、現在ある構造物を維持していくためにも、構造物の劣化診断の技術はますます重要性を増していくだろう。それにしても、いろいろな技術が開発されてくるものだ。










就活が学生の成長促す?

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日経新聞(6/22付け)の「私見卓見」欄に、大和総研調査本部副部長の宇野健司氏が『就活、学生の成長促す側面も』と題して寄稿している。
「就職活動を通じて学生は一回り大きく成長し、人間的に大人になる」。東京大学や早稲田大学などで社会人教員として講座を持ち、多くの就活生を見てきた実感だ。なぜ就活は人間的な成長を促すといえるのか。

第1に考えられるのは「自省」だ。約20年間の人生を見つめ直し、志望動機や学生時代の体験から得た教訓、自己ピーアールを熟考することで将来のビジョンを巡らす。

次に「アウトプット」が挙がる。自分で考えた内容を言語化し、エントリーシートにまとめる。面接では話し方も含め、伝える努力が試される。最後に「社会にもまれること」だろう。学校のペーパーテストなどとは異なる、正解のないやり取りを通して企業と向き合い、厳然たる合否を突き付けられる。

もちろん就活ばかりが成長の手段ではないが、社会勉強の場として、もっと注目されてしかるべきだ。学生の本分は学業であることは間違いないだろう。一方、社会人になる準備も必要になる。就活も教育の一環としてとらえ、「悪玉論」ではなく、うまく受け入れていくのが現実的だろう。日本の新卒一括採用には問題点もあるものの、職業スキルのない若者でも受け入れるため、低失業率につながるなど社会的な利点も大きい。

卒業後すぐに入社するなら、在学中に就活するしかない。会社側には面接解禁を6月の第1土曜日とするなど、できる限り土日・祝日や平日の夕方、休み期間に就活時期を設定してもらいたい。

学校側にも、就活期間には一定の配慮を要望したい。学生には、就活を単なる就職先を得る行為ではなく、社会を知る絶好の機会ととらえて欲しい。出来れば多様な業界や企業にも視野を広げられるといい。
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会社と学校、学生の3者が就活の効能を認め、現状のルールの範囲で折り合いをつけながら、節度ある対応で協力し合う。まずは、社会全体で「若者の成長を支援する」という意識を共有することが大切だろう。

筆者の指摘するように「就活」が学生を成長させる面はあると思う。ただ、就活だけが学生を成長させるのではないし、さまざまな活動を通して学生が成長する機会を提供することが必要だろう。就活といっても、実際には3年生の3月から始まり、早い企業は4月には「内々定」を出すところもあり、実質的に就活が1ヶ月で終わる学生もいる。一方で、6月から面接をする企業もあり、なかなか内々定を得られない学生もいる。

企業の新卒採用の仕方や考え方にもよるのかもしれないものの、学生はそうした方針に対して個別に対応しながら、就職活動をしている。就活が社会を知り、学生自身の成長を促すものとなり、さらには教育の一環となるためには、もう少し考えないといえない面があるように思う。教育の一環とするなら、就活の目的やその手段などが明確になっていないといけないだろう。








あぶないコンクリートブロック塀の見分け方

日本建築学会から「危ないコンクリートブロック塀の見分け方について」が6月29日にプレスリリースされた。
6 月18日に発生した大阪府北部の地震において、被害に遭われた方々に心から哀悼とお見舞いの意を表します。このたびの地震ではまたしてもブロック塀倒壊による被害がくり返され、その危険性が改めて大きな社会問題となっております。本会では、かねてコンクリートブロック塀の安全な設計・施工のための規準等を刊行しておりますが、6月21日の理事会において「広く一般の方々にも理解いただけるよう、簡易に危険度をチェックするための点検項目を早急に提示すべき」との指摘を受け、既存の規準等をもとに「危ないコンクリートブロック塀の見分け方」としてまとめましたので是非ご活用ください。ブロック塀が大地震などに際しても決して尊い人命を奪うことなく、財産の保全に役立ち、安全・安心なまちづくりに寄与することを切に願っています。

●日本建築学会:危ないコンクリートブロック塀の見分け方
http://www.aij.or.jp/jpn/symposium/2018/CB180629.pdf

●国土交通省:建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000731.html

上記の少々専門家を意識した内容とは別に、一般向けとして、日本建築学会材料施工委員会組積工事運営委員会ブロック塀システム研究小委員会『問いかけられる自己責任 あんしんなブロック塀をめざして』によるパンフレットも紹介されている。
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コンクリートブロック塀の危険性は、これまでの地震でも指摘されていたこと。もっと社会へ啓発する活動に力を入れてこないといけなかったのではないだろうか。学会も「学術」だけでなく、社会への啓発活動でリーダーシップを発揮すべきかもしれない。











ロサンゼルスから帰国します

アメリカ出張も終わりです(この記事が公開されるときは帰国している予定です)。

写真は、パッキングが終わった状態。スーツケースの上の大きなトートバッグは会議で参加者に配られたものです。とても頑丈で、大きいです。
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会議期間中は、ホテルにこもりきりでしたが、夕食のときはホテルの外に出ることもありました。写真は、ホテル近くのステーキのお店に行ったときのものです。熟成肉もたくさんありましたので、その冷蔵庫前でも。とても楽しい時間を過ごすことができました。
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熟成肉のステーキもおいしかったし、カリフォルニアワインも良かった。少々飲み過ぎた感はありましたが・・・
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米国地震工学会議に参加して思ったこと

アメリカ地震工学会議に参加して、得るところもあったし、日本の技術や先端の研究をもっと知ってもらうことも必要ではないかと感じました。例えば、免震構造や制振構造に関しては、我々が持っている知見、例えばデバイスの性能や各種の実験結果、免震・制振建物の設計例などを紹介する機会がもっとあってもいいかもしれません(国際会議ではないのですが)。

一方で、アメリカの発表を聞いていると、技術開発だけの話ではなく、それを使った場合の地域の被害抑制とか、レジリエントを高める方法など、包括的な話が多いように感じました。ある意味、広い視点を持って研究・開発をしているということかもしれませんが、少し抽象的な話になっている場合もあると思いました(もちろん全てではありません)。

もう一点、プレゼンで使うスライドの作り方ですが、文字やグラフが小さいな〜と思います。特にグラフの軸目盛りやタイトルが小さいものが多く、見づらかったですね。スクリーンの近くに座れということかもしれませんが、もう少し見やすいスライドにして欲しかったです。

こうした会議では、企業や学協会などの展示も行われています。下は、FEMAのブースで、刊行物などの展示もされています。最近では、フラッシュメモリに刊行物がPDFとしてコピーされていて、多くの情報が無料で提供されていることに驚きました。同じく、NEHRPでも同様にして資料が提供されています。
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ランチは、一番大きな会場で一斉にとりました。ランチのときにも、講演があり、ゆっくりランチを楽しむという感じてはありませんでしたが。ランチは基本的に「サラダ+メイン料理+デザート」という構成です。↓は3日間のランチ(メイン料理)の写真です。おいしかったですが我々にとっては少々ボリュームがありすぎました。
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加えて、デザートはたいへん甘いです。
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会議は朝の8時から始まり、夕方の5時には発表が終わります。その後は、ポスターセッションというとで、ワインやビールを片手にポスターを見たり質問をしたりして7時ごろまで会場にいます。こうしたことを3日間もやると結構疲れますが、いろいろと収穫があった会議でした。











学生による耐震設計コンペ

アメリカ地震工学会議では、毎回、学生による耐震設計のコンペが行われている。このイベントは学生が主体となって運営されている。

各大学でチームを組んで、高層建物の耐震設計(地震応答解析も実施)のみならず、建築の設計も行い、それらをパネルにまとめる。設計した建物の骨組みを模型でつくって、それを小型の振動台で揺する実験も行う。今年も多くの大学が参加して、模型とパネルを展示している。なかにはマレーシアや中国の大学からも参加している。
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一番持盛り上がるのは、振動台で模型を揺するときだ。
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勝敗は、パネルを用いたプレゼンテーションと振動台実験の結果によって決まるという。

こうしたイベントは、学生たちの教育効果も高いだろう。大学で学んだ知識を総動員して取り組まないといけないだろうし、チームの協力、役割分担、スケジュール管理など通常の授業では学べないことを経験する。

こうした取り組みを、日本でもできないだろうか。きっと耐震設計の難しさ、面白さを実感できると思うのだけど。









第11回米国地震工学会議はじまる

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第11回アメリカ地震工学会議がロサンゼルスで始まりました。
8時から基調講演があり、その後は各セッションに分かれて、発表が行われます。

この会議はアメリカ国内の会議なので、当然国内からの参加者が多数を占めています。特に、カリフォルニアからの参加者が多いのは、ある意味当然でしょう。
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一方で、海外からの参加者の割合は約26%となっていて、その中でも日本人が最も多くなっています。これだけ海外からの参加者がいると、国際会議といってもいいかもしれませんね。中国からの参加者が少ないのは、2008年の四川地震から今年で10年となり、国内で多くの会議が開催されるからでしょうか。

アメリカだけでなくヨーロッパでも、そして日本でも地震工学会議は開催されています。日本の地震工学会議も4年に1度開催されていますが、海外からの参加者はどれほどいるのでしょうか。日本の地震工学会議にも海外から参加者が来てくれると嬉しいですね。ただ、そのためには会議で使う言語を「英語」にしないといけないかな・・・










ロサンゼルスの建築を見て歩く

米国の地震工学会議が始まる前に、ロサンゼルスの建築を見て回りました。といっても、ホテルを中心にして歩ける範囲だけですが。

まず、会議が行われるボナベンチャーホテル。
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1976年に完成したホテルで、設計はジョン・ポートマンで、彼の初期のもっとも壮大なホテルのひとつと言われています。外観からもわかるように、中央と周囲に4つのタワー(円形)を配した構成となっていて、最高部は35階、6層までは吹き抜けの空間となっています。こうしたユニークな空間構成によって、いろいろな映画のシーンにも使われています。
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次は、フランク・O・ゲーリーが設計し、2003年に完成したウォルト・ディズニー・コンサートホール。こちらは建物の中を見て回ることができます。メインのホールは2000席以上があり正面にはパイプオルガンも設置されています。外観は他のゲーリー作品と同様に波打つようなパネルで構成されています。
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最後に、ロサンゼルスの市庁舎。この建物は免震構造でレトロフィットされています。
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そのほか、新しそうな警察署(↓左の写真)があったり、古い建築が残されて使われていたりして、ロサンゼルスはディズニーランドだけじゃないぞ、といった感じですね。
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〆切のある人生

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日経新聞(6/20付けの夕刊)に京都大学教授の佐藤卓己氏が『〆切のある人生』と題して寄稿している。
目下、共編著『近代日本のメディア政治家―「政治のメディア化」の実証的研究』(仮題)の編集作業を進めている。10名が執筆した共同研究の成果だが、原稿は〆切までにすべて集まった。共同研究をスタートさせる際、いつも私はこう宣言している。「〆切は厳守する。間に合わない人を待つことは一切しない」

厳しいと思う人もいるだろうか。だが、それは私が自分の弱さをよく理解しているためである。少なくとも私の原稿は、いつまででも待ちますと言われていたら書き上がることはなかったはずだ。〆切の効用について、私は卒論を書く学生に毎年こう語っている。

「あと数カ月で〆切があることの幸せを君たちは噛み締めることになる。もし〆切がなかったら、こんなに一生懸命に調べなかったし、これほど執筆に熱中できなかった、と。卒論の最大の収穫は〆切がある幸せを体験することです。これからも〆切のある人生をいきてください。自ら〆切を選び取り、守りきる人生をいきて欲しい。人生にも〆切はあるわけですからね」

〆切がなければ、「いつかやる」という機会もまず到来しない。「いつか読もう」という本の大半を私が読めていない理由は、〆切がないからである。そうした〆切の効用を考えると、生涯学習社会は生きにくい時代なのかもしれない。いつでも好きなときに学べばよいと言われて、本当に学ぶ人間が増えるとは思えない。

「あとで学べばよい」と感じる若者は学校という〆切システムから解き放たれる。だが、そうした「ゆとり」が社会階層の固定化をもたらしているのではないか。

いつでも〆切がある。〆切があるからこそ、頑張れる面は確かにある。僕らの仕事にも論文提出の〆切といったものがある。というか、どんな仕事にも〆切があり、みんな〆切に終われているのかもしれない。そうして仕事が片付いていく・・・

ところで、先週の土曜は約50名の卒論生(構造・材料系の4年生)の中間発表会だった。この時期の発表なので、どんなテーマに取り組みのか、どういう研究手法を用いるのか、という内容だった。それでも、発表のためにはいくつかの〆切もある。こうした〆切を守りながら、一定水準の発表をしていく計画性なども求められる。

〆切は、英語では”DEAD LINE"となる。直訳すれば”死線”。〆切を安易に考えると痛いしっぺ返しを受けるかもね・・・









小指ヘルメット

小指ヘルメット

朝日新聞(6/16付けの夕刊)に『これはなかった! 小指ヘルメット』という記事があった。
足の小指をタンスの角などにぶつけたことはありませんか? あのたまらない痛みを防ぐために、「小指につけるヘルメット」を考案した大学生を取材しました。

作者は、多摩美術大学4年の吉田隆大さん(22)。これまでにも、「毎日障子破りができるカレンダー」や「ボツになったアイデアを捨てるためのオクラ入りゴミログイン前の続き箱」などをツイッター上で発表し、話題になっています。
障子破りカレンダーオクラ入りゴミ箱

制作のきっかけについて「僕がよく小指をぶつけるので、それを守るためのものを作りました。守るといえばヘルメット。小指がヘルメットをかぶっていると可愛いのではないかと考えました」と吉田さんは言います。
(略)
多くの人が共感できる日常の中のちょっとした気づきを、独自のアイデアでかたちにしている吉田さん。小指をぶつけたときの耐えがたい痛みを、吉田さんの作品を見た人が共有しているからこそ、そのアイデアに引き付けられ、納得してしまうのではないでしょうか。

私たち記者が記事を書くときに大切なことも、同じなんだと思いました。まずは気づくこと、そして、それをかたちにするだけの力を身につけること。どちらが欠けてもダメなんですよね。

アイデアをいかに形にしていくか、それに加え優れたデザイン性を持たせることが必要だ。こうした力は、きっと建築物の設計や施工にも必要な力だと思う。










高校野球選手権100回記念ダンス

朝日新聞(6/14付け)に『初めて甲子園で撮影、夏100回大会のダンスCMが完成』という記事がありました。
朝日新聞社は14日、第100回全国高校野球選手権記念大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)を盛り上げるためのテレビCMを制作したと発表した。高校野球100年を記念して始まった高校生によるダンスCMは、4回目となる。

これまで3回のCMで出演してきた同志社香里(大阪府寝屋川市)、大阪府立今宮(大阪市浪速区)、大阪府立登美丘(とみおか)(堺市東区)の3校のダンス部が共演。大会歌「栄冠は君に輝く」に合わせ、3校が協力して高校野球をモチーフに考案した振り付けを披露する。今回は初めて阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)が撮影に使われた。音楽は尼崎市立尼崎高校(兵庫県)が担当した。

ダンスの映像は、↓で見ることができます。ダンスのキレがいいな、と思います。


メイキングムービーもあります。


これから熱戦を繰り広げる高校球児たちへのエールが込められていますね。でも、女子が多いと感じるのは私だけでしょうか。







ユーザー・エクスペリエンス

日本機械学会誌(6月号)では、『ユーザーエクスペリエンス』が特集されている。
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これまで製品や情報システムの開発では、ユーザーインターフェースやユニバーサルデザインといった、さまざまなユーザーの使い方を基点にしたデザインが研究されてきた。さらにユーザー中心設計、人間中心設計など、ユーザーの振る舞いに注目したデザインのあり方についても研究されてきた。ユーザーエクスペリエンス(User Experience, UX)とは、さらに体験と体験から得られる価値まで、人と商品・サービスとの関わり方がより進化したものだという。

この特集記事のなかで慶應義塾大学の松岡由幸教授が『タイムアクシスデザインとUXデザイン』と題して寄稿している。タイムアクシスデザインは、文字通り、時間軸を導入した理論・方法論であるとともに、思想であるという。従来の最適化法やシステム工学には明示的な時間軸操作はなかった。そのため使用環境や使われ方などの場の時間軸変化に対して、意図的かつ効果的な対応ができていなかった。

つまり、使うにつれて価値が成長するデザイン、使用段階において価値が高まり、長く使用可能な製品をデザインすることを「価値成長デザイン」と呼んでいる。価値成長デザインの特徴は、製品の使用段階の時間軸変化に注目する点にある。

価値成長デザインには、4つのタイプがある。
 ・自然変化型
  使用に伴い化学変化するタイプ。
  漆器や銅板屋根など。
 ・馴染み型
  使用に伴い、形状や物性がユーザーに馴染むタイプ。
  筆、紬、万年筆のペン先など。
 ・カスタマイズ型
  使用に伴いカスタマイズするタイプ。
  加工性の良好な木材の家具、スマートフォンなどのIT機器など。
 ・学習型
  使用に伴い学習しながら成長するタイプ。
  AIBOなどのロボットや圧電素子などのセンサーなど。

人工物を生産する「モノづくり」だけでなく、人工物を使用する「モノづかい」を考えた設計が求められている。この両輪により、人工物が長期間使用され、使い捨てされず、「人工物を大切に使い、愛着を深める」という新しい価値社会になっていくことが期待される。

さて、建築や住宅の設計では、どこまで時間軸を考えた設計がなされているのだろうか。建築や住宅においても、時間が経てば価値が低下していくのではなく、価値が向上していくような取り組みが必要なのではないだろうか。








日本の科学技術力「急激に低下」

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日経産業新聞(6/13付け)に『科学技術力「急激に低下」』という記事があった。
政府は、2018年版の科学技術白書を閣議決定した。研究の質を示す被引用件数の多い学術論文数が、国別順位で10年前の4位から9位に下がるなど、イノベーションを生み出す基盤的な力が急激に弱まっていると指摘。次代を担う若手研究者の確保は困難とし、国際的な研究成果を出し続けるには危機感を持って様々な改革をすることが不可欠とした。

白書は、イノベーションの源泉となる国の科学技術力の現状を分析することに焦点を当てた。学術論文数や研究開発投資などあらゆる指標が欧米や中国に比べて見劣り、打開に向けて抜本的な対策を打てていないことも浮かび上がった。

2013〜15年の学術論文は、被引用件数が上位10%の論文数が9位と、米中だけではなくカナダやオーストラリアにも抜かれた。10年前は米英独に次ぐ4番手だったが、急激に順位を落としている。

研究者の雇用待遇は任期付きなど不安定なことから若手が敬遠。研究者として一人前に認められる大学院博士課程への入学者数は03年度の1.8万人をピークに減少し、16年度は1.5万人まで減った。若年人口の減少傾向が続く日本では研究者の確保はさらに困難になるとした。

研究者の人脈を広げるため海外へ渡航する研究者は件数も2000年度のピーク時から15年度は約半分の4400人に減った。政府の研究開発投資は伸びる兆しはなく、日本の相対的地位の低下傾向はしばらく続きそうだ。

科学技術白書では、大学教員の高齢化も指摘されている。大学教員のうち40歳未満の割合は16年度で23.5%と1986年度の39.3%のほぼ半分ほどで、割合の低下傾向が止まる気配はない。文科省の学校教員統計調査によると16年度の大学教員の平均年齢は49.1歳と過去最高となっている。

大学院博士課程への進学者は、社会人や留学生を除けば、16年度は6500人と04年度の1万1千人のほぼ半分まで減少している。20歳代の若者が研究職を敬遠していることは明らかだ。研究職の流動性を高める目的で導入されたポストドク1万人計画は、若手研究者の雇用の不安定化を招き、結果として優秀な人材を引きつけることはできていない。

政策はうまくいっていないという現実を真摯に受け止め、即座に軌道修正をすることが必要ではないだろうか。では、どうすれば・・・











大阪府北部地震の地震動(つづき)

関西地震観測研究協議会では独自の地震観測を行っている。特徴的なのは、速度計を用いていることで、加速度波形は観測された速度波形を微分して求めている。
関震協

関震協観測点では、茨木白川(SRK)観測点(上の図ではNo.15)の南北成分で最大速度39cm/sを観測している。震源に比較的近い茨木白川(SRK)観測点の南北成分の応答スペクトル(減衰定数5%)は、0.8秒付近でおよそ100cm/sとなっている。

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このSRK以外の地点での応答速度は最大でも20〜50cm/s程度であり、局地的に大きな揺れが発生したといえそうだ。









大阪府北部地震の地震動

日経クロスチェックに、防災科学技術研究所(防災科研)が公開した大阪府北部で発生した地震動(最大震度6弱)のデータが紹介されていた。
防災科研が観測した中では、K-NET高槻の揺れが最も大きく、最大加速度は806ガル(3成分合成値)を記録した。熊本地震の最大加速度は1580ガルなので、その5割強になる。
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防災科研が公開した速度・加速度応答スペクトルを見ると、0.5秒以下の短周期成分が卓越している。この観測データを基に京都大学生存圏研究所生活圏構造機能分野の中川貴文准教授が作成した南北—東西合成加速度応答スペクトルによると、地震動の周期は0.2秒と0.3秒付近にピークがある。
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(以下省略)

ブロック塀の倒壊で小学生が死亡するなど、人的・物的な被害が出ている。建物の被害の全容はこれから調査が進んでいくと思われる。大阪には多くの免震建物が建っている。この地震で免震建物の効果はどうだったのだろうか、免震層はどれくらい変形したのだろうか。ただし、この地震動のスペクトルを見る限り、長周期成分は多くはないようなので、免震層の変形はそれほど大きくないかもしれないが・・・

ところで、高槻市が作成している地震ハザードマップによれば、有馬―高槻断層帯による30年以内の地震発生確率は「0%〜0.02%」となっている。これは、2016年熊本地震の発生確率よりも小さい。なぜ、このように確率の小さい断層帯で地震が発生するのだろうか。これでは、発生確率は当てにならない?
takatsukishi_hazard_2017_ページ_2










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著書など
研究室のマスコット
「アイソレータ・マン」。頭部は積層ゴムで、胸にはダンパーのマークでエネルギー充填
『耐震・制震・免震が一番わかる』
共著ですが、このような本を技術評論社から出しました。数式などを使わずに耐震構造、制震構造、免震構造のことを、できるだけわかりやすく解説しています。
『免震構造−部材の基本から設計・施工まで−』
免震構造協会の委員会活動の成果として、このような本をオーム社から出しました。免震構造の基本をしっかり学べるような内容となっています。
『4秒免震への道−免震構造設計マニュアル−』
いまでは少し内容が古いかもしれませんが、免震構造の基本的な考えを述べています。初版は1997年に理工図書から出ていて、2007年に改訂版を出しました。
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