構造計画研究所は「阿佐ヶ谷プロジェクト」と称して、世界初となる3次元免震建物を着工している。3次元免震装置の設置が終わった現場の見学会に参加した。

建物概要は、地上3階建ての共同住宅で、延床面積は535平方メートルとなっている。施工は清水建設で、今年11月が竣工予定となっている。

この3次元免震装置ハイパーエアサスペンションは、清水建設とカヤバシステムマシナリーとの共同開発によるもので、東京大学名誉教授藤田隆史先生の指導も受けているとのこと。

下の写真が、3次元免震装置で、青いものが空気バネ部分、赤い鋼製部材は空気バネと積層ゴムを連結するもので、積層ゴムの反力を伝達するとともに、空気バネにせん断力や曲げモーメントを伝達させないような機構(銀色の部分)も組み込まれている。赤い部材の上にあるのが、積層ゴムとなっている。今は、空気バネに空気は入っていないが、躯体が完成してから、空気を入れて10センチくらい浮上させるそうだ。
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下は免震装置を地上から見下ろした写真。免震装置は柱の下に1台づつで、計8台設置される。空気バネの圧力は0.75MPa(7.5気圧)とのこと。免震建物の周期は水平方向が約3秒、上下方向が約1.2秒となっている。地震時の上下方向の応答は4〜5センチ程度で、応答加速度は200ガル以下となっている。
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このプロジェクトの詳細は、2007年のニュースリリース(PDF)が参考になる。構造計画研究所の担当者は、3次元免震を上下動応答を抑制したい建物に適用していきたいとのことで、コンピュータセンターなどが適用しやすいのではないかと話していた。この建物は3階建てだが、空気バネの圧力を高くすれば、5〜6階建てくらいまでにも適用できるそうだ。

地震計は設置されるようなので、3次元免震の効果や経年変化をモニターし、その結果を公表していってほしい。