東京の外苑前駅(地下鉄銀座線)の近くに目を引く建物「フォーラムエンジニアリング青山ビル」(2009年竣工)がある。といっても普通は見過ごしそうな普通のオフィスビルだけど。
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夜間になり事務室の照明に浮き上がる建物の骨組みをみると(黒いところはテナントが入っていないようだ)、その細さに驚く。この建物の構造はどうなっているのだろうか、と。格子状の骨組みにガラスがはめ込まれ、夜に浮かび上がる姿は行灯(あんどん)といった感じだ。
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最初は免震構造かなと思い、建物の1階部分を観察したが、免震構造の特有のクリアランスが見当たらない。1階部分も3方向は柱だけで、後ろ側だけに壁があるようだ。柱の寸法は40cm角程度で、アルミ仕上げ(ということは構造体はもっと細い?)。梁も細い。重力だけならともかく、地震力をどうやって負担させているのだろうか。コンクリートのコアでもあるのだろうか、それとも外周の骨組みがベアリングウオールのように働いているのだろうか。

この建物の設計者は、谷口吉生氏。ニューヨーク近代美術館新館の設計なども手がけている。あまりメディアには出ていないようだが、略歴などはこちらでどうぞ