土木学会で熊本地震の被害調査報告が4月27日に行われた際に、大阪大学の秦先生が益城町で行った臨時地震観測で得られた記録(4月16日の本震)が紹介されていることを知った。

発表に使われたスライドは、こちらで見ることができる。資料から抜粋して臨時観測点の位置(M-1、M-2、S-3)と得られた記録の加速度応答スペクトルを示す。
地震動・地盤震動:秦 吉弥(大阪大学)_ページ_10地震動・地盤震動:秦 吉弥(大阪大学)_ページ_11

このスペクトルを見ると、益城町役場での記録よりも、臨時観測点での記録の方が加速度は大きいことがわかる。特に、S-3地点では周期1秒付近での加速度のピークが大きい。益城町役場(EW方向)の加速度応答は3G程度であるが、S-3地点では5Gを少し超えている。益城町役場より南側で建物の被害率が高くなっており、本震の観測記録と整合的だ。このS-3地点は、建物被害が最も激しいところで、ほとんどの建物が大破以上となっているところである。

資料には残念ながら速度波形しか載っていない。観測波形の加速度値がどれくらいだったのかは、この地域の被害要因を分析する上で非常に重要な情報である。秦先生は、学術論文を書いて論文が発刊された後に、土木学会のHPで波形データを公開されると言われている。一刻も早くデータを開示いただけることを期待したい。