日本の未来

中島淳一著『日本列島の未来』(ナツメ社)を読んだ。

本書では、日本列島では地震や火山噴火がどのように起きてきたのか、これからどんなことが起きるのか、日本列島ができるまでなどがカラー図版をつかって丁寧に説明されている。そして、タイトルにもあるように日本列島の終焉(遠い遠い未来のこと)についても説明されている。

本書の構成は以下のとおり。
第1章 日本列島ができるまで
第2章 日本列島下に沈むプレート
第3章 地震のしくみ
第4章 日本列島の過去の地震被害
第5章 日本列島の過去の火山噴火
第6章 日本列島の現在と未来

本書ではこれまで知らなかったことを知ることができた。例えば、
日本列島周辺のプレートは、海洋プレート2つと大陸プレート2つの計4つのプレートの上にある。海洋プレートは太平洋プレートとフィリピン海プレート。大陸プレートは北アメリカプレートとユーラシアプレートと言われていたが、最近では、オホーツクプレートとアムールプレートという小さなプレートに属していると考えられている。

太平洋プレートの運動方向が、4300万年前〜4500万年前に北北西から西北西に変わったこと。フィリピン海プレートはプレートが生成される活動的な海嶺がないので、いずれすべて沈み込んでしまい消滅する。

本書のタイトルにもある日本列島の未来については、大地震や火山噴火の発生、そして約50万年後には「九州の分裂」(下の図は予想図)、約1500万年後のシャッキー海台の衝突による「日本崩壊」などが紹介されている。大規模なカルデラ噴火は1万年に1回程度の頻度で発生している。九州では過去12万年で7回もカルデラ噴火が起きているという。カルデラ噴火ではほぼ全国で生活機能が麻痺し、被災者が1億人を超えるそうだ。

九州の分裂は、海底面が引き延ばされて陥没した沖縄トラフの拡大によって引き起こされる。約50万年後には沖縄トラフの延長線上にある別府ー島原地溝帯を境に南北に分断させられるという。50万年が経つまでには、カルデラ噴火もあるかも・・・
九州分裂予想図

本書によって、日本列島で起きる地震や火山噴火災害の理解につながることに期待したい。