日経新聞(8/26付けの夕刊)の「あすへの話題」欄に『うんこ可愛や』と題して、龍谷大学農学部教授の伏木亨氏が書かれている。
小学生向けの漢字練習帳「うんこ漢字ドリル」が260万部を突破し、快調な売れ行きである。子供たちは気の重い暗雲のような漢字ドリルから解放され、嬉々として手にしているという。
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読んでみると確かに心の底の方から笑いが漏れてくる。「うんことかぶと虫を決させています」。傍線部の読み方が問題である。学習は完全に意識の片隅。無茶なこじつけや意味不明な文章にも茫洋(ぼうよう)としたアニメのようなとぼけた味があり、苦にならない。

うんこを不潔できたないと感じるのは教育による影響という研究がある。「2歳児のニオイの選好」という筑波大学などの学術論文だ。さすがに論文タイトルにうんこの文字はないが「2歳児には薔薇(ばら)のニオイとうんこのニオイに好き嫌いの差はない」という内容である。薔薇と排泄物の主要成分をそれぞれ満たした2つのブースを選択させると、2歳児は特に好き嫌いを示さない。9歳児にもなるとうんこのニオイを避けるようになる。親の教育の結果である。

うんこへの愛着を禁じられた子供も、実はうんこが好きだ。動物園の動物のうんこをエナメル塗料でかたどって教材にした友人がいる。講演先の小学校で大好評だったという。現物も見せる。パンダの排泄物は笹のニオイがする。子供は嬉々としてポリ袋の上から突っつく。食育の基本は排泄物にあるという信念による教材である。おかげで小学校のトイレが明るくなったと先生も喜んだそうだ。

うんこはニオイも存在も、人前では憚(はばか)るように大人はタブー視してきた。それが漢字ドリルで一挙に解放された。うんこの存在感はますます拡大するに違いない。

明日は「防災の日」、各地で防災訓練なども行われることだろう。小中学校での防災教育の重要性も指摘されているが、いつ発生するかわからない地震や災害に対して備えるということは、子ども達(大人でも?)にとっては難しく感じるかもしれない。

「うんこ漢字ドリル」のように嬉々として取り組んでくれるような、「うんこ防災ドリル」のようなものができないものだろうか・・・