鳥林ETC割引と言うマジックと、しまなみ海道と言う利便性と、無駄に軽いフットワークが、日曜日の晩飯を今治の焼き鳥の名店“鳥林”で、と言う離れ業を可能にしてくれた。

 2年振りに訪れた今治駅前は、きっちり2年分寂れた味わいで、町の中心を担っていた某三越百貨店は、単なる鉄筋コンクリートの塊りに成り果てていた。
 日曜夜8時の今治駅前は、人通りも車通りもまばらな絵に描いたようなシャッターストリートである。

 そんなうら寂しいメインストリートを、駅前ホテルから南に1ブロック。
 訪れた“鳥林”は、照明が落とされ暖簾さえかかっていない。嫌な予感を胸に入り口に掲げられた張り紙を読むと、角を曲がった5件隣に堂々移転されたのだと言う。
 訪ねたそこは侘びの利いた周りのお店とは一線を画した繁盛振りで、リニューアルの看板も香ばしい、1時間の行列付だった。

 
 「大将、バラ2人前ね」
 「バラ2人前、よっしゃー!」

 壁に並べ貼られた開店祝いの熨斗袋や、きれいになった厨房、カウンターの中で、あの時とまったく同じ鉄板と、あいも変わらぬ大将の威勢のよさは、それこそが“鳥林”のアイデンティティーであることを証明するが如くである。

 
 2年ぶりの鳥林は、あの時食い損ねたせんざんきも堪能した、素晴らしく酒のすすむ良い晩飯になった。

 鳥林だけを目的にした日曜夜の四国1泊である。