2007年03月

2007年03月30日

ウルトラミニ(ケルビム)世界最小最安のハンドメイド小径車

54de4dfc.jpg 携帯自転車を目指す世界は奇抜なアイデア満載だが、一方で携帯性を重視してとにかく小さくシンプルに作るという発想がある。車輪の大きな高級スポーツ車だって軽いのだから、そのまま小さくすれば軽い自転車になるはずだ。そんな単純な発想を見せているのがウルトラミニだ。

 とにかく小さい。14インチで全長1m。サドルとハンドルの間隔を無理矢理人に合わせているという感覚だ。それでも極小径車のような小さな車輪ではないので自転車らしさを保っていて奇異さはない。フレームの折り畳み機構はなくハンドルを回して前輪の横にすとんと落とすだけ。立面積では大きいが幅が薄いから携帯も保管も省スペースだ。
 自転車を立てればハンドル部分が丁度手の位置に来るので、例えば電車の中などで自転車を支えて立っているのが楽だ。自転車を電車で持って回るという使い方にはなかなか向いている。重さは9kgちょい、アルミフレームも使わずにこの重量は立派。
 そして折り畳み機構がないからスタイルも美しく伝統的な自転車を縮小コピーしたかのような可愛らしさがある。走りも小径車らしくちょこまかして楽しい。

 乗り味は意外にもとても自然だ。つんのめるようなハンドルポジションははじめこそ不安だがすぐに慣れる。ギア比が適度でなかなかスピードも出る。日常の足としては充分だ。シングルスピードだから急坂は厳しいがなかなか坂にも強い。フレームがしっかりしているから最終メカ『心の変速』を使って立ち漕ぎすればいいのだ。

 高級小径車は小径車の欠点とされるクイックなハンドリング等を緩和するためにロングホイールベースと呼ばれる長いフレームが多い。走行性からいけばそれで納得できるが、そこを追求すると小径車らしい走りが失われていく事も確かだ。小回りの利いたショートホイールベースならではの自転車があってもいいじゃないか。

 ケルビムは今野製作所というオーダー自転車メーカーだ。ミニベロにも力を入れていて自転車マニアでは知らない人はいない。ウルトラミニもセミオーダーでハンドメイドの自転車なのだ。一見割高な自転車のように思えるが一流のビルダーが手作りした自転車が5万円というのは実はかなり破格なのではないかと思う。
 現行ではスタンドキャリアが省略されている。リアブレーキはなぜかバンドブレーキ。どうして?やはりコストかな?
 その辺りも含めてカラーリングやパーツなどいろいろなわがままも聞いてくれるだろう。いまも心が揺れる。これぞ贅沢なこだわりの一台。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★★
デザイン★★★★
C/P  ★★


minivelofan at 10:43|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!14インチ | 5〜10万

2007年03月28日

Revive(GIANT) 偉大なフロンティアスピリッツ

87e15b93.jpg リバイブには何度か猛烈に熱を上げている。そのコンセプトと外観はまさに私好み。だがデート(試乗)するたびに、やっぱり彼女とはなにかかみ合わないと落胆する事の繰り返し。相性が悪いとしかいいようがないようなのだ。

 人の新しいものに対する反応は愛憎半ばだ。保守性とは根強いもので変わらない事を願う気持ちは大きい。一方で携帯電話やPCのように新しいものによって生活や価値観を一変させてしまう事だって起こる。BD-1の登場もそうした波及を生んだものの一つと言っても良い。

 リバイブは新しいタイプの自転車だ。新しいカテゴリの開拓に踏み込む事ができたのは世界に冠たるジャイアントだからこそ。リカンベントの持つメリットを大きく取り入れつつ、その欠点--運転の難しさ、足つきの悪さ、乗車スタイルの奇異さとポジション出しの難しさなどをなくし、そこにフィットネスの効果を加えたコンセプトはなかなかのものだ。
 デザインもかなり斬新で、自転車というよりもスクーターに近い姿は近未来的だ。モノコック風の手間のかかりそうなフレームをこの価格で生産するのもジャイアントの底力だ。 
 なのに普及ということでは今ひとつと感じるのは私だけだろうか?

 乗ってみた印象はスポーツ車でもリカンベントでもなく一般車の走りだという事。乗車ポジションは開放的で快適だが走りはどことなく鈍重で、シリーズ中最もスポーティーなこのモデルでもシャープな走りは感じられない。20kg近い車重も影響しているのだろう、私との相性の悪さの一つはおそらくここだ。また普通の自転車と使う筋肉が違うのでそこが鍛えられるまではちょっとつらいという事もある。
 別に速い自転車を求めているわけではなく、のんびり走る自転車なのだが、このスタイルであれば走りの快適さや楽しさもつい求めてしまう。ポジションの快適さだけでは少々もの足りない。Coolriderとの違いはほんの紙一重のようにも思えるが。

 しかしコンフォート性や汎用性は高く、あくまで実用自転車と思えば面白い自転車だ。
 ワンタッチで試乗ポジションを変えられるのが特徴のひとつ。その時の体力や気分でポジションと走りを変える事もできるし複数人で使用する事もできる。またフィットネス効果は高いようでダイエットに活用している人のブログをみかける。

 現実的な利用に即した詰めが少々甘かったのではないかと思う。楽で快適な自転車とすれば女性や高齢者が買いたくなるようなもっとオシャレで軽快なものであっても良いし、マニア向けに今までにない新しい走りを楽しませるのであればもっと走行性を高めて欲しい。と思っていたら、台湾ではママチャリ的なモデルも出ているし、聞けばスポーツ志向のものも開発するとの事。今後に期待しよう。

 このシリーズの影響は意外に大きいのではないかと思う。タルタルーガもリサーチしたであろうし、アメリカのRANSやSCWINNからはペダルが前寄りの新しいタイプの自転車が発売されている。ブリジストンのVEGASシリーズもこの流れにある。
 ジャイアントのフロンティアが小さいながらに新しい流れを生み出しはじめているようだ。素晴らしい事だと思う。

 ちなみにHPで見るとリバイブは世界の各国で発売されているが、仕様やカラーリングが微妙に異なっていて、その辺のお国柄を想像するのもちょっと面白い。

走行性 ★★★
携帯性 
汎用性 ★★★☆
デザイン★★★★
C/P  ★★★

2007年03月25日

F18カプチーノ(KHS)隠れた実力派?

24a086b5.jpg 格安自転車が氾濫している一方で、物欲をそそる自転車は軒並み10万円を超えるものが並ぶ。前出の入門予算の¥30000よりもう少し頑張っていいのが欲しいなあと思った時、¥50000という切れのいい数字が出てくると想像するが実はこの辺の価格帯も選択肢がそれほど多くはない。

 自転車全体の購買志向が変わってきている。ライフスタイルが多様化してお金の掛け方が偏在している事もあるだろうし、現実には生活自体の格差というものも影響しているだろう。いわゆる中堅、中級モデルというのが成立しにくくなっていると想像できる。実際中途半端な印象のモデルはアピールしにくいのだ。
 必要に駆られて買うものは、実用に耐えれば100円でも安く買うことに腐心しつつ、楽しみで買うものには、自分へのご褒美だからといって10万円でもいいか!と奮発してしまう。これがまさに高度消費社会か?

 KHSはスポーツ志向を前面に出してすっかりブランドイメージを高めBD-1のライバルになったように思う。そのなかで最も求めやすい存在ながらにあまりに地味で目立たないのがカプチーノだ。
 KHSはなんといってもブルホーンバーとロード系の構成で通好みの自転車として特化したのであるから、その特徴がないカプチーノはなんとなく存在感が薄い。容姿もスマートでスタンド型のリアキャリアが着いていたりするがどことなくママチャリ的である。

 しかし走りはひと味違う。18インチの加速感は格安20インチやランク上の16インチより高速感があり意外にシャープにスピードが上がる。フレームもしっかりしていて安定感があり、ハンドルの安定感も悪くない。さすがに2-3万円台の頼りなさはここにはない。クロモリフレームのおかげか、長時間走行も行けそうに思える。ただ自慢のソフトテールは実際どの程度効いているのか実感はわからなかった。長時間乗ってみないとわからないだろう。重さは11kg台でキャリア付きなら許せる範囲。折り畳みの簡便さは他に一歩譲るが、ちょっとした荷物を積めるし、キャリアをスタンドにしてハンドルを折った状態で垂直に立たせる事もできる。マンション暮らしの一台として多用途に使えそうだ。

 カラーリングも美しく細身のデザインは嫌みがなく老若男女の好みを問わないだろう。さりげなく性能を実感する実用的で堅実な中堅モデルとしての魅力が、このカプチーノにはあるように思う。

 未試乗だが価格がどうしてもひっかかるのであればXFREE(バイフリー)から同系の廉価車が出ている。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★☆
C/P   ★★★☆

 

 

minivelofan at 01:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!18インチ | 5〜10万

2007年03月21日

Metro(DAHON) - 名誉ある入門中の入門車

b7847fb6.jpg  新しく何かを始めようと思った時に使う予算はいくらか?というアンケート結果をどこかで読んだ記憶がある。習い事でもスポーツでもいいのだが、その一番多い答えは¥30000というものだった。これは多くの人が納得する額ではないだろうか?懐にゆとりのある人ならこのくらいならと、はたける額であり、厳しい人でもちょっと頑張って貯めたりクレジットで5回払いにすればとかなんとかなるかなと思える額である。

 さて、あなたがちょっと気が合っている人から相談を受けたとしよう。自転車を買おうと思ってるけど部屋の中に置きたいし、どうせなら折り畳み自転車で旅行とかに持っていけるといいな、ちょっとした遠乗りにも使ってみたいな。予算は¥30000。(あなたと一緒に行くのもいいなという含みもあると勝手に決めよう…)
 ここで買うならやっぱり¥120000のブロンプトンじゃなくちゃ!と言ってはいけない。あなたに相談した事を後悔して引いてしまう。世の中、自転車が生活の中心でないひとの方が多いのだ。

 こう考えると意外とこの入門車というのが難しいと感じないだろうか?3万円台というのは格安自転車が種類が減り、街乗りお買い物小径車はあるものの本格的に使えるような折り畳み自転車が出てこない価格帯だ。
 ここで登場するのがこのMetroだ。
 試乗してみると、安定感のあるなかなか切れ味のいい走りで特に不満はない。高速走行向きではないが、ひとクラス上のvitesseと比べても大きな遜色はないのではないかと思わせるほどだ。
 
 ダホン続きで恐縮だが、このモデルを見るとダホンの企業力と販売戦略を感じさせずにはおれない。デザインも先代の直線的なインパルス等に比べるとわずかにベンドした軽やかなフレームとカラーで洗練され、重量12kg台、アヘッド化され高さ調整可能なハンドル周り、自立するたたみ方などそれまでの蓄積が活かされている。リアキャリもつくから日常的な使い方も可能だ。これで実売¥30000以下であれば納得できる。
 
 このクラスの自転車であれば、これ一台で多用途に長く使うという事も考えられる。自分で使う場合以上に、耐久性も含めて安心して薦められるというのがどれほど大切な事か考えさせられる。誰もこれを名車とはいわないだろうがそういう意味では隠れた名車なのかもしれない。

走行性 ★★★☆
携帯性 ★★★
汎用性 ★★★☆
デザイン★★★☆
C/P   ★★★★★

minivelofan at 20:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!20インチ | 3〜5万

2007年03月18日

bipod ANT(Smartcog)-からくり人形の技

47b77766.jpg  当たり前だがアイデアと完成との間には大きな距離がある。アイデアも創造的だが語るだけでは何の価値もない。実用になるものを生み出す事もまた相当クリエイティブな事なのだと思う。
 カメラの世界での話だが、一眼レフやオートフォーカスなどの原型は欧米で開発されたが実用化したのは日本の企業だ。そこには様々なアイデアと工夫が投入されている。目標設定された時のこの国の技術的な創造力というのは極めて高い。

 ANTの試作期間は随分と長かった。2000年の時点で試作車は存在したように記憶するが、発売までそれから5年以上を要した事になる。それまでには新興メーカーが現れたり、内容の酷似した格安車が販売されるなどその実現を疑う事もあったが、ついに発売された。待ちこがれた人もいただろう。

 実車をみると、その精緻さに唸る。ハンドルとペダルをたたんだあとは、ほとんどワンタッチと言っていい動作で尺取り虫のように伸縮する。これだけの多くの可動部分にガタつきを出さないで瞬時に伸縮をさせるのは困難な事であろう事は機械工作技術に疎い目にもわかる。
 14インチのハンドリングはもちろんクイックではあるが、この車径の自転車にありがちな頼りなさは感じさせない。ポジションも窮屈さを感じさせず前傾気味の姿勢で踏み込むと気持ちよく加速が応える。このサイズでこの走りなら走りを重視する人にも納得がいくだろう。精緻な構造はその外観にも現れていて、スマートではないがSLなどに通じるメカニカルな美しさを感じさせる。(そういえばカラーもマットブラック一色だ)
 折り畳んだときの立面積こそ大きいが薄くたためて転がせるから輪行には適応性が高い。展開もワンタッチだから駅から駅へと電車と組み合わせて各所を巡るような使い方もできる。つまり携行自転車の理想型に随分迫っていると言える。唯一惜しいのは12kgという重量だけだ。

 価格も13万円とこのカテゴリの高級車とすればお手頃感はある。3拍子揃ったBD-1に対抗できるモデルの一つだと思う。これが国産である事は嬉しい。
 日本は産業革命を起こした動力機関や電力そのものを創造する事はできなかったが、精緻な機械構造をもったからくり人形を独自に生み出した。その伝統がここに宿っているように映る。
 原案こそ海外デザイナーのものであるが、国産でこういう小径車が生まれた事は本当に誇らしいことだと思う。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★★★
デザイン★★★★
C/P   ★★★★

2007年03月13日

隠れDAHONを探せ!-安くていいものという難問(2)

17807999.jpg お買い得機としてスニーカーライトを挙げたが、やっぱり20インチがいいとかもっと遠出に使いたいとかいう希望も多いだろう。どうせ買うなら6段変速くらいほしいぜって。
 シボレーFDB206という自転車が一時期かなり売れた。デザインがいい割に2万円台で内容はDAHONインパルスに酷似。これに実際に乗ってみると結構いいのである。DAHON製のフレームが活きている。折り畳み部分がしっかりしているしロングフレームで安定感もいい。充分に使える。なによりフレームが良ければパーツを交換して楽しんでいける。

 DAHONと比べるとスチールフレームのため13kgと少し重め。たまの輪行なら我慢できる。最大の欠点は錆びやすさ。外においておくとシートポストやハンドル、泥よけなどが真茶色になる。ブレーキワイヤー類も錆びやすい。この辺は安いからまあしょうがない。このクラスは外置きは禁物だ。

 DAHONは折り畳み機構についていろいろパテントを持っているらしく、それを外部に提供する事でOEMビジネスを展開している。以前はビアンキやトレック、GLOBEなどの高級車もOEMしていた。フレーム形状や折り畳み部分をよーくみるとこのOEMが各社いろいろあっておもしろい。

 NEWTON、YEAH(イエーと言ってしまいそうだがヤーと呼ぶらしい)は廉価モデルの傘下ブランドで、ここでもかなりお買い得。14インチモデルなどは軽くて本家より良さそうだ。
 他にもシボレー、courreges(クレージュ)、Hangten、スギムラ、アサヒオリジナル(CBA)、パナソニック、MGなどにそれらしきモデルが見られる。細かく見ると仕様が違う。
 Hang-tenに至ってはぬぁんと1万円台!しかもこれは数年前のDAHONのBoardWalkと同系のモデルじゃないか。マジ欲しいこれ。アサヒのは高級車MUを思わせるフレームでなかなか粋だ。
 元のとれたモデルのフレームや仕様を使って安くしているのだろう。ここに安価の秘密がありそうだ。
http://www.cycle-yoshida.com/yamato/hangten/fold/6fh206_page.htm
http://www.cb-asahi.co.jp/image/06bike/cba/nacre20.html

 安いものを求める理由はいろいろあるだろうが、単にお金がないだけとは限らない。予算を旅行代に回すという事もあるだろうし、低予算を楽しむという事もあるだろう。安くいいものをというのをゲームのように楽しむ。リスクはあるがマニアックな楽しみの一つではないだろうか?
 と思っていたらこういう事を楽しんでいる粋な達人たちがいた。うーん楽しそう。バイクフライデーでなくてもたのしいぞこれは。比較研究も充実している。
http://www.yamaiko.com/foldingbike/yamahon.html


 シボレーは駆動系の耐久性が弱い車種が多い。他社のはわからないが長距離通勤などのヘビーユースには強く薦めにくい。また旧DAHON車はハンドルにがたが出ることがある。ハンドルに体重や力をかける人は要注意。またハブはFormuraのものがついているといいだろう。ハンドル高さの変えられるアジャスタブルハンドル仕様もあるのでポジションにこだわる人はそちらがいいだろう。

 この濃い世界は多少のリスクを負える余裕のある人にこそお薦めの世界だ。

走行性 ★★★☆
携帯性 ★★☆
汎用性 ★★★
デザイン★★★☆
C/P   ★★★★☆
(シボレーFDB206/2007版)


minivelofan at 10:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!2万円台 | 20インチ

2007年03月09日

Coolrider(CleanSpeed) 自転車のグリーン車

9b75317c.jpg そろそろリカンベントの事も書こう。
 たまに手放し運転をしたりママチャリに乗ったりすると、直立での姿勢が楽で視界が広くなって快適と感じた事はないだろうか?スポーツ車の前傾姿勢は気合いを入れて乗るにはいいけれど、路面だけを眺めているような気になるときがある。私のように車窓風景(?)を楽しむものには少々つらい。
 乗用車のようにゆったり座って乗る自転車がリカンベントだ。手っ取り早くいえば最近流行のビッグスクーターの自転車版、あるいはオットマン(足乗せ)付きリクライニングシートのような自転車といえばわかるだろう。
 最近はリカンベントも言葉を聞くようになったし、東京ではたまに出会うので知っている人もいるだろう。

 リカンベントは嘱望しているが、まだ手に入れていない。持ってないのでよくわからないけけれど、よくわからないからいろいろ試乗して学習中、そんな感じだ。とにかくヘンテコ度合いは高くアルコール度数の極めて高い世界だから好きな人にはたまらないが、常識人にはかなり変態に映る。

 形状も小径車以上に多様なのだが、いくつか特徴がある。
●足を前に投げ出して漕ぐ。ペダルが前輪やハンドルより前にあるものも多い
●背もたれがつく
●ハンドルがサドルの下につくものもある
●全長が長め
●価格が高い
●小径が多用される(一応小径車の仲間…)
 変態自転車を作ろうとして生まれたわけではない。下半身全体の筋肉を使うのでパワーが出る、長時間走行が楽、姿勢が楽、空気抵抗が少なく風に強いなどの合理的メリットがある。ヨーロッパでは速すぎて自転車競技から締め出された歴史があり普及が遅れた原因の一つとされている。

 独特の短所もある。ハンドルやサドルでのバランスコントロールができないため運転が難しい。全長が長めで小回りは利かない、坂は不得手、また重いギアで発進しにくく停止時の足付きが悪いものもある。
 これらの理由から街乗りには不向きな面もあり、どちらかといえばロングツーリング向きである。
 
 とにかく異端の自転車であるが、私は異端の趣味自転車ではなく日常利用に使いたいと願っている。それに最もふさわしいのがこのCoolriderだと思う。一般の自転車にポジションが近いセミリカンベントと呼ばれるタイプである。
 まず価格が¥68000とお手頃でこれは重要だ。お試しで買ってみて使えないものが¥200000ではたまらない。全長も一般車と変わらず、容姿も一般の自転車に近く違和感も少ない。これなら町で乗っても好奇の目は和らぐだろう。
 乗車ポジションはワンタッチではないが可変箇所が多く数人で共用もできる。

 乗ってみるとペダルの位置が低めで簡単に乗れるし姿勢がとても楽チンで気持ちいい。ウキウキとどこまでも乗っていきたい楽しさがある。前方の視界が開けていて目にも楽しい。足付きがいいのでストップ&ゴーも厭わない。椅子に座る感覚だから腰にも優しい。
 リカンベントは坂をあがる時は多段ギアを活用する。Coolriderはフロントギアがないので、長い坂は厳しい。車重も重くギア比も高くないので高速走行向きではない。
 それでもこの自転車の楽しさは捨て難い。気軽な街乗りやワンデイツーリングが楽しく楽にできる自転車のグリーン車なのだ。
 
 マニアの世界にしておくのではなく、女性やカジュアルな服装の方にさりげなく乗って欲しい。ミニベロを考えている人はぜひ候補に加えて欲しい。今ではすっかり街になじんだ三輪自転車のように早くこういう自転車が当たり前になって欲しいと切に思う。 

走行性 ★★★
携帯性 ☆
汎用性 ★★★
デザイン★★★
C/P   ★★★★
 

minivelofan at 09:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!リカンベント 

2007年03月07日

折り畳み自転車、小径車への誘い(2)その選択

 ここのところ小径車や折り畳み自転車の事を見聞きしていて考えこんでしまった。自転車に詳しい人はロードやMTBのほうが良いと断じ、粗悪品を買った人からは折り畳み自転車は良くないという。世間の評価は食わず嫌いも含めて厳しい。
 小径車や折り畳み自転車というのはある限定的な実用目的や趣味性で成立する領域なのだと思う。そういう意味では中間領域や隙間領域なのだろう。スピードはそれを追求するロードにはかなわないし、オフロードでの走破性はMTBにかなわない。買い物の便利さや耐久性ではママチャリにはかなわない。しかしそれでも私はこの領域の自転車の価値は大きいし楽しいと思う。

 小径車、折り畳み自転車が求めているものを突詰めると3つだと思う。一つは旅や移動を自転車とともに楽しむこと、もう一つは省スペース。そしてデザイン。これのどれかに執着してその条件をクリアしてなければいつかベランダで埃をかぶる事になるだろう。
 現実に即して考えてみよう。(私は東京下町生活ですので、一応それが基本になり想像がおよばない目的があるかもしれません)

1.日常的に携行
 現実的にはかなり壁がある。私も実際に携行して町を巡ったのは数えるぐらいである。走り慣れると直接自転車で行ってしまう。まず重い。10kgでも駅で歩くのが嫌になる。日常的に携行するには9kgを切りたい。トレインクルのように7kg、6kg台になってこそ持ち歩ける。容積、床面積も小さくしたいし、できれば転がせるものでありたい、折り畳みもワンタッチがいい、と考えるとこれは現実にはまだ途上といえる。

2.輪行する
 旅先で自転車に乗る、移動先で自転車に乗る。これが折り畳み自転車の最大の目的であり醍醐味ではないだろうか?この場合男性なら車重12kg、女性なら10kgが分水嶺。転がせない場合これより重いと嫌になる。電車の中で自立、転がせると良い。移動先で町巡りなら軽量重視、輪行で多少距離を走るなら18か20インチ、変速付きがいい。

3.車に載せる
 車に載せる場合は、頻度にもよるが重量はそれほど神経質でなくてもいい。駐車場までの往復なら折り畳み方式の簡便さの方が重要。RV車など大きめの車ならMTBやロードが入るから必ずしも折り畳みである必要はない。トランクに入れる場合、フレームの他ペダルとハンドルの畳みもあった方がいい。

4.通勤、通学
 家や職場での駐輪を除けば折りたたみは不要で、ミニベロのほうがいいだろう。耐久性は重要で距離が長ければスピードも必要だから、20インチ変速付きの程度のいいものがいい。前のサスはあるといいかもしれない。バックはリュック型が基本だから制限がある。夜走行が多ければオートライトも便利。
 電車で携行しての通勤は1にも増してハードルは高い。

5.エレベーターに載せる、部屋、玄関、ベランダ等に保管する
 都心ではこの需要も切実で大きい。エレベーターに入れるにはもちろんその大きさに左右される。全長が短いもの、ワンタッチで短くなるものがよいだろう。玄関置きは床面積の少なさや薄さが重要、部屋置きベランダ置きは軽くないと嫌になる。経験では日常使用での毎回の折りたたみは面倒で必ず億劫になる。ハンドルとペダルが畳めるだけでもかなり薄くなり収納性は高まる。

6.デザインに惚れる
 惚れたらあばたもえくぼで、お好きにしてくださいが基本だが、折りたたみは不要だ。ミニベロもお手頃なのが増えたのでその方がお買い得。安いものの場合、デザインに惑わされないようによーく細部を見て高いのと比べる。文字通りメッキの輝きがわかるはず。

 現実に自転車を何台も持つ人は、かなりオタク度が進んでいるだろうから多少の面倒も苦にならないだろうが一台の愛車とする場合、上記のいくつかを求める事が多いだろう。あたりまえだがどれを重視するのかを見極める事が大切。多機能と高性能の両立を求めるとかなり高額になる。
 本当に折りたたみ機能が必要かよく考えて欲しい。
 自転車の事よくわからずに安いから折りたたみをと考えているなら止めた方がいい。1-2万円台でいいものを探すのは難しいし同じ値段で一般車の方がはるかに性能のいいものが買える。結局買い替える事になる。近くに自転車店があるならネット購入も控える。
 雨ざらしで使う人は折りたたみやスポーツ車は潔く諦める。国産の一般車をお薦めする。

 チェックポイントをいくつか。
●安い自転車は後輪がバンドブレーキのものが多い。大きな円形でねじが何本か飛び出しているタイプ
(参考)
http://www.1charinko.com/mente.html#breki
これは性能自体は問題ないが不快音が出ると治らないので避ける。ローラーブレーキは似ているが小さくてねじがない。これは問題ない。他の似たタイプもねじは出ていない。Vブレーキのものにすれば自転車自体ある程度のグレードものになる。
●外装変速=速い=高級とは限らない。子供車にだってついている。内装(3段)は丈夫でトラブルは少ない。
●安い自転車のサスペンション付きは避ける。走行性能は落ちるし重くなるしトラブルのもと。
●必ず畳んで持ってみる。一瞬ではなくてしばらく持ってみる。安い自転車はずっしりと重く嫌になる。

 安かろう悪かろうは残念ながら多くの自転車にあてはまる。安い中から使えるものを探す楽しみ方もあるがそれはまた別項で。

 もの選びは楽しい事だが、これだけものが溢れて選択肢の多い今、本当に難しい。現代の新しい苦痛だ。
 (質問歓迎です。コメントへどうぞ)
 

2007年03月04日

LGS-CM(ルイガノ) 小さな巨人登場か?そのアキレス腱

4e1071af.jpg 生来へんてこなものが好きである。小さくてへんてこであればなおさらだ。
 携帯自転車の夢に向かう方向としていくつかあると思うが、その一つにとにかく小さくするというものがある。携帯性を重視してとにかく小さいものを作っていくとかなりへんてこなものができてくる。いやいや作っている方は大真面目だと思うが。

 極小径車。12インチ未満の車輪の自転車をこう呼ぼうと思う。この手の折り畳み自転車がいくつか登場してきている。これも折り畳み自転車普及の影響だと思う。
 かなり惹かれる世界ではあるが、実用を欠いてはただのおもちゃになってしまう。いろいろ乗ってみて感じたのはこれらの自転車も発展途上段階だなという事。買うまでにはいたらない。この自転車もそういうものと思っていた。

 ところが…この自転車は驚愕の性能である。16インチの小径自転車と変わらない走行性能なのだ。GD(ペダル一回転あたりの進行距離)は一般車に迫る。その秘密は全く意外なのだがチェーンにある。車いす用の一般自転車用チェーンの半分のピッチのものを使用している。これによって後輪のギアを極限まで小型化して大きなギア比を獲得している。因果関係は想像でしかないがのり味もマイルド、ハンドルのクイック感も思ったよりも少なく普通に乗れる。

 折り畳みも充実している。縦型に畳んで直立し、小さなローラーで転がせる。小さなキャリまでついていて重量は8kg。価格は¥50000と決して安くはないが同系車のKOMAの半額。実に素晴らしい。

 ルイガノブランドであるが、この自転車を開発したのはパシフィックという台湾のメーカーだ。このメーカーはBD-1やタルタルーガを生産しているメーカーで技術力は高く信頼できる。パシフィックブランドのものは小さなフロントキャリアもついて可愛さ倍増。ほかにOXという代理店がシャープなカラーリングで発売している。

 課題がないわけではない。こうした極小径車はパンク修理が難しくチューブ交換になってしまう。チューブも一般には置いてないから町の自転車屋では断られるかもしれない。チェーン回りのトラブル時も心配ではある。こうした事に対応してくれる専門店での購入が安心だろう。
  
 実はもう一つかなり高いハ−ドルがある。この自転車に乗っている自分の姿を想像する。ほとんど猿軍団の自転車芸だ。好奇の目で見られるか失笑を買う事は間違いない。気取るつもりはないが笑いを取るキャラに徹せられるか?選択理由が大真面目なだけに悩みは大きい。この手の自転車共通のハードルではないだろうか?

 このキュートな姿は小柄なかわいい女の子が似合いそうだ。娘や恋人を焚き付けて買う。彼女のを借りてるんですよという顔をして隣で乗るのだ。ああ我ながらなんと姑息。

走行性 ★★☆
携帯性 ★★★★★
汎用性 ☆
デザイン★★★★
C/P  ★★

2007年03月02日

HammerHead(DAHON)  あんぱんまん顔のスーパーヒーロー

c864eebd.jpg あーあ、またやっちゃったよ。ダホン君… これじゃアンパンマンだよ。
 ミニべロ(折り畳まない小径車)を出すと聞いて初めてその姿を雑誌で見た時こう思った。

 ダホンは衆知の通り折り畳み自転車の世界的メーカーで、多くのパテントと品質向上を武器にブランド力をあげている。かつては「ダホンだからなあ…」と思われていたのが、「ダホンだから信頼できる」に変わってきているのは実に大変な事なのだと思う。
 それが武器の一つである折り畳み機構のない自転車で勝負してくるというのは、ダホンが撃って出たともいえることだろう。ダホンは本気だ。

 ダホンはHeliosSLやSpeedなどの高級車でその存在感を高めていたが、フレームの真ん中につくヒンジ部分がどうしても高級感を損なっていた。だからこそミニベロに期待が募った。ミニベロは今でこそ安いものも増えて認知も広まったが、それまではオーダーメードのセカンドロードバイク、高くて美しいこだわりの自転車のイメージが強い世界なのだ。

 内側にベンドした曲線が基調となるデザインは弛緩したイメージで、スピード感溢れるヒーローではなくどこかのどかな彼を連想してしまった。しかも命名が「ハンマーヘッド」。シュモクザメだよ、君!あの目の飛び出した金づちみたいな奴。私の興味は一瞬で冷めてしまっていた。
 試乗車を見た時、一通り乗りたいものに乗り終えた頃で「まあ一応ね」と期待もせずに乗ってみた。

 乗ってみて目をみはった。ぐいぐい反応する加速感、シャープなハンドルの切れ味を残しての直進安定性、適度な硬さのサスペンションなどBD-3,BSモールトン,タイレル等の高級車を凌駕するのではないかと思わせた。かなり前傾姿勢だが、その加速感と安定性のおかげなのか恐怖感はない。実に気持ちいい加速とシャープなハンドリングはストップ&ゴーの多い都市部でロードと互角に渡り合えるのではないかと思えるほどだ。
 数周の試乗でアンパンマンはサイボーグ002に変わっていた。誤解してすまなかった…心の中で手を合わせた。

 改めて見直せば他にはない味わい深いデザインとも見える。ドロップ仕様も出たがハンマーヘッドのイメージを担うブルホーンハンドルは実にこの自転車に似合っていて、戦闘的なイメージを高めている。実車を見ればしっかりした仕上げと高級感に安心する。
 折り畳みはできないが、背の高い車にはらくに入るだろうし前後輪を外せば十分輪行できる。フロントのギアが2枚、リアキャリも着きそうだからロングツーリングも向きそうだ。
 スピードや走りを重視した人に向いている。これで¥120000、BD-1の購入を考えているならぜひ候補に加えて欲しい。内容からいけば絶対お買い得だ。
 やるじゃないか、ホン博士!

走行性 ★★★★★
携帯性 ★
汎用性 ★★☆
デザイン★★★★
C/P   ★★★★