2007年07月

2007年07月24日

pocky-7&sazanami8(旧) (TW-BENTS)  レイジーからラウドネスへ

0a643461.jpg 昔々LAZYというアイドルバンドがいた。(知らない若い方ごめんなさい)BCRもどきのミーハーな姿は随分バカにもされた。実はなかなかの実力派で最後には立派なロックアルバムを出し、ラウドネスやネバーランドへと進化し日本のハードロックシーンを築いた。そのLAZYのキーボード奏者の愛称がPocky。

 Pocky7は廉価なリカンベントで気になっていたがそんな連想もあってネーミングにちょっと抵抗があった。台湾のメーカーではそんな理由なんて知る由もない。それでも前輪16インチのアンバランスなフォルムで乗っている姿もどことなくユーモラスで面白そう。価格も7万ちょいとさすがに安っぽい雰囲気もないわけではないが街乗りリカンベントとしてはなかなか良さそうだ。フロントシングルだが多段化もできそう。
 乗ってみたらと意外にも、クランクの低さ、16インチの足つきのよさ、立ち気味のシートなどのせいか、素直な乗り味で高速時の安定感こそ望めないもののクランク前型のリカとしては乗り易いと感じた。でネーミングも許せる気分になった。

 リカンベントにはいろいろな形式があって一般の自転車にない選択が面白い。前輪がクランクの前にあるか否かもそうだが、もうひとつハンドルが上か下かも大きな違いである。たしかにリカンベントはハンドルにあまり力を入れないし、寝そべって手を上げ続けるのもだるそうだ。ハンドルが下にあるのは奇妙に感じるがリカンベントでは自然な発想と思える。車いすの車輪に手を添えたような位置のやや前方にハンドルが来る。
 どうせリカンベントに乗るなら普通の自転車と全然違う方がいいではないかと言う発想もあってこの下ハンドルも気になっていた。リクライニングに座るような感じで自転車に乗るというのも面白そうだ。ただ乗った感じがどうなのか想像がつかない。

 というわけでPocky7とほぼ同じ仕様で下ハンドルのSAZANAMIというモデルがあってこちらも乗ってみた。バイクのような気分でハンドルの後ろでまたいで、まず乗る位置で失敗。前の方で跨いで後ろに座り込む。ああっそりゃそうだ。
 変にハンドルに力を入れない分はいいがバランスを取るのは上ハンドルよりもちょっと難しい。ほとんど腰の重心だけでバランスを取る感じだ。ブレーキレバーも普通と逆でグリップシフトも小指側についていてうまく変速できない。安定するまでは慣れが必要だ。停車してからの歩行移動や自転車自体の移動も正直やりにくい。
 ただ走り出すと他では味わえない開放感が素晴らしく気持ちいい。急カーブやUターンなどがなければ操舵も十分。ハンドル幅がかなりあるので車止めなどには障害になりそう。(この辺実際どうなんでしょう?)
なので街乗り向きではなくあまり乗り降りしないポタリングやツーリング向きのように思う。

 上ハンドル下ハンドルは甲乙着け難く悩ましい。それぞれ2台と言うわけにもいくまい。Burleyに前輪を簡単に位置交換できるモデルがあったが、ハンドルはそう行かないか。

 Pocky7は残念ながら販売終了、本格リカンベントTsunamiへと引き継がれ、Sazanamiはフロント3段、メッシュシート、フォルムもシャープになって進化。下ハンドルモデルとしてはかなり強力なモデルとなった。
あれ、LAZYと似ている?


走行性 ★★★
携帯性 
汎用性 ★★
デザイン★★★
C/P  ★★★★


2007年07月21日

triwave1620(TW-BENT)  誰でも楽しめる濃〜い3輪世界

239949b0.jpg mistralで少々リカンベントに怯えを持ってしまった私であるが、その魅力にもやられてしまってたのも確かで、このアンビバレンツな状況で次に考えたのが、諦めるとかそれを乗りこなす練習するとかの前向きな事ではなく、じゃあ3輪なら怖くないのではないかと言うなんとも弱腰路線である。(苦笑)

 それまでリカンベント以上に際物に見えていた三輪リカンベント=トライクが急に輝き出す。調べるとこれも欧米各国ではいろいろなものが出ていて面白い。前2輪、後ろ2輪、前輪操舵、後輪操舵、タンデム(二人乗り)、ロケットのような全天候対応型、果ては車のような4輪タンデムまで…!まあとにかく何でも試してみる欧米人の追求というのは凄まじいもので、一つの形を求道者のように追求する日本人との違いがよくわかっておもしろい。(まあこの辺は話し始めるときりがないのでこれはまた別項でおいおい)

 元祖はイギリスのwindcheetahらしく人力で走る乗り物としては最速と謳われている。まずこの事にヤられてしまう!そしてMOMAに収蔵されたというこれがまたスーパーカーのように美しい。こんなので日本一周とか大陸横断なんかいいではないか!と思わせて思わず妄想が広がってしまう…。(ばか)
 一番ポピュラーなものがこの前2輪で操舵するタイプのものでかなり車高が低い。ゴーカートの雰囲気に似ている。欧米ではこれでロングツーリングというのが多いようだ。これなら安定してスピードが出せるのでは?うーむ、乗ってみたい。しかしこれはさすがに試乗車は見つからない。高崎のIKDか京都のローロに行かないとだめか。
 
 そんな折り、tsunami、Pocky7などCPの高いモデルを出してした台湾のリカンベントメーカーTW-Bentがこのトライクを発売した。この販売代理店が試乗会を開催したのだ。
 もちろんいそいそと行きましたよ。感動の対面、前輪16インチモデルはなかなかコンパクトでチャーミング。はやる気持を抑えて試乗。
 初めて車を運転したときのような地球が動く感覚に感動!もちろん倒れる事はないし低速発進も可能。自分専用のミニカーに乗っているような妙な感覚に揺られながら加速。地面を這うような視野からの走行で、やあこれは面白い!地面の凹凸を拾うのだが一般の三輪と違って転ぶ不安はない。地面すれすれにその凹凸を感じながらの高速走行は自転車とは全く違うものだ。倒れないから景色を楽しみながらのんびりも快適だ。
 まあ、F1のようにおそらく5-60kmにも達するようなスピード感を勝手に妄想していたのだろう、スピードは想像していたほど劇的なほどではなく、所詮人力なのでエンジン(本人の筋力)次第という事だ。原付はナナハンにはなれないのだ。それを差し引いてもこの面白さはたまらない。

 とにかく自転車とは別物で優劣をつけるものではない。現実的に考えればどこにしまうんだ!という問題が大きく横たわる。好奇の目も2輪以上に強いだろう。小回りも難しい。なので街乗りは現実的ではないがこれらの問題をクリアできればロングツーリングにはとても魅力的だ。置き場所が確保できて予算があればこれでどこまでも旅に出かけたいと思う。

 この辺りだと一見自転車マニアの楽しみの極みと言えそうだが、実は楽に誰でも乗れるもので老若男女選ばない。実際かなり高齢の方で楽しんでいる方もおられる。夫婦やリタイアした年配の方などにも向いているのではないか?こうした大人の楽しみに20万円はそれほど高価ではない。この辺にはトライクの潜在需要がありそうな気がするのだ。
 (これより10万以上高くはなるが豪州のGreenSpeed、LOGOなどに分割モデル、折り畳みモデルが存在する。この辺りだと問題解決がはかれそうだ)

 濃いウオッカを浴びたような気分で後ろ髪引かれつつ、現実的な壁に阻まれてトライクへの道は当面保留。(涙)

走行性 ★★★★
携帯性
汎用性 ★★
デザイン★★★
C/P  ★★★★



2007年07月20日

typeF1.5(tartaruga) 異分野参入の覇者

9de9d87a.jpg 他の分野から参入してきた人がその本流の常識を超えた事を成し遂げるという事はよく起こる事だ。 ミュージシャンから小説家、タレントから映画監督、モデルからカメラマン、建築家から政治家(?)などクリエイティブな世界では特に起こる。その世界の常識やセオリーを越えたクリエイティビティーを発揮し易いのだろう。
 エンジニアリングの世界では専門性が高く難しい所もありそうだが、小径自転車の世界ではデザイナーや建築家出身の人の活躍がとても目立っているように思う。
 小径折り畳みの世界は定番化された完成形が少なくアイデアで勝負できる余地が多いせいもあるだろう。

 タルタルーガはその先鞭の一つではないだろうか?そもそも折り畳みリカンベント自体サターデイ、M5CMPCTなど数えるくらいしかない。日本でリカンベントに乗ろうと思うと走行場所とその収納場所の問題が起こる。折り畳めれば収納に便利だし旅先での輪行に使える。また先述のリカンベントはそうはいってもかなり奇抜な姿だ。単純な発想だがこれに見合う実用的なものがないのだ。
 このプロダクトデザイナーからの参入は常識を超えた刺激的な内容だ。折り畳み小径セミリカンベントという領域はそれまでなかったものだ。上述の問題を解決してやっと日本でも乗れるリカンベント車が生まれたと言っていいのではないか?

 躯体デザインも斬新で男心をそそる。ガンダムなどのメカニカルなイメージを潜在させつつ自転車の境界線上で派手になりすぎないあたりのさじ加減は絶妙だ。シート部分は取り外し式だがフレーム自体は中心からの縦折りで転がす事も可能。これで13kgは輪行車としての実用性も高くかなり立派。

 ミストラルで感じたリカンベントの難しさはここにはない。はじめこそ戸惑うがすぐに楽に乗れる。低めのポジションは足付きもよく不安は全くない。クランクの位置が低いため完全なリカンベントではないが、リカンベントのメリットである下半身全体の筋力の活用はなされているようで突っ張るように踏み込むとぐいぐい加速するし、リカンベントの弱点である坂ではこの事がいい方に効果を上げている。なにより椅子に座ったまま走る感覚の開放感はたまらない。これはかなり楽しい乗り物だ。

VER1.5では随所が改良された。フロントキャリアが着けられるようになり、ポジションの調整が可能になった。ローロオリジナルのリアキャリアアタッチメントを着ければフロントとあわせてツーリングにも対応できそうだ。派手派手カラーが減ったのは個人的には残念だがシックな色が増えて乗り手を選ばない。

 リカンベントはクランク(ペダル)が車輪よりも前に出るのがどうも運転を難しくしているように思う。一般自転車の感覚から遠いのだ。前輪が前にあるタイプのリカンベントは見た目も乗り味も比較的優しい。自分が乗るならまずはそのタイプがいいように思う。

 リカンベント一台だけを所有するというのは現実的には難しい所があったけれどこの自転車であれば一台で随分使える。完成度も高く初めての折り畳みスポーツ車としても充分にお薦めできると思う。腰や尻への負担も少ないので年配の方や女性にもいいだろう。ただしポジションは重要で、調整量は大きくないのでクランクに足が届くかどうかは必ず実車で確認されたい。

異業種参入の覇者がここまでするのはベンチャーとしても快挙だろう。今後の戦果に期待が募る。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★★
C/P  ★★★★

2007年07月19日

Mistral(challenge) 悩ましき流線型

c9331d65.jpg 故あってリカンベントの事を少し続けたい。

 リカンベントを初めて見たのはミズタニのカタログと系列店だったろうか?何じゃこりゃ?という印象で、奇抜さに加えその値段と大きさに視界から消えていた。興味を持ったのはバイクフライデーの折り畳みリカンベント「サターデイ」、後述するリバイブやタルタルーガあたりがきっかけだったような気がする。
 長い時間走るようになって仰向けに乗れたらなーと思いはじめたり、サドルとの相性に悩む相棒のせいもあっただろう。

 とにかく乗ってみたい。楽らしいとかとてもスピードが出るらしいとか妄想が広がってとまらない。こうなると私は何も手につかなくなってしまう。なんとかしなくては。
 当時試乗できる所は少なかったがチャレンジというメーカーのリカを試乗できる所を知った。
 チャレンジは自転車大国オランダの新興メーカーで非常に緻密な作りを標榜している。リカンベントはアメリカとヨーロッパに多いがその傾向は多少異なる。アメリカのはハーレーのような楽な姿勢で乗れる志向が強く、ヨーロッパはスポーツカーのようによりスマートに高速でという志向が強い。

 子供の頃SLが好きだった。あの無骨な姿が軍艦や荒武者を思わせ感動した。だから海外の流線型のSLにはショックを受けた。新幹線が出てきた時にも似たショックを受けた。自分はそれが好きなのかどうか判断できなくなったのだ。
 チャレンジのリカンベントを見てその気分を思い出した。優美な曲線を描くその姿はまさに流線型そのもで美しい。その悩ましさに思わず目を背けそうになる。

 いよいよ試乗。漕ぎだしから手こずる。何度もこけそうになり冷や汗が出る。なんとか走れるようになったが、これは自転車の感覚を越えているというのが第一印象だ。違う乗り物といってもいい。ポジションが低いため視界が違う。ハンドルでバランスを取る事ができないため身体の重心でバランスを取る。クランク(ペダル部分)の手前に前輪があるので操舵感が掴めずうまく曲がる事ができない。止まった際の足付きも全く異なるため転んでしまう。
 地面を這うような感覚と抱え込むようなハンドルポジションはF1カーのような気分(あくまで想像)で、おそらく実際よりも高速感が高いはずだ。

 レースカーのようなというのがまず強烈に焼き付いた印象で、自分に使いこなせるだろうかという疑念が残る。一方でその強烈な体験が後々尾を引く事になる。一つ確かなのは都心の街乗りは困難であるという事。
 漕ぎ出しには軽いギアにする必要があるうえ、安定するまでが難しい。低速時の安定性も練習がいる。足を着けて歩くように自転車を移動させるのも難しい。車長も長い。
 リカンベントの魅力は強列だが自分が求めるのは違うものではないだろうかと漠然とそう感じたのである。

 それ以後も何度か冷静にMistral(名前からして美しい)に熱を上げた。魅力はまずその優美なスタイルだ。カラーリングも工芸品のような美しさ。海外車としてはコンパクトで日本に代理店もあって入手保守が容易。キャリア類も用意されてツーリングや走りを楽しむには魅力的だ。ただ送料別途で18万円、ヨーロッパ車としては安いが試しに買ってみるには高い…

 やはりこれは自分とは合わないとわかっていながら目がそらせない高嶺の花のような存在か?

走行性 ★★★★
携帯性 
汎用性 ★★★
デザイン★★★★★
C/P  ★★

2007年07月13日

mariposa(Bridgestone)/MywayMini(Panasonic)- 錆びない自転車という夢

0536899b.jpg 錆びない自転車が欲しいというお客さんは多い。オーダーで丁寧にステンレス、アルミ、カーボンなどのパーツを選んでいけば全く錆びない自転車というのもできないわけではないだろうけど非常に高くつくだろう。だいたいそんな自転車を雨ざらしにするだろうか?
 雨ざらしは自転車には過酷な環境だ。外装ギアなどがつくスポーツ車は諦めた方がいいだろう。これに耐える自転車はこういう環境を前提としている一般車のメーカーの方に利がある。

 一般車の高級車は随所にステンレスやアルミパーツを用いてくる。泥よけもついてる。ローラーブレーキや内装ギアは水に強い。ママチャリならチェーンカバーもついてチェーンの錆もつきにくい。錆びる箇所は残るが、それでもメンテナンスフリーには随分耐える。

 ママチャリとまで行かなくても雨に強そうなミニベロが出た。ピクニカ以来途絶えていたブリジストンのベルトドライブの20インチ車マリーポーサだ。(写真上)ベルトドライブはコストと機構の点で他社が撤退気味だがブリジストンは定評もあり安心して使える。錆びないしズボンの裾が汚れる事もないし乗り味もマイルドだ。外装ギアのつかないのが弱点だが内装ギアでカバーしている。
 スタイリングもこのクラスとしては抜群で、細めのタイヤと適度なギア設定でスポーティーな使い方にも耐える。フレームはアルミだがハンドル周りなどは塗装スチールらしく価格なりだが、安っぽくはない。
 ロングホイールベースで安定感も高い。毎日の通勤+休日のポタリングとしてはかなり強力でこれで5万円以下なら安い!黒ならスーツ姿の男性でも似合うし、白なら女性でもよく似合う。

 更に内装8段モデルも用意されている。重量と走行時の独特の粘り感があって必ずしも完璧ではないが、とにかく坂が多かったり調整などしたくないという人にはいいだろう。
 加えて電動モデルまで出ている。坂の多い町の通勤ならこれで決まりか?

 そしてもうひとつ。
 雨を予想してか傘をいろんな所に挟み込んで走る人を見かけるがあれはとても危険だ。事故を起こした人もいるし自転車を破損した人もいる。じゃあどこにいれればいいんだ?ということになるが、そんな希望に応えたユニークな自転車がパナソニックのマイウエイミニ。(写真下)
 よくあるミニサイクルに近いがアルミフレームで内装3段付き、随所にステンレスパーツを用いている。まあそれも雨に強い理由だが、よく見るとリアキャリア手前には縦型のボックスが!ここに傘が入れられるのだ。故に雨に強い(笑)
 このボックス、なんてことはないのだが夢が広がる。釣り付きの人は釣り竿を、スポーツ派はラケットとか、撮影派には小さな3脚とか、設計関係の人は図面を巻いて入れるとか人によってはとても便利そうではある。スピード志向ではないのでご近所自転車ではあるが、これで3万円というのも安い。

 というわけで、一般車メーカーにもこんな柔軟な所があって、おおやるじゃないかと拍手、拍手!
 (ちなみにそうはいっても自転車はできるだけ雨にあてないように使って欲しい)

マリーポーサ
走行性 ★★★★
携帯性 
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★★

マイウエイミニ
走行性 ★★
携帯性 
汎用性 ★★★☆
デザイン★★★
C/P  ★★★★☆


minivelofan at 07:46|PermalinkComments(9)TrackBack(0)clip!20インチ | 3〜5万

2007年07月07日

Trycycle (DiBlasi) 収縮率世界一

diblasitry
 守備範囲だけは自慢じゃないけど広い。小径ならママチャリも三輪も興味津々。三輪の世界も実に奥深く興味はつきない。
 この自(三)転車の存在は前から知っていた。とにかく三輪車で折り畳みというのは前代未聞。実車を見るまでわからなかったがこの機構が見事という他ない。サドルが前に、荷台部分が後ろに倒れ込むのに連動して後輪部分が前に畳まれてくるというミラクルだ。
 三輪自転車は駐輪場所の問題があるが畳めれば解決だ。
 
 自転車ショーで実車を見た相棒が一目惚れ。荷物をたくさん運びたいという我家のニーズとも合致して急浮上。しかし衝動買いするには個性的過ぎる。一度乗ってからとなだめすかして試乗の機会を待った。
 試乗車があるとの情報を得て試乗に出かける。これほどの期待が募るときも珍しい。

 結論から言えば、自転車に乗るのが得意な人にはこの三輪車は乗りこなせない。これほど運転の難しい自転車の珍しい。三輪であるから路面の傾きを全て拾う。少し傾くと身体が無意識にバランスを取ろうとする。自転車に乗り馴れているとハンドルでもバランスを取ろうとする。するとコントロールできないのだ。
 右下がりに路面が傾いている。そうすると無意識にハンドルを右に切ってバランスを取ろうとしてしまう。すると更に右回りに進むという渦巻き状態になって進めなくなってしまった。

 心を入れ替えてどんなに自転車が傾いても身体は垂直、ハンドルも進行方向に向けて動かさないというこつを掴んでやっと進めたが、路盤が複雑な町中では冷や汗が吹き出る。ゆっくり歩くように走るという前提の自転車だ。 

 国産の三輪車にはスイング機構というのがついている。これが実はかなりの優れもので、これのおかげで一般の自転車のような乗り方ができる。
 これは自転車に乗れないという人の方が乗れるものなのだ。

 イタリアらしいカドミウムイエローの車体は無骨ながらチャーミング。こんな自転車に花でも積んでさっそうと配達してみたいという相棒の夢想も共感できる。そんな魅力がこのメーカーにはある。なんで国産の三輪車はこうならないのだろう。

 ときどき大幅割引のセールがあったりして、それでも心は揺れている。ああ美の王国イタリアよ…。

走行性 ☆
携帯性 ★★
汎用性 ★
デザイン★★★★
C/P  ★★

2007年07月06日

Helios (Dahon)  要中の要

d6c3dbfe.jpg 強いリーダーシップやカリスマというわけではないけど、この人がいないとなんだか始まらないと言うまとめ役がいる。呼んだわけではないけどいつもそこにいる人がいる。地味だけどこれがないとラインナップがまとまらなくて、実はこれが重要というものもある。
 ジョージハリスンがそんな感じだし、カローラもそうだし、自転車のフレームはそんな存在だし、PCの本体やコンポーネントステレオのアンプもそうだろう。

 要、中核とか特別な形容詞がつけにくいそんな存在がこのHELIOSではないだろうか?
 Dahonのなかでもかなり古い存在で1999年頃には登場していた。BD-1のようなかっこいい高級車というわけでもなく、かといって巷に出回りはじめた安い小径車ともちょっと違う。ペダル部分を中心に小さな菱形を描くそのデザインは嫌みがなく洗練されていた。そのころのheliosがスタイリングとしては一番味があったのではないかと今でも思う。(中央の写真)
 その後水平のチューブが追加された形に進化しシャープなイメージを強調していく。BDを意識したようにも思えるが、かつての開発当初の原型に起ち返ったかのようにも見える。(下の写真)正統の血統を表しているのだろうか?その割にはいつもカタログの中堅どころにあって地味な存在になっている。

 乗ってみると20インチ8段変速で素直な乗り味で快適。スラムの8段シフトもスムースだ。スピードも割とでるし、坂にも強い。立ち気味のポジションは女性や年配の方にも抵抗がない。ハンドルの高さを変えられるので前傾気味のポジションもとれる。車重も軽い。デザインも嫌みにならない程度にスマートで乗るひとを選ばない。折り畳み時にハンドルを回転してブレーキ類の納まりを良くするというのはこの車種ならではだ。更に2007年モデルではシートポストにポンプが内蔵された。オプションでキャリアやフェンダーも用意されている。
 坂の多い町やロングツーリング、本格走行には向かないだろうが、日常の足から輪行、ワンデイポタリングと多用途に使える。要はまとまりが非常に良くて、見栄を張らなければこれで充分ではないかと思うのだ。

 2007年モデルは日本だけの発売で来年は生産中止になるらしい。と聞くとなんだか凄く惜しまれる。このモデルがないとDahonではない気がしてしまう。一目でこれはと思わせるような小径車が軒並み10万円以上する中で7万円台前後の車種は貴重だ。実際にはこのぐらいの予算を組む人も多いのではないだろうか?お買い得感が高いのでこれから自転車の旅をはじめたい方にはお薦めの一台。

Dahon様 後継には是非魅力的な車種をお願いします。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★☆
汎用性 ★★★★☆
デザイン★★★★
C/P  ★★★★

minivelofan at 10:29|PermalinkComments(13)TrackBack(0)clip!20インチ | 5〜10万