2011年10月02日

後出しじゃんけんは強かった? Peco 8&3 OX

OX_peco


ある製品がヒットするとモデルチェンジをする。ユーザーの声などを反映させて改良する。前よりいい製品になるはず。

あるヒット商品が出る。これは製品でなくてもよくて、音楽や小説でもいい。それを見聞きした人がここをもっとこうすればもっとよくなるといって制作する。もとよりいい商品になるはず。

普通に考えれば、これはどんどん改良、改善、改訂されて磨き上げられ、よくなっていくはずなのである。ところが、面白いものでそうなることは稀なのである。

ユーザーの声というのは、的確に使い勝手を検証し、よりよい建設的な意見もあるだろうが、無い物ねだりの部分もあって勝手な要望も言うだろう。そうした声を反映していくと結局あれこれ機能満載したものの凡庸で特徴のないモデルに堕していくことが多い。

創作でも不思議なもので粗っぽくても完成度が多少低くても、初めに新しい表現を生み出した「必然」が最も力を発揮し、それを追いかけるフォロアーというのは、質が低下するということがよく起こる。

商品でも創作でも、作る側の思想と使い手側の思想とのバランスや、売ることとの関係は難しく不思議なものである。


かつてブリジストンにはトランジットコンパクトという12インチでワンタッチで折り畳める小径車があった。価格は一般車並の4万でおつりがくるくらい。
スチールで車重の重いのが難点だったけど、畳んだ状態で転がして移動できるとか、隠れた名車で熱狂的なファンも多かった。

(以前この辺に書いてますhttp://blog.livedoor.jp/minivelofan/archives/2007-08.html)

実はこの「トラコン」を買う寸前までいっていた。相棒と一緒に馴染みの自転車屋に注文しにいった。そこでいろいろ世話してもらってる店員に難色を示されてしまった。まあそのときは、うーんなるほどそうだよなーと納得して検討し直すことにしたのである。
それからしばらくして生産中止。入手できなくなってしまった。

今でも時々乗ってる人見かけると、
ああ。小さくって可愛いなあ、あの娘で良かったじゃん…と振った娘に未練たらたらのような情けない状況に。
今にして思えば、そんなことには耳を貸さずに買っておけば良かったのである。
あばたもえくぼ。惚れたら何でも許せるのだ。
惚れ続けられるかどうかはつきあってみないことには分からん!
のである。

店員さんのアドバイスは別に間違ってはいない。
経験から親切に短所を教えてくれたこと。
今思うのは、その店員さんは小径車が特別好きということではなく、
スポーツ車や一般車全般の常識としてアドバイスしてくれてたこと。
トラコンには短所もたくさんあるけど、それでもよかったのだ。
私が惚れていたのは、普通の自転車の魅力ではなかったから。
自分の直感を信じるべきであった。
結局、そのときは自分の常識的な判断に負けて断念したのだ。
あー、ばかばかばか。


と前置きが長くなりましたが、
このトラコン、コンセプトとしては今でも素晴しいものがあり、
このまま埋もれさせておくのはもったいないのである。

と思っていたら、なんとそれとよく似たモデルが出ていた。
OXというメーカーはルイガノなどから出ている8inchの極小径車で気になったところで
そのあと本格的なminiveloMTBを出して一躍知られる所となった。
車椅子の製造メーカーで高度な工作精度を売りにしている。

基本思想はX型に展開、ワンタッチで折りたため、そのまま移動できるというトランジットコンパクト、スパイスにちょっとエクスウオーカーという感じ。
ただしディスクブレーキであったり、
3段変速のほかに8段変速モデルもあり、かなり本格的。
チープ感や重さが欠点であったトラコンの弱点を克服している。
デザインは高級感もあるがあまりスマートとかお洒落とか言う感じではなく、
小径車の可愛らしさみたいな所も今ひとつで、どちらかというと武骨な感じ。
機能的にはしょうがなかったんだと思うけど、
X型の直線から曲線に移るあたりのラインが今ひとつ美しくないと私は思う。

OX_FB_03


昨年のサイクルモードで試乗してみた。
車重は軽いなという印象。たぶん10kg前後?
ショートホイールベースで少々窮屈ではあるが、この走りはなかなかのもの。
ハンドリングの安定感もスピードも12インチとは思えない。
12インチぐらいになるとどこか癖のある所があるのだが(そこが面白かったりもするが)
そういう所がほとんどない。
8段変速モデルはさらに走行性が高く、距離の長いポタリングでも十分に使えそう。
初代フロッグよりもスマートに走る印象。

この手の自転車の用途の範囲で言えば、ほとんど欠点を上げられないほどの完成度。
素晴しい。昨年のサイクルモードではこれが一番印象に焼き付いている。

さて問題はお値段。
3段変速モデルで9万円
8段変速モデルで10万円

うーむ。
セカンドバイクでなくメインバイクなら高い感じはしない。
普段は街乗りで近所の買い物やポタ。あるいは、輪行で通勤。
めったにないけどたまーにちょっと遠出。
というようなニーズでいつも一緒にいるような使い方なら10万円は高くない。

セカンドバイクとすると、
9−10万円は決して安くはないね。
トラコンの魅力はがんばればお昼ケチって(?)貯めて買える価格にもあったからねえ。
遠出用の自転車はもう持っていて、
もう一台手軽で輪行しやすい、いい自転車が欲しいというなら、
Mintや5linksに並んで大変お薦めの自転車。

でもまだ乗ってる人見たことないなあ。


走行性 ★★★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★
C/P  ★★★


minivelofan at 21:06│Comments(2)TrackBack(0)clip!12インチ以下 | 5〜10万

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この記事へのコメント

1. Posted by カナダ グース   2011年12月18日 19:17
はいけんさせていただきました。
2. Posted by minivelofan   2011年12月18日 19:47
カナダグース様
見ていただきありがとうございます。

だいぶ滞ってますがまた書きます。

今日はじめてOXpeco乗ってる人見ました。

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