5〜10万

2012年05月03日

小さいけど小顔で脚長、スマートだぞ! M451 ManhattanBike

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一般に男性で背が低いのは異性へのアピール的には不利。
女性は場合は背の高いのが不利といわれる。

でもなんでも揃うような完璧な人はなかなかいないわけで、
背が高いけど、脚が短くて頭でかい男とか、
背は低いけど脚も短いという女もいて。

背が高くて脚も長い見事な女と背が小さくて脚も短いけどという女とどちらが好きか?
まあこの辺は好みでしょ?という事になるか。

女性が小さい方が比較的好まれるのは、可愛らしさや従順さを求めてという日本人男性の趣向が反映しているんでは。海外に行くと日本人の体格の小ささを実感しますね。
特に女性は海外の女性と並ぶと小柄で人形みたいな感じ、それはそれで魅力だなあと思う。
という事は男は相当不利という事だな…。

小径車は車輪が小さい分全体に小振りで、その小ささが魅力になっている。
凝縮感とか可愛らしさとか日本人の志向が色濃く出ているように見える。

その中でも特にダイアモンド(菱形)/ホリゾンタル(トップチューブが水平)の伝統的なロード系の20inchや16inch版はよく知られた形がそのまま小さくなったような自転車/Miniveloは可愛らしく見えた。少し前までは高価なモデルやオーダーでしか見かけない珍しいタイプの自転車だったのでよけい欲望を刺激した。
今は、各社お求めやすい価格のものも出ていた随分見かける事も増えた。そういう意味ではあまのじゃくな私はちょっと購買欲が低下したかな。

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このタイプの自転車、フレーム自体も完成形があって完成度が高く、走行性も良くて、オリリ畳んだりしないって言うなら、あまり不満はないのね。なので小径車の入門としてはお薦め。
いくつか試乗してますが、実はあまり差がわからないというか、これで十分いいんじゃない?と思う事が多くて、ネタとしてはあまり書くことがないのが悩みの種…。選ぶにしてもデザインとタイヤの太さの好みでいいんじゃないの?て思ってしまう。

そんななかでこのManhattanはひと味違う気がした どこが?、?、と思ってメーカーさんの話を伺うと、
このモデル、フレームもフォークも殆ど700cのそれに近いのだそうだ。
小径にあわせてブレーキ台座の位置を変えたりしているだけだとか。
なるほどそう思ってみるとフロントフォークの股の部分は上の方まで切れ上がって随分脚長だ。

manhattan1


自転車のヘッドチューブ、正面からの顔に当たる部分、このタイプのフレームでは小径のために長くとる傾向がある。タイヤが小さいんだから当たり前。するとちょっと馬ズラ気味になるのだな。
気がつくと意外と気になる。フロントキャリアをつけたりしてデザイン的にうまく処理しているのも多い。Manhattanはそのトップチューブが短いので顔の印象が随分違うのだ。
脚長で小顔、小さいけれど美形ってこと?

細身のタイヤとやはり細身の直線のクロモリフレームはスリムな印象で小さいながらも精悍な印象もある。カラーリングやロゴも素っ気ないくらいシンプル、
愛玩的なデザインが多いこのタイプのなかでは潔さが感じられる。

走ってみた印象はこの姿と同じ、シャープで無駄がない感じ。
スピード感もあって走りを楽しみたい人にもいけると思う。クロモリなので体にも優しい。
ポタリングよりももう少し飛ばして走りたい人やスポーツ女子にもいいと思う。

店頭ではちょっと地味な存在かもしれないけど、なかなかできる奴です。

走行性 ★★★★★
携帯性 ★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★★

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2011年10月02日

後出しじゃんけんは強かった? Peco 8&3 OX

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ある製品がヒットするとモデルチェンジをする。ユーザーの声などを反映させて改良する。前よりいい製品になるはず。

あるヒット商品が出る。これは製品でなくてもよくて、音楽や小説でもいい。それを見聞きした人がここをもっとこうすればもっとよくなるといって制作する。もとよりいい商品になるはず。

普通に考えれば、これはどんどん改良、改善、改訂されて磨き上げられ、よくなっていくはずなのである。ところが、面白いものでそうなることは稀なのである。

ユーザーの声というのは、的確に使い勝手を検証し、よりよい建設的な意見もあるだろうが、無い物ねだりの部分もあって勝手な要望も言うだろう。そうした声を反映していくと結局あれこれ機能満載したものの凡庸で特徴のないモデルに堕していくことが多い。

創作でも不思議なもので粗っぽくても完成度が多少低くても、初めに新しい表現を生み出した「必然」が最も力を発揮し、それを追いかけるフォロアーというのは、質が低下するということがよく起こる。

商品でも創作でも、作る側の思想と使い手側の思想とのバランスや、売ることとの関係は難しく不思議なものである。


かつてブリジストンにはトランジットコンパクトという12インチでワンタッチで折り畳める小径車があった。価格は一般車並の4万でおつりがくるくらい。
スチールで車重の重いのが難点だったけど、畳んだ状態で転がして移動できるとか、隠れた名車で熱狂的なファンも多かった。

(以前この辺に書いてますhttp://blog.livedoor.jp/minivelofan/archives/2007-08.html)

実はこの「トラコン」を買う寸前までいっていた。相棒と一緒に馴染みの自転車屋に注文しにいった。そこでいろいろ世話してもらってる店員に難色を示されてしまった。まあそのときは、うーんなるほどそうだよなーと納得して検討し直すことにしたのである。
それからしばらくして生産中止。入手できなくなってしまった。

今でも時々乗ってる人見かけると、
ああ。小さくって可愛いなあ、あの娘で良かったじゃん…と振った娘に未練たらたらのような情けない状況に。
今にして思えば、そんなことには耳を貸さずに買っておけば良かったのである。
あばたもえくぼ。惚れたら何でも許せるのだ。
惚れ続けられるかどうかはつきあってみないことには分からん!
のである。

店員さんのアドバイスは別に間違ってはいない。
経験から親切に短所を教えてくれたこと。
今思うのは、その店員さんは小径車が特別好きということではなく、
スポーツ車や一般車全般の常識としてアドバイスしてくれてたこと。
トラコンには短所もたくさんあるけど、それでもよかったのだ。
私が惚れていたのは、普通の自転車の魅力ではなかったから。
自分の直感を信じるべきであった。
結局、そのときは自分の常識的な判断に負けて断念したのだ。
あー、ばかばかばか。


と前置きが長くなりましたが、
このトラコン、コンセプトとしては今でも素晴しいものがあり、
このまま埋もれさせておくのはもったいないのである。

と思っていたら、なんとそれとよく似たモデルが出ていた。
OXというメーカーはルイガノなどから出ている8inchの極小径車で気になったところで
そのあと本格的なminiveloMTBを出して一躍知られる所となった。
車椅子の製造メーカーで高度な工作精度を売りにしている。

基本思想はX型に展開、ワンタッチで折りたため、そのまま移動できるというトランジットコンパクト、スパイスにちょっとエクスウオーカーという感じ。
ただしディスクブレーキであったり、
3段変速のほかに8段変速モデルもあり、かなり本格的。
チープ感や重さが欠点であったトラコンの弱点を克服している。
デザインは高級感もあるがあまりスマートとかお洒落とか言う感じではなく、
小径車の可愛らしさみたいな所も今ひとつで、どちらかというと武骨な感じ。
機能的にはしょうがなかったんだと思うけど、
X型の直線から曲線に移るあたりのラインが今ひとつ美しくないと私は思う。

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昨年のサイクルモードで試乗してみた。
車重は軽いなという印象。たぶん10kg前後?
ショートホイールベースで少々窮屈ではあるが、この走りはなかなかのもの。
ハンドリングの安定感もスピードも12インチとは思えない。
12インチぐらいになるとどこか癖のある所があるのだが(そこが面白かったりもするが)
そういう所がほとんどない。
8段変速モデルはさらに走行性が高く、距離の長いポタリングでも十分に使えそう。
初代フロッグよりもスマートに走る印象。

この手の自転車の用途の範囲で言えば、ほとんど欠点を上げられないほどの完成度。
素晴しい。昨年のサイクルモードではこれが一番印象に焼き付いている。

さて問題はお値段。
3段変速モデルで9万円
8段変速モデルで10万円

うーむ。
セカンドバイクでなくメインバイクなら高い感じはしない。
普段は街乗りで近所の買い物やポタ。あるいは、輪行で通勤。
めったにないけどたまーにちょっと遠出。
というようなニーズでいつも一緒にいるような使い方なら10万円は高くない。

セカンドバイクとすると、
9−10万円は決して安くはないね。
トラコンの魅力はがんばればお昼ケチって(?)貯めて買える価格にもあったからねえ。
遠出用の自転車はもう持っていて、
もう一台手軽で輪行しやすい、いい自転車が欲しいというなら、
Mintや5linksに並んで大変お薦めの自転車。

でもまだ乗ってる人見たことないなあ。


走行性 ★★★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★
C/P  ★★★


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2011年02月05日

優しい入門モデル Rail CS mini /KhodaBloom

すっかりご無沙汰ですみません。
サイクルモードはなんとか行きました。その時の発見をいくつか書いていきます。
まずは新顔!
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慣れた親しんだ環境というものは居心地がいい。
履き古した靴、長年使った鞄、使い慣れた部屋。
座るだけで希望のものが出てくるなじみの店、眼を閉じていても歩けそうな通勤路。
ぬるめの温泉やこたつのようにぬくぬくと気持ちがいいものである。

新しいことをはじめるのは、複雑な気分だ。
もちろん、新鮮な気持ちやわくわくした気分が気持ちに高揚を与える。力がみなぎってくる。
一方で知らないことからくる劣等感、恥ずかしさ、照れ、時にはプレッシャーで逃げ出したくもなる。
道具選びだって大変だ。
選ぶことは楽しいはずなのに何がいいのかわからない。
高いものはみんな大それたものに見えてしまう。自分の予算はだとばかにされないだろうか?けちけちしすぎだろうか?安っぽいものじゃないだろうか?分不相応すぎるんじゃないだろうか?こんな立派なもの自分に似合うだろうか?
などなど考えるとこれもまた逃げ出したくなってしまう。

これからサイクリングや自転車通勤を始めようというひとに、本格的なものがいいと薦めることはできる。どうせ買うならプロ向け、通向けの高級モデルがいいということは私にもわかる。
だからといってこれから始めようとする人になにがなんでもそういうものを買わなければだめだとは思わない。
確かにプロ用の道具は虚飾や無駄がなくていい。素材や耐久性もいい。
道具のせいにできないので、持った心意気が自分を鼓舞するという心理的な面もある。
しかし使いこなしや管理に技術やコツが必要であったり、何より高かったりするものである。

よくできた入門用のツールというのは実は結構大事であり、難しいのではないかと思う。
初心者はイメージを描いていたり背伸びをしたり、いかにも通ぽく見えることを望んでいたりするからだ。そして商品もそういうところをくすぐってきたりする。すると本来あまり意味の無いところにお金をかけていたり、格好だけ取り繕ったものに惹かれたりする。本当に必要なところを求めやすく提供する。これこそプロの生産者の腕の見せ所ではないか。

さて前置きが長くなった。
最近よく見かけるようになったKhodaBloomなるブランド、これはHodakaの新ブランドで、こなれた価格とでしゃれたデザインが眼を引いていた。
新ブランドが参戦してくる時、ユニクロのようにデザインと価格のバランスが重要なのではないかと思う。お買い得感でお客の信頼を得てブランドを確立していき徐々に利益率の高い高級路線も入れていく、そういう戦略が多い。その意味でKhodaBloomは絶妙だなと感じたのだ。

新規参入ブランドとして新鮮さをみせるデザインとラインナップ展開にはわけがあったのである。このブランドのセクションは女性二人でスタートしたものなのだそうだ。こうしたデザインセンスや価格設定は女性ならではの洗練がある。
女性ユーザーが増えたとはいえ、自転車の世界はまだまだ男の世界だと感じる。男の発想ではこうはいかないだろう。
デザインしゃれていて、安っぽさが無い。ちょっと本格的なムードを出しながら、それでいてマニアック過ぎるところもなく通勤やカジュアルなスタイルにも合いそうである。カラーリングやロゴなどもチープさが無く洗練されている。

デザインと価格の他に言えば、やはり、気配り。
乗り始めるのに必要なものはかなり初めからセットされている。泥よけ、キャリア、ライト、モデルによってはバッグまで。この辺も通な人はいらないとか自分で選ぶのだろうが初心者には便利でどうせ買うのだからデザインも含めてセットされてあるほうがいいのだ。

このブランドに2つの小径モデルがある。
上級のRailCSminiの乗り味もこのコンセプトを踏襲している。すこし太めのタイヤや柔らかめのサドルなどでわかるように、ママチャリとは一線を画しつつもスポーティーになりすぎずママチャリ感覚のお気楽さをのこした乗り味なのだ。安定感は文句ないし、スピードも出そうと思えば結構出る。サドルも固すぎず、ハンドル周りの感触も優しく女性にも抵抗感が少ないだろう。この辺は肌合いを重視する女性らしさではないだろうか?
いろいろついて5万円代、ついでにお財布にも優しい。

このモデルで特に面白いと思ったのがダイナモ。
ダイナパワーというかつて時々見られた発電タイプらしい。シートポスト下あたりで後輪のタイヤに直接密着するタイプ。スポーティーな自転車ではあり得ないが、通勤や街乗りとしては重宝。他にない特徴として面白いと思う。

もうひとつenafCTminiはもっとこなれた価格で3万ちょい。折り畳めないがミニヴェロとしてはお求めやすい一台で、この路線だとBSのVegasの独壇場だがそれとは違うものがいいという方、やはり外装でなければという方にはいい選択肢。お買い物むきだけど、ちょっとしたサイクリングくらいはできそう。

これから通勤、サイクリングを始めたいかたにお薦め。
そうそうカタログもなかなか綺麗ですよ。ぜひ手に入れて下さい。

Rail CS mini
走行性 ★★★★
携帯性 ★
汎用性 ★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★★★








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2010年02月21日

開発者魂の底力 5Links

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5links


出尽くした感のあるオリタタミ方式もまだ改善の余地があるとばかりに新しい手法が生まれる。人の飽くなき欲望と追求の賜物だ。
ここのところ目新しさが減ってはいるが、それでも様々なチャレンジが見受けられる。この面白さこそこの分野の醍醐味ではなかろうか。

さて恥ずかしながら5linksの噂は当ブログのコメントから知った。そのサイトを見るとコンセプトや手法など並々ならぬ意欲を感じる事ができる。ラインナップもたった一機種ではあるが、R&Mも世に問うた一台のBD-1から始まっているのだから、何が始まるかはわからないのである。

このメーカーの出自はわからないが生真面目な設計者の顔とコンセプトメーカーの顔が見える。
そのモデルのアイデアは既存のものに大胆な改良を加えてあり、なかなかの独創性である。その独創性が姿に現れていないのはある意味損をしている。奇抜で乗るのが恥ずかしいという事はないが安売り自転車に見えそうでもある。

コンセプト自体は走行性の犠牲なしにいかに簡便に折り畳み、移動できるかであってそれ自体にあたらしさはない。折り畳み方式が面白いのであるが、ハンドルポストとフレームとの結合部分がスライドしつつ回転するというもの。結合部分のロックを外して上にずり上げる、そこを軸にコンパスのように2車輪を畳むのである。アイデア自体はストライダに近いがスライドさせる事でもっと一般的なフレーム構成に近い状態を実現している。

もうひとつの独創ははシートポスト自体を折り曲げて畳む事。これによって高さ調性をいちいちする事がない。これもbikefridayが近い事をしているが簡便にまとめている。

この2点によって簡単に棒状に折り畳む事ができハンドル付近を引っ張りながら移動できる。しかもキャリアを取り付ければ自立もする。さらにキャリーバッグなどをくくりつけられるキャリアも発売された。
このキャリアは大きめのバッグをつけても足に干渉しないように丈夫に移動できる優れものである。
この機能で重量は9kg台、立派である。
まずは実用を考えてよく練られた製品という印象を持つ。これはなかなかできる事ではない。

乗ってみると14インチらしい実用性の高い走行性で、公共交通での移動/輪行を前提とすれば十分である。ただ、YS-11同様にハンドリングに少々癖があって、その違和感は残る。

オーナーらしき方はサイクルモード当日は試乗した方が勝手に折り畳みを試すせいで調子が悪くなっていると嘆いていた。小径ファンとしては同情したいところだが、ユーザーは所詮そんなもんではないだろうか。誤った折り畳み方をして、簡単に不調になるというのは実用性を重視しているコンセプトにはそぐわないと思う。また実用性を重視したスタイルは色気という意味ではもの足りず、萌える気持ちは起こらない。

8万円という価格も少々疑問が残る。よくできたモデルとは思うが、ストライダが5万円台、ミントが7万円で買える事を思うと現実に選択肢に残るだろうか?8万円はかなり趣味性の高い価格帯ではないかと思うのだ。実用性には当然価格反映される必要があるだろう。
輪行を重視するポタリング派と日常的に移動手段として使う実用派とをすみ分けるのが必要ではないだろうか?
まああまり予算は問わず、収納や移動にらくちん、スーツでも乗れるような自転車をお探しならいい選択肢となる。

生真面目な開発者魂が独りよがりになって寛容さを見失っているとしたら残念。この貴重なモデルをぜひ熟成させて欲しいと思う。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★
C/P  ★★

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2010年01月10日

この鍛えた身体を見よ! MC-1A7(村山コーポレーション)

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うちの実家は東北の海辺のまち。この季節だとイクラがうまい。
元旦の朝、鮮やかなオレンジ色のグラデーションにセピアの醤油をたらしてご飯にかけて食べる。これがもうほっぺが落ちるほどにうまい。なかなか噛み潰せないほどにぷりぷりのイクラの歯ごたえと甘み。箸からこぼれおちたイクラはころころと食卓の上を転がる。

東京ッ子の相棒は驚嘆した。こんなイクラは食べた事がないと。
正直言って東京で食べるイクラはこれとは別物で少々高級な寿司屋でもこういうのものはなかなか味わえない。
(ついでにいうとホヤもね。東京のホヤは生臭くてまずいです、あれは採れたてでないと。)

で、うちの田舎のごちそうのひとつだが、これは料理か?というと疑問符はある。ある方に料理は関西で東北のものなんて料理とはいわないといわれ、かなり悔しかった。しかし、ウニやいくらのうまさは格別だが確かに料理というには口ごもる。醤油をかけるだけ。限りなく生食だ。

これは素材で勝負!なのだ。飾りはいらない。
素材の良さと新鮮さ、そしてそこに華を添えるご飯やわさび、醤油のおいしさ、それだけで勝負するのだ。そこにも、漁師や運搬業者、料理人のプロフェッショナルな心遣いが生きてはいるのである。
料理とはいえないが魂のこもった食べ物なのだ。

今年初めての試乗記はやはり国産で行きたかった。で、村山コーポレーションのMC-1A
MC1も質実剛健で素晴しかったが、このAで更にパワーアップしてきた。
MC1譲りの虚飾を棄てた潔いたたずまい。今では死語になった、これぞ日本男児!と思わせる。
ふんどし姿の引き締まった身体を連想するのは私だけか?

デザインや塗装など邪道だといわんばかりのアルミポリッシュのみ、鍛えた溶接技術の高さを見せつける裸身。必要な機能を追求したらこうなっただけといわんばかりの素っ気ないフォルム。
わかる奴だけわかればいいという主義。

これもひとつの美学だと思う。デザインを排したデザイン。これにも美はあるのだ。
色気は少ない代わりにとびきりのC/Pがついてくる。16インチで本格的に乗れて、携行も楽で、一番安い自転車といえばこのMC-1Aになるだろう。

乗ってみて驚くのは、その走行性能。ハンドリングやバランス、剛性など高級車と遜色ない。カプレオも出るなら更にスピードアップも可能だ。走行性だけを見ればCX-160には劣るけどMintよりもかなり上だ。
それでいて重量10kg、ムラヤマのこだわりで車輪で押して移動も可能。これで6万円、ネット直販なら5万円!
最小の支払いでいい輪行用自転車が欲しい人はこれできまりじゃないかね?
実だけあればいいという潔い人にこそお薦め!

元祖MC1も軽量化を図ってバージョンアップ。価格的にはMC1Aの方がお得かな。
(写真はカプレオモデル)
MC1Aはメーカーサイトでは見つけにくいのでこちらが便利
http://www.rakuten.co.jp/auc-takumikoubou/

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★
C/P   ★★★★★


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2009年12月19日

能ある鷹は爪を隠す bipodMINT (Smartcog)

サイクルモード行ってきました。3年前の一日乗りまくった時ほどは時間がありませんでしたが、気になるものは概ね試乗できました。劇的な感動はそれほどなかったのですが、小さな発見や驚きはいくつかありました。おいおい書きます。まずは今回の目玉!というには小さな自転車でしたが、乗りました。bipod MINT!

mint


bipodが設立された頃、Antとともに開発予定がなされていたモデルにKalimaがあった。12inchで後輪部分がブロンプトンのようにフリーでぶら下がるようになっていて、そのままキャリアがスタンドになるというものだ。フロントには大きなキャリアが着いて、ご近所自転車として有能そうないでたちであったし乗り心地、車重など申し分のないものであった。相棒がたいそう気に入って買う気満々になっていた。ところがやっとANTが出てつぎこそと思ったらKOMAが出て、次こそと思い待てども待てども出てこない。
走行しているうちにMintなる自転車の噂が…。
kallima


Kallimaはどうなったんだー!と思っていたら、ん?この折り畳み方は、もしや。
そう、このMintこそKallimaの後継だったのだ。実際メーカーの方もそんなようなニュアンスのコメントであった。
その折り畳みはありそうでなかった中折れ縦折、への字形に折れ曲がり、サドルとハンドルはDahonなどとよくにた折り畳み方である。畳んだ状態でサドルを持って転がす事も可能、サドル/シートポスト部分に一工夫あって、ポストは2段伸縮なのだがその一段が折り畳み部分とリンクしてあって折り畳まれると一緒に縮んでいくのだ。アイデア自体はDibrasiとよく似ているが、細かい工夫もあってよくできている。さすが機構に凝るBipod。
折り畳むとかなり小さくなりスーツケースやコインロッカーに入るらしい。重さも9kg台。とするとプアマンズトレンクルでもあるか。

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14インチは走行性とコンパクトさでは実用的な接点でもあると思う。それに見た目も可愛らしい。
結構、独創的なのだが風貌はいたって平凡、下手をすると1万円自転車に見られかねない。7万近いのにシングルギア、一般人から見たら、なんでこんなに高いの?といわれそう。

乗ってみると、14inchだから高速とは行かないものの、実用上は十分すぎるほどに走る。シングルでも十分。気になるところがほとんどないほどに自然な乗り味である。今回はほかの自転車も同じ条件でたくさん乗ったので、その自然さが特筆できる。能ある鷹は爪を隠すのである。

まあよく見れば、どことなく、さりげなく高級感は漂っている。相棒の第一印象は「かっ、かわいい!!」というもので決して「ふつー」ではなかった。のでアピール力はありそうだぞ。
ぞくぞくするような色気ではないけれど、さりげなくそばにおいておきたいと思わせる、お嫁さん志向かな。

自慢げに乗るのではなく、さりげなく乗りたいね、これは。
キャリア、カゴなどのオプションも用意される予定で、遠距離に向かないなど用途は限られはするが、日常的な実用性は高そうだ。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★
C/P   ★★★



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2009年09月21日

Blend (cleanspeed) 微妙なこだわりに応える一品

blend

ダイアモンドフレームのミニベロも通っぽくていいけど、やっぱり折り畳みできる方がいいよな。いざって時に電車で帰れるのは安心だし、置き場所の問題もある。だけど折り畳みは高いのはかっこいいけどそこそこのはちょっと平凡なんだよなあ。そのへんのおばちゃんが乗っているのとはちょっと違うっていうようには見えてほしい。

このあたりかっこいいけどさすがに20万近くは出せない。今度のボーナスは娘の幼稚園の入学金のためにすこしとっておかなくちゃならないし、なによりかみさんに言えっこない。10万の自転車だって理解不能だろうなあ。

ドロップハンドルがいいよなー。若い頃乗っていたしドロップだったら普通の安い折り畳みって感じはしないし、ちょっと通に見える。だけどいかにも私は自転車マニアですって感じは僕は好きじゃない。マニアじゃないし、旅や乗るのが好きなだけなんだ。あんまり細いタイヤもちょっと抵抗あるし、走り味も普通の自転車に近くてお尻が痛くない方がいい。高いスポーツ系の自転車の派手なカラーリングも自分には合わないよな気がする。派手で気恥ずかしいじゃない。ブランドをこれ見よがしじゃなくてもいいんだ。散歩や旅にいくような自然な格好が好きだし、そのままお茶したりできるくらいがちょうどいい。

そんなに派手じゃないけどセンスよくってひと味違うって感じで、しかも折り畳みができて、こなれた値段ってみると、選択肢が少ないねえ。
うーん俺の求めてるのはわがままかな。自慢げなのは嫌みで嫌だけど、ちょっと違うんだぜっていうこだわりは見せたいし。

あれ、これはどうだろ。あんまり知らないメーカーだけど…。
へえKHSのフレームなんだ。ソフトテールは楽そうだよな。
タイヤも太めだし、色も地味ながらおしゃれだ。
値段も、
ああこれなら予算内かなあ。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★★


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2009年08月20日

小型化=高性能? M1620 (Manhattan)

2db2fdaa.jpgあれはSonyの標語だった。小型化=高性能。
実に響くじゃないか。デンスケ(死語。Sonyが開発したポータブルステレオカセットデッキ、walkmanの原型ともいえる)に始まり、ウオークマンなどポータブルマシンの名作を生み出したメーカーならでは自信にあふれている。
こういうのは日本のお家芸だったのに、自転車の世界では何となく遅れをとっているような気がしなくもない。

畳めない小径車がミニヴェロだけど、前項のB&Bのように自転車自体を小さくするという発想とメリットはあると思う。実際折り畳むのはたまーにしかないけれど、保険として運べるといいよなーというのは自然な要望ではないだろうか?その場合畳めずとも小さいから運べる、輪行できる自転車というのはいいのではないか?

M1620は以前から注目されていた自転車だ。いくつかそれまでにない特長がある。まず12インチ+16インチと非常に小柄であること、それにも関わらずしっかりした駆動系であること、セミリカンベント風の起きたライディングポジションであること、畳めないが小柄なので輪行が可能ということなどだ。これはありそうでなかった自転車ではなかろうか?折り畳み機構がないことで軽量にしあがっている。

見た目は個性派だが乗り味は以外と自然で、乗りやすい。そういう意味では少しものたりないくらい。
しかしスピードも結構出るし、坂道にも強い。姿勢もらくだからポタリング的な乗り方にもあう。
何より魅力なのはそのチャーミングさ。小さい自転車に乗りたい、だけどそこそこ走ってほしいというわがままな要求に応えつつ微笑む可愛らしさ。
ロリコン趣味はないけれど、そんな気分か?

気軽に輪行とは行かないけれど、その分、日常から輪行まで幅広く使える自転車だと思う。日常使用の方が主という方や、置き場所がないからという方には最適。5万円台のこなれた価格も大きな魅力だ。
小径派に注目の一台。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★★★


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2009年01月02日

おフランスな香り Mobiky Genius


mobiky

花の都 パリ 

芸術の都 パリ
パリは芸術の世界でも今はもう中心とは言いがたいけれど、その伝説は色濃く残っている。
フランスの芸術、文化、デザインはフランス風というムードが徹底している。
車のシトロエン、自転車の(かつての)プジョー等の工業デザインも然り、映画も然り、フレンチポップも然り、軍事デザインにまでだって優美さが漂う。
たとえばフランスのヘヴィメタルなんてあんまり想像できない…。
ダーティーで汗臭いのはフランス流ではないのだろう。

さてMobikyはそのフランスのFoldingbikeだ。
聞く所によると政府の手厚い補助を受けての開発らしく国家的開発プロダクツと言えるのかもしれない。
(某社長がうらやましがってました)
開発コンセプトはよく出来ていて、ブリジストンのトランジットコンパクト、ミヤタのクリックフォールディングやストライダに似ている。ワンタッチで畳めて転がせるもの。オリジナルなアイデアも散りばめられていてなかなかのものである。

サドルの後ろのロックバーを解除するとシートポストが落ち、中央の取っ手を引き上げると
ワンタッチアクションで縦折に小さくなり、そのまま移動できる。ここが最大のアピールポイント。
マンション住まいで頻繁に折り畳む人や電車での輪行に便利そうだ。
しかもその状態からハンドル、サドル、ペダルをしまい込むと更にコンパクトになる。

今回urielさんのmobikyに試乗させていただきました。(ありがとうございます。なおこの自転車はinter8!が搭載されて随所にカスタムされているのでその辺割り引いてご判断下さい)
まず折りたたみはよく出来ていて、一度聞けばすんなり出来、女性でもらくちん。
12インチはこの手の輪行車としては実用的に最適なサイズといえそうだ。
乗ってみると割と素直な乗り味で小径独特の楽しさもある。
直進安定性が悪いと言う感想を聞いた事もあるが、お借りしたものに限ればそれは気にはならずむしろ小回感が楽しい。12インチなので極小径とは走行性でやはり次元が違う。実用的には十分な走行。
新車では内装3段搭載だからこの手の自転車としては汎用性が高い。

この自転車の魅力はやはりそのデザイン。
こうした凝った機構のものはそれ自体がデザインと言う指向をとりがちである。
そこはフランス、そんな野暮はしない。
緩やかなカーブを描きながらシルバーとカラーのツートーンでまとめるセンスはなかなか。
とても洒落ていて女性の方が似合いそうだ。

気になるのは、その重量と耐久性。
まあ9万というお値段はそのデザインが気に入れば価値があるといえる。持つ喜びはトランジットコンパクトなどとはひと味違うだろう。
重さは14kg近く。持たずに転がすと言うコンセプトだからいいのかもしれないが、日本の駅は階段が多いのだ。電車利用では少しつらい場面がありそうだ。
またお借りしたものでは構造には問題ないがクラックが発生すると言うトラブルもあるらしく、メンテナンス含めその辺りは気になる。特に女性向けにという事だとすると耐久性やメンテナンス性は高めたい所。

人とは違うものを持ちたい!というわがままに応える自転車。
とすれば舶来ものの王道か。

走行性 ★★★
携帯性 ★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★★★
C/P   ★


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2008年12月15日

ビジネスに使える一品 Gutta20inter8 (URLaboratory)

7e23aecd.jpg新卒の就職時にスーツを買うのに非常に抵抗があった。今思うと社会人そのものになるのが嫌だったんだな。
スーツはいわば制服なのである。制服やユニフォームと割り切ればよかったのである。
スポーツをする時にはウエアを着るし、力仕事する時には汗を描いたり汚れてもいい格好をする。そんなものと思えばいいのである。
人から見てもそういう姿の方が了解できるのである。Tシャツでダボダボのパンツにロングヘアで警察ですと言ってもちょっと難しい。
現実として「らしさ」の一貫性は自他ともに実は結構重要なんだと思う。

とすると、自転車通勤や仕事にロードやマウンテンバイクというのも少し無理があるのではないだろうか?
外回りの銀行員や営業さんがよくママチャリで仕事しているがあれもしっくりこない。
そう思ってホワイトカラーの通勤や仕事にぴったりの自転車と言うとこれは結構難しい。クロスバイクだってあのスーツ姿にしっくりくるだろうか?
小径車がもう少しカジュアルだけど、それでも限られるのではないか?さらに休日のカジュアルな使い方もできるとなると唸ってしまう。

Guttaは知名度こそ低く目立たないがなかなかしゃれた自転車を出しているブランドだ。発売元はパール金属。あのCaptainstagだ。
18インチ車や内装4段変速の20インチは低価格の割に充実した手堅い内容で、限られた予算でひと味違う実用車を求める向きにはおすすめの自転車達だ。
この中でフラッグシップのinter8モデルが異彩を放っている。

内装8段のinter8を搭載、パーツ類もNexusシリーズで統一。折り畳めないミニヴェロだが前項のコメントでも紹介されている折りたたみハンドルと折りたたみペダル搭載で省スペース収納可能、フロントキャリアが用意されカゴをつける事もできる。
シルバーで統一されたデザインはシャープなイメージも漂う。Nexusシリーズはローラーブレーキ仕様で放熱板がついているのだがそれがディスクブレーキのように見えて精悍さに拍車をかけている。
それでいて低床のフレーム、アップライトなポジションも取れるハンドルなど乗る人に優しい所を併せ持つ。
スーツ姿で、通勤、外回りにとても合いそうなのである。

inter8は以前ブリジストンのベルトドライブのものに乗った際の印象があまり良くなかったので偏見を抱いていたのだが、実際に乗ってみるとずいぶんと良くて驚いた。停車時でも変速可能で気持ちよく決まるしチェーンのはずれや雨天時のさびを気にすることもない。都市で小回りするにはずいぶん優れている。グレードのいいパーツ類と相まって実にシャープな走りをするのである。
(inter8見直したのでS-17につけてみたいところだ)

ハンドルはANTに採用されているものと一緒で実に良くできている。実用的にはこれとペダルでかなりコンパクトになって車に積んだり玄関や駐車場の脇に収まりやすいはずだ。

決して安い自転車ではないが、スーツ姿やカジュアルな普段着によく合い。通勤や仕事重視で休みにはちょいと遠出というような用途であればなかなかの好モデル、お薦めできます。

欲を言えば、走行性能落ちるかもしれないがズボンの裾が汚れないようにベルトドライブにするとか、かっこいいチェーンカバーをつけてもらうとかして欲しい。デザインのいいリアキャリも欲しい所だ。

実はこのモデル、なんと去年のイベントの際パール金属から協賛として提供いただいた。深川いっぷくでレンタサイクルとして試乗できます。興味ある方は是非乗りに来てください。
http://www.fukagawa-ippuku.jp/

走行性 ★★★★
携帯性 ★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P   ★★


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2008年06月07日

MC-1(SBX) これぞ隠れた実力派か?

2e819d7d.jpgそうそう、ファッションとかも地味だからほんとに目立たないんだけど、結構できるのよ、彼。アイドル顔じゃないけどよく見ると渋くてなかなか男前のところもあると思う、私はね。
実は密かに目をつけているの。
まあね、ときめくようなタイプじゃないっていうのはたしかだけど、お得っていうか自分だけが見つけたってゆうか、そんな感じ。

SBXって自転車メーカー知っているか?
たぶんSCOTTの輸入代理店だったという方が知られているだろうが、随分前から小径車を出しているのだ。
ここの特徴はMTBライクなフレームの入門ラインとロード寄りの高級ラインの2方向。
他社にはないムードとCPの高さでずっと気になっていた。しかし店頭ではなかなか見ないし試乗もできない。

今回取り上げるのはフラッグシップモデル、MC-1シリーズ。
X型のフレームは最近のTyrellやBrunoを思わせ、なかなかのものと思っていた。
ただ全体に質実剛健で素っ気なくマニア心やオシャレ心をくすぐる所が少ない。
その辺が損している所か。
カラーリングは1色で選択肢はないが悪くない色。

フレームの剛性は極めて高く信頼感のある固めのかっちりした乗り味。
乗ってみると、おお!なかなかいいじゃないか、これ。
フロントフォークに小さなサス(ショックアブソーバー)がついていて小さな段差や振動対策にも応じている。ストレートハンドルモデルで16speedで8万円、ブルホーンハンドルなら10万、
ツーリングなど走りを重視、改造を前提に楽しむには必要にして充分、いいモデルだ。

そこットトレーディングからSBCと名を変えて自転車メーカー/パーツ輸入代理店となったようで、今回試乗会に参加して頂きお会いできた。みなさんイベントものんびりとマイペースで楽しまれていて、そんな余裕がメーカーのモデルにも現れている。
内容には自信があるからわかる人が気がつけばいい、そんな構えのようだ。
CPの高さがこのモデルの旗印であったが、ここのところ他社のCPの高いミニベロが充実してきているのでそのメリットは減った。
だがあまり見かけない知る人ぞ知るミニベロというのはこれからも大きくは変わらないだろう。

「買ってオーラ」が少ないので多くの人の最終候補に残る事は少ないかもしれないが、
限られた予算で、実を取った違いのわかるモデルに乗りたいという人、
わかる人がわかればいいと言う超然とした人にこそ選ばれる、そんな自転車か。

走行性 ★★★★☆
携帯性 ★
汎用性 ★★
デザイン★★★★☆
C/P   ★★★★

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2008年05月25日

mini125 (MDE) お手軽感いっぱい!キックスケーター自転車

0adfe81c.jpg小径車Mook本で、妙なちびチャリをみつけた。MDEmini125。
MDEという知らないメーカー。検索するとMTBのメーカーなのか?よくわからない。

見るとほとんどキックスケーターのような自転車で、エアタイヤすら履いていない。さすがに、このサイズならスピードも期待できないし、ソリッドタイヤなら乗り心地もまあねぇと輸入元をみると、小径車ファンの聖地、和田サイクルではないか。
実用はともかく試乗用としては楽しそうなので、借用をお願いした所、快諾いただいた。
(和田さん、ありがとうございます)

とにかく小さい。全長でも1mに満たない。重量も6kg弱と最軽量クラス、A-bike並み。
それでも太いフレームなどどことなく自転車らしさを漂わせてはいて、おもちゃという感じはしない。
折り畳みはシンプルで、クイックリリース式でハンドルとシートを引っこ抜いてフレームについているジョイントにはさみ込むだけ、掃除機のホースの感覚だ。これはなかなかグッドアイデア!
乗りはじめはかなり戸惑うが他のちびチャリと似たようなもので、ソリッドタイヤの乗りごごちは、想像通り。路面の凸凹がそのまま体に伝わってくるが、その点はエアタイヤも一緒で、AbikeやJDbikeと比べてこちらが格段に劣るとは思わない。

驚くのは予想より遥かにスピードが出ること、ルイガノ、パシフィックの8インチモデル同様、ハーフピッチのチェーンを用いてギア比を稼いでいる。サイトの情報ではギア比10以上!
一回転あたり3m以上走り、JDbikeよりははるかに早く、エクスウオーカーに迫る。これはすごい!
タイヤも車体も小さいから転倒が怖くて心理的にスピードは出せないけど、出そうと思えば出せるのだ。

実は試乗会の前後、数日実用的に使わせてもらった。(和田さんごめんなさい、ありがとうございます)
このサイズと重量だと電車にも気軽に持ち込める。ルール違反だけど、キックスケーターの振りをして袋無しでも持ち込めた。立ったまま持ったり座って抱えるのも苦ではない。
折り畳みはワンタッチではないが場所も取らないしわかりやすい。出かける時に自転車を持って行って下車先で自転車に乗ってまた電車で持って帰るという使い方には随分適している。
もちろんソリッドタイヤでの長い距離は無理というものでこの自転車の用途ではない。

Abikeがライバルと思うが、エアタイヤのAbikeのほうが優れているように思えるが、実は普通のサドルがついているMDEと乗り心地は大差がない。長く乗るにはこちらの方がいいくらいだ。
フロントについているサスも実用的に効いていて、小さな段差のショックは吸収するので想像よりは段差に強い。エアタイヤバージョンもあるようだが、短距離と割り切って無理にエアタイヤでなくてもいい気がしている。パンクの心配無しに使えるからだ。デザイン的にも遊べそうだし。

価格は6万と安くはないが携帯自転車として魅力は高い。
未来的なAbikeと悩むが、遊び心があるこの自転車に随分ヤられている。

なお今はモデルチェンジ中で購入できない。次のモデルに期待大!
メーカーサイトは見つけにくいのでここに記しておきます。
http://www.geocities.com/gganio.geo/vepo/index.html


走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★
デザイン★★★★
C/P   ★★

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2008年02月03日

KMXkart K-class (KMX) 門をくぐるための入門トライク

16c867ad.jpgトライクのハードルは高い。場所を取る、高い、本人しか乗りにくい、目立ち過ぎるなどなど。住宅事情のきびしい国内ではそういう意味では究極の自転車遊びか。
価格のハードルも高く、30万近くするものが多い。これはなかなか家族の同意が得にくいだろう。
(トライク遊びをするなら独身のうちがお薦め)

そこで、このKMX!
トライクとしては破格とも言える価格で子供向けのKclassならなんと9万円!これならなんとか予算がつくかも。そのためには援軍と理由が必要だ。
まず子供とともに試乗する。子供を夢中にさせ子供とのコミュニーションを促進する。子供に欲しいと言わせ、子供の体力作り、親子の絆づくりに効果が高いと説く。そして購入。その姿と価格に目を慣らしておいて一緒に乗るものが必要じゃないかといって本格トライクを追加、年頃になった子供は卒業、お酒や車など減らして大人の趣味としては健康的で安いじゃないかと誘導。完璧な作戦。

まあこれは妄想の世界の戦略。

試乗会にこのモデルが登場したけれど、人気車のひとつ。子供はもう自転車から離れないほど夢中。大人も子供のように夢中になってしまった。まさにトライクマジックだ。このモデルは子供用だが大人でも乗れないことはない。ツーリングなどには厳しいが走りも遊ぶには充分だ。高級感はないがかわりに乗り倒せる手軽さがある。
路面を這うような疾走感やカーブでの横Gなど遊びの感覚が高揚する。

上位機種でも本格的なクラスのもので20万、一般的なレジャー使用なら15万円と求め易く国内代理店もあって買い易く、初トライクとして魅力的だ。
小さなことだが後輪にパーキングプレーキがついていて立てかけられる。屋根付き駐車場など場所によっては最近他社で出てきている折りたたみ式より便利かもしれない。

なおメーカーのサポートはとても親切で人数が揃えば試乗会を実施してくださるらしい。ご興味あるお仲間で是非どうぞ。

走行性 ★★★★
携帯性 
汎用性 ★★
デザイン★★★★
C/P   ★★★★★

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2007年12月20日

S17(17bicycle) 来たぞ!庶民派リカンベント 

7e964af2.JPG待ちに待ってやっときましたS17。待ちこがれたぜぃ。
中国では自転車と認められず検査手続きが難航したらしい。社長直々に恐縮した電話連絡を頂戴した。

カラーリングは2種類用意されダークグリーンを所望、実車の色はローバーブランドの自転車とほぼ同じ色でアクセントに赤が配される。これはCOOLでなかなかいいんじゃないか?全体のデザインも安っぽさはなく初のリカンベントとしては立派なものではないだろうか。
直線的なフレーム、14+24インチの異径コンビも特徴的で個性もアピールしている。
当初の予告から変速やVブレーキ、シート等細かくバージョンアップされて、まずは文句ない仕上がり。

まさに椅子に腰掛けるようなポジションで楽に発進できる。少し重い段でも一般車のようにハンドルを引きつけながら少々強引に発進する事もできる。
広い視界と楽な姿勢が新鮮だ。
前輪14インチでハンドリングを心配されるかもしれないが、すぐに慣れてむしろこのサイズが小回りに機能しているように思う。発進時のふらつきをハンドリングで細かくバランスをとる事ができる。

走り出せばかなり快適で漕ぎにリカンベント特有の踏ん張りが利くので中速域までの加速がいい。直進安定性も高くカーブでの車体のコントロールも難しさはない。低速時の安定も高く歩行者や車を細かくよけながらの走行もできる。足付きがいいので足で助走しての発進をすることも。ただ当たり前だが細かな停車/発進は一般の自転車よりは苦手だ。
スチールフレームの剛性とアーチ状のサブフレームの効果があってかサスなしだが振動吸収も悪くない。
シートは簡素なものだが特に不満はなかった。ただ全体重がかかり振動での耐久性がどうだろうか…。

車体のコンパクトさも優秀で一般の自転車とほぼ同じように駐輪できる。水上バスにも楽に乗せられた。
階段で持ち上げるのもそれほど苦ではない。

一日乗ってみてその楽さを実感した。疲れが少ないのである。
特に中低速時の楽さは素晴らしい。リカンベントは高速走行に利があるが、この自転車はかっ飛ばすより風景見ながらのポタリング向きではないかと思う。太めのタイヤの走りもクロスバイク/MTB寄りである。
高速走行はタイヤや自分の筋肉鍛錬とも関係するのでもう少し様子を見たい。

気になるのは、
ギア比が高速寄りで坂が苦手なこと。想像以上に踏ん張りは効くので下町の橋前の坂ぐらいは問題ないが長い坂は無理と思う。とするとこのままでは山の手の町や山の多いツーリングには向いていない。
それを望むのであれば改造かもっと上位機種にという事になる。
背もたれがあるのでショルダーバッグ類を背負えないわけではないが邪魔にはなる。町乗りや通勤に使おうと思うならキャリアとかカゴとかは早急につけたい。フロントキャリアはつきそうだがリアは工夫しないと難しそうだ。バックミラーも必需。
小指側にあるグリップシフトは構造的に無理があるので使いにくい。この辺はパーツ交換で対応か。

全体としてはもとより町乗りリカンベントであるから無理せずこの方向でいいのではと思う。
女性からの関心も高い。
リバイブもなくなったしとにかくリカンベントに乗ってみたい方にはお薦めの一台。
アンダーハンドルセミリカンベントというありそうでなかった自転車、
下町リカとして広く普及して欲しいと切に思う。

走行性 ★★★★
携帯性 ★
汎用性 ★★★
デザイン★★★★
C/P   ★★★★★


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2007年11月30日

Halfway7s (Giant) さようなら 第一印象に負けた巨大な小人

5f3cf92b.jpg就職では履歴書の写真が随分重要らしい。面接でも第一印象が重要でそれを払拭するのが困難と言う調査結果を読んだ事がある。ハーフウエイを見る度にその事を思い出す。

自転車のモデルチェンジは早い。デジタル機器だって早いけど日進月歩の世界だから納得は行く。PCだってそれでも2年位は存命する。アナログなはずの自転車が毎年モデルチェンジをするのはちょっと不思議だ。

ジャイアントのハーフウエイがカタログから消えた。巨大産業(台湾名)の中の愛らしい一台だった。
なかなかのロングセラーモデルで歴戦の勇者の退場であり感慨は深い。
折り畳み自転車の世界はアイデアが行かせる余地がある一方でパテントが複雑で新規参入の難しい面もあるようだ。R社やD社のシェアが強いのも一因か?さすがのジャイアントも攻めあぐねたか。
折り畳み自転車ブーム勃興のさなか、マイクバローズ設計の鳴り物入りで登場したのがこのハーフウエイだ。バローズ氏の功績、詳しくは知らないがAVD社のトライクを設計した人物として名高い。

鳴り物入りの割には印象としては一見随分地味で目立たない。ヒンジ部分のバックル状のロックや直線的なフレームにそのデザイン性は感じるが、全体としてはスマートさや個性にに欠ける。
しかし良く見て行くと随分凝っているのだ。
まず驚くのが前後車輪とも片持ち(一本)のフォーク/チュープであること。見た目には不安であるがそこは世界のジャイアント、しっかりしたものだ。何故こうなのかと言えば折り畳み時の奥行を減らす為だ。カタログでは実感できないのだが、中折り式の折り畳みはたたむと占有床面積が結構大きく持ちにくいのだ。片持ちにする事でこの厚みをかなり薄くしていて収納性が高い。
ヒンジ部分も折り畳み臭さをできるだけ緩和しようと言う意図が見える。
なかなか気づかない所だがハンドルポストからハンドルまでの距離が短いからハンドルの剛性が高くグラツキ等が感じにくいこと。
また角形のフレームは無骨だががっしりしていて強度が高く信頼感があり、ハイドロフォーミングかもしれないレリーフ状のロゴも入る。しかもリアキャリアもスタンドも泥よけまでついている。
このリアキャリアにツーリング用のバッグをつけておくのも良さそうだ。

フレームの剛性が活きていて、乗っていて安心感、安定感が高い。ハンドルも無理のないシティ車と似た形状で初心者や女性に抵抗感が少ない。高速走行向けのギア設定やタイヤではないがオールラウンドに使えるチョイスとなっている。余り折り畳まないと言う日常利用から輪行でのワンデイツーリングまで不満はないだろう。これで実売5万円強。トランジットともにお買い得NO1と思う。

退場の原因は何かといえば、お色気不足、第一印象の弱さだ。
まずカタログで損をしている。実車を見ればなかなかシャープでかっこいいのだが、片持ち部分も折り畳みのメリットもカタログでは伝わりにくい。パーツやスペック、重量などでは目立つ所がなくアピール度が低い。よくみれば必要十分、堅実な内容なのに、だ。

実際には性格も良くて仕事も良くできるのに笑顔やお化粧が下手で書類選考や面接で落ちてしまうようなそんなタイプなのだ。
それでもロングセラーだったのは、違いがわかる人やお得感がある人も多かったという事だ。
いつも食指は動いていたし、お薦めモデルにも挙っていた。
バージョンアップして残して欲しかったと思う。

まだ店頭や在庫に残っているかも。お買い得な一台を探しているあなた、急げ!

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★
C/P   ★★★★★


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2007年11月23日

koma (Smartcog) まさに小さな巨人!

1af64424.jpg多忙でだいぶ間があいてしまいました。今回ちびチャリシリーズのとりあえず最後。

ちびチャリでもっとも不安になるのはその走行性能だ。スピードが出ない、乗りにくいのではないかという実用的な不安がつきまとう。事実、多くのちびチャリは携帯性を重視するから走行性は犠牲になるし乗り味も独特である。
人はわがままであるから、これで普通に走ればなあと無理難題を求める。

さてそこでこのKOMAであるが、今回の試乗会でも驚嘆の声が集まった。
まず驚くべき事にこの自転車は一般ママチャリ車と同等の走行性能なのである。
6インチにも関わらずハンドルのふらつきも少なく直進安定性も良い。段差こそ気をつけなければならないが
一般的な自転車と同じように乗れる。サスペンションもついていて実用的に効いている。
しかもマイナーチェンジされてなんと3段変速がついた。これは内装かと思っていたが実車を見ると外装ではないか!
これはちびチャリだけどちょっとした遠出にも使えるのだ。

折り畳み機構も練られている。全体はK字型で後ろのエアサスと前の支柱を外して一本化する形で縦に自立する。ハンドルも分割で小さく収納する。フレームを分割しないので剛性が高い。重量は10kg弱,容積としても決して小さくはないが、専有面積が小さく自立、(ここで極小径が活かされている)移動時にコロで自立走行可能と電車での移動など実用的な面での携帯性を追求している。折り畳み自体は慣れが必要だが、極めて実用性が高い。

さらに言えばデザインが素晴らしい。この手の自転車はかわいらしさやユニークさを打ち出すがこの自転車はその路線と一線を画すを洗練されたフォルムを見せていて、大人が乗っても失笑を買う事はない。所有する歓びを満たし構造的に凝っていてマニア心もくすぐる。

今、走行性と携帯性を両立させようとすればこの一台になるだろう。また収納場所の面からちびチャリ一台でいきたいと思う人にも薦められる。唯一の問題は価格。10万円は手軽には出せない金額だが必要性を感じる人には損はしない。これぞ小さな巨人。

走行性 ★★★★★
携帯性 ★★★★
汎用性 ★★
デザイン★★★★
C/P   ★★



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2007年09月15日

トランジットライトスポーツ(BS) 欲張り条件を満たすのはどれだ!

61abe620.jpg知り合いからこんな相談を持ちかけられた。
?自転車を探しております。現在使用の次の愛車です。条件は
?折り畳みができ
?軽量アルミタイプ(希望は10?kg未満)
タイヤは太め20インチ位 変速付き
?価格は限りなく安価…
というものである。
この方は日常的な移動に用いて、輪行袋を常備していつでも電車に乗れるようにしている。

こういう条件は実際多いのではないだろうか?
畳めて軽くてよく走って安いの。

現実にはこういう自転車はかなり高価だ。例えばDahon Mu SLで16万だ。これを安いとはいわない。
もう少し条件を緩和して、折り畳み、10kg台、18または20インチ、外装変速とするとどうだろう。
この条件に入るのが
ライトウイング(パナソニック)¥52800
トランジットライトスポーツ(ブリジストン)¥55400
で、大手メーカーが健闘!
ライトウイングは未試乗なのでここではトランジットライトスポーツを推したい。

トランジットライトの上位機種で外装変速やVブレーキを採用し本格走行に対応している。
この価格で重量10.7kgは立派。7段変速とフロントギアで見た目とは裏腹にかなりスピードが出る。折り畳みジョイント部分もしっかりしておりハンドルも軸で回すタイプでがたつきの心配が少ない。パーツ類もしっかりしていて
デザインも前輪16インチ後輪18インチと異径を用いて個性的、かつ水平チューブを用いてなかなかスマートである。

小径車は安定感を求めてロングホイールベース(長い車輪間)が主流だが、個人的にはショートホイールも小径車らしくていいじゃないかと思う。トランジットライトスポーツはショート系で16インチ前輪と相まって極めて小回りのきく走りで、はっきりした個性がでている。

残念なのはライトのときは折り畳み時にスタンドで自立していたのが無くなった事、折り畳みサイズが大きめである事、体格の大きい人には窮屈であることなどだが、先の重量と走りで十分補っている。
これで実売5万円はかなりお買い得、目立たないモデルだがアフターケアも含めて安心できる。

この下の価格帯となれば変速付き10kg台はほとんどないのではないか?
16インチまで入れればムラヤマMC-1Aが11.3kg 5万円以下とダントツでお買い得。(未試乗)

これより安くなると12kg台になってMetroやBoardwalk等Dahonの独壇場か?
外装変速を諦めればBSスニーカーライト。
もっと安くということであれば13kgを覚悟して、ダホンOEMの血筋群でNewton、ハンテン、クレージュ、スギムラ、サイクルベースアサヒ(CBA)などなど。
この中で気になっているのがCBAナクレ。
高級車MUを思わせるフレームはとても¥25000には見えない。色の選択肢も本家より多く実車を見れば塗装も画像以上になかなか美しい。パーツ類もそれほどチープでなく、BB回りの耐久性を除けば不安はない。
畳むのも年に数回というなら毎日の通勤やロングツーリングでなければ実用的にはこの辺で充分ではないかと思う。

この辺を買って改造を楽しむ人も多いようだ。これも通だね。

トランジットライトスポーツ
走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★★
C/P   ★★★★★

ナクレ
走行性 ★★★
携帯性 ★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P   ★★★★★



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2007年08月08日

S17 (17bicycle)  買い物に行けるリカンベント ついに登場か!

8f823086.jpg ひとくちに走るといってもいろいろある。人類の極限速度に挑むオリンピック選手もいれば、自分の人生の為に完走を狙うマラソンランナーもいる。友人のために走り続けるメロスもいれば健康のためのジョギング派もいる。愛する人のために伴走する人もいれば高齢者の毎日のほんのわずかな散歩だって走るに値する事かもしれない。世の中は実に多様なのだ。
 自転車だって多様でいいじゃないか。早さを競う、性能を競う、安さを競うだけが能じゃない。色んな楽しみ方、使い方があるはずだ。

 リカンベントは高速走行にも利するが、乗車姿勢が面白いとか楽に乗れるとか、運動効果が高いとか一般的な自転車より優れた志向がある。遊びのサイクリングや旅の自転車に向いているし、風景を楽しむのにも向いている。この志向をもう少し日常利用にできないかというのが私の望みであった。のんびり風景をたのしみながら街を巡る事ができるリカンベント。タルタルーガ、クールライダー、リバイブもその有力候補だけど、まだどこかものたりなかったり大げさで本格的すぎるところがある。

 さて、ここまでのリカンベント連続掲載の流れで予想している読者もいるだろう。でました、真打ちが。下町の熱血社長がやってくれた。「S17」 下ハンドルの普及型リカンベント。
 まず乗車ポジションが起き気味でほとんど椅子に座るようなポジションのセミリカンベント、前輪が前にある操舵し易いタイプ、それでいながらなんと下ハンドル、一般車と変わらない車格と価格とこれまでありそうでなかったリカンベントだ。

 その乗り易さがまず素晴らしい。初めてのリカンベントでもほとんどの人がすぐに乗れるだろう。秘密は乗車ポジションとハンドルの位置のようだ。寝そべり度が強くなるとバランスを取るのに慣れが必要になるがこの姿勢では難しくない。またS17ではハンドル位置を一般の下ハンドル車よりもずっと後方に寄せている。これによってハンドルのバランスコントロールが有効になり、乗降も楽にしている。乗降の楽さは街乗りでは重要だ。単純な事だがこれがいままでなかった。
 下ハンドルながら前輪はペダルの前だから操舵は一般の自転車に近い感覚だ。視界が広くゆったりしたポジションは一般の自転車より優しいほど。下半身全体を使っての加速も想像以上で安定感も高い。急なカーブでの操舵は少々慣れが必要だが問題はない。

 14インチ+24インチのスタイルはなかなかチャーミングでいい線行っている。ポンションで採用されたカーブのついたサブフレームがサスペンション効果を持っているようでデザイン上の大きな特徴にもなっている。昔の町の食堂にあった椅子のような背もたれはご愛嬌だが下町らしさと思えばまあこれもユるくてかわいい。
 このままではバッグを背負えないので荷物を載せるリアキャリも用意される。

 ほかにもリカマニアからすれば、もの足りない所は多々あるだろう。一般車と同じブレーキ構成、後ろだけのギアなどだ。フレーム構成上後ろのVブレーキ化は難しそうだがローラーブレーキでも困る事はない。ギアは外装か内装か未定のようだが個人的には内装でもいいと思っている。リカンベントは走り出しに軽い段にする必要があって、外装だと停止してからのギアチェンジができないからだ。
 欲を言えばコンフォート向けとスポーツ向けとで2系列必要なのだろう、仕様での葛藤が見え隠れする。
 しかしこれで¥60000なのだから欲張ってはいけない。買い物に行けるリカンベントというコンセプトに私は共感している。第一弾は入手し易さと乗り易さでいいと思う。
 下町メーカーがトップランナーに躍り出たかのようなこの躍進!今後の成長に期待が高まってしまう。

 へへへ。実は一目惚れで予約してしまいました。ロングリポートもしますよ。長距離走行とか登坂能力とか試乗ではわからなかったところもお伝えしていくつもりで乞うご期待。

走行性 ★★★★
携帯性 ★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★★★ 

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2007年07月24日

pocky-7&sazanami8(旧) (TW-BENTS)  レイジーからラウドネスへ

0a643461.jpg 昔々LAZYというアイドルバンドがいた。(知らない若い方ごめんなさい)BCRもどきのミーハーな姿は随分バカにもされた。実はなかなかの実力派で最後には立派なロックアルバムを出し、ラウドネスやネバーランドへと進化し日本のハードロックシーンを築いた。そのLAZYのキーボード奏者の愛称がPocky。

 Pocky7は廉価なリカンベントで気になっていたがそんな連想もあってネーミングにちょっと抵抗があった。台湾のメーカーではそんな理由なんて知る由もない。それでも前輪16インチのアンバランスなフォルムで乗っている姿もどことなくユーモラスで面白そう。価格も7万ちょいとさすがに安っぽい雰囲気もないわけではないが街乗りリカンベントとしてはなかなか良さそうだ。フロントシングルだが多段化もできそう。
 乗ってみたらと意外にも、クランクの低さ、16インチの足つきのよさ、立ち気味のシートなどのせいか、素直な乗り味で高速時の安定感こそ望めないもののクランク前型のリカとしては乗り易いと感じた。でネーミングも許せる気分になった。

 リカンベントにはいろいろな形式があって一般の自転車にない選択が面白い。前輪がクランクの前にあるか否かもそうだが、もうひとつハンドルが上か下かも大きな違いである。たしかにリカンベントはハンドルにあまり力を入れないし、寝そべって手を上げ続けるのもだるそうだ。ハンドルが下にあるのは奇妙に感じるがリカンベントでは自然な発想と思える。車いすの車輪に手を添えたような位置のやや前方にハンドルが来る。
 どうせリカンベントに乗るなら普通の自転車と全然違う方がいいではないかと言う発想もあってこの下ハンドルも気になっていた。リクライニングに座るような感じで自転車に乗るというのも面白そうだ。ただ乗った感じがどうなのか想像がつかない。

 というわけでPocky7とほぼ同じ仕様で下ハンドルのSAZANAMIというモデルがあってこちらも乗ってみた。バイクのような気分でハンドルの後ろでまたいで、まず乗る位置で失敗。前の方で跨いで後ろに座り込む。ああっそりゃそうだ。
 変にハンドルに力を入れない分はいいがバランスを取るのは上ハンドルよりもちょっと難しい。ほとんど腰の重心だけでバランスを取る感じだ。ブレーキレバーも普通と逆でグリップシフトも小指側についていてうまく変速できない。安定するまでは慣れが必要だ。停車してからの歩行移動や自転車自体の移動も正直やりにくい。
 ただ走り出すと他では味わえない開放感が素晴らしく気持ちいい。急カーブやUターンなどがなければ操舵も十分。ハンドル幅がかなりあるので車止めなどには障害になりそう。(この辺実際どうなんでしょう?)
なので街乗り向きではなくあまり乗り降りしないポタリングやツーリング向きのように思う。

 上ハンドル下ハンドルは甲乙着け難く悩ましい。それぞれ2台と言うわけにもいくまい。Burleyに前輪を簡単に位置交換できるモデルがあったが、ハンドルはそう行かないか。

 Pocky7は残念ながら販売終了、本格リカンベントTsunamiへと引き継がれ、Sazanamiはフロント3段、メッシュシート、フォルムもシャープになって進化。下ハンドルモデルとしてはかなり強力なモデルとなった。
あれ、LAZYと似ている?


走行性 ★★★
携帯性 
汎用性 ★★
デザイン★★★
C/P  ★★★★


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2007年07月06日

Helios (Dahon)  要中の要

d6c3dbfe.jpg 強いリーダーシップやカリスマというわけではないけど、この人がいないとなんだか始まらないと言うまとめ役がいる。呼んだわけではないけどいつもそこにいる人がいる。地味だけどこれがないとラインナップがまとまらなくて、実はこれが重要というものもある。
 ジョージハリスンがそんな感じだし、カローラもそうだし、自転車のフレームはそんな存在だし、PCの本体やコンポーネントステレオのアンプもそうだろう。

 要、中核とか特別な形容詞がつけにくいそんな存在がこのHELIOSではないだろうか?
 Dahonのなかでもかなり古い存在で1999年頃には登場していた。BD-1のようなかっこいい高級車というわけでもなく、かといって巷に出回りはじめた安い小径車ともちょっと違う。ペダル部分を中心に小さな菱形を描くそのデザインは嫌みがなく洗練されていた。そのころのheliosがスタイリングとしては一番味があったのではないかと今でも思う。(中央の写真)
 その後水平のチューブが追加された形に進化しシャープなイメージを強調していく。BDを意識したようにも思えるが、かつての開発当初の原型に起ち返ったかのようにも見える。(下の写真)正統の血統を表しているのだろうか?その割にはいつもカタログの中堅どころにあって地味な存在になっている。

 乗ってみると20インチ8段変速で素直な乗り味で快適。スラムの8段シフトもスムースだ。スピードも割とでるし、坂にも強い。立ち気味のポジションは女性や年配の方にも抵抗がない。ハンドルの高さを変えられるので前傾気味のポジションもとれる。車重も軽い。デザインも嫌みにならない程度にスマートで乗るひとを選ばない。折り畳み時にハンドルを回転してブレーキ類の納まりを良くするというのはこの車種ならではだ。更に2007年モデルではシートポストにポンプが内蔵された。オプションでキャリアやフェンダーも用意されている。
 坂の多い町やロングツーリング、本格走行には向かないだろうが、日常の足から輪行、ワンデイポタリングと多用途に使える。要はまとまりが非常に良くて、見栄を張らなければこれで充分ではないかと思うのだ。

 2007年モデルは日本だけの発売で来年は生産中止になるらしい。と聞くとなんだか凄く惜しまれる。このモデルがないとDahonではない気がしてしまう。一目でこれはと思わせるような小径車が軒並み10万円以上する中で7万円台前後の車種は貴重だ。実際にはこのぐらいの予算を組む人も多いのではないだろうか?お買い得感が高いのでこれから自転車の旅をはじめたい方にはお薦めの一台。

Dahon様 後継には是非魅力的な車種をお願いします。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★☆
汎用性 ★★★★☆
デザイン★★★★
C/P  ★★★★

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2007年05月19日

RSW (Raleigh)  粋な英国気取りの小粋なMini

e5e2f96f.jpg Raleigh-(ラレーと呼ぶ)この聞き慣れないメーカーは実はイギリスの名門で自転車の最古参メーカーの一つである。HPを見ると実に凄い老舗であることがわかる。
 イギリスは日本人が親しみを持つ国の一つだ。島国同士という事もあるしビートルズはじめ文化的な影響も大きいし歴史的な繋がりもある。この国の紳士のような奥ゆかしさとパンクなどの先鋭さは私たちのスタンダードとしても定着している。
 そのイメージをまとって異彩を放つのがラレーだ。ラレーの自転車はそのクラシカルで大人を感じさせる落ち着いたデザインとそれとは裏腹な現代的な構成が特徴だ。クロスバイク系にそのイメージが濃厚なのだが、小粋なミニべロも光っている。

 ミニベロの定義は曖昧で小径車全体を指す事もあるし、今では折り畳まない小径車の意味で使われてる事も多い。小径車がはやる前はいわゆるミニサイクルとは別にミニベロの世界があったようだ。フレームビルダーの工房のようなメーカーがセミオーダーでダイアモンドフレームのロードバイクをそのまま20インチ車輪にしたような小さな自転車だ。値段も20万以上のこだわりの自転車の世界だ。

 折り畳み自転車のブームがきてから、小径車の長所に気付いたりほとんど折り畳まないという現実を踏まえて、折り畳まない小径車という分野に注目が集まったと想像できる。ルイガノMVシリーズのヒットもありミニベロの選択肢がここのところ増えた。新しく開拓された領域と言える。
 そのなかで先述のこだわりのミニベロを求めやすくしたモデルがいくつか出始めた。

 ラレーのRSWもそのひとつ。デザインは伝統的なダイアモンドフレームに20インチ車輪、クラシカルなツートーングラフィックでいわゆるイギリス的な香りが漂う。
 ポジションは自然でコンフォート系のサドルのおかげもあって乗りごこちはとても快適、初めて小径車に乗るひとでも小柄な女性でも全く違和感はないだろう。スピードもそこそこ出るし長い峠を登るような道でなければワンデイツーリングにもいけそうだ。折り畳みのないフレームは安定感があって、乗っていてこちらが我慢するという部分がない。泥よけも着いているのでスーツでの通勤にもわるくない。
 シフターなどは少々頼りないが¥50000とすれば全体の構成はバランスよくまとまっていると思う。

 ラレーは、実体は国産リムメーカー大手のARAYAだ。以前は自社ブランドでMTBなども出していたし、古くはランドナーでも有名だったらしい。ブランド力の弱いメーカーがそれを補うためにいろいろ工夫しているがこのラレーブランドの取得は随分成功しているのではないか。国産の安心感にイギリスの老舗ブランドの伝説が付与されると買う喜びもひと味違う。なにより外見だけではない充実がその存在をアピールしている。

 ばりばりのスポーツウエアで飛ばすのではでなく、カジュアルな洒落た服装でさりげなく颯爽と走りたい、そんな人にぴったりだ。車で言えばやはりローバーミニか。
 この手のミニベロ、求めやすい価格帯では、他に洒落た色合いのビアンキ、憧れのブルーをまとったGIOS、スッピンイメージのパナソニックなども出ている。

走行性 ★★★★
携帯性 ★
汎用性 ★★★
デザイン★★★★
C/P  ★★★☆



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2007年03月30日

ウルトラミニ(ケルビム)世界最小最安のハンドメイド小径車

54de4dfc.jpg 携帯自転車を目指す世界は奇抜なアイデア満載だが、一方で携帯性を重視してとにかく小さくシンプルに作るという発想がある。車輪の大きな高級スポーツ車だって軽いのだから、そのまま小さくすれば軽い自転車になるはずだ。そんな単純な発想を見せているのがウルトラミニだ。

 とにかく小さい。14インチで全長1m。サドルとハンドルの間隔を無理矢理人に合わせているという感覚だ。それでも極小径車のような小さな車輪ではないので自転車らしさを保っていて奇異さはない。フレームの折り畳み機構はなくハンドルを回して前輪の横にすとんと落とすだけ。立面積では大きいが幅が薄いから携帯も保管も省スペースだ。
 自転車を立てればハンドル部分が丁度手の位置に来るので、例えば電車の中などで自転車を支えて立っているのが楽だ。自転車を電車で持って回るという使い方にはなかなか向いている。重さは9kgちょい、アルミフレームも使わずにこの重量は立派。
 そして折り畳み機構がないからスタイルも美しく伝統的な自転車を縮小コピーしたかのような可愛らしさがある。走りも小径車らしくちょこまかして楽しい。

 乗り味は意外にもとても自然だ。つんのめるようなハンドルポジションははじめこそ不安だがすぐに慣れる。ギア比が適度でなかなかスピードも出る。日常の足としては充分だ。シングルスピードだから急坂は厳しいがなかなか坂にも強い。フレームがしっかりしているから最終メカ『心の変速』を使って立ち漕ぎすればいいのだ。

 高級小径車は小径車の欠点とされるクイックなハンドリング等を緩和するためにロングホイールベースと呼ばれる長いフレームが多い。走行性からいけばそれで納得できるが、そこを追求すると小径車らしい走りが失われていく事も確かだ。小回りの利いたショートホイールベースならではの自転車があってもいいじゃないか。

 ケルビムは今野製作所というオーダー自転車メーカーだ。ミニベロにも力を入れていて自転車マニアでは知らない人はいない。ウルトラミニもセミオーダーでハンドメイドの自転車なのだ。一見割高な自転車のように思えるが一流のビルダーが手作りした自転車が5万円というのは実はかなり破格なのではないかと思う。
 現行ではスタンドキャリアが省略されている。リアブレーキはなぜかバンドブレーキ。どうして?やはりコストかな?
 その辺りも含めてカラーリングやパーツなどいろいろなわがままも聞いてくれるだろう。いまも心が揺れる。これぞ贅沢なこだわりの一台。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★★
デザイン★★★★
C/P  ★★


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2007年03月28日

Revive(GIANT) 偉大なフロンティアスピリッツ

87e15b93.jpg リバイブには何度か猛烈に熱を上げている。そのコンセプトと外観はまさに私好み。だがデート(試乗)するたびに、やっぱり彼女とはなにかかみ合わないと落胆する事の繰り返し。相性が悪いとしかいいようがないようなのだ。

 人の新しいものに対する反応は愛憎半ばだ。保守性とは根強いもので変わらない事を願う気持ちは大きい。一方で携帯電話やPCのように新しいものによって生活や価値観を一変させてしまう事だって起こる。BD-1の登場もそうした波及を生んだものの一つと言っても良い。

 リバイブは新しいタイプの自転車だ。新しいカテゴリの開拓に踏み込む事ができたのは世界に冠たるジャイアントだからこそ。リカンベントの持つメリットを大きく取り入れつつ、その欠点--運転の難しさ、足つきの悪さ、乗車スタイルの奇異さとポジション出しの難しさなどをなくし、そこにフィットネスの効果を加えたコンセプトはなかなかのものだ。
 デザインもかなり斬新で、自転車というよりもスクーターに近い姿は近未来的だ。モノコック風の手間のかかりそうなフレームをこの価格で生産するのもジャイアントの底力だ。 
 なのに普及ということでは今ひとつと感じるのは私だけだろうか?

 乗ってみた印象はスポーツ車でもリカンベントでもなく一般車の走りだという事。乗車ポジションは開放的で快適だが走りはどことなく鈍重で、シリーズ中最もスポーティーなこのモデルでもシャープな走りは感じられない。20kg近い車重も影響しているのだろう、私との相性の悪さの一つはおそらくここだ。また普通の自転車と使う筋肉が違うのでそこが鍛えられるまではちょっとつらいという事もある。
 別に速い自転車を求めているわけではなく、のんびり走る自転車なのだが、このスタイルであれば走りの快適さや楽しさもつい求めてしまう。ポジションの快適さだけでは少々もの足りない。Coolriderとの違いはほんの紙一重のようにも思えるが。

 しかしコンフォート性や汎用性は高く、あくまで実用自転車と思えば面白い自転車だ。
 ワンタッチで試乗ポジションを変えられるのが特徴のひとつ。その時の体力や気分でポジションと走りを変える事もできるし複数人で使用する事もできる。またフィットネス効果は高いようでダイエットに活用している人のブログをみかける。

 現実的な利用に即した詰めが少々甘かったのではないかと思う。楽で快適な自転車とすれば女性や高齢者が買いたくなるようなもっとオシャレで軽快なものであっても良いし、マニア向けに今までにない新しい走りを楽しませるのであればもっと走行性を高めて欲しい。と思っていたら、台湾ではママチャリ的なモデルも出ているし、聞けばスポーツ志向のものも開発するとの事。今後に期待しよう。

 このシリーズの影響は意外に大きいのではないかと思う。タルタルーガもリサーチしたであろうし、アメリカのRANSやSCWINNからはペダルが前寄りの新しいタイプの自転車が発売されている。ブリジストンのVEGASシリーズもこの流れにある。
 ジャイアントのフロンティアが小さいながらに新しい流れを生み出しはじめているようだ。素晴らしい事だと思う。

 ちなみにHPで見るとリバイブは世界の各国で発売されているが、仕様やカラーリングが微妙に異なっていて、その辺のお国柄を想像するのもちょっと面白い。

走行性 ★★★
携帯性 
汎用性 ★★★☆
デザイン★★★★
C/P  ★★★

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2007年03月25日

F18カプチーノ(KHS)隠れた実力派?

24a086b5.jpg 格安自転車が氾濫している一方で、物欲をそそる自転車は軒並み10万円を超えるものが並ぶ。前出の入門予算の¥30000よりもう少し頑張っていいのが欲しいなあと思った時、¥50000という切れのいい数字が出てくると想像するが実はこの辺の価格帯も選択肢がそれほど多くはない。

 自転車全体の購買志向が変わってきている。ライフスタイルが多様化してお金の掛け方が偏在している事もあるだろうし、現実には生活自体の格差というものも影響しているだろう。いわゆる中堅、中級モデルというのが成立しにくくなっていると想像できる。実際中途半端な印象のモデルはアピールしにくいのだ。
 必要に駆られて買うものは、実用に耐えれば100円でも安く買うことに腐心しつつ、楽しみで買うものには、自分へのご褒美だからといって10万円でもいいか!と奮発してしまう。これがまさに高度消費社会か?

 KHSはスポーツ志向を前面に出してすっかりブランドイメージを高めBD-1のライバルになったように思う。そのなかで最も求めやすい存在ながらにあまりに地味で目立たないのがカプチーノだ。
 KHSはなんといってもブルホーンバーとロード系の構成で通好みの自転車として特化したのであるから、その特徴がないカプチーノはなんとなく存在感が薄い。容姿もスマートでスタンド型のリアキャリアが着いていたりするがどことなくママチャリ的である。

 しかし走りはひと味違う。18インチの加速感は格安20インチやランク上の16インチより高速感があり意外にシャープにスピードが上がる。フレームもしっかりしていて安定感があり、ハンドルの安定感も悪くない。さすがに2-3万円台の頼りなさはここにはない。クロモリフレームのおかげか、長時間走行も行けそうに思える。ただ自慢のソフトテールは実際どの程度効いているのか実感はわからなかった。長時間乗ってみないとわからないだろう。重さは11kg台でキャリア付きなら許せる範囲。折り畳みの簡便さは他に一歩譲るが、ちょっとした荷物を積めるし、キャリアをスタンドにしてハンドルを折った状態で垂直に立たせる事もできる。マンション暮らしの一台として多用途に使えそうだ。

 カラーリングも美しく細身のデザインは嫌みがなく老若男女の好みを問わないだろう。さりげなく性能を実感する実用的で堅実な中堅モデルとしての魅力が、このカプチーノにはあるように思う。

 未試乗だが価格がどうしてもひっかかるのであればXFREE(バイフリー)から同系の廉価車が出ている。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★☆
C/P   ★★★☆

 

 

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2007年03月04日

LGS-CM(ルイガノ) 小さな巨人登場か?そのアキレス腱

4e1071af.jpg 生来へんてこなものが好きである。小さくてへんてこであればなおさらだ。
 携帯自転車の夢に向かう方向としていくつかあると思うが、その一つにとにかく小さくするというものがある。携帯性を重視してとにかく小さいものを作っていくとかなりへんてこなものができてくる。いやいや作っている方は大真面目だと思うが。

 極小径車。12インチ未満の車輪の自転車をこう呼ぼうと思う。この手の折り畳み自転車がいくつか登場してきている。これも折り畳み自転車普及の影響だと思う。
 かなり惹かれる世界ではあるが、実用を欠いてはただのおもちゃになってしまう。いろいろ乗ってみて感じたのはこれらの自転車も発展途上段階だなという事。買うまでにはいたらない。この自転車もそういうものと思っていた。

 ところが…この自転車は驚愕の性能である。16インチの小径自転車と変わらない走行性能なのだ。GD(ペダル一回転あたりの進行距離)は一般車に迫る。その秘密は全く意外なのだがチェーンにある。車いす用の一般自転車用チェーンの半分のピッチのものを使用している。これによって後輪のギアを極限まで小型化して大きなギア比を獲得している。因果関係は想像でしかないがのり味もマイルド、ハンドルのクイック感も思ったよりも少なく普通に乗れる。

 折り畳みも充実している。縦型に畳んで直立し、小さなローラーで転がせる。小さなキャリまでついていて重量は8kg。価格は¥50000と決して安くはないが同系車のKOMAの半額。実に素晴らしい。

 ルイガノブランドであるが、この自転車を開発したのはパシフィックという台湾のメーカーだ。このメーカーはBD-1やタルタルーガを生産しているメーカーで技術力は高く信頼できる。パシフィックブランドのものは小さなフロントキャリアもついて可愛さ倍増。ほかにOXという代理店がシャープなカラーリングで発売している。

 課題がないわけではない。こうした極小径車はパンク修理が難しくチューブ交換になってしまう。チューブも一般には置いてないから町の自転車屋では断られるかもしれない。チェーン回りのトラブル時も心配ではある。こうした事に対応してくれる専門店での購入が安心だろう。
  
 実はもう一つかなり高いハ−ドルがある。この自転車に乗っている自分の姿を想像する。ほとんど猿軍団の自転車芸だ。好奇の目で見られるか失笑を買う事は間違いない。気取るつもりはないが笑いを取るキャラに徹せられるか?選択理由が大真面目なだけに悩みは大きい。この手の自転車共通のハードルではないだろうか?

 このキュートな姿は小柄なかわいい女の子が似合いそうだ。娘や恋人を焚き付けて買う。彼女のを借りてるんですよという顔をして隣で乗るのだ。ああ我ながらなんと姑息。

走行性 ★★☆
携帯性 ★★★★★
汎用性 ☆
デザイン★★★★
C/P  ★★

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