14インチ

2010年02月21日

開発者魂の底力 5Links

5linksfold
5links


出尽くした感のあるオリタタミ方式もまだ改善の余地があるとばかりに新しい手法が生まれる。人の飽くなき欲望と追求の賜物だ。
ここのところ目新しさが減ってはいるが、それでも様々なチャレンジが見受けられる。この面白さこそこの分野の醍醐味ではなかろうか。

さて恥ずかしながら5linksの噂は当ブログのコメントから知った。そのサイトを見るとコンセプトや手法など並々ならぬ意欲を感じる事ができる。ラインナップもたった一機種ではあるが、R&Mも世に問うた一台のBD-1から始まっているのだから、何が始まるかはわからないのである。

このメーカーの出自はわからないが生真面目な設計者の顔とコンセプトメーカーの顔が見える。
そのモデルのアイデアは既存のものに大胆な改良を加えてあり、なかなかの独創性である。その独創性が姿に現れていないのはある意味損をしている。奇抜で乗るのが恥ずかしいという事はないが安売り自転車に見えそうでもある。

コンセプト自体は走行性の犠牲なしにいかに簡便に折り畳み、移動できるかであってそれ自体にあたらしさはない。折り畳み方式が面白いのであるが、ハンドルポストとフレームとの結合部分がスライドしつつ回転するというもの。結合部分のロックを外して上にずり上げる、そこを軸にコンパスのように2車輪を畳むのである。アイデア自体はストライダに近いがスライドさせる事でもっと一般的なフレーム構成に近い状態を実現している。

もうひとつの独創ははシートポスト自体を折り曲げて畳む事。これによって高さ調性をいちいちする事がない。これもbikefridayが近い事をしているが簡便にまとめている。

この2点によって簡単に棒状に折り畳む事ができハンドル付近を引っ張りながら移動できる。しかもキャリアを取り付ければ自立もする。さらにキャリーバッグなどをくくりつけられるキャリアも発売された。
このキャリアは大きめのバッグをつけても足に干渉しないように丈夫に移動できる優れものである。
この機能で重量は9kg台、立派である。
まずは実用を考えてよく練られた製品という印象を持つ。これはなかなかできる事ではない。

乗ってみると14インチらしい実用性の高い走行性で、公共交通での移動/輪行を前提とすれば十分である。ただ、YS-11同様にハンドリングに少々癖があって、その違和感は残る。

オーナーらしき方はサイクルモード当日は試乗した方が勝手に折り畳みを試すせいで調子が悪くなっていると嘆いていた。小径ファンとしては同情したいところだが、ユーザーは所詮そんなもんではないだろうか。誤った折り畳み方をして、簡単に不調になるというのは実用性を重視しているコンセプトにはそぐわないと思う。また実用性を重視したスタイルは色気という意味ではもの足りず、萌える気持ちは起こらない。

8万円という価格も少々疑問が残る。よくできたモデルとは思うが、ストライダが5万円台、ミントが7万円で買える事を思うと現実に選択肢に残るだろうか?8万円はかなり趣味性の高い価格帯ではないかと思うのだ。実用性には当然価格反映される必要があるだろう。
輪行を重視するポタリング派と日常的に移動手段として使う実用派とをすみ分けるのが必要ではないだろうか?
まああまり予算は問わず、収納や移動にらくちん、スーツでも乗れるような自転車をお探しならいい選択肢となる。

生真面目な開発者魂が独りよがりになって寛容さを見失っているとしたら残念。この貴重なモデルをぜひ熟成させて欲しいと思う。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★
C/P  ★★

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2009年12月19日

能ある鷹は爪を隠す bipodMINT (Smartcog)

サイクルモード行ってきました。3年前の一日乗りまくった時ほどは時間がありませんでしたが、気になるものは概ね試乗できました。劇的な感動はそれほどなかったのですが、小さな発見や驚きはいくつかありました。おいおい書きます。まずは今回の目玉!というには小さな自転車でしたが、乗りました。bipod MINT!

mint


bipodが設立された頃、Antとともに開発予定がなされていたモデルにKalimaがあった。12inchで後輪部分がブロンプトンのようにフリーでぶら下がるようになっていて、そのままキャリアがスタンドになるというものだ。フロントには大きなキャリアが着いて、ご近所自転車として有能そうないでたちであったし乗り心地、車重など申し分のないものであった。相棒がたいそう気に入って買う気満々になっていた。ところがやっとANTが出てつぎこそと思ったらKOMAが出て、次こそと思い待てども待てども出てこない。
走行しているうちにMintなる自転車の噂が…。
kallima


Kallimaはどうなったんだー!と思っていたら、ん?この折り畳み方は、もしや。
そう、このMintこそKallimaの後継だったのだ。実際メーカーの方もそんなようなニュアンスのコメントであった。
その折り畳みはありそうでなかった中折れ縦折、への字形に折れ曲がり、サドルとハンドルはDahonなどとよくにた折り畳み方である。畳んだ状態でサドルを持って転がす事も可能、サドル/シートポスト部分に一工夫あって、ポストは2段伸縮なのだがその一段が折り畳み部分とリンクしてあって折り畳まれると一緒に縮んでいくのだ。アイデア自体はDibrasiとよく似ているが、細かい工夫もあってよくできている。さすが機構に凝るBipod。
折り畳むとかなり小さくなりスーツケースやコインロッカーに入るらしい。重さも9kg台。とするとプアマンズトレンクルでもあるか。

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20081108_12_bipod_mint

14インチは走行性とコンパクトさでは実用的な接点でもあると思う。それに見た目も可愛らしい。
結構、独創的なのだが風貌はいたって平凡、下手をすると1万円自転車に見られかねない。7万近いのにシングルギア、一般人から見たら、なんでこんなに高いの?といわれそう。

乗ってみると、14inchだから高速とは行かないものの、実用上は十分すぎるほどに走る。シングルでも十分。気になるところがほとんどないほどに自然な乗り味である。今回はほかの自転車も同じ条件でたくさん乗ったので、その自然さが特筆できる。能ある鷹は爪を隠すのである。

まあよく見れば、どことなく、さりげなく高級感は漂っている。相棒の第一印象は「かっ、かわいい!!」というもので決して「ふつー」ではなかった。のでアピール力はありそうだぞ。
ぞくぞくするような色気ではないけれど、さりげなくそばにおいておきたいと思わせる、お嫁さん志向かな。

自慢げに乗るのではなく、さりげなく乗りたいね、これは。
キャリア、カゴなどのオプションも用意される予定で、遠距離に向かないなど用途は限られはするが、日常的な実用性は高そうだ。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★★
デザイン★★★
C/P   ★★★



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2008年05月23日

実用軽自転車の雄 YS-11(バイク技術研究所)

4bec4315.jpgちょっと多忙につき間が空いてしまいました。すみません。
試乗会は無事開催盛況でした。この様子はまたお知らせします。

今回直前でお願いして出展してもらった自転車がいくつかありますが、その一つがYS-11。
気になっている人も多いでしょう。

輪行していてとにかくめげるのが自転車の重さだ。改札からホームまでとか階段とかなんでこんなもの持たなきゃなんないんだと思ってしまう。転がせるタイプでも形状を吟味しないと気分的にそのまま改札を通りにくいものも多い。
気軽の持ち歩ける自転車の条件としてやはり軽さは重要だ。

ここを追求した自転車といえばトレンクルだが、なんと言っても高い!
そりゃいいけど手が出ないぞ!という方に気になるのがこのYS-11シリーズ。

なんとシングルスピードなら7kg台!フレーム折り畳みのないモデルならそれで¥40000!
これは割り切ればかなりお買い得だ。
14インチで自転車自体コンパクトだから日帰り旅行なら問題ない。
日常的に輪行したい方なら折り畳み機構付きのAグレードも用意されている。こちらは¥70000とちょい高いが、それでもトレンクルよりはだいぶ安いし、内装3段変速付きも用意されている。

この自転車ネット販売が主で少し損をしている感がある。というのも画像ではシルバー塗装、無印自転車のようで素っ気ないのだが、実車を見るとサンドブラスト風の梨地仕上げでなかなか高級感がある。
ハンドルの折り畳み部分やパーツ類もチープな感じはしない。

軽量フレームとシンプルな作りで正攻法的に軽量化を図っているように見えるが、Aグレードの折り畳み機構にひと工夫がある。フレームが分割され、水道管などのジョイントのようにそこを繋ぐパイプがスライドして補強するという構造になっていて、そのフレームの中に分割フレームの連結を保つスプリングのようなものが通っている。つまりヒンジ部分がない構造で軽量化とコストダウンを実現してるようだ。
2つに折り曲げる感覚でバッグに放り込んで肩からかけて電車に乗る、そういう使い方ができる自転車だ。

乗ってみると車体が軽いので実に軽快、実用的には充分な走りだ。14インチなのでそこは極小径車とは比べ物にならない。この軽快感は日常利用でも気持ちいいかも。変速付きなら輪行+ちょっとした距離のポタもOK。
ハンドリングに独特の癖があり、そこで好き嫌いが出るかもしれない。

なお、電動タイプもあり、こちらは電動としては驚異の11kg!!車体の軽さが電池の持ちにも貢献しているらしく坂の多い町の方にはお薦めだ。

軽さで行くか、極小径の小ささで行くか、転がし機能でいくか、うーむ、悩みは尽きない。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★★
汎用性 ★★★
デザイン★★★
C/P   ★★★★
(YS-11Aグレード)




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2007年12月15日

(閑話休題)小さい自転車が欲しい… JDのその後

0551d5a0.jpgS17の嫁入りに備えて自転車を多少整理した。だいたい二人でなんで5台も6台も自転車を持っているんだ?
おかしいぞおれたち。
まず私の日常用の普通車(といってもミキストフレームで7段変速付き)を嫁に出した。女性の方が似合いそうな自転車でかわいいお嬢さんが引き継いでくださった。
それからもともと相棒が実家に通うために買ったストライダを嫁に出す事にした。修理から帰ってきて問題はなかったのだが出動回数は減っていた。幸い信頼できる友人と縁談が成立、嫁にもらわれて今は幸せに暮らしている。ストライダは元々相棒の趣味からするとちょっとハンサムすぎたのであって、しかも故障で愛着がもてないでいた。さようならストライダ。

こうなると日常の足に困る事もしばしば。そんな時JDbikeの試乗車をしばし家で預かる事になった。先日の中古販売がコレである。今回の試乗会でも地味目の存在であったが、ちょっと気にはなっていた。
で嫁入りまでしばし同棲。
これがなかなか楽しいのである。もちろんのろい。隣の駅に行くにも大変だけど急がない分には問題ない。漕ぎが軽いので歩くのも嫌な気分でも進む。歩行者と並んで乗るにもいい。車体が軽いから取り回しが楽。
小さいからどこにでもおけるし折り畳んでしまっておくのも苦にならない。思わずニコニコしてしまう。

駅から少し遠い所にいく時には持って行った。小さくて軽いから持って行くのも楽で出先でも充分に走る。のろいと言っても歩くよりは全然早くて、重宝。
いい娘だなーと思えば思うほど嫁の貰い手がなさそうで、お前うちで暮らすか?と囁いていたらなんといい人に巡り会って嫁にもらわれていった。この娘も今は幸せに暮らしているらしい。

というわけで小径車マニアのくせに改めて小径車にやられたのであーる。
12インチか14インチの小さい自転車、シングルでハンドルくらいが畳めれば本体畳めずともよくてできれば軽くて10kgくらい。お値段2-3万。

理想はトレンクルやDibrasiだけどちと高い。
トランジットコンパクトは重くて今更の感あるし、スイートピー、ウルトラミニ、tidyは廃版、novitaも理想的だけどデザインがちょっと好みでない。
普段乗りだからあんまり高いのじゃない方がいいんだよね。(金がないとどうしていえない?)
kawasumiのSubwayとかsakamotoのXbikeとかSugimuraのOTDとか17バイシクルのMiniWalkerとかcaptainstagの12インチとかちょっとマイナーなのが気になるなあ。
それとボザールと言う雑貨屋で出している12(14?)インチがダホン風でなかなか良くてしかも格安、これも気になる…

しかしまた自転車増やすんかい、あーた。
まあこうして悶々と暮らす日々が楽しいのであった。


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2007年04月12日

トレンクル(パナソニック)財布も軽くなる軽量級チャンピオン

 traincle.jpg ケータイ自転車の今一つの志向として、軽量化がある。とにかくあの重さをなんとかして、かばん並みにしたい、そう思う人は多いだろう。9kg以下であれば自転車としてかなり軽いと感じるが、それでも駅のホームや階段を持って歩いていると嫌になる。

 トレンクルはチタンフレームと言う「飛び道具」を用いた超軽量自転車で最軽量の部類に入る。最近でこそ極小径車でこれより軽いのが出てきているが、12-20インチとしてはもちろん最軽量。
 持ってみてその軽さにはやはり驚く。両手で持てばほんとに重さを感じさせない。このぐらい軽くないとケータイ自転車にならないのではと実感する。折り畳み機構自体はよくある中央横折れタイプで畳んだサイズも随分小さい。駅のロッカーに入る(中型ロッカーか?)というのがうたい文句。
 この軽さと機能なら遊びに出かける時に連れて行こうという気にさせる。

 乗ってみると見かけよりよく走る。ストライダ等の16インチ自転車と変わらない。小径で車体も軽いから漕ぐのが楽なのだ。スピードさえ求めなければ多少長い距離も走れそうだ。デザインも奇抜さがなくて好奇の目を集める事もない。14インチはケータイ自転車としてはいいサイズなのではないかと思う。日常の足としてもいいじゃないかと欲しくなってしまったが、問題はその値段…。

 6.5kgの6500はなんと¥184800!7.5kgの7500でも¥108500! う〜ん… 確かに他にないのだからこの軽さじゃなきゃ!と言えばその価値は確かにある。だけどモールトンやBD-3までも射程圏に入る値段となると考え込んでしまう。またロードの高級車にもこれに近い軽量モデルがある。とすると輪行ツーリング向きにほかに選択肢がないわけではない。2-3kgの軽量化に¥100000払うか?

 名前通り、この自転車は電車との組み合わせにこそ真価を発揮するであろう。電車で移動しそこから自転車で走る。この使い方を日常的に行う人や、年配の方など重いのがとにかく無理と言う方にこの金額の価値があると思う。
 時々見かけるのでそこそこは売れたのだろう。並の体力があれば7500の方がお買い得。最近他社で7kg台で4万円の自転車YS-11が発売された。これは売れるだろう。トレインクルの独壇場もついに先が短くなってきたか。 
 和田サイクルでギア多段化の改造を行っている。お財布にゆとりがあればそういう楽しみもある自転車だ。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★
デザイン★★★
C/P  ★

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2007年03月30日

ウルトラミニ(ケルビム)世界最小最安のハンドメイド小径車

54de4dfc.jpg 携帯自転車を目指す世界は奇抜なアイデア満載だが、一方で携帯性を重視してとにかく小さくシンプルに作るという発想がある。車輪の大きな高級スポーツ車だって軽いのだから、そのまま小さくすれば軽い自転車になるはずだ。そんな単純な発想を見せているのがウルトラミニだ。

 とにかく小さい。14インチで全長1m。サドルとハンドルの間隔を無理矢理人に合わせているという感覚だ。それでも極小径車のような小さな車輪ではないので自転車らしさを保っていて奇異さはない。フレームの折り畳み機構はなくハンドルを回して前輪の横にすとんと落とすだけ。立面積では大きいが幅が薄いから携帯も保管も省スペースだ。
 自転車を立てればハンドル部分が丁度手の位置に来るので、例えば電車の中などで自転車を支えて立っているのが楽だ。自転車を電車で持って回るという使い方にはなかなか向いている。重さは9kgちょい、アルミフレームも使わずにこの重量は立派。
 そして折り畳み機構がないからスタイルも美しく伝統的な自転車を縮小コピーしたかのような可愛らしさがある。走りも小径車らしくちょこまかして楽しい。

 乗り味は意外にもとても自然だ。つんのめるようなハンドルポジションははじめこそ不安だがすぐに慣れる。ギア比が適度でなかなかスピードも出る。日常の足としては充分だ。シングルスピードだから急坂は厳しいがなかなか坂にも強い。フレームがしっかりしているから最終メカ『心の変速』を使って立ち漕ぎすればいいのだ。

 高級小径車は小径車の欠点とされるクイックなハンドリング等を緩和するためにロングホイールベースと呼ばれる長いフレームが多い。走行性からいけばそれで納得できるが、そこを追求すると小径車らしい走りが失われていく事も確かだ。小回りの利いたショートホイールベースならではの自転車があってもいいじゃないか。

 ケルビムは今野製作所というオーダー自転車メーカーだ。ミニベロにも力を入れていて自転車マニアでは知らない人はいない。ウルトラミニもセミオーダーでハンドメイドの自転車なのだ。一見割高な自転車のように思えるが一流のビルダーが手作りした自転車が5万円というのは実はかなり破格なのではないかと思う。
 現行ではスタンドキャリアが省略されている。リアブレーキはなぜかバンドブレーキ。どうして?やはりコストかな?
 その辺りも含めてカラーリングやパーツなどいろいろなわがままも聞いてくれるだろう。いまも心が揺れる。これぞ贅沢なこだわりの一台。

走行性 ★★★
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★★
デザイン★★★★
C/P  ★★


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2007年03月18日

bipod ANT(Smartcog)-からくり人形の技

47b77766.jpg  当たり前だがアイデアと完成との間には大きな距離がある。アイデアも創造的だが語るだけでは何の価値もない。実用になるものを生み出す事もまた相当クリエイティブな事なのだと思う。
 カメラの世界での話だが、一眼レフやオートフォーカスなどの原型は欧米で開発されたが実用化したのは日本の企業だ。そこには様々なアイデアと工夫が投入されている。目標設定された時のこの国の技術的な創造力というのは極めて高い。

 ANTの試作期間は随分と長かった。2000年の時点で試作車は存在したように記憶するが、発売までそれから5年以上を要した事になる。それまでには新興メーカーが現れたり、内容の酷似した格安車が販売されるなどその実現を疑う事もあったが、ついに発売された。待ちこがれた人もいただろう。

 実車をみると、その精緻さに唸る。ハンドルとペダルをたたんだあとは、ほとんどワンタッチと言っていい動作で尺取り虫のように伸縮する。これだけの多くの可動部分にガタつきを出さないで瞬時に伸縮をさせるのは困難な事であろう事は機械工作技術に疎い目にもわかる。
 14インチのハンドリングはもちろんクイックではあるが、この車径の自転車にありがちな頼りなさは感じさせない。ポジションも窮屈さを感じさせず前傾気味の姿勢で踏み込むと気持ちよく加速が応える。このサイズでこの走りなら走りを重視する人にも納得がいくだろう。精緻な構造はその外観にも現れていて、スマートではないがSLなどに通じるメカニカルな美しさを感じさせる。(そういえばカラーもマットブラック一色だ)
 折り畳んだときの立面積こそ大きいが薄くたためて転がせるから輪行には適応性が高い。展開もワンタッチだから駅から駅へと電車と組み合わせて各所を巡るような使い方もできる。つまり携行自転車の理想型に随分迫っていると言える。唯一惜しいのは12kgという重量だけだ。

 価格も13万円とこのカテゴリの高級車とすればお手頃感はある。3拍子揃ったBD-1に対抗できるモデルの一つだと思う。これが国産である事は嬉しい。
 日本は産業革命を起こした動力機関や電力そのものを創造する事はできなかったが、精緻な機械構造をもったからくり人形を独自に生み出した。その伝統がここに宿っているように映る。
 原案こそ海外デザイナーのものであるが、国産でこういう小径車が生まれた事は本当に誇らしいことだと思う。

走行性 ★★★★
携帯性 ★★★★☆
汎用性 ★★★
デザイン★★★★
C/P   ★★★★

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