寒い春先を忘れてしまうくらい、暖かな(暑い?)日々が続きますね。

まだ気温もそれほど上がっていないのに、熱中症?と思われるかもしれませんが、
暑さに体が慣れていないこの時期、意外に多くのワンちゃんが熱中症でご来院なさいます。
飼い主様方にも暑い真夏こそ注意はすれども、まさかこの時期に・・・という
油断もあるのかもしれませんね。

全身に汗をかける我々ヒトは、汗により体の表面全体から気化熱を奪ってもらうことができるため、
体温が上がったときの冷却効率に優れています。

しかし、ワンちゃんたちは我々ヒトと違い、肉球くらいにしか汗をかくことができませんので、
体の中にたまった熱は呼吸で外に出すしかありません。
気化熱による冷却は主に唾液を使った口の中のみ(ハァハァした呼吸)です。

このため気温が高いと、暑い空気しか入ってこないので冷却効率が悪く、
熱が体内にたまってしまいがちです。

特に・・・
・呼吸の得意ではない短頭種(鼻の短い犬種:フレンチブルドッグ・パグ・ペキニーズ・シーズーなど)
肥満気味な子(厚い脂肪の服によって熱が体内に閉じ込められてしまいます)、
毛の長い犬種(ハスキーなど)
・体温調節機能が未熟な子犬と調節機能が劣ってくる老犬
呼吸の病気を抱えているワンちゃん(気管虚脱など)

これらのワンちゃんたちは熱が体内にこもってしまいやすいので要注意です!

いつもよりも
呼吸が激しく(あえぎ呼吸:ハァハァではなく「ガーガー」した呼吸になります)、
よだれがひどく出るなど
の症状が見られたときは(見た目も苦しそうな感じです)、
動物病院に行くのではなく一刻も早く冷やしてあげてください!
水シャワー(シンクやお風呂で栓をして結果的に水風呂にする)をかけること
緊急対策としては非常に効果的です。
だんだん呼吸の状態が落ち着いてきますので(ワンちゃん自身も落ち着いてきます)、
ご来院の準備をなさってください。

熱中症は簡単に命が奪われる怖い病気です。
くれぐれもご注意くださいね。

こちらも参考になさってください。
http://www.anicom-sompo.co.jp/company/news/news_0130419.html
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130419/trd13041907460005-n1.htm

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熱中症が怖いわけ

熱中症をおこした体内では、熱によりタンパク変性が起こります。
しゃぶしゃぶのときに、赤いお肉をお湯に入れるとグレーになりますが、あのグレーになる変化です。

一度グレーになってしまったお肉が赤く戻ることはないように、熱中症は対応が遅れると、
そのときは一時的に大丈夫そうでも体内では取り返しのつかない状態まで進行している
場合があります。(内臓全体がグレーのお肉状態です)

熱中症をおこした後の数日は、様子におかしなところがないかよく見てあげてくださいね。