みんなの動物病院からのおしらせ

さいたま市浦和区にある「みんなの動物病院」からのお知らせページです

カテゴリ: 病気のおはなし

テレビから、尿で「がん検診」が出来るという商品CMが盛んに流れてきます。

簡単な検査で行えるのは非常に便利で、かつ犬用のものもあるとのことでしたので、
我々も興味を持って情報を集めておりました。

しかしながら、これらは
「体のどこかに”がん”はあるかもしれないが、どこにあるのかは解らない」
というものでした。

どこに何があるのか解らないというのは、我々にとって非常に扱いづらく、
お勧めするに値するかを悩んでおりました。

その中で、別の検査機関から「血液にて10種以上のがん種特定が出来る検査」
ができたとの情報をいただきました。
確認したたところ信頼できるデータの公開がされておりましたので、
2024年から当院でも扱うことにいたしました。

まだ始まったばかりの検査ですし、決して安くはない価格設定ではありますが、
使い方次第では非常に有益なものになるかと思います。

検査には事前準備が必要になります。
先にご説明を差し上げた上で、実施日を決めて採血を行ないます。
ご興味のある方は、お問い合わせ下さい。


メディカルアーク リキッド・バイオプシー

腫瘍マーカーとして特定の出来るがん(がん種の表記は検査機関のものを転載)
 肝臓がん、口腔内悪性メラノーマ、尿路上皮がん、悪性リンパ腫、
 肥満細胞腫、血管肉腫、骨肉腫、扁平上皮がん、肺腺がん
 鼻腔腺がん、肛門嚢腺がん、乳がん

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非常に暑い日が続きます。
通勤時間でさえ不快な暑さになり、家に引き籠もっていたくなります。

この時期に話題になる熱中症に関してですが、以前より情報が浸透してきたとはいえ、
知識が不十分で手遅れになるケースが未だ聞かれますので、改めてまとめてみました。

ヒトの軽度~中等度の症状として、頭痛や倦怠感、悪心等が言われていますが、
ペットからこれらの症状を確認するのは非常に困難です。
「熱中症について」 全日本病院協会サイトへのリンク

気付いたときには、ヒトの重症ランク(いわゆる熱射病の状態)
になっていることが多いのがペットの熱中症です。
ヒトなら救急搬送状態です。
犬の場合、過剰な”あえぎ呼吸”と高体温が、その診断基準となることが多いです。

ここで皆さんは慌てて病院へ連れて行こうとなさるのですが、
大事なのは一刻も早く冷やすこと

出先であれば、まずは暑い環境から離脱することを最優先。
その上で、冷たい水を全身に「これでもか!」とバシャバシャかけて下さい

毛で水が弾かれるので、地肌に届くよう刷り込むようにかけるのがポイントです。
自販機やコンビニ等が近くにあれば、購入した冷えた水の方が効果的。
近所なら、そんなことをやっているより、家に帰って冷やした方が確実です。

近くに川や池、噴水等がある場合は、周りへの迷惑を配慮した上で
そこに放り込んでしまいましょう。
その上で一刻も早く家に帰りましょう。

自宅処置のお勧めは、
水の貯められるシンクやお風呂場で、栓をしてから水シャワーをかけること
上からのシャワー冷却に加えて、貯まってきた水で足からも冷えます。
そのまま伏せ姿勢になれば、直接体幹が冷えてくれます。
辛そうな呼吸がだんだん落ち着いてくるかと思います。
呼吸が落ち着いて表情に余裕が出てきたら、処置は終了
病院へ行く準備は
そこから始めれば充分です。

熱中症の怖さは、タンパク変性です。
市販のお肉は、熱が入ると赤からグレーに色が変化しますが、これがタンパク変性。
この変化が、生きている体内で起こるのが熱中症の末期です。
変性が起きてしまったお肉は、決して元には戻りません。

一旦落ち着いたとしても、体内に既にダメージが起きてしまっていると、
残念ながらその後にお亡くなりになってしまうこともある、非常に怖い病態です。
それが起きる前に、とにかく冷やす!

これを常に意識して、快適な夏をお過ごし下さい。

過去の記事も参考に(2013年の当院ブログ)
http://blog.livedoor.jp/minna_no_ah/archives/26981291.html
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先日、下記キャリーバッグにてご来院の患者様に熱中症症状が出ました。
(ご来院理由は別)

 デザインの関係からか、
上のメッシュ部分以外は両脇に小さな窓が付いているだけで、
非常に熱のこもりやすい構造になっているようでした。
似たような構造のキャリーは他にもありますので、注意が必要です。

 暑い日のご来院時、キャリー中には保冷剤などで
内部の温室化を防ぐ等の対策を
していただくことをお勧めします。


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先日、香港にて新型コロナウイルス(COVID-19)の犬への感染例が報告されました。

世の中がこの病気一色となっている現在、当院患者様方からも、
この件のお話をいただくことが数件ありました。

皆さまの心配を取り除くべく、正確な情報の発信はしておくべきと思いました。

この報告に関して、対象とした犬は1件のみでかつ無症状、
犬からヒトへ感染したというものではなく、
感染者の飼育していた犬を調べたらCOVID-19が出たというだけのものです。
もう少し内容の濃い発表があるまでは、静観して良さそうに思います。

下記、獣医師やペット保険会社が解りやすくまとめて下さっています。
参考にしていただければ幸いです。

こういうときだからこそ、正しい怖がり方をして、
過剰に反応することのないように気をつけましょう。

普段の生活も、手洗いの徹底などで安心な毎日を。

追記)
3/27にベルギーでの猫からの検出報告があり、
5/13にイギリスから猫同士の感染報告もありました。
詳しくは下記「猫同士の実験感染に関しての見解」を
ご覧になっていただければと思いますが、
上記同様、特別な対応が必要なものではありません。
気をつけるに越したことはありませんが、
特別怖がる必要はありません。ご安心ください。


東京都獣医師会 該当ページへのリンク↓
https://www.tvma.or.jp/public/2020/03/post-66.html

東京都獣医師会 猫同士での実験感染に関しての見解(5/14)
https://www.tvma.or.jp/public/items/1-20200514.pdf

日本獣医師会 新型コロナウイルスに関する情報
http://nichiju.lin.gr.jp/covid-19/

アニコム(ペット保険) 新型コロナウイルス感染症情報
https://mag.anicom-sompo.co.jp/11648
virus_corona


「小さなできものができていて、
  とても気になっているのだけれど麻酔をかけるまではしたくない」

こういうお悩みを私たちはよく耳にしています。

腫瘍であれば、基本的には根っこの部分からしっかり取り切ってしまうことが大事です。
また取った腫瘍がどういう性質のものなのか(良性なのか悪性なのか)も
調べておくとより安心でしょう。
麻酔をかけての手術では、ここの部分をしっかり対応することができます。

ただし、飼い主様の中には高齢が故に麻酔に対して抵抗をお持ちだったり、
あるいはその子が病気を抱えていて麻酔をかけたくてもかけられない状態
の場合もあるでしょう。

そういうケースにも対応できるよう、
 「できものを凍結させて自然退縮を促す治療器具(クリヨペンM:CryoPenM)」
                             を導入いたしました。

大きな腫瘍には不適用ですが、①痛みも少なく②局所麻酔さえもいらないので
③短時間で終わります。
麻酔をかけないので④治療費も少な目で済むこともメリットでしょう。

ただし、どうしても①取り残しは生じてしまいますし、②良性悪性の検査もできません。
ここがデメリットだと思います。

既に数件実施しておりますが、経過は良い感じです。
ご興味のある方は、スタッフまでお尋ねください。

メーカーサイト
http://www.sceti.co.jp/medical/veterinary/detail01.html
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おそらく全国的なシェアはナンバーワンなのではないかと思われる、
フィラリア予防薬「イベルメック」。

おやつ代わりに与えられるということから、「イヌが喜ぶ薬」として
当院でも多くの飼い主様方からご支持いただいております。

先日、メーカーから過去7年(発売から昨年度まで)の副作用報告データが
公開されましたので、お伝えいたします。

分母が708万頭と大きな数字なのですが、残念ながら死亡例も1件報告されておりました。
(※「因果関係がないともいえない」との記載の1例のみと思われます)
また、細かな症状も結構報告されていることに驚きました。

分母を考えると、有害事象報告は非常に少ないと判断できますので、
今回の報告は、かえってこのお薬の信頼性を高めるものになるのではないかと思いました。

安全性の裏付けが出ましたので、私たちも安心して
引き続き使用してゆきたい(お勧めしてゆきたい)と思っています。

ちなみに当院処方患者様からの有害事象報告はいただいておりません(0件)。

マイナスな情報でも、こうやって公開してくださるメーカーさんの姿勢に感激です。
投薬後に不安な症状を感じましたら、早めにご来院くださいね。


くわしくはこちら(クリックすると大きく表示されます)

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フィラリアの注射薬の追加接種をするわんちゃんがご来院なさる時期になりました。

当院で圧倒的なご支持をいただいているフィラリア予防の注射薬。
一昨年発売されたお薬で、国内使用実績が浅いことより
副作用のお問い合わせやご質問もいただきました。

このお薬を今年も続けて使用するに当たり、副作用の発生状況は
私たちも気になっておりました。
そこで、先日メーカーへ昨年の副作用発生状況を問い合わせましたので、
それをご報告いたします。

なお、公開に際してはメーカーご担当者の承諾をいただいております。
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プロハート12 副作用報告
  
(2012.7月~2013年5月報告分まで)

 メーカー試算の接種推定数 : 約5.5万頭
  ①軽度な副作用   : 64件
  ②アナフィラキシー  : 23件
  ③死亡         : 1件
 
※軽度な副作用とはアレルギー反応と思われる顔腫れ・下痢・嘔吐などや、
   元気・食欲ななくなるなどの症状までを含んでいます。
   アナフィラキシーはいわゆる急性のショック症状で、全例回復しているそうです。
   また①に関しては、因果関係不明の報告も含みます。
   死亡例は報告数としては7件ありましたが、詳細経過を見せてもらったところ、
   明らかな因果関係が疑われるのは1件のみでしたので、1件とさせていただきました。

 
当院実績(2013年度)
  接種頭数 190頭
  副作用報告 0件
  ※接種部位を痛がり翌日まで少し元気がなかった、というご報告を2件いただきました。


副作用の発生比率は、このメーカー報告を見る限り、一般的な混合ワクチン等と比べても低く、
私たちとしても、今年度も安心して使ってゆけるものであると判断いたしました。

また、当院では接種部位の痛みを訴えた2件を含めて、
副作用と思われる症状のご報告はいただいておりません。
※マツオカペットクリニック時代(国内未発売当時)から当院では1年効果のあるフィラリア注射剤を
  使用してきておりますが、その間の副作用報告も特にはなかったと聞いております。

注射部位の痛みは、他の注射(ワクチンや抗生物質など)でもよく見られるものですが、
痛がるワンちゃんを見ているは辛いと思いますので、このような症状が見られた場合には
遠慮なくご相談ください。

フィラリア予防に関しましては、従来通りの注射以外のお薬もご用意しております
ご来院時にご希望をお伝えください。

フィラリア注射をご希望の患者様は、混み合う春先を外した早めの注射をお勧めいたします。
(通常3月後半から混み合いますので、それまでに済ませてしまうのがお勧めです)

お薬の詳細は昨年の記事をご参照ください。
http://blog.livedoor.jp/minna_no_ah/archives/22800092.html#more

あけましておめでとうございます!
今年も「みんなの動物病院」をよろしくお願いいたします。

さて、昨年7月から始めております「わんにゃんドック」。
お陰さまで好評をいただいております。

私事ですが、我が家(院長家)も犬は14歳、猫は11歳となりました。

犬は一昨年にお腹の腫瘍摘出手術を実施(脾臓の血管肉腫という悪性のがんでした)。
幸いながら術後余命6ヶ月とされているところを見事に裏切り、今も元気にしております。
きっかけは前職場で行った定期検診時に超音波検査で見つけた1㎝程度のしこりでした。
約半年後の手術時には「握りこぶし大」に。
定期的な検査をしておいて良かったなと、心から思いました。

猫は昨秋に妙に水を飲むこと(おしっこも多かった)が気になり行った血液検査にて糖尿病が発覚。
ごく初期段階だったので、とくに特別な治療は必要なくインスリン注射のみで元気にしております。
ヒトの糖尿病では自覚症状もあるので放置されることは少ないと思われますが、
ペットは飼い主様が異常に気付いてご来院なさったときは既に末期状態であるケースも多く、
治療が功を奏さずに亡くなってしまうことも珍しくありません。
これも早めに気づいて対応でき、良かったなと思っています。
※軽く考えられがちですが、糖尿病は進行すると命にかかわる怖い病気です。

お陰さまで我が家のペットは2匹とも、早めの検査で病気を初期に見つけることができ、
結果として長い時間を健康に共に過ごすことができています。

もちろん検査では何も引っかからないことが一番ですが、自分のこういう経験より、
いわゆるシニア年齢(7~8歳以降)の子たちには定期的な健診は有効だと思っております。
大切な家族とできるだけ長く一緒に過ごしていただけるように。
ご興味のある方は、ご相談ください。

※つい長文になってしまいました。申し訳ありません。

↓過去の記事(結果は冊子にしてお渡しいたします)
http://blog.livedoor.jp/minna_no_ah/archives/29817268.html

※2017年より内容を変更し、より充実した健診をご提供できるようにいたしました。
http://blog.livedoor.jp/minna_no_ah/archives/50336246.html


↓お配りしているプリントです(画像をクリックすると大きく表示されます)

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朝晩がかなり冷え込んできました。
外で生活するネコ達にとって、辛い季節になってきましたね。

先日ツィッターのJAF公式ページに下記の投稿がありました。
冗談のような話ですが、私たち動物病院にはこのようなニャンコさんが
連れてこられることも珍しくありません。

私の前の職場でも、エンジンルームで暖を取っていて
不幸にも前足を2本とも失くしてしまったネコさんが入院しておりました。

少しの心がけで不幸な事故を減らせるかもしれません。
特にネコが多い地域にお住まいの方や、エンジンルーム内に隙間が多めなおクルマにお乗りの方は乗る前のボンネットバンバン」をお願いいたします


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寒い春先を忘れてしまうくらい、暖かな(暑い?)日々が続きますね。

まだ気温もそれほど上がっていないのに、熱中症?と思われるかもしれませんが、
暑さに体が慣れていないこの時期、意外に多くのワンちゃんが熱中症でご来院なさいます。
飼い主様方にも暑い真夏こそ注意はすれども、まさかこの時期に・・・という
油断もあるのかもしれませんね。

全身に汗をかける我々ヒトは、汗により体の表面全体から気化熱を奪ってもらうことができるため、
体温が上がったときの冷却効率に優れています。

しかし、ワンちゃんたちは我々ヒトと違い、肉球くらいにしか汗をかくことができませんので、
体の中にたまった熱は呼吸で外に出すしかありません。
気化熱による冷却は主に唾液を使った口の中のみ(ハァハァした呼吸)です。

このため気温が高いと、暑い空気しか入ってこないので冷却効率が悪く、
熱が体内にたまってしまいがちです。

特に・・・
・呼吸の得意ではない短頭種(鼻の短い犬種:フレンチブルドッグ・パグ・ペキニーズ・シーズーなど)
肥満気味な子(厚い脂肪の服によって熱が体内に閉じ込められてしまいます)、
毛の長い犬種(ハスキーなど)
・体温調節機能が未熟な子犬と調節機能が劣ってくる老犬
呼吸の病気を抱えているワンちゃん(気管虚脱など)

これらのワンちゃんたちは熱が体内にこもってしまいやすいので要注意です!

いつもよりも
呼吸が激しく(あえぎ呼吸:ハァハァではなく「ガーガー」した呼吸になります)、
よだれがひどく出るなど
の症状が見られたときは(見た目も苦しそうな感じです)、
動物病院に行くのではなく一刻も早く冷やしてあげてください!
水シャワー(シンクやお風呂で栓をして結果的に水風呂にする)をかけること
緊急対策としては非常に効果的です。
だんだん呼吸の状態が落ち着いてきますので(ワンちゃん自身も落ち着いてきます)、
ご来院の準備をなさってください。

熱中症は簡単に命が奪われる怖い病気です。
くれぐれもご注意くださいね。

こちらも参考になさってください。
http://www.anicom-sompo.co.jp/company/news/news_0130419.html
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130419/trd13041907460005-n1.htm

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熱中症が怖いわけ

熱中症をおこした体内では、熱によりタンパク変性が起こります。
しゃぶしゃぶのときに、赤いお肉をお湯に入れるとグレーになりますが、あのグレーになる変化です。

一度グレーになってしまったお肉が赤く戻ることはないように、熱中症は対応が遅れると、
そのときは一時的に大丈夫そうでも体内では取り返しのつかない状態まで進行している
場合があります。(内臓全体がグレーのお肉状態です)

熱中症をおこした後の数日は、様子におかしなところがないかよく見てあげてくださいね。


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