ヒマッピーのお気に入り
2ちゃんねる・VIPとか
ニュース関係
動画とか画像とか専門とかいろいろ


2009年07月08日

紫ガミザミ「あの人にわたしたい」 このエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 紫ガミザミ「あの人にわたしたい」

イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」の続編ktkr

376 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:26:11.75 ID:QqDzUTY0

―密林、子供達の遊び場―

紫ガミザミ 「のう、少女よ。ちと聞きたいことがあるのじゃがの」
少女 「ん? どうしたの?」
紫ガミザミ 「時たまおぬしの家に顔を出す、黒い竜がおるじゃろ?」
少女 「黒い竜……ナルガさんのことかな?」
紫ガミザミ 「ナルガ? ナルガというのか?」
バサルモス 「そうだよ。ナルガクルガさんは、樹海の防衛隊長をしてる人なんだ」
紫ガミザミ 「何と。おぬしも知っておるのか」
バサルモス 「そりゃもう。あの人は、俺達の目標みたいなものだからね」


最初から読む人はこちら
【第1章】イャンクック 「旧沼地で人間を拾ったんだが」【前編】

前の話から読む人はこちら
【第7章】イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」【後編】





377 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:26:30.29 ID:QqDzUTY0
バサルモス 「俺も、もう少し大きくなったら防衛隊に入るんだ」
紫ガミザミ 「カム子の修行は良いのか?」
バサルモス 「まだオカマになるなんて、俺は一言も言ってないよ!」
少女 「紫ちゃん、それで、ナルガさんがどうかしたの?」
紫ガミザミ 「う……うむ。いや……まぁ……」
少女 「?」
紫ガミザミ 「な……何が好きなのかとか、どういう食い物が好みなのかとか……」
紫ガミザミ 「何か知っておらんかと思ってな……」


378 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:26:59.12 ID:QqDzUTY0
少女 「そうだねぇ……ナルガさんは、お家に来てもほとんど喋らないからなぁ」
バサルモス 「あんまりコミュニケーションがとれる人じゃないって話だよ。パパが意思疎通ができないって怒ってた」
紫ガミザミ 「ふむ……」
少女 「あぁ、でもお家にきたら、必ずお酒を飲んでいくね」
紫ガミザミ 「酒か! 何を飲んでおるのじゃ」
少女 「うーん……何だろう。この前、紫ちゃんはいなかったけれど、ナルガさんとキングさんがお家で鉢合わせしたことがあって……」
バサルモス 「あぁ……あの時か……とても重い空気だったね……」
少女 「うん……黙々とおじさんと三人でお酒を飲んでたよ。一言も喋らずに……」
紫ガミザミ 「キングチャチャブーなどどうでもよいのじゃ。ナルガ殿の好物を、わらわは知りたいのじゃ」


379 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:27:49.09 ID:QqDzUTY0
バサルモス 「でも、そんなの知ってどうするのさ」
紫ガミザミ 「う゛っ……それは……まぁ……」
少女 「とりあえず、ツチハチノコのお酒だったと思うな。私、まだ良く見えないから、はっきりとは分からないけれど……」
少女 「ナルガさんとお話をしたいの?」
紫ガミザミ 「そっ……そんなことは申しておらぬ。わらわはただ、ちょっと、お渡ししたいものがあって……」
少女 「渡したいもの?」
紫ガミザミ 「あの方、いつもからだに傷がついておるじゃろう。とぉさまからお聞きしたのじゃ。常に前線で人間と戦っておると」
少女 「そうだねぇ。あの人、いつも血の臭いがするよ」
紫ガミザミ 「じゃ、じゃからわらわは、お守りにならんものかと思って……」
少女 「これ? (スッ)わぁ、耳飾り? 作ってきたんだぁ」
バサルモス 「ププッ」


380 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:28:16.78 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「! 何がおかしい!」
バサルモス 「ふふふ、いやぁ、何でも」
紫ガミザミ 「その笑い顔無礼であるぞ! 何がおかしいかと聞いておる!」
バサルモス 「青春だと思った」
紫ガミザミ 「せいしゅん? よ、よく分からぬが馬鹿にするでない! わらわは、不意にだな」
紫ガミザミ 「ナルガ殿に、この黒真珠のお守りを、お渡ししたくなっただけじゃ!」
紫ガミザミ 「他意はない!!」
バサルモス 「いやぁ、渡したいって時点ですごい他意だよ」
紫ガミザミ 「ええいやかましい! 何がおかしい!?」
少女 「うぅん、おかしくないよ(なでなで)」
紫ガミザミ 「!!」
少女 「今日、ナルガさんがお家に来ることになってるの。そのときにちゃんとお話して、渡せば喜んでくれると思うな」
紫ガミザミ 「ほ、本当か!? ナルガ殿は受け取って下さるのだろうか」


381 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:28:41.95 ID:QqDzUTY0
少女 「大丈夫だよ。あの人、顔は怖いけれどちゃんとお話をしてくれるよ」
バサルモス 「プププッ」
紫ガミザミ 「何を笑っておる! 二代目カム子!」
バサルモス 「まだカム子を継ぐなんて言ってないよ!!」
紫ガミザミ 「おぬしはあのオカムどもと乳繰り合っておるがお似合いじゃ。大人の話に口を出すでない」
バサルモス 「やめてよ人をもうカマみたいに言わないでよ!」
紫ガミザミ 「そ、そうと分かれば今日お伺いしてもいいだろうか」
少女 「(にこにこ)いいよ。一緒に渡そう」
紫ガミザミ 「(パァッ)少女……よし、とぉさまに頼んで、お酒も持ってくるぞな!」
紫ガミザミ 「夕刻また来る!(ズボッ)」


382 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:28:57.20 ID:QqDzUTY0
バサルモス 「行っちゃった……何? ナルガさんに一目ぼれでもしたのかな」
バサルモス 「カニなのに……」
少女 「一目ぼれって、素敵なことだと思うよ。種族が違くても愛し合えるって、すごいことだと思わない?」
バサルモス 「そ……そうだね」
バサルモス 「うん、確かにそうだ」
少女 「ナルガさん、おじさんのお話だと結婚もしてないみたいだし……」
少女 「もし紫ちゃんとカップルになれたら、もっと素敵だと思うな」
バサルモス 「いや、それはどうかなぁ……」
バサルモス 「いくらなんでもカニはないよ、カニは」


383 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:29:25.92 ID:QqDzUTY0
―クックの巣、夕方―

クック 「(少女たちが少し遅いな……)」
クック 「(最近は日が落ちるのが遅くなってきたから、大丈夫だとは思うが……)」
クック 「(もう少し遅くなるようならば、探しに行った方が良いだろう)」
クック 「(……しかし、あの子にも友達ができて良かった……)」
クック 「(私は親にはなれるが、あの歳の子にとって、一番大切な、友達にはなれないからな……)」
ナルガクルガ 「邪魔をする(ヌッ)」
クック 「! ナルガか、早いな、今日は」
ナルガクルガ 「迷惑か」
クック 「そんなことはない。入ってくれ」


384 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:30:18.25 ID:QqDzUTY0
クック 「最近、ラオシャンロンの容態もだいぶ快方に向かってきたようだ。めでたいことだ」
ナルガクルガ 「あの人間はいないのか」
クック 「あぁ、少女ならバサルモス君達と一緒に遊びに出ているよ」
ナルガクルガ 「……無用心だな」
クック 「?」
ナルガクルガ 「いくらラオシャンロンが認めたにせよ、人は人よ。あまりのうのうと出歩かない方が身のためかと、俺は思うが」
クック 「まぁ……確かに、それはそれなんだが。座ってくれ」
ナルガクルガ 「(スッ)」
クック 「あの子が人間でも、子供達は仲良くしてくれている。それは、とても大切なことではないかと私は思うんだ」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「ただそれだけのことが、私達大人にはなかなかできない。しかし子供なら、できるんだ」
クック 「随分前に、テオ殿とナナ殿の学び舎を見学した際に、聞いた言葉なのだがな」


385 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:31:36.17 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「いいか、クックよ……人は人よ」
ナルガクルガ 「俺が竜であり、お前が鳥竜であるように、変わらぬ種というものは、本能のもっと奥深くに刻まれた業よ」
ナルガクルガ 「変えようとしても、そのカルマは変わることなどありはしない」
ナルガクルガ 「いつかきっと、お前が……」
ナルガクルガ 「後悔をするような日が来るのではないかと、俺は思うのだ」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「いや、今日は随分と饒舌ではないか。何も出さずにすまなかった。今、つまめるものでも用意しよう」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「わかっているよ」
ナルガクルガ 「?」
クック 「人間は人間だ。私達とは違う」
ナルガクルガ 「ならば何故ゆえに」
クック 「分からん……」


386 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:33:03.92 ID:QqDzUTY0
クック 「分からんが……」
クック 「悲しいことというのは、なかなかに消えないものだからな」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「この壁に刻まれた焦げ目のように、奥まで入り込んで、とれやしない。悲しいことというものは」
クック 「その反面、私達は、人でも、モンスターでも変わらず、嬉しいことはすぐ忘れてしまう」
クック 「だから、心の底から喜べるという機会は、人生の上でとても、とても貴重なものなのだ」
クック 「悲しいことなんてすぐ、心に刻み込まれるものだがな」
クック 「私は、それゆえに子供達が、喜びを得ることができるのならば、将来ではなく今が」
クック 「今が、大切なのではないかと思うのだよ」
クック 「将来を作るのは、その今を経た、子供ではないか」
クック 「そうは思わないか」


387 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:34:38.68 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「…………」
クック 「や、話し込んでしまった。すまない。ツチハチノコの地酒でいいか?」
ナルガクルガ 「(スッ)…………つまみにはこれでも切るか」
クック 「! それはラオシャンメロンじゃないか。わざわざ持ってきてくれたのか。悪いなァ」
ナルガクルガ 「密林では今が熟れ時でな」
クック 「ほら、酒だ」
ナルガクルガ 「(ぐびっ)……うむ……」
クック 「そういえば、緑コンガさんの怪我も、あの時から快方に向かっているらしいな」
ナルガクルガ 「……あァ。そう聞く」
クック 「前よりもますます、ブランゴ一族……いや、今はラージャン一族か……と、交流が減っていくばかりだが……」
ナルガクルガ 「……猿には猿の掟というものがあるのだろう(ぐびっ)」
ナルガクルガ 「それに、また勝手に侵攻を始めるなどという馬鹿な真似は、当分しないだろう」
ナルガクルガ 「奴らにも、子供がいる……」


388 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:34:56.86 ID:QqDzUTY0
クック 「(ぐびり)……そうか、そうなのか……」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「ナルガ、お前はそろそろ、相手を探さないのか?」
ナルガクルガ 「……ククッ」
クック 「?」
ナルガクルガ 「お前に会うと、必ずその話になる」
ナルガクルガ 「酔いが回ると、また言い出すぞ。今日は一回目だ」
クック 「そう言うな。これでも友人として心配しているんだ」
ナルガクルガ 「心配……?」
ナルガクルガ 「それこそ、余計なお世話というものよ(ぐびり)」


389 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:35:26.06 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「独りはいい……独りは気楽だ」
ナルガクルガ 「お前のように、厄介者を抱え込もうとする、その気が知れん」
ナルガクルガ 「人は所詮独りよ。共にいようが、共に戦おうが、結局成すのは自分自身よ」
ナルガクルガ 「自分自身の行動に、誰が責任を取る。誰も興味などない、他人の行動などにはな」
ナルガクルガ 「責任を取れねば朽ちてゆくだけよ。何者と共にいようが変わらぬ」
クック 「否定はしないよ。それは、お前が強いから、そう感じるのだと思う」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「しかし、どんなに強いものでも、どこかでほころびというものが、いつかは出てくる」
クック 「何となくそう言える……」
クック 「心も、体も、強ければ強いほど、何かを失った時の喪失感は埋めることはできない」
クック 「もはやそこで完成してしまっているからな……」


390 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:35:48.56 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「…………」
クック 「誰か、お前のことを分かってくれる子と話をするということだけでも、随分に世界が違うものと思うぞ」
ナルガクルガ 「くだらん……」
クック 「(ぐびり)まぁ、好き悪しといえば好き悪しなんだがな」
クック 「折角だ、ラオシャンメロンを切ろう」
クック 「もう少ししたら、私は少女を呼びに行くよ。お前は自由に飲んでいてくれ」
ナルガクルガ 「その必要はない」
クック 「? 何故?」
少女 「おじさんー、ただいまー」
クック 「おお、帰ってきたか。杖の調子はどうだ?」
少女 「(コツコツ)うん、大丈夫だよ。なくてもけっこう歩けるようになったの。誰か来てるの?」
ナルガクルガ 「…………」
少女 「分かった。ナルガさんだ」
ナルガクルガ 「……ふん……」


391 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:36:10.23 ID:QqDzUTY0
クック 「バサル君は?」
少女 「もうじき日が落ちるから、今日は早く帰るって。アカムさんに呼ばれてるらしいよ」
クック 「アカムさん……本気であの子を二代目にするつもりなのか……」
ナルガクルガ 「……何かいるな。嗅ぎなれぬ臭いがする」
少女 「あ、今日はじめて遊びに来たんだけど……」
紫ガミザミ 「(おどおど)」
少女 「ほら」
紫ガミザミ 「こ……こんにちは」
クック 「紫殿じゃないか」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「(チラッ)…………(ビクッ!!)」
クック 「どうしたんだ、そんなところに突っ立ってないで入りなさい」
少女 「ほら、行こう。紫ちゃん」
紫ガミザミ 「う……うぬ……」


392 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:36:29.74 ID:QqDzUTY0
クック 「ダイミョウ殿が頭首になられてから、無茶な争いはなくなったのだろう。気に病むことはない」
紫ガミザミ 「邪魔をする」
ナルガクルガ 「ザザミ一族の一人娘ではないか……」
紫ガミザミ 「(ビクッ)」
ナルガクルガ 「恐ろしいか。なるほどそうだろう。お前の祖父を手にかけたのは、俺だからな」
少女 「あ……」
少女 「(紫ちゃんのおじいさん……ショウグンギザミさんは、あの時にナルガさんが……)」


393 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:36:57.04 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「き……気にしてはおらぬ」
ナルガクルガ 「ほう。随分と異なことを言う」
紫ガミザミ 「じじさまは、随分前からおかしかった」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「三年前の事件から、じじさまはお人が変わったようになってしまった……」
紫ガミザミ 「でも、誰もじじさまをお止めすることはできなかった」
紫ガミザミ 「とぉさまも……」
紫ガミザミ 「あの時は、じじさまは、わらわの側近や、何よりとぉさまを巻き込んで、大変なことに陥らせるところであった」
紫ガミザミ 「わらわはとぉさまが好きじゃ。側近のAとBも大好きじゃ」
紫ガミザミ 「じゃが、わらわは戦いをとめることができなんだ」
紫ガミザミ 「大切な、とぉさまや側近達を失うところであった」
紫ガミザミ 「ザザミ一族を代表して、お主には……」
紫ガミザミ 「一度、お礼を申さねばならぬと、わらわはそう思っておった」


394 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:37:15.67 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「……」
紫ガミザミ 「だから……その……」
紫ガミザミ 「気にするでない。わらわは、お主にそう言いたいのじゃ」
ナルガクルガ 「……ふっ……」
紫ガミザミ 「……?」
ナルガクルガ 「手にかけた孫から気にするなとはな。笑い種も良いところよ」
紫ガミザミ 「わ、わらわは真面目に言うておる」
ナルガクルガ 「良いか蟹の娘」
紫ガミザミ 「…………」
ナルガクルガ 「いかなる理由があろうと、仲間殺しは法度よ。許されることではない」
ナルガクルガ 「賞賛されることでもない……」
ナルガクルガ 「ゆえに、俺はお前に礼を述べられる筋合いはない」


395 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:37:38.11 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「…………」
クック 「まぁ、そう言うなナルガよ。子供からの言葉は、素直に受けておくべきだ」
ナルガクルガ 「知ったことではない。どんな事情があろうとな(ぷいっ)」
クック 「紫殿、こっちに来なさい。丁度彼がラオシャンメロンを持って来てくれてね。今切ってあげよう」
少女 「ラオシャンメロン!」
紫ガミザミ 「う……うむ」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「(改めて見ると、傷だらけの恐ろしい顔じゃ……)」
紫ガミザミ 「(しかしこの人が……)」
紫ガミザミ 「(AやB、とぉさまを、じじさまの狂気から救ってくれたのだ)」
紫ガミザミ 「(きっと、物凄く強いのじゃろう……)」
ナルガクルガ 「(ぐびり)」


396 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:38:25.08 ID:QqDzUTY0
クック 「紫殿は、お家には連絡をしたのか?」
紫ガミザミ 「うむ。それと、これをとぉさまから預かった」
クック 「これは……ツチハチノコの上酒だ。わざわざこんな高価なものを……」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「いつもわらわは少女に世話になっている。その礼と、とぉさまはもうしておった」
ナルガクルガ 「どれ……(スッ)」
紫ガミザミ 「え……」
クック 「ナルガ、もう帰るのか?」
ナルガクルガ 「子供がいる場所で酒盛りというわけにも行かぬだろう。俺は、コレで失礼する」
少女 「ナルガさん、一緒にラオシャンメロンを食べていこうよ」
ナルガクルガ 「あまり近づくな、人間」
少女 「……?」
ナルガクルガ 「他の者はどう思っていようが、俺はまだ人間の存在を認めたわけではない。無害であるから、放置しているだけよ」
少女 「でも、ラオシャンメロンは今食べなきゃなくなっちゃうよ」


397 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:38:44.04 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「…………」
クック 「そういうわけだ。妙な気遣いはいらんよ。なぁ紫殿」
紫ガミザミ 「う……うむ。ザザミ一族の中でも、ナルガ殿は噂の種なのじゃ」
ナルガクルガ 「……?」
紫ガミザミ 「じじさまの圧政から、みなを解放してくれた黒くつぉい竜だって、みんな噂をしておるのじゃ」
ナルガクルガ 「…………(ドスッ)」
ナルガクルガ 「……お前は何か、勘違いをしている」
紫ガミザミ 「勘違い?」
ナルガクルガ 「俺は黒いが、強い竜ではない。それこそ、俺より強い竜などごまんといる」
ナルガクルガ 「その中でも俺が強く見えるのは、俺が独りで、それゆえに非情だからだ」
ナルガクルガ 「褒められるようなことではない」


398 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:39:04.28 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「それでも、つぉいことには間違いないのじゃろう?」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「先日も、ハンターの攻撃からとぉさまを助けてくれたらしいではないか。どんな理由であれ、つぉいのは格好いいぞな」
ナルガクルガ 「格好いい……俺がか。奇妙なことを言う餓鬼だ」
紫ガミザミ 「わらわはがきではない。英才教育を受けたスーパーカニであるぞ」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「お主、話をしてみると存外無礼じゃな。友達おらぬじゃろ?」
ナルガクルガ 「ふっ……子供に何が分かる」
紫ガミザミ 「ぬぅ、さっきから褒めてしんぜておるのに、子供扱いばかりしおってからに!」


399 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:39:22.50 ID:QqDzUTY0
クック 「三人とも、ラオシャンメロンが切れたぞ」
少女 「わーい!」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「おお、いい香りがするぞな。何じゃこれは」
少女 「樹海の奥の方に生えてるメロンらしいの。時々ナルガさんが持ってきてくれるの」
紫ガミザミ 「初めて見るぞな」
ナルガクルガ 「(ぐびり)」
紫ガミザミ 「! お主また、わらわのことを子供と思って笑ったな!」
ナルガクルガ 「……(ぐびり)」
紫ガミザミ 「むきぃぃ! 何だか腹がたつぞ!」


400 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:40:25.14 ID:QqDzUTY0
クック 「ほら、紫殿も」
紫ガミザミ 「う……うぬ。(シャリ)ほう! 火薬イチゴより甘くて冷たくてンまいぞな!」
クック 「それは良かった。まだ沢山あるから、どんどん食べるといい」
少女 「おいしいね!」
紫ガミザミ 「うぬ!」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「そういえば、ナルガ。麻薬の取り締まりは上手くいっているのか?(ぐびり)」
ナルガクルガ 「正直なところ、全ての取り締まりは難しいな」
クック 「そうか……」
ナルガクルガ 「エスピナス兄妹にも手伝わせ、森の中のマンドラゴラはほぼ全て摘み取ったが、クイーンランゴスタが非協力的だ」
クック 「だろうな……彼女達は、それを餌にしている一面もある」
クック 「今度、またキングに頼んで、クイーンと話をしてみないといけないな」


401 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:42:03.30 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「それに最近は、別エリアからの新種のヤクも確認されている」
クック 「別エリア?」
ナルガクルガ 「樹海を抜けた先にある、ラオシャンロンの統治から外れた自治区域から流れて来ているとの話だ」
クック 「あそこか……我々も滅多に寄り付かないように、提携を結んでいる、海を挟んだ場所……」
ナルガクルガ 「マンドラゴラのヤクは、ある程度息などで分かるが、あちらからのものは判断がつけがたいな。何しろ前例がない」
クック 「猫が海を渡って持ち込んだのだろうか」
ナルガクルガ 「おそらく」
クック 「しかし、彼らが海路から持ち込む品々は貴重なものも多い。それら全てを規制することもできないだろう」
クック 「考えられるとすれば、あちら側と交易を結ぶことだが……」
クック 「今の我々のまとまりでは、難しいかもしれん」
ナルガクルガ 「…………」


402 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:42:38.51 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「……新種の獣竜種らしき卵も、この前猫が持ってきたものが今、フルフルの所で保管されている」
クック 「何!? よりによって卵を持ち帰ってきたのか!?」
ナルガクルガ 「持ち帰ってきた猫は、寂れた巣の中で拾ってきたと言っていたが、本当のことかどうか……」
ナルガクルガ 「盗んできたのならば、孵る前に返してこねばならぬが、フルフルの話では、もうじき生まれるそうだ」
ナルガクルガ 「そうなれば面倒なことになる……」
ナルガクルガ 「俺が心配しているのは、ヤクよりもむしろそれよ」
ナルガクルガ 「面倒なのは一匹で充分よ(ギロリ)」
少女 「?」


403 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:43:17.63 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「いずれにせよ、一度海を渡らねばならぬかも知れぬ」
クック 「…………人間達も、里に近い場所の素材はとりつくしたからな……」
クック 「外に目を向けるかもしれない時期に、面倒なことに……」
クック 「その卵は、ラオシャンロン殿やヤマツカミ様は存在を知っているのか?」
ナルガクルガ 「まだ知らぬはずだ。興味本位で猿どもが何をするか、分かったものではない。俺が戒厳令を敷いた」
クック 「そうか……明日あたり、私もフルフルさんのところに行ってみよう。ヤマツカミ様には、少なくとも知らせねばなるまい」
ナルガクルガ 「問題は誰が親になるかということよ」
クック 「…………」
ナルガクルガ 「フルフルは高齢だ。もはや昔のような力はない」
ナルガクルガ 「本来ならば親としての条件付けを施すのは適切ではないが……」
ナルガクルガ 「やはり、テオ殿とナナ殿に任せるしかなかろう」


404 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:44:06.80 ID:QqDzUTY0
クック 「とにかく、面倒なことになる前に、もう一度猫を、卵を拾った場所に向かわせねばなるまいな」
ナルガクルガ 「卵は孵化が近いため、もはや動かすことはできんが、猫は既に向かわせた」
クック 「そうか……」
少女 「ねぇ、ナルガさん。あたらしい子が生まれるの?」
紫ガミザミ 「どんないかつい奴が生まれるのか、楽しみじゃのぅ」
少女 「きっと、すごく可愛い子だよ!」
ナルガクルガ 「ふっ……子供の発想だな……」
紫ガミザミ 「ぬぅ。何がおかしい! お主先ほどから子供子供と無礼であろう」
ナルガクルガ 「………………」
紫ガミザミ 「わらわも見てみたいぞな。ひょっとしたら、一番最初にわらわを見て、かぁさまと思うやも知れぬ!」
クック 「紫殿、それはちとまずい」
紫ガミザミ 「何故じゃ?」
クック 「今回の件に関しては、安易に条件付けはしないほうがいいだろう。いずれにせよ、フルフルさんと話をしてからだな」
紫ガミザミ 「むう、しかし興味はあるぞな。ナルガ殿、生まれる時はわらわも連れて行ってくりゃれ」
ナルガクルガ 「……俺は必要以上に揉め事には干渉せん。行きたいのならば自分の力で、独りで向かうんだな」
紫ガミザミ 「つれないのぅ。お主、ますます友達おらぬじゃろ?」
ナルガクルガ 「…………」


405 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:44:45.35 ID:QqDzUTY0
クック 「まぁまぁ。悪戯をしないというのなら、私が連れて行ってあげよう」
紫ガミザミ 「本当か!? 話が分かるぞなクック殿。ナルガ殿とは大違いじゃ!」
ナルガクルガ 「(ぐびり)」
クック 「この前、数十年前の大地震のとき、地下に埋もれてしまったフルフルさんの卵も何個か見つかったそうじゃないか」
クック 「孵る確立は物凄く低いだろうが、雪山の氷層に埋もれていたから、もしかしたら新しい子が誕生するかもしれない」
少女 「本当!?」
クック 「今、フルフルさんは卵を温めている過程で動くことができないんだ」
クック 「少女はまだ見ていないだろう? 新種の卵の確認がてら、紫殿と見に行こうか」
少女 「小さなフルフルさんが生まれるの!? わぁ、楽しみ! 行くぅ!」
紫ガミザミ 「そういえばフルフルとは誰ぞな?」
少女 「雪山に住んでる優しいおばあちゃんだよ。紫ちゃんも、すぐ好きになるよ」


406 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:45:06.16 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「(ぐびり)」
アクラ・ヴェシム 「大将、つきましたぜ……」
××××××××× 「ご苦労」
クック 「あの足音は……」
クック 「アクラ君、それにキングじゃないか!」
キングチャチャブー 「邪魔するぜ……」
チャチャブーA 「ビィッ!」
チャチャブーB 「ビィッ!」
キングチャチャブー 「お前らはここにいろ……」
アクラ・ヴェシム 「了解ですぜ……」
チャチャブーA 「ビィ!」
チャチャブーB 「ビィ!」


407 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:45:29.27 ID:QqDzUTY0
クック 「どうしたんだ、キング。わざわざこんな夜分に」
キングチャチャブー 「いや……いい魚が入ったもんでな……」
ナルガクルガ 「…………」
キングチャチャブー 「……ほらよ(ドサッ)」
クック 「これは、太公鯉ではないか! わざわざすまないな。今、ツチハチノコの上酒を開けるところなんだ。飲んでいってくれ」
キングチャチャブー 「………………(ドスッ)」
ナルガクルガ 「………………」
クック 「アクラ君には、ハチミツ酒でいいかな?」
アクラ・ヴァシム 「お構いなく……」
クック 「遠慮せずに。君達も飲んでいくといい」
チャチャブー達 「ビィィ!」


408 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:45:54.55 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「あ……あれがキング……初めて見た……」
少女 「キングチャチャブーさん、こんばんは」
キングチャチャブー 「(じろり)…………あァ…………」
紫ガミザミ 「(ひそひそ)何じゃ、こやつもコミュニケーション不全か……?」
少女 「(ひそひそ)そういう言い方をしたら失礼だよ。いい人だし、とっても偉いみたいだよ」
キングチャチャブー 「(ぐびり)」
ナルガクルガ 「(ぐびり)」
クック 「折角だから太公鯉を焼くか。少女、薪に火を起こすから手伝ってくれないか」
少女 「うん、分かったよ」
紫ガミザミ 「な……待つのじゃ少女! 独りで置いていくな!」
少女 「薪は……これでいいかな……」
紫ガミザミ 「あぁ……行ってしまった。空気が重苦しいぞな……」
キングチャチャブー 「(ぐびり)」
ナルガクルガ 「……(ぐびり)」


409 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:46:23.59 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「(しかしコレはチャンスじゃ……)」
紫ガミザミ 「(想像とは違う人じゃったが、とぉさまを助けてくれたのは事実じゃ)」
紫ガミザミ 「(……じゃが、こんなものを渡しても喜んでくれるのじゃろうか……)」
キングチャチャブー 「……ダイミョウ家の娘じゃねェか……」
紫ガミザミ 「(ビクッ)……う、うむ」
キングチャチャブー 「餓鬼が、ここで何をしている…………」
紫ガミザミ 「な……何をしているって、そんなことお主には関係がなかろう」
キングチャチャブー 「…………(ぐびり)」
紫ガミザミ 「(う……怒った……?)」
キングチャチャブー 「違ェねェ(ぐびり)」


410 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:46:57.85 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「ぬ!? 魚の焼けるいい匂いがしてきたぞな」
キングチャチャブー 「おい小僧……」
ナルガクルガ 「…………(ぐびり)」
キングチャチャブー 「てめぇのことだ……」
ナルガクルガ 「……?」
キングチャチャブー 「(ドサリ)」
ナルガクルガ 「! これは……マンドラゴラ? こんなに沢山……」
キングチャチャブー 「今朝方、ウチのモンがハチから巻き上げた……てめぇ、集めてやがるんだろう」
ナルガクルガ 「(スッ)」
キングチャチャブー 「処分しとけ……」
ナルガクルガ 「(グビリ)」


411 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:47:21.82 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「何ぞな、この赤いキノコは……」
紫ガミザミ 「うあ、変な臭い……」
ナルガクルガ 「(バッ)」
ナルガクルガ 「何してる……餓鬼」
紫ガミザミ 「な……何じゃ。ちと気になっただけではないか」
紫ガミザミ 「そんなに乱暴にせずとも良いではないか」
ナルガクルガ 「黙れ……」
紫ガミザミ 「!」
ナルガクルガ 「餓鬼が触っていいものと、悪いものがある……」
ナルガクルガ 「好奇心も大概にしろ……」
キングチャチャブー 「(ぐびり)」


412 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:47:40.09 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「(ひくっ)」
紫ガミザミ 「ふ……ふん! そんなもの、こちらからお断りじゃ!」
紫ガミザミ 「不愉快じゃ。わらわはもう帰る!」
紫ガミザミ 「(ズボボボッ)」
ナルガクルガ 「…………」
紫ガミザミ 「(ズボッ…………チャリィィン)」
少女 「みなさん、お魚焼けたよー」
少女 「あれ? 紫ちゃん?」
クック 「ん? 紫殿は帰ったのか?」
クック 「何か落ちているな……」
クック 「黒真珠の耳輪ではないか」
少女 「!」


413 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:47:58.06 ID:QqDzUTY0
少女 「それ、紫ちゃんが、ナルガさんのために作ったものなの」
ナルガクルガ 「? 俺のために?」
少女 「お父さんを助けてくれて、カッコよくて……」
少女 「それに、いつも傷だらけだから……」
少女 「お守りだって、そう言って、今日はそれをナルガさんに渡しに来たのに……」
ナルガクルガ 「…………」
クック 「子供からの贈り物だ。ほら、持っているといい」
クック 「お前が独りきりで活動していると思っても、沢山の人がお前の活躍を見ているんだぞ」
キングチャチャブー 「…………」
ナルガクルガ 「ふん……こんなもの……」


414 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:48:19.14 ID:QqDzUTY0
キングチャチャブー 「……てめぇ、女からの貢物を投げ捨てる気か……?」
ナルガクルガ 「……貴様には関係がないことだ……」
キングチャチャブー 「あァ……ねェな……」
キングチャチャブー 「だが、男にゃァ、守らなァいけんものがあるってな……」
キングチャチャブー 「どんな外道になっても、それだけぁ忘れるなと……」
キングチャチャブー 「俺ァ……先代のキングから教わったことがあるもんでな……」
ナルガクルガ 「(ぐびり)」
キングチャチャブー 「……女からの供物と、うめぇ酒はな……命の次に大事なもんだ……」
キングチャチャブー 「(ぐびり)どっちも……そう簡単には手にはいらねぇ」


415 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:49:16.44 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「ふん……(グッ)」
クック 「ナルガ、魚を食べていかないのか?」
ナルガクルガ 「興が削がれた。また、出直すことにしよう……」
キングチャチャブー 「(ぐびり)」
ナルガクルガ 「邪魔をしたな(ズン、ズン)」
少女 「またね、ナルガさん」
ナルガクルガ 「…………(ズン、ズン)」
少女 「あぁ、紫ちゃん……何か怒っちゃったのかな……」
少女 「私が目を離してる間に……」
少女 「独りでちゃんと帰れるかな……」
クック 「大丈夫だ。心配は要らないよ」
少女 「どうして?」
クック 「ほら」
少女 「あ……! キングさんが持ってきた袋と……紫ちゃんの耳輪がなくなってる!」
クック 「ナルガはああ見えて義理堅い男さ……」
クック 「ほら、キング。それにアクラ君やチャチャブーさんたちも、魚が焼けたぞ」
アクラ・ヴァシム 「や、こりゃあり難ェ」
チャチャブー達 「ビィィ!!」
キングチャチャブー 「(ぐびり)」
クック 「少女、明日あたり、一緒にフルフルさんのところに行こうか」
少女 「うん! 紫ちゃんも連れて行っていい?」
クック 「もちろんだ。さぁ、ラオシャンメロンの残りを食べてしまおう」


416 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:49:46.57 ID:QqDzUTY0
―樹海入り口―

紫ガミザミ 「(ふん、子供子供と……)」
紫ガミザミ 「(馬鹿にしくさりおって……)」
紫ガミザミ 「(もうあんな黒いの、知ったことか!)」
紫ガミザミ 「(お礼を受け取る気もないみたいだし、最初っからわらわのことなんぞ馬鹿にしておるのじゃ!)」
紫ガミザミ 「(所詮、カニと竜など、別の種族なのじゃ!!)」
紫ガミザミ 「…………」
紫ガミザミ 「(うぅ……寒くなってきた)」
紫ガミザミ 「(勝手に飛び出してきてしまったが、少女やクック殿に失礼であった……)」
紫ガミザミ 「(しかし今更戻るのも情けのぅ)」
紫ガミザミ 「(少し遠いが、歩いて帰るか…………)」
紫ガミザミ 「(トボトボ)」


417 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:50:01.95 ID:QqDzUTY0
紫ガミザミ 「! (何じゃ? 何かが木の上を飛び回っておる!)」
紫ガミザミ 「ひっ……(ビクッ)」
紫ガミザミ 「(こ……怖い……!)」
紫ガミザミ 「(もしも凶暴な奴じゃったら……)」
紫ガミザミ 「(は……はよう地面に……)」
紫ガミザミ 「(うわっ! ここは硬くて潜れぬ!!)」
紫ガミザミ 「(ど……どこかに身を隠さねば……)」
×××××× 「(シュバッ)」
紫ガミザミ 「ピィィッ!!(ビクッ)」


418 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:50:51.13 ID:QqDzUTY0
ナルガクルガ 「…………何を死んだふりなどしている。餓鬼め…………」
紫ガミザミ 「(チラッ)…………し……死んだふりなどしておらぬ!!」
紫ガミザミ 「な、何じゃ。またわらわを馬鹿にせんと、おいかけてまで来たのか!」
ナルガクルガ 「お前になど興味はない……俺の巣もこちらの方向なだけだ……」
紫ガミザミ 「!!」
紫ガミザミ 「(ぬ……! ナルガ殿の耳に、わらわが作った黒真珠のお守りが!!)」
紫ガミザミ 「(怒って出てくるときに、落としてしまったのか!)」
紫ガミザミ 「(もしかして、この方は、わらわのことを心配して……)」
ナルガクルガ 「……何をしている。それとも独りで帰るか。それもまた一興」
ナルガクルガ 「この一帯は、夜は猿の縄張りとなるがな……」
紫ガミザミ 「さ……猿!?(ビクッ)」
ナルガクルガ 「行くぞ……」
ナルガクルガ 「背中に乗れ」
紫ガミザミ 「…………」
紫ガミザミ 「う……うぬ!」


419 :三毛猫 ◆58jPV91aG. saga :2009/06/28(日) 17:52:05.27 ID:QqDzUTY0
お疲れ様でした。SSの書き溜めはここまでとなります

imgf00d20ebzik5zj


















また、続きを書きましたら投稿させていただきます
短編完結ではなく、続き物となってしまい申し訳ありません
気長にお付き合いいただけましたら幸いです


420 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします sage :2009/06/28(日) 18:07:26.74 ID:k9Z4moQo
乙です!
アクラ・ヴァシムって誰だと思ったら、そんな新モンスター出てきてたんですね。


421 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします sage :2009/06/28(日) 19:08:24.82 ID:twZKPXUo
それもまたいい・・・

どんどん続けろ




422 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします sage :2009/06/28(日) 19:17:38.61 ID:crx/P6AO
乙です!ナルガいいなぁ…戦ったことないけど。



424 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします  :2009/06/29(月) 17:27:51.02 ID:fKbn/wDO
乙!


しかし、安易にやってはいけないと思いつつもつい脳内で擬人化してしまったら

紫がとんでもなく萌キャラになり、ナルガがとんでもなく渋いイケメンになってしまったwwww/(^o^)\



425 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします sage :2009/06/29(月) 22:19:46.12 ID:JAEWhbYo
ナルガイケメンは人類の通る道\(^o^)/




リオレイア「どうしてあなたはそんななの?」へつづく
※7月9位19時30分公開

引用元
イャンクック「旧沼地で人間を拾ったんだが」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1244207583/


最近のイチオシ記事
(*゚∀゚)っ 学 校 で 起 き た 大 事 件
(*゚∀゚)っ 【エロ注意】さわってみる?
(*゚∀゚)っ 見た瞬間吹いた画像はってけ
(*゚∀゚)っ 妹「私にイヤらしいコスプレさせるなんて……この変態!」

minnanohimatubushi at 19:30コメント(3)トラックバック(0)モンハン | SSこのエントリーを含むはてなブックマーク はてなブックマーク - 紫ガミザミ「あの人にわたしたい」

コメント一覧

1. Posted by な   2009年07月08日 23:08
紫いいわぁ
2. Posted by 暇人   2009年07月08日 23:54
ナルガやっぱ、カッコイイキャラだな……

しかし三毛猫氏の絵が日に日に進化してるきが……(・ω・`)
3. Posted by 名無しの暇人   2009年07月09日 13:54
相変わらずキングがかっこいい件

コメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価:  顔   星
 
 
 

トラックバックURL


【SS宝庫】みんなの暇つぶし最新記事


【SS宝庫】みんなの暇つぶし最新コメント







注目ブログ!!
SS作者様のブログ
※RSSに登録希望のSS作者様募集中。

Powered by Ayapon RSS! オススメ アクセスアップ ライブチャット




 Special Thanks 

  いつも記事紹介
  ありがとうございます。
あにゅーる
ニューディスカバリー
こゆくておいしい
究最2nd

TOP絵ありがとうございます。 2ch全AAイラスト化計画



ドロルのSS置き場
読者HN・M様

 

ごれんらく

特徴:VIPのSS専門ブログ
管理人:ヒマッピー

twitterやってます

更新再開ktkr
みんなの((( ;゚д゚))怖い話

見逃してないかチェック
SS特集(11/15〜11/17)
SS特集(11/12〜11/14)
SS特集(11/10〜11/11)
SS特集(11/8〜11/8)
SS特集(11/5〜11/7)
SS特集(11/2〜11/4)
SS特集(10/30〜11/1)

上半期の神スレ決定!!

上半期Best Of SS

まとめ依頼はここからどうぞ

ひまっぴ〜の掲示板

↓その他詳しくは↓
当ブログについて。

マイミク募集中

ブックマークお願いします


 

SS検索にどうぞ

スレタイで検索

カテゴリーで検索

月別で検索

SS作者別で検索

 

リンク

アンテナサイト

ニュースサイト

2ちゃんねる・VIPとか

ぷん太のにゅーす
2chコピペ保存道場
V速ニュップ
ベア速
暇人\(^o^)/速報
スチーム速報 VIP
ゴールデンタイムズ速報
ささやかな楽しみ
【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)
ぶる速-VIP
働くモノニュース
アルカン速報
カナ速
キラダッシュ!速報
このごろ2ちゃんねる
やる夫ブログ
やる夫ブログ(裏)
やる夫.jp
クソスレドンキーノ
ニコニコVIP2ch
VIPワイドガイド
ムズ痒いブログ
VIPPERな俺
おじちゃん何で働かないの
AAまとめブログ(´∀`)
ほんわか2ちゃんねる
◆hyukkyyyが見る2ch◆
2tune
無題のドキュメント
たん速
めでたしめでたし
ヒロイモノ中毒
無料速報ただそく
2ちゃん生活!
世日ちゃんねる(;゚Д゚)
幸か不幸か家族計画
名前を付けて保存する。
ねとねた
噂のジョニー
ワラケルなぁ〜日記
とりのまるやき
ぐる速
茶速
おkブログ
チラシの裏は真空パック
恐怖心霊オカルトちゃんねる
てらわろすにっき
笑える2ちゃんねる
スレッヂウム!
雛見沢ゲットー
ゆめみがちサロン
こしあんプレイ!

ニュース系

動画・画像とか

いろいろ・専門とか

SS作者様のブログ

SS作者様へ
ブログをお持ちのSS作者様でリンク希望の場合はご連絡下さい。
止まり木
(オナモミの作者)
ドロルのSS置き場
(はぐれ勇者の作者)
みみかき
(転校生の作者)
クウラ完全体 星屑色のロンリネス アルティマニア
(イャンクックの作者)
源泉ブログ
(源泉徴収票)
んん… ◆Miwikigs4MのVIPネタ保管庫
(んん…)
糞虫の館
(糞虫)
Micro+
(魔王「飯うま」の作者)
つらつら綴る
(女社長.女作家の作者)
こなほてブログ
(こなほて)
不死鳥の死骸
(病弱ールの作者)
黒歴史SS置き場
(999◆AF5ar7gwOU)
ゴリラの人〜何も約束はできない〜
(ゴリラの人)

 
訪問者数
  • 累計:


フィードメーター - みんなの(=゚ω゚)人(゚ω゚=)暇つぶし

blogram投票ボタン

にほんブログ村 ネットブログ 2ちゃんねるへ

人気ブログランキングへ


ブログパーツ
 
 




























 
あわせて読みたいブログパーツ
  • livedoor Readerに登録
  • RSS
  • livedoor Blog(ブログ)