アベノミクスに反対する2人の論者の意見です。両者ともインフレーションを目指す政策は絶対に採るべきではなく、いずれ制御不能のインフレがやってくるという大きな危険を指摘しています。

私たち投資家も、いつか来るかもしれない破局に今のうちから備えておいた方が良いのかもしれません。

ロジャーズは実物資産を勧めていますが、日本人投資家からすると、円相場が混乱した際には手を出しにくくなると思います。

はたして、どんな手段が良いのでしょうか?


熱狂は失敗へ、財政ファイナンスに警鐘=与謝野元経済財政相

ロイター 2013年4月9日

「ギリシャ、ローマの時代から、国民が大熱狂する政策は大抵失敗に終わっている」と指摘。円安による政策効果については「日本経済にそんなに恩恵を与えるわけではない」との見方を示した。2%の物価目標については「2%も物価が上がれば国民は怒り、(利払い費の膨張で)財政の大赤字がどんどんどんどん増えていく」とし、取るべき手法ではないと批判した。

とりわけ、日銀による大量の国債買い入れについて、政府と日銀が「これは財政ファイナンスではない」と言っても、「財政ファイナンスであるということは明らかだ。決して健全な金融財政政策とは言えない」と指摘。「長期金利は理由もなくある日突然上がり始める。誰も打つ手がない。そういう性質のものだ」と懸念を示した。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93804820130409


ジム・ロジャーズ/Jim Rogers 日本は金融緩和をただちに止めよ

月刊VOICE 2013年3月号

- 全体的にアベノミクスには賛同できない、ということですか。

ロジャーズ そのとおりです。絶対に賛同できません。先ほど述べたように、紙幣を印刷することは誰にとっても結局はよくない政策になるからです。

- アベノミクスは、金融緩和と並んで弾力的な財政政策を標榜していますが、先進国で未曾有ともいえる借金がさらに増えるとともに、金融緩和による長期金利上昇のリスクもあります。昨年、消費増税法が国会で可決されましたが、日本の国家財政については、どのような認識でいらっしゃいますか。アベノミクスはハイパーインフレを引き起こす、という日本の識者もいますが、その現実味はあるのでしょうか。

ロジャーズ すぐにハイパーインフレになるかどうかはわかりません。今年それが起こることはないでしょう。もし起こるとしたら時間がかかります。しかし、これだけ世界中で紙幣を刷るということはこれまで記録になく、人類が初めて経験する事態です。インフレになることは間違いありません。しかもかなり深刻なものに。

http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/jimrogers6.html