泉州地魚と日本酒の夜(瑳こう/居酒屋/本町)

2009年11月09日00:36
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 乃南です。

 メンソールさんに「『瑳こう(さこう)』に行ってみたいんですけど、今日は空いてますか?」と、連絡してみました。「空いてるよ」という返事だったので、「場所は判りますか?」と、聞いてみると、「判る。泉州の地魚を使った料理と日本酒の店だよ」との返事が…。で、直後に待ち合わせ場所&時刻を書いたメールが来ました。

 本町駅で待ち合わせて、そのままメンソールさんに連れられて、南へ。ビルの奥まったところにあるので、連れてきてもらわなかったら判らなかったと思います。テーブル席といっても8人くらい座れる大テーブルを複数のグループでシェアするような感じ。
 
 「乃南は、ビールだよな。ここはモルツだし…」と生ビールをオーダー。日本酒もいろいろとあって楽しくなってしまいそう。お任せ料理が気になったので、メンソールさんと相談して、お任せ料理を一人前、お任せに含まれていないけど気になる料理を単品でオーダーするというメンソールさんのお得意のパターンを真似させてもらいました。
 
 お任せの内容は、造りの盛り合わせ、酢の物、揚げ物、煮物(うおぜ)、おにぎりのお茶漬けで、3,000円。コストパフォーマンスは高いと思います。
 
 メンソールさんがオーダーしたのが、秋の筍、焼き物の盛り合わせ、野菜の炊き合わせ。
 日本酒は20種類くらい。メンソールさんはいつも、「メニューに載せてない隠し球はないの?」と聞くので、乃南も真似してみました。すると出されたのが『遊歩』で、「燗は出来ますか?」と、聞いてみると、「出来ます」とのこと。うれしくなって、「ぬる燗でお願いします」と、言っちゃった。
 
 出されたときには、とっくりが持てないほどだったんですけど、メンソールさんは手慣れたもんで、乃南の猪口に注いでくれました。少し、温度が下がってくると旨味が増してくるのがおもしろかったです。
 
 メンソールさんは、本醸造酒と古酒をブレンドしたような日本酒を飲んでました。乃南は古酒がダメなので、飲まなかったんですけど、メンソールさんに聞いてみると、スーパー・ハイボールみたいだと言ってました。乃南にはスーパー・ハイボールが良く分からなかったんですが…。
 
 

 メンソールです。
 
 お任せの造りは、なかなか良かったです。皮目なども積極的に使ってる感じですし…。焼き物は炭火焼きと思われるんですけど、メンソール的にはちょっと「炭火焼きですよ〜」という主張が強すぎるような気がします。炭火焼きって、遠赤外線とかいろいろメリットが挙げられてるんですけど、炭焼きの臭いが残るんですよね。それなら、ガスの天火焼きの方が良いような気がするんですけど…。

 揚げ物は、衣が軽いので、サクサク行っちゃいます。乃南は良い感じだと言ってますけど、メンソール的には、全体的に味付けは濃いめに感じますね。ただ、日本酒に良く合います。ドリンクメニューに酎ハイがないことから見ても、日本酒が好きな人のための味付けになってるのではないかと思います。煮物も、メンソール的には若干濃いめの味付けに感じるんですけど、生姜を上手く使ってあって、でも生姜がとっても上手く隠れてて、魚の味を引き立ててくれてます。
 
 秋筍は天ぷらになってるんですけど、天つゆではなく塩で味わうようになってます。で、その塩がまた旨かったりします。藻塩でしょうかね。野菜の炊き合わせは、料理がなくなっちゃったけど、もう少し酒が飲みたいと言うことでオーダーしてみたんですけど、旨いです。ただ、単品で旨いと言うよりは、日本酒とのコラボレーションというか、日本酒と共に味わうことを前提にした味付けになってるんじゃないかと思います。
 
 店内はもう少し、若者向けのカジュアルな感じかと思ってたんですけど、確かにカジュアルではあるんですけど、アダルト向けでしたね。おもしろいのは、テーブル席が参列あるんですけど、それぞれに段差があって、高さが違うんですね。何を意図したのかは判らないんですけど、トイレに行くときに躓かないように注意しましょう。ちなみに、日本酒は『山中酒の店』の系統ですね。
 


(店  名) 瑳こう(さこう)
(ジャンル) 居酒屋
(所 在 地) 大阪市中央区北久宝寺町4-3-12 小原5ビル一階
(電  話) 06-6251-2357
(営業時間) 11:30-14:00、17:00-22:00
(定 休 日) 日月祝
(席  数) カウンター6席、テーブル26席
(平均予算) 4,500円くらい
(予  約) ベター

次の日の夜(すざき/居酒屋/谷四)

2009年09月30日15:33
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 乃南です。
 
 メンソールさんに、「何時頃帰るの?」と、メールしたら、「そろそろ帰る。良かったら軽く食事しない?」と、帰ってきた。堺筋本町で待ち合わせて、そのまま堺筋を南へ。メンソールさんが、優しく手を握ってくれたので、ドキドキした。
 
 メンソールさんに案内されて、急な階段を上がって、暖簾をくぐると、普通の居酒屋のような店内だった。カウンターに亀が飼われていたりして、飲食店のカウンターに亀ってどうなんかな、と思ったりした。
 
 ここは、なんと言ってもおまかせコース(2,000円)がお勧めらしい。このコースは人数分でしかオーダーできないので、メンソールさんの得意としている、コースを一人前オーダーして、コース料理に含まれていないけど食べてみたい料理を単品でオーダーするという秘技は使えないらしい。と言うことで、おまかせコース(2,000円)を二人前オーダーした。
 
 「乃南は、ビールだよな」と、メンソールさんに言われて、ちょっと照れながら頷いた。
 
 
 メンソールです。
 
 別途、突き出しがあります。コースの皿数としては四皿以上とメニューに書かれています。構成の方は、メンソールの時は、造り、焼き物、炒め物、揚げ物だったんですけど、煮物とか蒸し物とかに替わることもあるんだと思います。
 
 なんと言ってもコストパフォーマンスの良さですね。2,000円で十分満腹できます。飲兵衛となると、酒が2〜3杯と言うことになるので、3,000〜3,500円くらいになるんでしょうね。
 
 サワラって淡泊な魚ですから、塩焼きよりは照り焼き風にする方が一般的だとは思います。後は味噌焼きとか…。それが、結構しっかりと味があるように感じられるんですね。酒の肴的にチビチビとやる人間ではなく、ガッツリ食べる系にはありがたい限りです。若干塩味が不足すると感じる人は、醤油を使えばいいでしょう。
 
 太刀魚の天ぷらの方は、こんな新鮮な太刀魚を天ぷらにするのは勿体ないんじゃないかと思ったりしました。それくらいぷりぷりでした。メンソール個人的には、カレー味にしなくても良いんじゃないかと思いますが…。
 
 メンソールが行ったときは、たことオクラのバター&醤油炒めという料理が出されたんですけど、しっかりとバター味が利いていて、洋食的な味わいで楽しかったです。
 
 



(店  名) すざき
(ジャンル) 居酒屋(魚菜酒肴)
(所 在 地) 大阪市中央区東心斎橋1-4-11 大和ビル八号館207号室
(電  話) 06-6252-5139
(営業時間) 18:00-24:00(ネタがなくなり次第終了)
(定 休 日) 土曜日
(席  数) カウンター6席くらい、テーブル10席くらい
(平均予算) 4,500円くらい

無期謹慎になった夜(ダン・ル・シェル/片町)

2009年09月15日17:09
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 乃南です。
 
 えっと、夏見先輩からこっぴどくしかられちゃいました。
 
 「ちょっと、乃南。被疑者に貫手をぶち込んだでしょ。もぉ、何考えてんのよ」
 「先輩だって、被疑者に右フックぶち込んでたじゃないですか」
 「あいつは冷蔵庫に麻薬を隠し持ってたから、それを上に報告しない条件で黙らせることができるの。乃南は本能に任せてぶち込んでるでしょ」
 「だって…」
 「とにかく、無期謹慎の処分が下ったわ。免職にならなかっただけ感謝しなさい」
 「……」
 「それから、今夜は暇でしょ。6時半にここに行きなさい。いいわね」
 
 そういうと、夏見先輩は部屋を出て行ってしまった。私は、帰り支度をしながら考えた。夏見先輩が免職にならないように取りはからってくれたんだろうな…。先輩に渡された紙には、片町の「ダン・ル・シェル」と書かれていた。フレンチかぁ…。今日はこのまますぐ家に帰って、ビールでも浴びて、そのままベッドに潜り込みたい気分なんだけどな。
 
 少し遅れて店に着くと、入り口で懐かしい人が出迎えてくれた。
 
 「乃南、今度は謹慎だそうだな」って…。
 
 なんか、泣きそうになって。涙があふれそうになって。ちょっと泣いちゃった。
 
 「泣くな、乃南。まぁ、入れ」と、言って、メンソールさんが一番奥の席にエスコートしてくれた。
 
 「乃南は、最初はビールだよな」
 「はい」と、言うまもなくメンソールさんはビールをオーダーしてくれていた。
 「川掌をぶち込んだんだってな。しかも顔面に…。立掌にしとけば良かったんとちゃうの」
 
 夏見先輩は貫手って言うけど、メンソールさんは川掌っていう言い方をするんだって言うのは合同合宿の時に知ったんだったかな。

 「でも、メンソールさん。ちゃんとおでこを狙いました」
 「あたりまえだろ。川掌を使っていいのは、余程の実力差があるときだけだ。しかも、今回は乃南の方が実力は上なんだから、なおさら使っちゃダメだ」
  
 最初に出されたのは、季節野菜のフリットで、さくさくした感じでビールが進んだ。メンソールさんって怒ってるときもなんか優しさがあって、素直になれるというか安心してられるというか…。
 
 二皿目はパテ。乃南もパテは好きなんだけど、メンソールさんもパテとかリュエットとかは好きなんだって。
 
 三皿目が手長海老で、四皿目がスズキ。濃厚なパテとやっぱり濃厚なスズキの間に軽妙な手長海老を挟んだのはなかなかいける。ススキって、淡泊な魚なので、料理法でいろいろなバリエーションが楽しめるんですけど、皮目をカリッと焼き上げて、それを濃厚なソースが下から支えているようでしっかりと共存しているような感じ。どちらが主でどちらが従という感じじゃなくて、一体化してると言えばいいのかな。
 
 「ところで乃南、これからどうするんだ?」
 「無期謹慎ですから…。とりあえず自宅に帰ってから考えます」
 「そうか…」
 
 テーブル席が二つしかない小さな店。店は通りに面していて、周りはずいぶん暗くなったのが解る。
 
 「乃南。ここは、大阪城を見るベストポジションなんだ」
 
 そう言ってメンソールさんが、店の扉越しに見える大阪城を指さした。店の前、通りを挟んで遮るものはなく、ライトアップされた大阪城が飛び込んで来た。
 
 「悩んだときや辛いときは、下を見ずに、前を見るんだ。そうしないと、大事なものが目の前にあるのに見落としてしまう」
 「メンソールさん、乃南のために?」
 「そう。免職か、良くて無期謹慎だと言うことは夏見から聞いてたからな」
 「で、乃南。メンソールのパートナーをやってみる気はないか?」
 「パートナーって、ボディガードのですか?」
 「それもあるが、結婚相談所というのもやってるからな。そっちもだ」
 
 次に運ばれてきたのは、肉料理。胡椒の味がアクセントになって、タタキみたいな感じで、周辺にだけ火が通っているようで、中央もちゃんと暖かくて…。
 
 で、デザートが出されて、プティ・フィールのマカロンを食べながらメンソールさんが言った。
 
 「乃南、今日からメンソールのうちで生活しろ」
 
 しばらく、メンソールさんの言った言葉の意味が分からなかった。
 
 「あの、謹慎中なんで自宅待機しとかないといけないんですけど…」
 「大丈夫、夏見が段取りしてくれてる。それに…」
 「それに…、なんですか?」
 
 と、聞いたけど、メンソールさんは答えてくれなかった。
 
 

 メンソールです。今回は、片町にある『ダン・ル・シェル』に行ってきました。以前は本庄の方にあったんですけど、こちらに移転してきました。メンソールは、移転前の店も好きなんですけど、以前の濃厚さはそのままに、ちらりアクセントを効かせた料理は、なかなかにいい感じでした。乃南も書いてますけど、サンセットの時間を調べて、カップルで使うのがいいでしょう。もちろん、彼女は大阪城が見えるように座らせてあげてください。あとは、サンセットの時間を確認するのも忘れないようにしましょう。
 
 で、感の良い方は解ると思うんですけど、『ナガオ・ウンダバ』のあった場所です。ちょいと駅からの便が悪いのが問題ですけど、苦労して歩いて行く価値は十分にあります。
 
(店  名) ダン・ル・シェル
(ジャンル) フレンチ
(所 在 地) 大阪市都島区片町1-7-19-102
(電  話) 06-6881-5509
(営業時間) 11:30-14:30、18:00-22:00
(定 休 日) 不定休
(席  数) テーブル2脚(8席)
(カ ー ド) VISA、MASTER、AMEX
(予  算) 8,000円くらい
(備  考) 全席禁煙


※用語解説
・被疑者
 メディアなどでは容疑者と言われてるけど、被疑者が正しい言葉。容疑者はメディアの造語という説もあったようななかったような…。

突然の誘い(旬彩ばん東/都島)

2009年05月05日13:44
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 夏見から久しぶりに連絡があって、「メンソール、どうしてるの?。ちょっとつきあわない?」とメールが入った。ちょっとつきあわないというメールほど危険なものはない。夏見の場合は…。
 
 「分かった、都島で…」というと、「都島?、桜宮?」と、聞き返されたので、「都島駅」と、答える。
 
 地下鉄の都島駅から都島通りを歩いて、近畿大阪銀行の手前にある『旬彩ばん東』へ。「へぇ、良いところじゃない」と、夏見は言う。で、靴を脱いで掘りごたつ式のカウンターに座る。で、トリビー。「誰に教えてもらったの?」と、聞かれたので、「芳子ねえさん」と、答える。酒に関しての新店情報は、芳子ねえさんに勝るものはないからな。
 
 突き出しが出されて、今日のお勧めの作りはメイタガレイだと言われるので、素直にそれをオーダー。メニューを見ていた夏見が葉わさびのおひたし、メンソールが季節ものなので鳥貝の作り、コゴミをめざとく見つけた夏見が、あれを食べたいというので、こごみの天ぷら。
 
 最初のトリビーを飲み干したあとは、日本酒のオンパレード。最初は、メニューにあるものをオーダーしてたんだけど、夏見得意の「隠してある酒はないの?」攻撃に店主が負けて出してきたものが二種類。
 
 くみ上げ豆腐の蕗味噌添えを一口食べた夏見が、「これ、私のんだからね。メンソールは食べちゃだめ」と取り込んでしまった。夏見からは、いつもメンソールは飲むのが早すぎる、食べるのが早すぎると言われるが、飲むのは夏見の方が早いような気がするが…。
 
 次は、揚げ物&焼き物で、手作り餃子とフワフワ厚揚げ。フワフワ厚揚げは、くみ上げ豆腐を上げたものなので、表面はカリカリで、中はフワフワで食感がかなり楽しかったりする。焼き物の方は、新たまねぎの姿焼き。なので、新タマネギがまるのまま焼かれている。これに梅マヨネーズソースがかけられて刻みしそが添えられているんだけど、新タマネギの甘さがそのまま生かされている一品だと思う。

 その後も、メニューに載っていない亀の手をオーダーしたり、自家製のオイルサーディンをオーダーしたり、イノシシの塩胡椒焼きをオーダーしたりした。自家製オイルサーディンは、缶詰じゃないので、和風に柔らかく仕上がっている。で、古酒飲んで、とどめでヅケどんぶりを食べて〆。
 
 「メンソール、酔っちゃった。送ってくれるよね」と、夏美が言う。「はっ?」と、メンソールが答える。夏見って、いつもはフラフラになりながらでも自分で帰るのに…。「ねっ、良いでしょ」と、夏見はメンソールの腕をつかんだ。メンソールは手を挙げてタクシーを止めていた。
 
 

(店  名) 旬彩 ばん東
(ジャンル) 居酒屋(割烹系)
(所 在 地) 大阪市都島区島本通3-28-5
(電  話) 06-6923-3838
(営業時間) 17:30-23:15
(定 休 日) 月曜日
(平均予算) 5,000円くらい。食いまくり&飲みまくると10,000円くらい。
      お任せ懐石が5,250円
(カ ー ド) VISA、Master
(座  席) 掘りごたつ式カウンター8席、掘りごたつ式テーブル12席。
      個室2室(座敷8席、掘りごたつ式8席)

初恋(居酒屋/森ん家/福島)

2008年11月05日11:40
025d70ec.jpg 夏見から乃南を預かった直後くらいから、夏見と連絡が取れなくなった。たぶん、極秘の任務なんだろうと思ってた。そんな夏美から「メンソール、飲みに行こ」と、連絡が入った。だいたい夏見が飲みに行こうと誘ってくるときは、何か面倒なことを頼んでくるので、毅然とした態度で、断ろうと思ってはいた。
 
 待ち合わせ場所にやってきた夏見は、珍しく素面だった。夏見は、寝てるとき以外は飲んでるので、素面と言うことはよほどクリティカルな任務が入ってたんだろう。夏見に案内されて、裏路地にある隠れ家な店へ。「大将、熱燗ね」と、勝手にオーダーした。ま、夏見はメンソールを上回る飲み手なので、任せておいて間違いはないが…。
 
 「夏見、極秘任務とかやったんか?」
 「どうして?」
 「携帯がつながらなかったから…」
 「あっ、バッテリーが上がってたの。ごめんね」
 
 バッテリーが上がってたって、そんな言い訳があるわけないだろう。第一、携帯なしでは仕事にならんだろう…。
 
 「ところでメンソール、乃南に何したの?」
 「何って、別に…。ごく当たり前のことを教えただけやけど…」
 「ふ〜ん、そうなの…。あっ、大将、熱燗のお代わりね。で、乃南がね、えらくメンソールのことを気に入ったみたいなの」
 「へぇ、そう…」
 「呼んでいい?」
 「いいけど、呼ぶなら場所を変えよう」
 「そうなの…。あっ、その前に。大将、熱燗ね」
 
 と、いうことで、福島。2008年6月頃にグランドオープンした『森ん家』へ。、ママ、と言うよりは母もいるんだけど、美女三姉妹もいるので、ちまたではキャッツアイとか言われたりしてる。メンソールと夏見はカウンターへ。この日は年に一回だけの沖縄デーだったので、泡盛が安くなっていて、沖縄料理がメニューに加わっている。
 
 「メンソール、久しぶりね」と、長女が挨拶してくれる。
 「へぇ…、相変わらずいい店、知ってるのね…。私、残波ね。それから、豆腐ようとミミガー」と、夏見の方も相変わらず勝手にオーダーする。30分もたたないうちに残波のロックを2杯飲み干すと、「じゃ、私はこれで…。メンソール、のなみをよろしくね。それから、いつもごちそうさま。いつもありがと」と言って、帰ってしまった。をぃ、呼び出しといてメンソールが払うのか…、と思ったが、いきなりフックの逆襲を食らうのもいやなので、おとなしくしてた。
 
 そうこうするうちに、のなみがやってきてメンソールの横、ついさっきまで夏見がいた席に座った。
 
 「久しぶりやな、乃南…」
 「おひさしぶりです、メンソールさん。あの…、色々とありがとうございました」
 「まぁ、乾杯しょ」
 
 と、促すと、のなみは泡盛のロックをオーダーした。「それから、これとこれ、頼んでもいいですか?」と聞かれたので、メンソールは「いいよ」と答える。このあたり、夏見とはえらい違いだ。
 
 蓮根は、和風かと思ってオーダーしたらしいんだけど、なにげにイタリアンな味付けで、バルサミコ酢とかも使われてたりする。蓮根を輪切りにしてないところもグッド。
 
 「メンソールさんって、突然にいなくなっちゃうんだから…。連絡先も教えてもらえなかったし…」
 「夏見とは2週間の約束やったからな。それに、なんぼ夏見の紹介でも、簡単に素性を明かすわけにはいかんからな」と、メンソールが答える。「ハニーポットでないという確証もないし…」という言葉は飲み込んだが…。
 「あの…」と、いってのなみが言葉に詰まった。
 「また連絡するよ」と、メンソールが答えた。
 「ホントですか?、じゃ、連絡先を…」と、言おうとするのなみを、メンソールが遮った。
 「知ってるよ。さっき夏見が電話したときにディスプレイを盗み見たからな。ちゃんと頭に入ってる」
 
 で、メンソールはさらに焼酎のロックを2杯。のなみも2杯。「メンソールさん、ハイピッチですね。お連れの方も…」と言われたが、これだけとちゃうねん。夏見と熱燗四合も飲んでんねん。その前はワイン&チーズのセミナーやったし…。限界を超えてるような気もするし…。
 
 メンソールは、店の前でのなみと別れて帰宅。案の定、翌日はひどい二日酔いで、一日中伏せってた。
 
 
 
 
 さて、旬の素材を活かした日替わりメニューと、日本酒&焼酎がウリ。ちなみに、次女と三女を間違えると、次女は喜ぶが三女が膨れるので注意しよう。あと、三人とも熱狂的なタイガーズファンらしい。毎年11月1日は沖縄デーとなるらしい。
 

(店  名) 森ん家(もりんち)
(ジャンル) 居酒屋(旬彩料理)
(所 在 地) 大阪市福島区福島8-16-23
(電  話) 06-6451-7307
(営業時間) 17:00-23:00
(定 休 日) 日祝
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