阪堺電軌鉄道に揺られ、住吉大社のある『住吉駅』で下車。ここは下町の風情を残す古き良き街である。同時に、バーでは『六四』や『帝塚山ZOO』、ジャズバーの『ラグタイム』、フレンチの『ビストロ・ラ・パンセ』、老舗の洋食屋『Beek-Man』などのお洒落なスポットが集中する帝塚山も比較的近く、新旧が違和感なく同居する街でもある。
この店の営業時間は17:00から。メンソールとちまきが『住吉駅』に降り立ったのが16:50。駅から店まではゆっくり歩いても5分とかからない。
黙っていれば、そのまま店の前を通りすぎたかもしれないちまきの手を取り、メンソールは店へと誘導する。「えっ、ここなの?」ちまきが驚いたように尋ねる。無理もない。メンソールは洋食を食べに行こうと誘ったが、この店の外装は、一般的な洋食屋のものとは異なり、一見するとイタリアンレストランである。
メンソールが店に到着した時、看板はすでに出されており、続いて本日のお勧め料理が書かれたホワイトボードが出されるところだった。開店までにはまだ時間があったが、入口横には『Open』の札が出されていたので、入店し、入ってすぐ左手のテーブル席に着席した。
オープンキッチンというわけではないが、店に入ると真正面にキッチンがあり、シェフの様子が見て取れる。店の中央には8人掛けの楕円形の大テーブルがあり、左右にテーブル席がある。フローリングの床に対して壁と天井はオフホワイト。照明は白熱球ををうまく使っており、温かい雰囲気を作り出している。ややゆったりとした空間の使い方も、天使たちをモチーフにした装飾品も、洋食屋というよりは、やはりトラットリアといった感じである。ワインラックにはボージョレー・ヌーボーが何本か置かれていたが、下の方にはシラーとかメルローとか書かれた高そうなワインが隠してありました。ワインラックの対面に旧式のカラオケが置かれていたのには????だったが、地元住民が忘年会などで使うのだろう。
まず、グラスビールをオーダーして、この日の食事の構成について吟味を始める。コース料理(この日は\3,500-)もあったが、この店のオーダーは単品が中心。ちまきにメニューを見せたが、メンソールに任せると言われたので、テーブルに置かれていたメニューは閉じて、ホワイトボードに書かれている手書きメニューの方に視線を移した。
◎ブイヤベース・サフラン風味
クリーム&ミルクで軽い目の味に仕上がり。キャベツ、じゃがいも、ブロッコリー、ニンジン、筍、赤ピーマンなどがふんだんに入っていて、野菜スープといった感じ。魚はタラだったと思うが、普通のタラではなくて棒鱈のようだった。ちまきも同じ意見だったけど、棒鱈だともどすのも大変だし、こんなに柔らかくはならないとも言っていた。
ちまきとは付き合い始めて7年近くになるが、ちまきは単純に美味しいと言ったことがない。もちろん一口食べるなり「おいしい」と言うことはあるが、それだけにとどまらない。必ず食材自身についてや、他の食材とのバランスやコントラスト、味付けなどについても言及する。そんなちまきとの食事は楽しくてたまらない。
◎オリジナルピザ
普通のピザ。ミックスピザと言った方がいいかもしれない。エビ、イカ、ツナなどが入っていたが、チーズの量が多く、台からこぼれ落ちそう。安心できる一品だった。
◎若鳥の小悪魔風
メンソールがこの日狙っていたのがこの料理。『料理の鉄人』の解説で有名な服部幸應氏が、神田川俊郎に連れられてこの店に来たとき、この料理を気に入ったという話を聞いていたので、メンソールもぜひ食べてみたいと思っていた。
若鳥のもも肉をローストしたものに、クリームと鶏の焼き汁をベースにして、やや酸味を利かせたマスタードソースをかけたもので、もちろんソースの中では粒マスタードが踊っています。添えつけはソテーしたナスの輪切りとアスパラガス、プチトマト、赤ピーマントキピーマンの輪切り。鶏はいい肉を使っていたと思う。「小悪魔風というのはマスタード風味の味付けのことよ」とちまきが言うけど、じゃ、Devil's Eggはどうなのさ。確かにホットでスパイシーだけどマスタード風味じゃないぞ。
◎グラタンセット
グラタンセットには、パンがついて来るので、そちらが狙いだった。ペンネにエビ、マッシュルーム、ブロッコリーなどが入ってグラタンになっている。オリジナルピザと並んで無難な一品。
◎お米のサラダ
ちまきは嫌いなものは数少ないけれど、米を使った料理がたまに嫌いだったりする。ライスグラタンやライスコロッケ、リゾットなどはOKだが、イカの胴に米をつめて蒸したりするとダメらしい。そういったわけで、この皿をオーダーするのは一瞬躊躇したけれど、ちまきも興味を示したのでオーダーしてみた。
火を通した小エビとライスと、赤ピーマン、パールオニオン、ニンジン、さんど豆、セロリなどのピクルスを、その漬け汁ごと和えたものだと思います。メンソールはピクルスが大好きなので、美味しくいただきました。ちまきの方も、これは食べれたようだった。
この辺りで、すでにメンソールは満腹となっておりました。「デザートはどうする」とちまきに聞いたのですが、ちまきもかなり満腹のようで、デザートはスキップして食後のコーヒー。柔らかい味の、とっても落ち着くコーヒーだった。
店を出たのは、18:20ごろ。まだまだ宵の口だけど、ちまきの家ばちょっと遠いので、ちまきを自宅まで送って行き、そのまま泊めていただきました。
最後に特筆すべきは、安さと言うかCPの高さでしょう。『若鳥の小悪魔風』は \900-、『特性タンシチュー』が\800-、『オマールえびのサラダ』が \800-といった具合で、\1,000-を越えるメニューを探すのが難しいくらいです。
===========================(お店情報)=============================
・シェ・マリー(Chez Marie) 欧風家庭料理
・06-678-3399
・大阪市住吉区東粉浜3-12-16 ロイヤルハイツ住吉一階
・11:30-14:00、17:00-21:30
・阪堺電車『住吉駅』から北へ。徒歩1分。
・月曜定休日(月曜が祝日の場合は振り替え)
・駐車場なし
・10名以上の場合は要予約
・シェフ: 住田さん
・パスタコースは\1,500-、ランチ\780-から
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黙っていれば、そのまま店の前を通りすぎたかもしれないちまきの手を取り、メンソールは店へと誘導する。「えっ、ここなの?」ちまきが驚いたように尋ねる。無理もない。メンソールは洋食を食べに行こうと誘ったが、この店の外装は、一般的な洋食屋のものとは異なり、一見するとイタリアンレストランである。
メンソールが店に到着した時、看板はすでに出されており、続いて本日のお勧め料理が書かれたホワイトボードが出されるところだった。開店までにはまだ時間があったが、入口横には『Open』の札が出されていたので、入店し、入ってすぐ左手のテーブル席に着席した。
オープンキッチンというわけではないが、店に入ると真正面にキッチンがあり、シェフの様子が見て取れる。店の中央には8人掛けの楕円形の大テーブルがあり、左右にテーブル席がある。フローリングの床に対して壁と天井はオフホワイト。照明は白熱球ををうまく使っており、温かい雰囲気を作り出している。ややゆったりとした空間の使い方も、天使たちをモチーフにした装飾品も、洋食屋というよりは、やはりトラットリアといった感じである。ワインラックにはボージョレー・ヌーボーが何本か置かれていたが、下の方にはシラーとかメルローとか書かれた高そうなワインが隠してありました。ワインラックの対面に旧式のカラオケが置かれていたのには????だったが、地元住民が忘年会などで使うのだろう。
まず、グラスビールをオーダーして、この日の食事の構成について吟味を始める。コース料理(この日は\3,500-)もあったが、この店のオーダーは単品が中心。ちまきにメニューを見せたが、メンソールに任せると言われたので、テーブルに置かれていたメニューは閉じて、ホワイトボードに書かれている手書きメニューの方に視線を移した。
◎ブイヤベース・サフラン風味
クリーム&ミルクで軽い目の味に仕上がり。キャベツ、じゃがいも、ブロッコリー、ニンジン、筍、赤ピーマンなどがふんだんに入っていて、野菜スープといった感じ。魚はタラだったと思うが、普通のタラではなくて棒鱈のようだった。ちまきも同じ意見だったけど、棒鱈だともどすのも大変だし、こんなに柔らかくはならないとも言っていた。
ちまきとは付き合い始めて7年近くになるが、ちまきは単純に美味しいと言ったことがない。もちろん一口食べるなり「おいしい」と言うことはあるが、それだけにとどまらない。必ず食材自身についてや、他の食材とのバランスやコントラスト、味付けなどについても言及する。そんなちまきとの食事は楽しくてたまらない。
◎オリジナルピザ
普通のピザ。ミックスピザと言った方がいいかもしれない。エビ、イカ、ツナなどが入っていたが、チーズの量が多く、台からこぼれ落ちそう。安心できる一品だった。
◎若鳥の小悪魔風
メンソールがこの日狙っていたのがこの料理。『料理の鉄人』の解説で有名な服部幸應氏が、神田川俊郎に連れられてこの店に来たとき、この料理を気に入ったという話を聞いていたので、メンソールもぜひ食べてみたいと思っていた。
若鳥のもも肉をローストしたものに、クリームと鶏の焼き汁をベースにして、やや酸味を利かせたマスタードソースをかけたもので、もちろんソースの中では粒マスタードが踊っています。添えつけはソテーしたナスの輪切りとアスパラガス、プチトマト、赤ピーマントキピーマンの輪切り。鶏はいい肉を使っていたと思う。「小悪魔風というのはマスタード風味の味付けのことよ」とちまきが言うけど、じゃ、Devil's Eggはどうなのさ。確かにホットでスパイシーだけどマスタード風味じゃないぞ。
◎グラタンセット
グラタンセットには、パンがついて来るので、そちらが狙いだった。ペンネにエビ、マッシュルーム、ブロッコリーなどが入ってグラタンになっている。オリジナルピザと並んで無難な一品。
◎お米のサラダ
ちまきは嫌いなものは数少ないけれど、米を使った料理がたまに嫌いだったりする。ライスグラタンやライスコロッケ、リゾットなどはOKだが、イカの胴に米をつめて蒸したりするとダメらしい。そういったわけで、この皿をオーダーするのは一瞬躊躇したけれど、ちまきも興味を示したのでオーダーしてみた。
火を通した小エビとライスと、赤ピーマン、パールオニオン、ニンジン、さんど豆、セロリなどのピクルスを、その漬け汁ごと和えたものだと思います。メンソールはピクルスが大好きなので、美味しくいただきました。ちまきの方も、これは食べれたようだった。
この辺りで、すでにメンソールは満腹となっておりました。「デザートはどうする」とちまきに聞いたのですが、ちまきもかなり満腹のようで、デザートはスキップして食後のコーヒー。柔らかい味の、とっても落ち着くコーヒーだった。
店を出たのは、18:20ごろ。まだまだ宵の口だけど、ちまきの家ばちょっと遠いので、ちまきを自宅まで送って行き、そのまま泊めていただきました。
最後に特筆すべきは、安さと言うかCPの高さでしょう。『若鳥の小悪魔風』は \900-、『特性タンシチュー』が\800-、『オマールえびのサラダ』が \800-といった具合で、\1,000-を越えるメニューを探すのが難しいくらいです。
===========================(お店情報)=============================
・シェ・マリー(Chez Marie) 欧風家庭料理
・06-678-3399
・大阪市住吉区東粉浜3-12-16 ロイヤルハイツ住吉一階
・11:30-14:00、17:00-21:30
・阪堺電車『住吉駅』から北へ。徒歩1分。
・月曜定休日(月曜が祝日の場合は振り替え)
・駐車場なし
・10名以上の場合は要予約
・シェフ: 住田さん
・パスタコースは\1,500-、ランチ\780-から
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