ちまきとは年に四回デートする。いつのころからかそうなった。そのうちの三回のデートはランチデートであるが、12月だけはディナーである。ちまきは毎年同じ服装で現れる。赤のワンピース、真珠の二連ネックレス。黒い皮のコート。今年も同じ服装だった。
鰻谷に数々の名店があるが、『適塾』『圭七』などが入店している『ケイティーズビル』の名前は、鰻谷フリークなら一度は聞いたことがあるはずだ。今日の店はこのビルの二階にある。
この店は2階にあるがエレベーターでは行けない。階段を駆け上がる。17:00からの予約を入れている店に、到着したのは16:58。ドンピシャである。
鰻谷に数々の名店があるが、『適塾』『圭七』などが入店している『ケイティーズビル』の名前は、鰻谷フリークなら一度は聞いたことがあるはずだ。今日の店はこのビルの二階にある。
この店は2階にあるがエレベーターでは行けない。階段を駆け上がる。17:00からの予約を入れている店に、到着したのは16:58。ドンピシャである。
階段を上がりきったところが、そのままこの店の入り口となっている。木製の扉。店内に入るとやはりウッディーな内装で、右手側がオープンキッチンになっており、その前に10名くらい座れるカウンターがある。カウンターの上には、軒先の骨組みといった感じで梁を思い起こさせる木が走っている。左手側にはテーブル席があるが、やはり10席くらいだったと思う。この日は、忘年会の団体が入っていたが、メンソールが案内された入り口裏側の席は完全に隔離されているような状態だったので、さして気にならなかった。団体さんもバカ騒ぎする人たちじゃなかったし....。それよりも、こちらの席に座ったことで、シェフやギャルソンといろいろ話ができたし、面白かった。事実、この席でなければ、多分あのデザート酒は飲めなかっただろう。
メンソールとちまきはは軽くカーブを描いたカウンターに座る。ウェイティングバーとしても使える場所なんだろう。席に着くと早速シェフが挨拶に来た。「苦手な食材はありませんか」と尋ねてくれる。こまやかな心遣いだ。
シェフが下がると、続いて飲料担当のギャルソンがやってきた。メンソールは赤ワインにしようと思って、ワインリストの赤ワインのページを見ていたのだが、ちまきはシャンペンが飲みたいという。それならそうしよう。少し早いけれど、今日はクリスマスディナーなのだ。メンソールは『ブーブ・クリコ』をお願いした。
ギャルソンが下がった後、ちまきはメンソールに小声で聞いた。ここは魚料理専門の店なんでしょ。違うよ、とメンソールが答えると、だって店名が....とちまき。確かにそういった誤解を生む店名だ。だからちまきは、メンソールが赤ワインをオーダーしようとしたときに、シャンペンがのみたいと言ったのだということも判った。ありがとう。ちまきの心遣いにも感謝しよう。そして乾杯。
◎オードブル三種盛り合わせ
白人参のムースゼリー添え
味とホタテのたたき
冬野菜のテリーヌ三種ソース添え
このうちの冬野菜のテリーヌは美味しかった。ブロッコリーやシイタケなどの野菜を固めたもので、ソースはパプリカ、バジル、サフランの三種類。
昨年のディナー・デートは、福島にある『キャスロールクラブ』だった。福島は、メンソールの地元に近いのと、最近もいろいろとホットな話題を提供してくれる場所なので、注目はしている。『キャスロールクラブ』もオープンキッチンの店だったんだけれど、ちまきはキッチンの狭さに驚いていた。その日も、メンソールのグループ以外に、親族一同といった感じの20名近い団体がいたけれど、一体それだけの料理がどこから出てくるのか、あるいは、一人しかシェフはいないのに、20皿同時にどうやって調理しているのかをしきりに不思議がっていた。今回の店では、シェフは3名いたけれど、キッチンが狭いことは前回と同じ。ちまきとは、去年と同じ疑問について話し合ったけれど、答えは出なかった。
◎タラの白子のロワイヤル
一品目の冬野菜のテリーヌも美味しかったが、二品目のタラの白子のロワイヤルは思わず「旨い!!」と口に出てしまった。タラの白子を、濃厚なバターとクリームの底に沈めたような、茶碗蒸しのような感じの逸品だった。温かい白子の触感と、バター&クリームの触感が相まって、とても心地よい。そういえばタラの白子って、生で食べるにしても、なべに入れるにしても、最後にはポン酢で食べてしまう。バターで食べることはあまりない。それでもバターソテーでは味わえないふんわり感は、特筆ものだった。
◎フォアグラと大根のコンソメ煮
コンソメスープの中に、3cmくらいの厚さに輪切りにしたダイコンがそのまま入っていて、その上には、軽くソテーしたフォアグラが乗せられている。ダイコンには、コンソメスープが芯まで染み込んでいて美味しかった。それとフォアグラの脂身が素敵なコントラストとなっている。
◎オマールのグリル
これはそのままオマールのグリル。ソースはもちろん爪で作られたもの。半身の部分に味噌が残っていたので、手づかみで完全に解体させていただいた。味噌とからめて食べると、一段と味に深みと奥行きが出るような気がする。
この辺りでシャンペンがなくなったので、新たに『コート・デュ・ローヌ』をオーダーした。前にメンソール達が座っているカウンター席は、ウェイティングバーとしても使えるのではないかと書いたが、カウンターの奥にいろいろなボトルが並べられている。そのボトルを見つけたのはちまきだった。そしてメンソールに、あれは何と、聞く。ちまきはたしなむくらいしか飲まないし、メンソールに聞けば判ると思ったのだろう。ちまきが指し示すボトルは、メンソールも見たことがないものだった。ラベルには『烏龍茶 XO』と書いてあった。すかさずギャルソンを呼び、質問した。これは、バブルのころにシェフが香港に行って入手したもので、あまり美味しくないのでお勧めできないとのこと。お勧めできないようなものならば、飲んでみたくなる。食後のリキュールはこれで決まったようなものだ。
◎グレープフルーツとライムのソルベ
シャーベットというよりは、シェイブド・アイスのようなソルベだった。メンソールは、カクテルのフラッペのように、氷だけを削ったものの上に、グレープフルーツジュースとライムジュースを搾りかけたのではないかと主張したが、ちまきは異論を唱えた。多分グレープフルーツとライムを凍らせたものを、サーブする直前にかき氷器でシェイブしたものだろうと思う、というのがちまきの意見。ちまきの方が正しいと思った。
◎和牛ステーキ炭火焼き
メインは和牛ステーキの炭火焼きだった。ほんの少し。50gもなかったと思うが、久々においしいステーキを食べた気がする。焼け具合がちょっと変わっていた。表面の1mm程度は茶色く焦げているが、内部は均一にピンク色だった。通常は中心部の生の部分は赤く、周囲に行くにしたがって、徐々に薄赤色からピンク、薄茶色から茶色へと段階的に色が変わっていくはずだ。この肉は、均一にピンクだった。きっと、特別な調理方法を使ったんだろうと思う。肉の表面は多分焦がしただけだだろう。添えられていたのは、さやいんげんとクレソンだけ。ソースは、肉汁に赤ワインを加えたものだと思う。とってもシンプルな皿だったけど、肉は柔らかくとろけるようで、それでいて噛みしめるとちゃんと肉の味がする。ステーキソースは、やたらと濃厚で、肉の味を殺してしまうようなものが多いが、このソースは完全に脇役にまわり、肉の味を引き立てている。タラの白子のロワイヤルも気に入ったが、この和牛ステーキの炭火焼きも気に入った。
◎チーズ達(ウォッシュ3種、ブルー1種、白カビ2種)
チーズ6種類がプレートに乗せられて、やってきた。メンソールは日本人の嫌いな、臭っさいものを、ちまきは日本人向けのものをオーダーした。二人で食べたのは合計6種類だったが、それはこの店においてあるチーズすべてだった。メンソールはウォッシュ3種とブルー1種。それほど癖のあるものではないように思ったが、ちまきはメンソールの食べているチーズを一口食べて、これは苦手....と言った。ちまきによると動物園の臭いがするのだそうだ。意識すればそういった臭いも感じるけれど、メンソールはあまり気にならない。どうしてなんでしょうね。
◎ココナッツミルクとカシスのシャーベット
ココナッツミルクの中に、カシスのシャーベットが沈んでいました。
◎蜂蜜のシャーベット、イチゴのムース、栗のミルフィーユ
デザートが二皿続くというのは、珍しい構成ですねぇ。それぞれ美味しかったです。メンソールは栗のミルフィーユが気に入りました。それぞれを一口で食べてしまうメンソールを見て、もっと味わって食べなさいよ....とちまきが言った。
◎コーヒー
メンソールはエスプレッソがほしかったのですが、エスプレッソマシンは故障しているとのことでした。エスプレッソマシンは二台あるように思えたんだけど....。と言うことで、最後はコーヒーで締めくくりました。
◎烏龍茶のリキュール
ちまきが見つけ出した問題のボトルがこれ。まさしく烏龍茶の味がした。ギャルソンが言うほど、まずいものではなかった。逆に珍しいものが飲めて、メンソールははしゃいでおりました。
これはちまきの方が的確に表現したので、ちまきの言葉をそのまま引用すると「飲む前に鼻腔を刺激するのは烏龍茶のかおり、口に含んだときは、アルコールのモワモワした感じがあるけれど、飲み込んだ後の後口はやっぱり烏龍茶」だそうだ。
◎イチゴのブランデー
オーナーシェフの川田氏によれば、まだ日本に入ってきていない、と言うイチゴのブランデー。烏龍茶のリキュールの隣に置いてあったのが運の尽きで、メンソールに飲まれることとなった。最初はグラッパのような酢酸エチルの香があって、飲み込むとあと口にイチゴの香が残る。とってもさわやかだった。
烏龍茶のリキュールと、イチゴのブランデーを飲むところを逐一観察していたオーナーシェフの川田氏が、メンソールに飲料関係の仕事をしているのかと聞くので、ただの酒飲みだと答える。テイスティングの仕方が様になっている....という。実は、一ヶ月ほど前にも初めて行った店で、飲食関係の人間に間違われた。学生時代に、カクテルばかり専門的に飲んでいたときも、バーテンダーによく間違われたものだったが、最近はそういうこともなかったのに....。どうしたんでしょうね....とメンソール、この日二つ目の疑問。とりえあず、川田氏には、メンソールが業界人間ではないことの証明となる勤務先の名刺と、【大阪グルメクラブ】の名刺を渡しておいた。
唯一の難点は、椅子の座り心地が悪かった。椅子のお尻の部分が、大腿が当たる部分よりも低くなっているからだが、それは最初のうちだけで、食べ進うちに気にならなくなった。
この店の名前は『SAKANA座』という。ちまきが魚料理専門店と勘違いしたのは、この店名のせいなんだけど、本当は『酒菜座』と書いて『さかなざ』と読む。
全体的には、盛りつけが非常にきれいでした。それほどこってりはしておらず、食べ終わった後も胃が重たくなるということはありません。よいお店だと思います。でも、いすはなんとかしてね。
・Bistro de SAKANAZA(ビストロ・ド・酒菜座)
・06-245-5717
・大阪市中央区東心斎橋1-19-19 KATIE'S(ケイティーズ)心斎橋二階
・11:30-14:00、17:00-21:00
・火曜日定休
・オーナーシェフ: 川田一郎
・Lunch: \2,000-、\3,500-、 \5,000-
・Dinner: \5,000-、\7,000-、\10,000-
P.S.
1998/12/14に書いたレポートのリライトです。現在は、黒田シェフが引き継いでおられるはずです。
メンソールとちまきはは軽くカーブを描いたカウンターに座る。ウェイティングバーとしても使える場所なんだろう。席に着くと早速シェフが挨拶に来た。「苦手な食材はありませんか」と尋ねてくれる。こまやかな心遣いだ。
シェフが下がると、続いて飲料担当のギャルソンがやってきた。メンソールは赤ワインにしようと思って、ワインリストの赤ワインのページを見ていたのだが、ちまきはシャンペンが飲みたいという。それならそうしよう。少し早いけれど、今日はクリスマスディナーなのだ。メンソールは『ブーブ・クリコ』をお願いした。
ギャルソンが下がった後、ちまきはメンソールに小声で聞いた。ここは魚料理専門の店なんでしょ。違うよ、とメンソールが答えると、だって店名が....とちまき。確かにそういった誤解を生む店名だ。だからちまきは、メンソールが赤ワインをオーダーしようとしたときに、シャンペンがのみたいと言ったのだということも判った。ありがとう。ちまきの心遣いにも感謝しよう。そして乾杯。
◎オードブル三種盛り合わせ
白人参のムースゼリー添え
味とホタテのたたき
冬野菜のテリーヌ三種ソース添え
このうちの冬野菜のテリーヌは美味しかった。ブロッコリーやシイタケなどの野菜を固めたもので、ソースはパプリカ、バジル、サフランの三種類。
昨年のディナー・デートは、福島にある『キャスロールクラブ』だった。福島は、メンソールの地元に近いのと、最近もいろいろとホットな話題を提供してくれる場所なので、注目はしている。『キャスロールクラブ』もオープンキッチンの店だったんだけれど、ちまきはキッチンの狭さに驚いていた。その日も、メンソールのグループ以外に、親族一同といった感じの20名近い団体がいたけれど、一体それだけの料理がどこから出てくるのか、あるいは、一人しかシェフはいないのに、20皿同時にどうやって調理しているのかをしきりに不思議がっていた。今回の店では、シェフは3名いたけれど、キッチンが狭いことは前回と同じ。ちまきとは、去年と同じ疑問について話し合ったけれど、答えは出なかった。
◎タラの白子のロワイヤル
一品目の冬野菜のテリーヌも美味しかったが、二品目のタラの白子のロワイヤルは思わず「旨い!!」と口に出てしまった。タラの白子を、濃厚なバターとクリームの底に沈めたような、茶碗蒸しのような感じの逸品だった。温かい白子の触感と、バター&クリームの触感が相まって、とても心地よい。そういえばタラの白子って、生で食べるにしても、なべに入れるにしても、最後にはポン酢で食べてしまう。バターで食べることはあまりない。それでもバターソテーでは味わえないふんわり感は、特筆ものだった。
◎フォアグラと大根のコンソメ煮
コンソメスープの中に、3cmくらいの厚さに輪切りにしたダイコンがそのまま入っていて、その上には、軽くソテーしたフォアグラが乗せられている。ダイコンには、コンソメスープが芯まで染み込んでいて美味しかった。それとフォアグラの脂身が素敵なコントラストとなっている。
◎オマールのグリル
これはそのままオマールのグリル。ソースはもちろん爪で作られたもの。半身の部分に味噌が残っていたので、手づかみで完全に解体させていただいた。味噌とからめて食べると、一段と味に深みと奥行きが出るような気がする。
この辺りでシャンペンがなくなったので、新たに『コート・デュ・ローヌ』をオーダーした。前にメンソール達が座っているカウンター席は、ウェイティングバーとしても使えるのではないかと書いたが、カウンターの奥にいろいろなボトルが並べられている。そのボトルを見つけたのはちまきだった。そしてメンソールに、あれは何と、聞く。ちまきはたしなむくらいしか飲まないし、メンソールに聞けば判ると思ったのだろう。ちまきが指し示すボトルは、メンソールも見たことがないものだった。ラベルには『烏龍茶 XO』と書いてあった。すかさずギャルソンを呼び、質問した。これは、バブルのころにシェフが香港に行って入手したもので、あまり美味しくないのでお勧めできないとのこと。お勧めできないようなものならば、飲んでみたくなる。食後のリキュールはこれで決まったようなものだ。
◎グレープフルーツとライムのソルベ
シャーベットというよりは、シェイブド・アイスのようなソルベだった。メンソールは、カクテルのフラッペのように、氷だけを削ったものの上に、グレープフルーツジュースとライムジュースを搾りかけたのではないかと主張したが、ちまきは異論を唱えた。多分グレープフルーツとライムを凍らせたものを、サーブする直前にかき氷器でシェイブしたものだろうと思う、というのがちまきの意見。ちまきの方が正しいと思った。
◎和牛ステーキ炭火焼き
メインは和牛ステーキの炭火焼きだった。ほんの少し。50gもなかったと思うが、久々においしいステーキを食べた気がする。焼け具合がちょっと変わっていた。表面の1mm程度は茶色く焦げているが、内部は均一にピンク色だった。通常は中心部の生の部分は赤く、周囲に行くにしたがって、徐々に薄赤色からピンク、薄茶色から茶色へと段階的に色が変わっていくはずだ。この肉は、均一にピンクだった。きっと、特別な調理方法を使ったんだろうと思う。肉の表面は多分焦がしただけだだろう。添えられていたのは、さやいんげんとクレソンだけ。ソースは、肉汁に赤ワインを加えたものだと思う。とってもシンプルな皿だったけど、肉は柔らかくとろけるようで、それでいて噛みしめるとちゃんと肉の味がする。ステーキソースは、やたらと濃厚で、肉の味を殺してしまうようなものが多いが、このソースは完全に脇役にまわり、肉の味を引き立てている。タラの白子のロワイヤルも気に入ったが、この和牛ステーキの炭火焼きも気に入った。
◎チーズ達(ウォッシュ3種、ブルー1種、白カビ2種)
チーズ6種類がプレートに乗せられて、やってきた。メンソールは日本人の嫌いな、臭っさいものを、ちまきは日本人向けのものをオーダーした。二人で食べたのは合計6種類だったが、それはこの店においてあるチーズすべてだった。メンソールはウォッシュ3種とブルー1種。それほど癖のあるものではないように思ったが、ちまきはメンソールの食べているチーズを一口食べて、これは苦手....と言った。ちまきによると動物園の臭いがするのだそうだ。意識すればそういった臭いも感じるけれど、メンソールはあまり気にならない。どうしてなんでしょうね。
◎ココナッツミルクとカシスのシャーベット
ココナッツミルクの中に、カシスのシャーベットが沈んでいました。
◎蜂蜜のシャーベット、イチゴのムース、栗のミルフィーユ
デザートが二皿続くというのは、珍しい構成ですねぇ。それぞれ美味しかったです。メンソールは栗のミルフィーユが気に入りました。それぞれを一口で食べてしまうメンソールを見て、もっと味わって食べなさいよ....とちまきが言った。
◎コーヒー
メンソールはエスプレッソがほしかったのですが、エスプレッソマシンは故障しているとのことでした。エスプレッソマシンは二台あるように思えたんだけど....。と言うことで、最後はコーヒーで締めくくりました。
◎烏龍茶のリキュール
ちまきが見つけ出した問題のボトルがこれ。まさしく烏龍茶の味がした。ギャルソンが言うほど、まずいものではなかった。逆に珍しいものが飲めて、メンソールははしゃいでおりました。
これはちまきの方が的確に表現したので、ちまきの言葉をそのまま引用すると「飲む前に鼻腔を刺激するのは烏龍茶のかおり、口に含んだときは、アルコールのモワモワした感じがあるけれど、飲み込んだ後の後口はやっぱり烏龍茶」だそうだ。
◎イチゴのブランデー
オーナーシェフの川田氏によれば、まだ日本に入ってきていない、と言うイチゴのブランデー。烏龍茶のリキュールの隣に置いてあったのが運の尽きで、メンソールに飲まれることとなった。最初はグラッパのような酢酸エチルの香があって、飲み込むとあと口にイチゴの香が残る。とってもさわやかだった。
烏龍茶のリキュールと、イチゴのブランデーを飲むところを逐一観察していたオーナーシェフの川田氏が、メンソールに飲料関係の仕事をしているのかと聞くので、ただの酒飲みだと答える。テイスティングの仕方が様になっている....という。実は、一ヶ月ほど前にも初めて行った店で、飲食関係の人間に間違われた。学生時代に、カクテルばかり専門的に飲んでいたときも、バーテンダーによく間違われたものだったが、最近はそういうこともなかったのに....。どうしたんでしょうね....とメンソール、この日二つ目の疑問。とりえあず、川田氏には、メンソールが業界人間ではないことの証明となる勤務先の名刺と、【大阪グルメクラブ】の名刺を渡しておいた。
唯一の難点は、椅子の座り心地が悪かった。椅子のお尻の部分が、大腿が当たる部分よりも低くなっているからだが、それは最初のうちだけで、食べ進うちに気にならなくなった。
この店の名前は『SAKANA座』という。ちまきが魚料理専門店と勘違いしたのは、この店名のせいなんだけど、本当は『酒菜座』と書いて『さかなざ』と読む。
全体的には、盛りつけが非常にきれいでした。それほどこってりはしておらず、食べ終わった後も胃が重たくなるということはありません。よいお店だと思います。でも、いすはなんとかしてね。
・Bistro de SAKANAZA(ビストロ・ド・酒菜座)
・06-245-5717
・大阪市中央区東心斎橋1-19-19 KATIE'S(ケイティーズ)心斎橋二階
・11:30-14:00、17:00-21:00
・火曜日定休
・オーナーシェフ: 川田一郎
・Lunch: \2,000-、\3,500-、 \5,000-
・Dinner: \5,000-、\7,000-、\10,000-
P.S.
1998/12/14に書いたレポートのリライトです。現在は、黒田シェフが引き継いでおられるはずです。