2005年11月

慣れない土地でオーガニック(Scabiosa/カフェ/京都東山区)

2005年11月27日22:19
fa1282a5.jpg 「メンソール、もうあかん、腹へったわ…」と圭織が言う。なんか北海道生まれの圭織もここのところ大阪弁が流暢になってきたような気がする。「じゃ、ここ行っとく?」とメンソールが指さしたのは、オーガニックなカフェ&レストランの『スカビオサ(Scabiosa)』という店。メンソールも初めて通る街角の初めて見るカフェ&レストランだったんだけど、見ただけで旨い料理を出してくれる店という直感めいたものがあった。テーブルの配置がちょっと窮屈な感じがしないではないが、それは仕方ないか…。接客慣れしていないような若い娘が持ってきてくれたのはドリンクメニュー。フードメニューは壁の黒板に書かれている。

 入ってすぐに、無農薬の食材、玄米や自家製のハーブを使った料理を出してくれる店だとわかった。調味料やドリンクまですべてオーガニックのもの。ドイツのオーガニックビールが置かれていたり、日本酒も純米酒しかなかったりする。当然のことのようにワインはビオ。マクロビオティックな店ではないので肉料理はある。この日は豚肉料理と鶏肉料理があった。とはいうものの、鶏肉料理は照り焼き風とクリーム煮込み風、豚肉の方はサラダ仕立てとクリーム煮込み風だと言うことがメニューから見て取れる。それほど凝った料理法を駆使するわけではないだろうけど、素材の旨みを生かした料理なんだろうなと思わせてくれる。

 メンソールがオーダーしたのは、ベルギービールのシメイ、圭織はオーガニックビールだった。乾杯して…、といいたいが、圭織はビールの泡をかなり真剣に作る。メンソールも一人で飲みに行く時は真剣にビールの泡を作ったりするが圭織はデートの時でもメンソールの存在を忘れてしまったかのように真剣にビールの泡を作る。フードの方は、地鶏のクリーム煮込みと豚のサラダ風、それから玄米ご飯とみそ汁。

 オーガニックなレストランで出てくるサラダって、ドレッシングがノンオイルの場合が多い。確かに、ドレッシングにオイルを使うとカロリーが高くなるし、オイルで野菜の味がわかりにくくなると言うのはあると思う。でも、メンソール的にはドレッシングにはオイル使って欲しいと思ってたりする。なので、この店でだ使われていたドレッシングにオイルが使われていたのに気づいた時、ちょっとびっくりしたりした。酸味が強いドレッシングだったけど、爽やかな酸味で、かぼすとかの絞り汁を使ってるんじゃないかと思う。豚バラ肉の方は、噛むと脂と肉汁がしみ出してくると言った感じで、旨い。歯応えも十分ある。

 鶏のクリーム煮込みの方は、キノコ&クリームソースといった感じ。このクリームソースがまた濃厚で、パンがあれば残さずすくい取ってしまいたいくらい。鶏肉の方も旨みばっちり。厳選されたいい素材を使えば、手の込んだ料理法を駆使しなくてもこんなに旨くてこんなに感激できる料理が出来るということの見本のような味。

 玄米ご飯もいい感じ。最近の圧力釜で炊く玄米は、芯が残りにくい代わりにべちゃべちゃした感じで好きじゃない。逆に若干芯があった方がメンソールの好み。この店の玄米ご飯はそんな感じだった。唯一、みそ汁だけが減塩味噌か…、と思うくらいの薄味のもの。みそ汁の具はもちろん豆腐。

 みそ汁を除けば、本当に旨い料理だった。酒も旨かったし…。こんなところにこんな店が…、というのも驚きだったけど、メンソールの『この店は旨いはず』という感もかなり磨かれてきたような…。



(店  名) Scabiosa
(ジャンル) オーガニックカフェ&レストラン
(所 在 地) 京都市東山区東大路通り松原上がる玉水町76
(電  話) 075-551-7077
(営業時間) 11:30-20:00、ランチは16:00まで
(定 休 日) 第一月曜




豆腐でほっこり(八角庵/梅田)

2005年11月27日11:34
a7edf5cc.jpg 豆腐料理の店なんだけど、意外にもその経営母体は、『パパミラノ』というイタリア料理店も経営してたりする。メンソールも、店の前に掲げられている『豆腐百珍』という文字に引き込まれそうになりつつも、なぜか行くことがなかった店。ちなみに『豆腐百珍』というのは、江戸時代に書かれた豆腐料理のレシピ本で、尋常品、通品、佳品、気品、妙品、絶品に分類されたレシピが載せられている。『続豆腐百珍』なるものもあるらしい。

 それはさておき、圭織からメールが入って、豆腐料理を食べに行こうと言うことになった。

「ね、メンソール。豆腐って何色か知ってる?」
「しってるよ。豆腐色じゃん」
「へぇ、さすがだね」
「豆腐だから白色とかいうと思たんか?」

 豆腐というのは、豆乳ににがりを入れて作る。にがりというのは、塩化マグネシウムで、もともとは海水から塩を作る時の副産物のようなものだったと思う。現在の豆腐は、にがりではなくてデルタノグルコラクトンを使って作る。にがりを使う場合の五倍以上の豆腐が出来上がるんだけど、要はにがりでは固めることの出来なかった成分が固まってるということで、当然味は薄くなるし、色も薄く白色に近くなる。にがりを使って作った豆腐は、白色じゃなくて豆乳に近い色をしてる。大豆が原料なんだから当たり前なんだけど。

「そんな難しいことはいいのよ。美味しければ…。それに、この店は、コース料理を頼むとおぼろ豆腐のお代わりが出来るの。二人で行っても、コースを一人前だけ注文して、残りの一人はおぼろ豆腐食べれば安く上がるのよ」と圭織が言った。「梅の花もいいんだけどね、ちょっと高いし」だそうだ。

 さて、オーダーしたのは京ゆば膳。京とうふ藤野の豆乳、季節豆腐、京のおばんざい二種、生湯葉のお作り、生湯葉と飛竜頭の小鍋、湯葉豆腐の揚げ出し、生麩の田楽、ご飯、京漬け物、豆腐のみそ汁、京菓子という豆腐づくしのコース。まず最初におぼろ豆腐がテーブルに置かれる。これを一口。これが旨い。おぼろ豆腐というと、冷たいものが多いが、ここのはほんのりと暖かく、しっかりと豆腐の味がする。メンソールは一気食いしてしまい、直ちにお代わりをお願いした。そしてもう一度お代わり。「メンソール、食べるの早すぎ」って圭織があきれてた。

 「小鍋にこのおぼろ豆腐入れると旨いんだよ」と圭織に教えられてやってみる。うん、確かに旨い。旨いのはいいんだけど、おぼろ豆腐食べすぎてしまって、かなり苦しかった…。


(店  名) 八角庵
(ジャンル) 豆腐料理
(所 在 地) 大阪市北区梅田3-1-1 アクティ大阪16階
(電  話) 06-6347-1020
(営業時間) 11:00-22:00
(定 休 日) 無休


P.S.
 心斎橋店、天満橋店もあります。

突発フォアグラデート(弥や/十三)

2005年11月08日20:40
579f116f.jpg  「フォアグラのコースが1,980円で食べれる」という情報が飛び込んできたので、速攻で圭織にメールした。「フォアグラ?。好きだよ」との返事が返ってきた。「そうか、メンソールは圭織の方が好きだけどな」とか返信してみたりした。(o^^o)。

 圭織とは駅前で待ち合わせて十三バイパスの高架下にある『弥や』に向かう。安酒が飲めるといった感じの居酒屋的な店構え。二階もあって12名くらいまで収容できるらしい。カウンター席もあるけど、テーブル席がメイン。テーブル席と言っても樽で出来ていて四人座るのがやっと。なのでキャパシティーとしては10名くらいかな。

 圭織は生ビール。メンソールはひっそりと隠れるように書かれていたアルザスのビール。ラベルをみるとビールではなくて発泡酒らしい。フランスにも発泡酒があるのか。裏の日本語ラベルに書かれていたんで、販売する時の酒税対策なのかも。発泡酒なので、それほど麦の香りや甘み、旨みは感じられないけど、ホップがしっかり利いていて苦みも強い目。ビールと発泡酒はどう違うのかと香りが聞くので、原料として使われる麦芽の重量が…、とか説明しながらけっこうハイペースで飲み干しちゃった。

 そうこうしてるうちに出てきたのが、フォアグラコースの一品目の野菜サラダ。水菜を旨く使ったグリーンサラダで、ドレッシングが結構しっかり目だったので、メンソール的には嬉しかった。別にダイエットを目指しているわけではないけれど、ノンオイルのドレッシングなんかも美味しかったりはする。でも、このあとにフォアグラが控えていることを考えると、多少オイリーなドレッシングでも、香りの強い酸味の強いドレッシングでもいいかも。メンソールは自分のビールを飲み干していたので、圭織がオーダーした生ビールを奪い取って飲む。これがほとんどソーダ水を飲んでるんじゃないかと思うくらい味も香りも感じられないビールだった。発泡酒に味で負けるビールがあるとは情けないような気がする。銘柄は言わなくても大体わかると思うので明記しないけどね。

 さて、コースの二品目はコーンスープ。カップスープだけど、ちゃんとクルトンが浮かべてある。そろそろ寒くなってきたから、温かいスープは嬉しい。何より、スープの温かさが胃を刺激しつつ整えてくれるので、胃液の分泌が良くなるし、次の皿、つまりフォアグラに対する期待感も高まると言うものだ。香りは、「フォアグラには甘口の白ワインが合うんだよね」とか言いながら、シェフと相談しながらグラスの白ワインをオーダーしてた。メンソールは辛口の赤ワイン。

 メンソールは事前に、野菜サラダとスープ、パスタ、フォアグラのコースだよと教えてもらってたんだけど、1,980円という値段からパスタのことがすっかりと頭から抜け落ちてた。で、出てきたのは三品目のパスタ。アサリのトマト&クリームソース。「アサリのパスタはやっぱりトマト系ソースだよね」と香りが言う。メンソールも実は、トマト系ソースのパスタが好きだったりする。メンソール的好みで行くと、もう少しトマトの酸味を効かせて欲しかった気はするが、アサリもたっぷり入ってるし、ワインも進むしいい感じ。

 さて、ようやくフォアグラのソテーキノコソース添えの登場。メンソールはちょっと満腹気味だったけど、フォアグラのサイズは小さめのハンバーグといった感じ。ここまでの料理は箸を使って食べてたんだけど、圭織がなんかフォーク&ナイフが欲しそうだった。「箸で割ったら肉汁が流れちゃうでしょ。丸ごとかじれってことかな?」なんていいながら、丸ごとかじってた。うん、圭織って可愛い。高級な料理店で食べる。表面はこんがり、内側はしっとり的な味わいは確かにある。キノコソースの方が謎な味だった。かといって既製品ではないと思う。ちなみにこのフォアグラソテーのキノコソース添え、単品なら 1,000円というお値段。

 メンソールは、このコース以外にタイ激辛グリーンカレーのピザをオーダーしておいた。ピザにはやっぱりビールだなと言いつつ、再びフランス産発泡酒に香り&味で負けてるビールをオーダー。ピザの生地は薄くパリパリで、グリーンカレーが乗せられている。メンソールにしてみると、それほど辛くなくて、ほんのりとした甘みも感じられる。圭織には辛かったらしいが…。

 あと、メニューに載ってる焼酎のうち、飲んだことのない焼酎をオーダーして、シェフと色々話をした。携帯としては、流行のバールのような感じを狙っているのかもしれない。なので、自分の好きな料理を単品でオーダーして、ワインもボトルでオーダーするのがいいかも。ボトルでも3,000円くらいからあるし…。

 メンソール的に気になったのはブイヤベースで、フォアグラに継いで二番目に高い800円。正しくはブイヤベース風鍋らしい。追加料金で雑炊も出来るらしい。あと、メンソールがオーダーしたフォアグラのコース(1,980円)は11月末までの限定ニューで、ホットペッパーの割引券を持って行くと、特にオーダーしなくてもフォアグラコースが始まる。でもメンソールとしては、フォアグラ食べたいなら単品でオーダーするとして、その他の料理も単品でオーダーした方がいいような気がする。あるいは、前菜、パスタ、メインみたいに、自分でコース組んでみるのもいいと思う。それでも限定フォアグラコースが食べてみたいという人は、http://www.hotpepper.jp/s/H000019171/map.htmlのクーポンをプリントアウトして、ダッシュすべし。テーブルが二つしかないので、基本的には二組しか入れない。予約はした方がいいと思う。予約する客は少ないらしく、メンソールが予約を入れた時には、びっくりしたような声で対応してくれたが…。



(店  名) 弥や
(ジャンル) イタリアン?
(所 在 地) 大阪市淀川区十三本町1-22-24
(電  話) 06-6886-0615
(営業時間) 12:00-14:00、18:00-26:00
(定 休 日) 日曜日
(店  主) 野田幸則

強要デート(ラ・セヴィジャーナ/西大橋)

2005年11月01日21:08
fbd70b1f.jpg "Sevillana"なので『セヴィラーナ』と発音するのかと思いきや、『セヴィジャーナ』と発音するらしい。なんともスペイン語は難しい。スペイン本国と南米とでは発音も違うらしいし…。

 さて、日本人にとっては『セヴィジャーナ』といわれるよりは『セヴィリア』と言われた方がわかるかも…。そう、『セヴィリアの理髪師』ね。何?。知らん?。ロッシーニの書いたオペラやで…。メンソールも聞いたことはないような気がするが…。

 それはさておき、セヴィリアというのはスペインの南西部に位置するアンダルシア州にある都市の名前。店のオーナーであるマール・デルカスティーヨさんによれば、スペイン料理の中でも、風味付けにシェリーをたっぷり使うらしい。スペインと言えば、ムール貝の酒蒸しが真っ先に思い出されるけど、この店ではムール貝のシェリー蒸しを出してくれたりする。定期的にではないけれど、フラメンコのライブショーもあったりする。

 ひょんなきっかけでオーナーのマールさんと再会したメンソールは、最近、シェリー飲んでないなぁ…。サングリア飲みたいなぁ…。そんなことを考えていたりした。そんなときに、なぜか偶然に可奈に会った。開口一番、「あのさ、メンソール。可奈の友人の真奈の誕生日の時は、プレゼントあげたよね。どうして可奈にはないのさ」と言われてしまった。「真奈の時は、誕生日パーティの案内が来たし、手ぶらで参加するわけにもいかんからやないか」とメンソール。「可奈の時も、ちゃんとパーティの案内しましたよ〜だ。でもメンソール、来てくれなかったじゃない」と、可奈が続ける。あれ、そうだっけ?…、とメンソールは考え込むが、可奈は意に介していないようで、「ねぇねぇ、何くれるの?」と甘えたようにすり寄ってくる。「よっしゃ、メンソールの熱き抱擁をプレゼントしよう。今週末にホテル予約しといてええかな?」と言うと、「メンソールのバカ」と言って、可奈は人混みに紛れてしまった。あら〜。怒らせちゃった…。

 その直後に、メンソールは可奈に「シェリー飲みに行かへん?」と、メールした。で、可奈と共に『ラ・セヴィジャーナ』へ。「メンソールって、誘い方もダンディなのね。シェリーだなんて」と言われてしまった。テーブルへつくなりメンソールはサングリアをオーダーし、ハモン・セラーノをオーダーする。タパス系を多品種行くか、メイン系で一気に勝負をつけるか迷ったけど、あまり考えずにぼちぼち行くことに…。で、ぼちぼち行き過ぎて、何をオーダーしたか忘れちゃった。ピンチョス系と、豚のローストは食べたような…。あと定番のポテトサラダ…。

 ここへ来たからにはシェリーを制覇しなくては…、とは思ったけど、あまり種類はないのね。各カテゴリー一種類ずつくらい。サングリアを飲み終わったメンソールは、マンサニーニャから初めてフィノ、アモンティリャード、オロロソと四種類のシェリーを飲んじゃった。で、思ったんだけど、取りそろえられているシェリーは、とても軽やかなものばかりだった。ドスンと重たい味が好きなメンソールは、ペドロ・ヒメネスと叫びたくなったけど自重した。ペドロ・ヒメネスというのは、ペドロ・ヒメネス種のブドウを天日干しして干しブドウ状態になったものを原料として使うので、甘くて濃厚な味に仕上がるのだ。「あのさ、可奈。男が甘口のシェリーをオーダーして、それを女性が飲んだら、今夜はOKの合図なんだけど知ってた?」とか言ってみる。「知らないよ」と、可奈は素っ気な
い。「それよりさ、メンソール。メンソールお勧めの、もう一軒のスペイン料理の店、行ってみたいな。連れてってくれる?」と可奈が聞く。「ええけど…」とメンソールが答える。「あのさ、真奈も誘っていい?」という声が聞こえて、「へっ、これはなんかおかしいのでは」と気づくメンソールであった。

「メンソールとツーショットデートはイヤやてか?」
「うん、可奈はもっと若い男と付き合いたいの」
「(。ヘ°)ハニャ」

 メンソールは脱力率120%である。えーい、やけ酒じゃ…、と言うことでオーダーしたのが、ドングリのリキュール。メンソールは初めて見かけたので、「あれはドングリの酒か?」と確認したりした。この店では、日本語があまり通じないので、日本語が達者なスタッフをつかまえるのに一苦労する。で、「ベジョータですから、ドングリです」とのお答。「ベジョータだからドングリだ」というのは、メンソールにはわかるけど他の人だったらわかる人は少ないのでは?。ちなみに、スペイン産生ハムとしてはハモン・セラーのが有名だけど、ちょいと高級品としては、ハモン・イベリコと言うのがある。最近では、イタリアンの店なんかでもイベリコ豚のローストとか行ったメニューがあるから、目にしたことはあると思う。で、餌としてドングリを食べさせたものをベジョータと呼ぶらしい。放牧ならぬ放豚なので、ドングリのみを食べているかどうかはわからないらしいが…。

 ちなみにこのドングリリキュールは、スパイシーなアーモンドといった感じの強烈な芳香を放っていた。味はそれほどではなかったが…。香りを楽しむリキュールなんだろうな…。



(店  名) ラ・セヴィジャーナ(La Sevillana)
(ジャンル) スパニッシュ
(所 在 地) 大阪西区北堀江1-22-26 カーサ北堀江一階
(電  話) 06-6532-5768
(営業時間) 18:00-23:00(平日)、18:00-24:00(金土)
(定 休 日) 日曜日
(ウ ェ ブ) http://sevillana.hp.infoseek.co.jp/
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