2006年06月

悪だくみ(鮪/立飲系居酒屋中津/)

2006年06月18日00:37
62a2672d.jpg 中津といえば、今一番注目のスポットだろうな。『大阪はなび』はなかなかキュートだし、世界各国のビールが置かれている『Beer Bar Bliss』もラブリーな存在だったりする。その中で一番の注目といえば、やはり『Yoshimoto』と言うことになるんだろうと思うけど、もう一軒セクシーなスポットがあったりする。場所は『Yoshimoto』の向かいという絶妙のロケーション。店名も『鮪』と、至ってシンプル。

 店は基本的には立ち飲みになってる。椅子が欲しい場合には折りたたみ式の椅子があったりもするし、ビール箱を重ね合わせたような感じの椅子が置かれていたりもする。メンソールと裕子は、二人用のテーブルで向かい合って立ち、ビールをオーダーした。この店の名物は店名にもなっている鮪。赤身から中トロ、大トロ、脳天などの各種の肉がある。鮪以外にも何種類かのアテが用意されている。
 
 この日、メンソールが陣取っていたテーブルを挟んで裕子が立っていた。

「あのさ、メンソール。ちょっと頼みがあるんやけど…」
「ををっ、なんや。ところでこの鮪の赤身やけど、ええ感じやな」
「そやねん、こっちの中トロもええ感じやで…。いや、それでやな、メンソール。師匠を紹介して欲しいんやけど…」
「そんなこと言わんと、ビール頼んどけ。師匠って、メンソールは二年くらい前に破門されてるで…。うん、この脳天肉も旨いし…」
「そっちの師匠やのうてな。ほら、あの妙齢の美女の方やがな」
「あの師匠とは師弟関係はないで…。というか、師弟関係にないから師匠とちゃうで…。この小鯛笹漬けも旨そうやからオーダーしとこ。裕子もビールオーダーしとけや」
「すいませ〜ん。ビールお代わり。でやな、頼まれてくれへんやろか?」
「ええで…。うぉぉ、この小鯛笹漬け、めっちゃセクシーやで。ビール飲んでる場合とちゃうわ。兼八のちょい水、氷なしでおくれ」
「ほんまや、ヒットやな。向かいの店に一回行くより、こっちの店五回の方がええかもな…」
「裕子も焼酎飲んどけや。で、今日は泊まりにしょ」
「あかんわ、何ふざけてんの」
「10年くらい早いんか?」
「いや、10年もいらんけど…」

と、悪だくみの夜は更けていくのであった。





(店  名) 鮪
(ジャンル) 立飲居酒屋
(所 在 地) 大阪市北区中津1-2-15 桜井ビル一階
(電  話) 090-6356-9829
(営業時間) ?
(定 休 日) ?

そんな女って?(利き酒屋/日本橋)

2006年06月04日16:36
画像)腐乳セット

「メンソール、最近誘うてくれへんな」
「月末で忙しいからな」
「そんなこと言わんと。なっ、ちょっと飲みに行こ」

 ということで、日本橋で待ち合わせして『利き酒屋』へ。漢字が出ないんだけど正しくは口偏がつく。それほど有名な店ではないらしいんですけど、地酒の取りそろえは約85種類くらい。しかも、100mlと150mlの二種類の量で供してくれるので、少量ずつ多品種を飲んでみたいという場合には有利。ワインリストには、百貨店で売られている価格が書かれていて、店での販売価格を見てその安さにびっくりしたりする。たまに百貨店価格よりも安いワインがあったりするし…。あと、焼酎も色々と取りそろえられてる。

 カウンター席とテーブル席、両方空いてたんだけど、メンソールはカウンターが好きなのと、テーブル席では隣のテーブルの客がタバコを吸ってたので、カウンター席に陣取った。まずビールで喉を潤してから、日本酒リストを見ると、なんと而今があるじゃん。それは後半のお楽しみとして残しておくとして、メンソールが頼んだのは松山三井という米を使い高知酵母を使ったもの。松山三井と高知酵母に意識が行ってしまったので、肝心の酒の名前は覚えてない。アテの方は、薫製三種(サーモン、鴨、タコ)盛り、馬肉造り、マグロの目の下肉タタキ風などを一気にオーダー。ここのメニューは、フードメニューも日本酒メニューも読んでて飽きない。色々考えながらこの日の食事の構成とか、日本酒を飲む順番とかを逡巡するのがものすごく楽しかったりする。メンソールは日本酒メニューしか見てないんだけど、ワインメニューも焼酎メニューもそれなりに面白いと思う。でも基本的にワインとなるとボトル買いになるので、ある程度の人数で言った方が使いやすいとは思う。

 薫製三種盛りは、たぶん自家製だと思う。控え目の薫香が日本酒の香りを邪魔しない。かといって、もの足らないわけではない。馬肉は、久々にしっかり味のある馬肉を食べた気がする。もちろんコウネもついてくる。マグロ目の下肉も醤油系の味付けでセクシー。なので、日本酒とアテのマリアージュとか相性とかの考えは吹っ飛んでしまって、料理だけを一気に食べてしまった。

 メンソールの二杯目は、梵ときしらず(福井)で、しかも12BY。BYはBrewerly Yearの略ね。米は五百万石。最初の酒は高知県の酒だったけど、二杯目は福井県。よく判らんのだけど、メンソールは福井県の酒と相性が良いらしいので、迷ったら福井県というセレクトになってしまう場合がある。あっさりなんだけどコクがあるといった感じの味。

 メンソールは、フードメニューを指さしながら裕子に「これやけどな、オーダーしたら他の客に迷惑かかるんちゃうやろか?」と、聞いてみる。「うちも気になっとってん。せやけどオーダーせんわけには行かんやろ」ということだったので、躊躇なくオーダー。オーダーしたのは三種ピザと腐乳三種盛り。三種ピザの方は、バゲットと言うよりはパリジャンのような太いフランスパンを薄切りにしたものの上に、具を変えてピザを三種類。具は、ワサビ、腐乳。もう一つは忘れた。腐乳の方は、ノーマル腐乳と紅色の腐乳、もう一つは豆腐の上にもろみ味噌を乗せたような感じのもの。どちらもそれほど臭くはなかったけど…。

 メンソールの三杯目が山吹極(山形)、生もと純米で15BY。米が山酒4号。度数は19.2。酵母がka。ちょっと変わった米を使った日本酒が多いなぁ。最後の一杯が寛文の雫。

 店から出て駅に向かう路地を歩きながら、メンソールはそっと裕子の手を握った。「ちょっとメンソール、何すんの?。うちはそんな女やないで」と言って裕子がメンソールの手を振り払った。「何言うてんねん。もう三ヶ月も付き合うてるやないか」とメンソールが言うと、「あかん、一年くらい付き合わんと手は握らせへんねん」と裕子が言い。自転車に乗って帰って行ってしまった。「をーい、京都まで自転車で帰るのは無謀とちゃうんか…」と叫ぶメンソールの声は、寂しく裕子の後ろ姿に吸い込まれていった。



(店  名) 利き酒屋
(ジャンル) 居酒屋
(所 在 地) [口利]き酒屋 [口利]で一文字です。
(電  話) 06-6212-1439
(営業時間) 17:30-23:30
(定 休 日) 月曜日
(ウ ェ ブ) http://r.gnavi.co.jp/k220400/

利き酒屋
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