2007年09月

はしたなくないよ(太田川/割烹/北新地)

2007年09月19日23:03
ae40e022.jpg 「私をふしだらな女にさせないで…」と、美華が言った。「判った。メンソールが誘う」と、美華を誘い出した。余談だけど、美華は「みか」じゃなくて「めいふぁ」ね。

 2006年11月のグランド・オープンで、それほど気張らずに使えるんじゃないかと思ってた割烹。大将は、『石和川』の出身。コース料理が8品6,000円なんで、コースで攻めるのも面白いかと思ったんだけど、一品で行ってみた。美華が小食だからと繰り返し言ってたからでもあるんだけど、二人で行ってコース一人前という秘技は使わなかった。これは、結構使えるんだよ。いろんなものを食べたい時には…。

 突き出しは、クリームチーズを使ったもので、中にはクルミが仕込んであって、歯ごたえのコントラストが楽しめる。

 造りに新サンマ、しっかりと脂がのっていて旨い。薬味は山葵と生姜。味が交ざらないように、醤油皿も二つ出してくれる。次が皮付きの黒豚角煮。大将は、沖縄出身なので、黒豚角煮はぜひ食べて見るべしと言われてたので…脂がしっかりとのってて旨い。角煮は、皮と脂身と肉の三層が味わえると幸せなんだな。脂はかなりきつい目な様な気がするけど、あっさりと食べてしまえる。白ご飯がほしかったりする。メンソールは、いきなり日本酒飲んでたんだけど、黒豚角煮にはビールが合うような気がしたんで、ビールにスイッチした。あれば紹興酒とかでも面白かったかもしれない。

 焼き物のお勧めを聞いてみると、新サンマだそうだ。造りと当たるんでどうしようかと思ったけど、造りに新サンマを食べていることを承知の大将が勧める一品と言うことで、それをオーダーしてみた。日本酒は二杯目。ちなみに、置かれている日本酒はすべて純米酒となっているが、メンソールの飲んだものはどれもあっさり系だった。

 新サンマは塩焼きで、塩の使い方も軽い目で、しっかりとサンマの味が味わえる。脂はのってるし、ワタもほろ苦く嫌みはなく、すっきりと食べられてしまう。

 〆は、ハモ、松茸&玉葱の小鍋。メンソールは、ハモ&松茸の料理があまり好きじゃないんだけど。ハモに松茸の薫りが十分にしみこんだ、セクシーな一品だった。味付けは、若干すき焼き風で甘みが強い。これも白飯がほしくなる。


 全体的に薄味だと聞かされてたんだけど、黒豚角煮にしろ、ハモ、松茸&玉葱鍋にしろ、味は濃いめのように思う。割烹の使い方としては邪道なのかもしれないが、一品&白飯で行きたい店のように思う。あと、この日は満席だと言うこともあったと思うんだけど、若干荒いような気がする。サンマは造りにも焼き物にも鱗が残ってた。

 メンソールは調子に乗って、日本酒三合、生ビール一杯、焼酎二杯を飲んだので、ちょっと高く付いてしまった。ちなみに日本酒は一合1,500円、焼酎は600円くらい。なので、日本酒だけで4,500円も飲んだことになる。わぁお…。手書きのメニューには値段が書いてない。目安としては、皮付き黒豚角煮が1,500円。造り盛り合わせが2,500円。



(店  名) 太田川
(ジャンル) 割烹
(所 在 地) 大阪市北区堂島1-3-16 堂島メリーセンタービル地下一階
(電  話) 06-6344-0141
(営業時間) 17:00-22:00
(定 休 日) 日祝


偶然会えたら(クゥー・ド・ヴァン/ワイン&ビストロ/天満橋)

2007年09月16日00:20
 偶然見つけて、チェックをいれていた店。外装はビストロのように見えなくもないけど、中をのぞき込んでみると、今流行のリュクスな感じのする店内。なので、バルのように気軽に使える店ではないようなイメージを持ってたんだけど、一度は行ってみるとバルのようにも使える。バルでカウンター席となると、ほぼ間違いなくメンソールはストゥールには座らずに立ったままなんだけど、バルと言うよりはビストロよりの、こちらの店ではしっかりと座ってしまうし、その方がしっくり来る。

 この日、店の前にはカラーが飾られていて、それを見た史絵が、「私、カラーも好きなんだ」と、言いながら、「それは良かった」と、言いながら、カラーの横の扉を開ける。そして、案内されるままカウンター席へ。入り口から見て左側には、大きな黒板があってそれがフードメニューになってる。店の中央にもテーブルがあって、そこには白ワインやスパークリングワインがクラッシュド・アイスにつっこまれている。ステンレス製のワインクーラーはもちろん磨き上げられているし、テーブルやカウンターも光沢が出るほどに磨き上げられている。可愛い感じに作られているビストロとかになれてると、違う雰囲気が味わえる。

 ワインリストを見ると、ほとんどが6,000円以下。グラスワインも30種類くらい用意されていて、だいたい1,200円くらい。ちなみにソムリエは、神戸の『オー・ベック・ファン』の出身。

 ワインの方は、好みを伝えてソムリエにお任せして、フードの方はチーズの盛り合わせをオーダーする。もちろん、ウォッシュや青カビが好きだと付け加えるのは忘れなかった。

 フードの方も、1,200〜2,000円くらいとリーズナブル。しかも、隣のフレンチレストラン『クゥー・ド・フランス』から運ばれてくるので味は確か。ちなみに、『クゥー・ド・フランス』は、以前『ポンテ・ヴェッキオ』があった場所にある。

 史絵は、ウォッシュチーズを食べて「うぁー、すごい」と言い。ワインを飲んで、「この前のとぜんぜん違う」と驚いてた。

 「今度また偶然に会えるとしたら、どこに行く?」と聞いてみたら、「えぇー、偶然なんだ…」と、笑いながら「メンソールの気になっている店に行こ。肥後橋の…」と、言った。「わかった、じゃ、偶然会えたら肥後橋ね」と言って、手を振った。


 さて、使い方が難しいと思う。いわゆる大人の店かな。とにかくデートで、フレンチかイタリアンをコースで…、と思ってるなら外した方がいい。逆に、フードを先に決めて、ワインはソムリエに下駄を預けてみるとか、お気に入りのワインをボトルでオーダーして、それに合わせてフードを選ぶとかの使い方ができるなら、かなり使いやすいし、気軽に行ける。語弊をおそれずに言うなら、客を選ぶ店だな。つきあいの長いカップルが、あれこれ相談しながらオーダーを決めていくのもいいだろうし、一人で立ち寄ってグラスワイン&アラカルトも良い。なんと言っても、グラスワインとフード類の充実度の高さが魅力。なお、ビオ度はそれほど高くなさそう。

 自信がある場合は別として、つきあい始めたばかりの彼女を連れて行く場所じゃないような気はする。大人の社交場というのは言い過ぎだけど、カジュアルでないことは確か。
度胸を決めていくか、彼女を連れて行くなら、一度下見しておきましょう。




(店  名) クゥー・ドゥ・ヴァン
(ジャンル) ビストロ・バー
(所 在 地) 大阪市北区天満1-5-2
(電  話) 06-6351-4088
(営業時間) 11:30-14:30、17:00-22:30
(定 休 日) 無休
(ウ ェ ブ) http://coeur-de-france.jp/vin/vin.html

奇跡(ビストロ・ド・ヨシモト/中津)

2007年09月03日15:32
ヨシモト


 かなり前に、初めて会ったときからメンソールの琴線を鳴らす娘がいた。ちなみに、琴線には触れるものであって鳴らすもんじゃないことはメンソールも知ってる。でも、『琴線に触れる』よりは『琴線を鳴らす』の方が直感的にイメージがわいたりしないか?。

 そんな史絵とつきあえたらいいなとか思ってて、ことある毎に「一緒に○○しないか?」とか「今度一緒に○○に行かないか?」とか誘ってたんだけど、けんもほろほろ鳥というか、全く興味はないと言うか、メンソールなんてアウト・オブ・眼中な感じだったので、半年間だったか一年間だったか、もっと長くだったかは忘れてしまったけど、史絵のことは考えないようにしてた。ところが何か、空気の違いというかフォースの乱れというかを感じ取ったので、「食事、一緒にどう?」と誘ってみたら、「行く行く。フレンチかイタリアンな気分」と、返事が返ってきた。返事が返ってきたのは良いが、居酒屋計ならともかくフレンチやイタリアンはちらり難しい。四点くらいリストを作って渡すと、彼女が選んだのは『ビストロ・ド・ヨシモト』だった。「ウェブで検索して調べてみた」と言うことで、検索しても出てこなかった店はオミットしたらしい。何度かやりとりする中で、ワイン好きらしいことが解ったので、ビオワインなら『キュイエール』か「DAIGAKU」と言うこともちらり頭をかすめたりしたけど、マキコレも取りそろえがある『ビストロ・ド・ヨシモト』へ。
 
 『ビストロ・ド・ヨシモト』については、特に説明の必要はないと思う。ないと思うけど書いとくと、吉本シェフは、『ラ・クロッシュ』の出身。外装&内装は、いかにも女性たちが好みそうなメルヘンチックな、『ビストロ』を絵に描いたような感じ。照明とかもやや薄暗い目に押さえてあるので、デートなんかに使うのもよさそう。店には行って右手側がカウンター席で、左手側に進むとテーブル席がある。カウンター席は、カウンター面がタイル様の素材でできているので、ワイングラスをクルクル回すときに、一瞬の躊躇と遠慮が入る。で、結局、グラスに傷が付かないようにグラスを持ち上げてしまう。フレンチやイタリアンの場合、和食とは異なり、いったん置かれた皿を異動させることはマナー違反なので、このあたりは全然気にならないが、持ち上げたり下ろしたりを繰り返すワイングラスは、気になる。あと、カウンターの正面に鏡が埋め込まれていることについては、メンソールはそれほど気にならなかった。口元が映る訳じゃないし、もっと楽しい物が映るので…。カウンターには、いろいろと小物が配してあったりするので、そのあたりも女性好みなのかもしれない。
 
 ディナーコースは3,500円のムニュ・ルポからあるけど、今宵のメンソールは、5,000円のムニュ・プレジールをオーダーした。他に、シェフお任せの7,000円のムニュ・デキスタシオンもある。もちろん、アラカルトでのオーダーも可能となっている。ワインの方は、ブルゴーニュ系にしようかランドック系にしようかを悩んだ末に、ボルドー系にするという大逆転なセレクトとなった。もちろん、マキコレを選んだことは言うまでもない。
 
 ムニュ・プレジールの方は、まずはアミューズで、生ハム&葡萄スライス。生ハムと言えば、判で押したように生ハム&メロンが出てきて、あまりおいしいという印象はなかったんだけど、生ハム&葡萄スライスは、意表をついた上に、葡萄スライスのみずみずしさが口いっぱいに広がって、しかも生ハムがそれをじゃましないという不思議な感覚があった。
 
 プレフィックスになっているので、オードブルはセレクトできる。メンソールはズワイガニとトマトを使ったものをオーダーした。続く魚料理は穴子。セルクルで固めて、下から穴子、麦、フォアグラがミルフィーユ仕立てになってたと思う。で、この穴子がどえりゃーうまい。上に乗せられているフォアグラもそれなりに脂分があるが、フォアグラの動物系とは異なる魚系の脂の旨味が主張してフォアグラに対抗してる。負けてない。さらに、フォアグラのさっくりと穴子のふんわりの微妙な食感の違い。それがまた心地よいハーモニーで溶け合い、穴子のワタを使ってあるのか軽い苦みが後から追いかけてきて、それが心地よいというか、次の一口を急がせるというか、セクシーでワンダフルな一品だった。もう、これだけで満足。
 
 続いての魚料理は、先の穴子料理ほどの感激はなかったけど、定番の一品という感じ。白身魚の皮をしっかりと焼いてあって、ザウワークラウト風な味付けの添え付けとが柔らかく調和する良い皿なんだけど、穴子が強烈すぎて…。
 
 肉料理も数品の中からセレクトできる。メンソールが選んだのは、カタルーニャ・ポークを使った料理。日本では、カタルーニャというよりやカタロニアというと思うが…。比較的素直なポークのグリル料理なんだけど、八角茴香の香りがありオレンジソースの味がする。添え付けの野菜も、ベビー・コーンとかブロッコリーとか、あまり手をかけてないもので、それが逆に素朴にストレートにポークの味をサポートしてるような感じ。ポーションは大きめだと思うけど、あっさり軽口なので、するっと食べれてしまう。
 
 続いてはデザートなんだけど、メンソールはチーズをオーダーしてみた。通常は、好みを聞かれるはずなんだけど、何も聞かれず。出てきたのはフレッシュと白カビだった。「わし、ウォッシュかブルー、食いたいんやけど…」とは思ったけど、ライト系のフレンチにはライトなチーズとライトなコーヒーが合うんだろうなとは思う。
 
 デザートのセレクトできて、メンソールが選んだのはバジルのアイスクリーム。いや、バジルなんだわ。本当に。バジルが主張するんだわ。
 
 パンは一種類のみ。追加すると200円かかる。クラストはパリパリで、クラムの色がやや灰色っぽく見えたので、ライ麦パンかと最初思ったんだけど、酸味はあるものの、それほどのもちもち感はなかった。と言うことは、天然酵母パンかな。フレンチやイタリアンを食べるときって、結構な量のパンを食べるメンソールとしては、加護のパンが少なくなったら補充してほしい気はする。あと、フロアは決して悪くないというより、言葉遣いも態度も良いんだけど、若干アウェアネスが低いような気がする。テーブル席に取られてしまうのか、カウンター席が盲点になってしまう時間が比較的長い。店の構造がテーブル席とカウンター席で分離されたような形になってるので、フロアとしてのアウェアネスが分断されてしまうようなところはあるんだと思う。ただ、チーズからデザートが出るまでの間が空いたのは、アウェアネスではないような気がする。何か考えるところがあったんだと思うけど、なんだろう?。しかし、厨房の人口密度は高いな。
 
 グランド・オープンは2006年3月。未だに週末は予約が取りにくい状態が続いているらしいので、週末に行くなら予約は必須と思って良い。若干ライト系だと思うけど、味の方は濃厚でセクシーな感じ。カウンター席でも、比較的余裕があるように思うので、隣の客のことはあまり気にならない。気になるなら正面にある鏡でチェックすればいいし…。
 
 
 「あのさ、史絵」と、メンソール。「今日のことは、奇跡みたいに感じてるんだけど、また奇跡は起こるのかな?」と、問いかけてみる。「奇跡とか偶然とかは、起きるもんじゃなくて起こすもんなんでしょ、メンソールとしては」と、史絵が返してきた。「奇跡、起きると思うよ。メンソールが、起こそうとすれば…。きっとね」
 
 史絵は、横断歩道を少し渡ったところで振り返って、「今度、連絡するね」と微笑んだ。しばらくしてから、メンソールの手には、シメイ(ホワイト)が握られていたりした。シメイの専用グラスを置いてない店だったので、普通のビア・グラスだったが…。やっぱり、こんな日は一人で乾杯しないとね。
 

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(店  名) ビストロ・ド・ヨシモト
(ジャンル) フレンチ
(所 在 地) 大阪市北区中津1-5-3
(電  話) 06-6377-5513
(営業時間) 11:30-14:00、17:00-21:30
(定 休 日) 月曜日
(ウ ェ ブ) http://yosimoto.nomaki.jp/
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P.S.1. マキコレ
 金井麻紀子がセレクトしたワインのこと。金井麻紀子コレクションを略してマキコレという。ワイン好きの間ではかなり有名らしい。メンソールは、ごく最近まで知らなかったが…。さらに詳しく知りたい場合は、http://r.gnavi.co.jp/k634300/menu6.htmなどを参照してください。
 
P.S.2 けんもホロホロ鳥
 けんもほろろが正しい日本語です。『ケーン』も『ホロホロ』もキジの鳴き声なので、ホロホロ鳥はなんの関係もありません。わけわかめのとろろ昆布とかと同じく言葉遊びですので、気にしないでください。



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