2008年02月

告白(植むら/割烹)

2008年02月21日23:32
caa8dae7.jpg 「中華料理か南インド料理、食べに行こか?」と、かをりにメールしてみたら、「今、食事制限してるから、和食かフレンチがいい」という返事が返ってきた。「食事制限してるのにフレンチなんか?」と、聞いてみたら、インド料理屋中華料理は結構油分が多いのでNGらしい。と言うことで、注目株の和食の店『植むら』へ。

 待ち合わせ場所に現れたかをりは、にっこりと微笑みながら手を振った。「今日は寒いね」と、メンソールの確認を求めるように尋ねてきた。確かに、今日は寒い。昨日よりは…。しかも雪が降ってる。「雪の降る日にデートすると、そのカップルは幸せになれるんだよ」と、メンソールが答える。「前にもそんなこといってたね」と、返してきた。「だから、北海道に住んでるカップルは、みんな幸せなんだよ」と、メンソールがいうと、「やっぱり、メンソールは楽しい人ね」と、かをりが声を上げて笑った。

 店は、カウンター8席のみ。コースは5,000円、7,000円、10,000円があるが、メンソールは前日、ワインをほぼ一本明けていて本調子ではなかったこともあって、5,000円のコースを予約しておいた。しかし、最初のドリンクのオーダーを取りに来た時、メンソールは誘惑に負けた。日本酒は燗ができると書いてあったので…。メンソールの目の前に秋鹿が三種類並べられ、それぞれが小さい猪口に入れられる。味を見てから好みの日本酒がオーダーできるというシステムだ。メンソールは山廃をぬる燗でオーダーした。しかも、結局この日は三種類全部飲んでしまった。

 さて、5,000円のコースは月替わりになっていて、今月の八寸は節分がテーマになっていて、豆を使った料理が溶岩で作ったような平皿に並べられている。升大根に白豆と黒豆、一寸豆にはアラレをまぶしてあげてあり、柊の葉が添えられている。あとは、いいだこ、えび、菜の花など…。

 造りは、春を意識した物になっていて、それぞれ一仕事加えられている。穴子は皮目が炙ってあり、平目は昆布締め、山葵に代えて辛味大根。先の八寸からは、本当に季節が変わったように気持ちが脹らんでくるのが判る。

 「あのさ、かをり。今日は告白しようと思って決心して来たんだけど、『付き合ってくれる?』と聞いたら、『もう付き合ってるじゃん』と、言われそうで、決心が鈍ってんねん」、と言ったら、「えぇ〜、そんなこと言っていいんですか?。ホワイトデーはまだ先ですよ〜」と、言われてしまった。

 強肴はズリのサラダ仕立て。スリと言っても鶏肉ではなくブリのズリ部分。腹びれのところで、海底に擦れるところなので、ズリと呼ばれてる。これが軽く炙られていて、しかも歯ごたえ、そして絶妙な酸味。

 天ぷらは、春の山菜を使ったもの。こごみ、タラの芽など。日本酒が進むんだな。燗はしてくれるけど、日向燗、人肌燗、ぬる燗、上燗などの細かいオーダーには応えてくれないみたいで、飲み手が自分で調節する。あと、同じフロアにワインバーの『カルブティエム』があって、ワインのオーダーも可能となっている。

 メンソールは、飲みまくったので若干高く付いたけど、コストパフォーマンスはいい。料理も旨いし、演出のうまさも見事だとおもうし、器もなかなかに楽しめる。客の食事スタート時間がずれていると、料理の出方が若干遅くなるきらいはあるけど、これは仕方ないかな。その分、旨い酒をじっくり楽しみ、今宵のパートナーをじっくりと口説こう。

 

(店  名) 植むら
(ジャンル) 日本料理(割烹)
(所 在 地) 神戸市中央区中山手通1-24-14 ペンシルビル二階
(電  話) 078-221-0631
(営業時間) 18:00-26:00
(定 休 日) 不定休
(補  足) 要予約。禁煙席なし。



爆裂、穿山靠(Bianchissima/山本通)

2008年02月17日15:37
1d79a6b6.jpg 心斎橋のカフェで、かをりと並んで座っていると、「よぉ、かおり。新しい彼氏ができたんか?」の声が後ろから聞こえた。こうした時に、振り返らないのが鉄則なんだけど、かをりの身体が、小さくけいれんするのが判った。もう一度後ろから、男の声がしたので、これはあかんなと思いながら立ち上がる。

 そこに立っていたのは、慎重190cmくらいはあるかと思える痩身の、阿部寛似の美男子だった。「俺の女に何か用か?」とか言いながら十分に距離をとる。十分に距離をとっておけば、ファイティングポーズとかとって、逆に相手を挑発してしまうこともないし…。そのまま、阿部寛似を中心にして90°くらい動いてみる。阿部寛似に仲間がいれば、メンソールに動きに合わせて動くヤツがおるはずなんだけど、そんな気配はなかった。で、詳しい経過は省くけど、阿部寛似には、穿山靠で飛んでもらった。

 先ほどと同じように、少し震えながら座っているかをりの肩に手を置いて、「串カツでも食べに行くか?」と、メンソールが聞いた。「ううん、イタリアンがいい」と、かをりが答えた。

 あっ、そう。イタリアンね。と思いながら、山本通にある『Bianchissima』へ。なぜ、いきなり心斎橋から神戸に飛ぶかについては、聞かないでほしい。この店は、コース料理なしのアラカルトのみ。そして売り物は大型ワゴンに15種類以上の料理を並べて登場するアンティパスタ。その中からセレクトできるんだけど、こういう出し方をされると、あれも、これも、それも、すべて食べたくなってしまうから不思議だ。もちろん、全種類を盛り合わせにすることも可能だと思うんだけど、それをやると、次のパスタとかメインとかに手が出なくなると言うか、胃の容量をオーバーしてしまう可能性が大なので、ペース配分を考えて、自家製ソーセージ、魚介類のマリネ、ムール貝など6種くらいをセレクトする。


 パスタは四種チーズのリゾットを選んで、ラストは猪の煮込み。猪肉は、しっかりと煮込まれていて、独特の獣肉臭さは全くない。言われなければ猪肉とは判らないと思う。

 で、圧巻は大型ワゴンで供される10種類以上のデザート。こちらも好みでセレクトできる。メンソールが選んだのが、リコッタチーズにサンブーカというリキュールをかけ、コーヒーパウダーをかけて仕上げたシンプルなもの。サンブーカは、メンソールや大橋巨泉が大好きなリキュールなんだけど、シンプルなんだけど、ものすごく癖になる一皿。盛り合わせたのが、パスタの生地にリンゴを巻き込んで焼いたデザートで、こちらも初めて食べる味で、アップルパイのようなんだけど、パイ生地のようにサクサクではなくてモチモチしてる。あとリンゴもシャキシャキ感が残っていて、不思議な感じがする。


 で、この店はカップルで行っちゃだめだ。4人以上で行って、ワゴンに乗せられたアンティパスタは全種目、デザートも全種目制覇すべきだと思う。もちろん、アンティパスタを全品制覇して、パスタとメインをスキップして、デザートを全品制覇という食べ方も面白いと思うけど、それでもかなりボリュームオーバーになるような気もする。



(店  名) Bianchissima(ビアンキッシマ)
(ジャンル) イタリアン
(所 在 地) 神戸市中央区山本通3-3-5
(電  話) 078-262-7717
(営業時間) 11:30-14:30、17:30-22:00
(定 休 日) 火曜日
(補  足) 全席禁煙
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