あの一件があってから、夏見とはメル友な状態になってしまってたんだけど、こんなメールが届いた。
「メンソール、ちょっと同道してくれるかな?」
「どないしたん?。また鍼治療か?」
「ちょっとね、ボディーガードが必要なの。頼めるよね」
「夏見にボディーガードなんかいらんやろ。メンソールより強いねんから…。スティーブン・セガールとでも対等にやれるやろ」
「そんなに危険なことじゃないのよ」
「民間人に危険なことさせたらあかんやろ」
「だから、危険じゃないの。交通事故に遭うより確率は低いわ」
と言ったような感じで、訳のわからないままに納得させられたというか、夏美に会えるなら良いかな的なノリで心斎橋で待ち合わせした。目的地はビルの一階にあるんだけど、ちょっと判りにくいんじゃないかと思う。カウンターだけの店で、メンソールと夏見は一番奥の席に案内された。フードメニューは手元にあるんだけど、酒メニューが黒板に書かれていて、一番奥の席からは読みにくい。日本酒は店主独自のカテゴライズがあって、「まだまだこれからやで」とか「今夜は本気で呑る」とか書かれている。
「メニューが見えないわね」
「ええやん、右から順番に行っといたら?」
と言い合ったあとで、最初はトリビー。で、ビールを飲みながらフードメニューを見る。
メンソールは、背ギモのアンチョビあえを真っ先にマークしてた。なので、店主がオーダーを取りに来たときに、真っ先にオーダーした。夏見は鶏ハムのマリネをオーダーしてたんだけど、それに気が付かなかったメンソールは、鶏ハムをオーダーした。ここから夏見節が炸裂した。
「ちょっとメンソール、鶏ハムのマリネをオーダーしたんだから、鶏ハムはオーダーしなくて良いでしょ」
「えっ、いつの間に…。ほんまか?」
「鶏ハムと鶏ハムのマリネをオーダーいただいてます」と、店主のフォローが入る。
「それから、ピクルスね」と夏見が更に追加する。
「鯛のワタの塩辛」と、更にメンソールが重ねる。
ピクルスは、若干甘めの柔らかい感じの仕上がり。で、背ギモのアンチョビがどセクシーだった。「これ、やばいわ、メンソール」と、夏美が言う。「うんやばい、これだけで酒が飲めるで」と、メンソール。
「私のぐい飲み、ちょっと穴が空いてる見たい。お酒がなくなっちゃったわ」と、言って次の日本酒をオーダーする。「メンソールのぐい飲みも、なんか減りが早いな」と言うことで、メンソールの次の日本酒をオーダーした。メンソールの二杯目は眠龍だった。
鯛ワタの塩辛を食べた夏見が、「これ美味しいわ。私のんね。メンソールは食べるのが早いから…」と取り込んでしまった。「こら、なに取り込んでんねん。ちゃんとセンタリングしとかんかい」と、メンソール。
相変わらず夏見のペースは速くて既に三杯目、メンソールも同じペースで三杯目をオーダー。メンソールよりも先に来ていた客もいるけど、2〜3人がオーダーした程度。その間、メンソール&夏見で既に6杯をオーダーしてる。更に厚揚げを追加オーダーした。
「酒なんてね。チビチビ飲んでたって美味しくないんだよ」と、夏見。メンソールは更に、天青の防空壕貯蔵をオーダー。
「ダメ、メンソール。酔っぱらっちゃたわ」
「そんな雪美がメンソールは好きや」
「私は雪美じゃないの。夏見」
夏美の声に重ねて、メンソールの声がユニゾンした。「もう…」と言って夏見が脹らんだ。「ほら、やっぱり雪美や」と言おうとしたが、そのあとの惨劇が怖かったので、口に出すのは止めた。
「さ、メンソール。行くわよ」
「へっ、仕事は?」
「いいの。終わったの。それから、送らなくていいからね」
そういって夏見は改札に入った。
日本酒は30種類くらい。客層は、本当に酒好きばかりで、一杯の酒を長く楽しむ人たちが多かったように思う。その中で、メンソールと夏見のコンビは、明らかに異質だった。ほぼすべての会話が漫才で、反対側の端の客まで笑ってたし…。「面白ければアリですよ」とは店主の弁。フード類は、売り切れゴメン的なところがあるので、遅い時間に行くと、売り切れてる物があるかも…。
(店 名) 日本酒うさぎ
(ジャンル) 日本酒系居酒屋
(所 在 地) 大阪市中央区東心斎橋1-16-19 日宝周防町会館一階
(電 話) 06-6244-8290
(営業時間) 17:00-23:00
(定 休 日) 日曜日
「メンソール、ちょっと同道してくれるかな?」
「どないしたん?。また鍼治療か?」
「ちょっとね、ボディーガードが必要なの。頼めるよね」
「夏見にボディーガードなんかいらんやろ。メンソールより強いねんから…。スティーブン・セガールとでも対等にやれるやろ」
「そんなに危険なことじゃないのよ」
「民間人に危険なことさせたらあかんやろ」
「だから、危険じゃないの。交通事故に遭うより確率は低いわ」
と言ったような感じで、訳のわからないままに納得させられたというか、夏美に会えるなら良いかな的なノリで心斎橋で待ち合わせした。目的地はビルの一階にあるんだけど、ちょっと判りにくいんじゃないかと思う。カウンターだけの店で、メンソールと夏見は一番奥の席に案内された。フードメニューは手元にあるんだけど、酒メニューが黒板に書かれていて、一番奥の席からは読みにくい。日本酒は店主独自のカテゴライズがあって、「まだまだこれからやで」とか「今夜は本気で呑る」とか書かれている。
「メニューが見えないわね」
「ええやん、右から順番に行っといたら?」
と言い合ったあとで、最初はトリビー。で、ビールを飲みながらフードメニューを見る。
メンソールは、背ギモのアンチョビあえを真っ先にマークしてた。なので、店主がオーダーを取りに来たときに、真っ先にオーダーした。夏見は鶏ハムのマリネをオーダーしてたんだけど、それに気が付かなかったメンソールは、鶏ハムをオーダーした。ここから夏見節が炸裂した。
「ちょっとメンソール、鶏ハムのマリネをオーダーしたんだから、鶏ハムはオーダーしなくて良いでしょ」
「えっ、いつの間に…。ほんまか?」
「鶏ハムと鶏ハムのマリネをオーダーいただいてます」と、店主のフォローが入る。
「それから、ピクルスね」と夏見が更に追加する。
「鯛のワタの塩辛」と、更にメンソールが重ねる。
ピクルスは、若干甘めの柔らかい感じの仕上がり。で、背ギモのアンチョビがどセクシーだった。「これ、やばいわ、メンソール」と、夏美が言う。「うんやばい、これだけで酒が飲めるで」と、メンソール。
「私のぐい飲み、ちょっと穴が空いてる見たい。お酒がなくなっちゃったわ」と、言って次の日本酒をオーダーする。「メンソールのぐい飲みも、なんか減りが早いな」と言うことで、メンソールの次の日本酒をオーダーした。メンソールの二杯目は眠龍だった。
鯛ワタの塩辛を食べた夏見が、「これ美味しいわ。私のんね。メンソールは食べるのが早いから…」と取り込んでしまった。「こら、なに取り込んでんねん。ちゃんとセンタリングしとかんかい」と、メンソール。
相変わらず夏見のペースは速くて既に三杯目、メンソールも同じペースで三杯目をオーダー。メンソールよりも先に来ていた客もいるけど、2〜3人がオーダーした程度。その間、メンソール&夏見で既に6杯をオーダーしてる。更に厚揚げを追加オーダーした。
「酒なんてね。チビチビ飲んでたって美味しくないんだよ」と、夏見。メンソールは更に、天青の防空壕貯蔵をオーダー。
「ダメ、メンソール。酔っぱらっちゃたわ」
「そんな雪美がメンソールは好きや」
「私は雪美じゃないの。夏見」
夏美の声に重ねて、メンソールの声がユニゾンした。「もう…」と言って夏見が脹らんだ。「ほら、やっぱり雪美や」と言おうとしたが、そのあとの惨劇が怖かったので、口に出すのは止めた。
「さ、メンソール。行くわよ」
「へっ、仕事は?」
「いいの。終わったの。それから、送らなくていいからね」
そういって夏見は改札に入った。
日本酒は30種類くらい。客層は、本当に酒好きばかりで、一杯の酒を長く楽しむ人たちが多かったように思う。その中で、メンソールと夏見のコンビは、明らかに異質だった。ほぼすべての会話が漫才で、反対側の端の客まで笑ってたし…。「面白ければアリですよ」とは店主の弁。フード類は、売り切れゴメン的なところがあるので、遅い時間に行くと、売り切れてる物があるかも…。
(店 名) 日本酒うさぎ
(ジャンル) 日本酒系居酒屋
(所 在 地) 大阪市中央区東心斎橋1-16-19 日宝周防町会館一階
(電 話) 06-6244-8290
(営業時間) 17:00-23:00
(定 休 日) 日曜日