「江梨子、飲みに行けへんか?。梅田屋ったら大丈夫やろ」
「うん、梅田やったらすぐに逃げれるからええわ」
「うん、梅田やったらすぐに逃げれるからええわ」
ということで、堂島にある『希凡』へ。カウンターのみ12席の店で、女将は30代半ばの女性。この店を一人で切り盛りしている。2003年に脱サラしたらしい。サービシングのトレーニングを受けたわけではないと思われるが、そのたどたどしさが初々しさに感じてしまうから不思議だ。ワインを開栓するのももたもた〜、といった感じだし、客との会話が上手いわけでもない。でもそれが、女将のスタイルなんだと思えてしまうところが、すごいところなのかもしれない。
事前に、コースをオーダーすべしと聞かされていた。コース料理は二種類用意されていて、5,000円と 7,000円。
まずは、前菜の四種盛。枝豆、胡瓜&味噌、もずく酢などの、見慣れた料理なんだけど、なんかひと味違う気がする。何が違うのかがよく判らない。続いては、ミスジのタタキ。この店は、肉料理の店なので、タタキと言えば定番だろう。好みでということで醤油が出されるけど、不要だと思う。造りではなくてタタキなので、脂身が口の中で解けていくような感覚があり、甘みと旨みにおぼれそうになる。続いて出されたのが、生ベーコンと生ソーセージの薫製。注文を受けてから櫻のチップで薫製するらしい。すごくジューシーですごく旨い。
メンソールはこのあたりで不思議なことに気が付いた。料理をしている雰囲気がまったくと言っていいほど感じられないんだな。鍋を振る音も、揚げ物をする音も聞こえない。チャイニーズのように火柱が上がるわけでもないし、イタリアンのようにニンニクの焦げる臭いが漂ってくるわけでもない。女将が料理も接客も一人でこなしているので、アシスタントに指示する声が聞こえるわけでもない。ものすごく不思議な空間&感覚である。その中で、淡々と料理が運ばれる。
そして名物のハンバーグ。このハンバーグは注文から30分ほどかかるらしいので、常連は一番にオーダーしておくらしい。それほど食べたくなる料理らしい。出てきたハンバーグは、皿を揺らせば崩れてしまいそうなほどふわふわしてる。箸で割ってみると、外側はパリパリしているけど、内側はしっとりというかねっとり。外側は香ばしく、内側は甘くてコクがある。不思議な食感があり不思議な味がする。この時も、ハンバーグを焼いている雰囲気はまったく感じることができなかったんだけど、ごく弱火でゆっくりと焼くらしい。
使っている牛肉は、近江牛らしい。豚肉は蔵尾ポークらしい。で、コースにはなかったんだけど、メニューに載ってたので追加オーダーしたのが豚角煮、XO醤、酒盗。豚肉は、バームクーヘンを食べさせて育てるらしい。豚角煮は、肉、脂、皮の三層になっているべしというのがメンソールの考えなんだけど、見事に三層。しかも脂肪部分の旨さといったら感涙もんだった。
ここまでの料理は、すべて微妙に温かい。薫製も暖かいし、角煮も熱々ではなく暖かいという感じ。この温度が女将の主張なのかもしれない。次がステーキ。これも、出来たての熱々という感じではない。微妙という言葉がぴったり来るけど、決して否定的な意味で使ってるわけではない。
肉料理の店なのに、酒盗やXO醤が置かれているのが不思議だったのでオーダーしてみた。酒盗は、自家製なので、あまり塩味を利かせていない。その分、柔らかく添えられている胡瓜の薄切りとよく合う。XO醤の方も自家製で、これがメッチャクッチャ旨い。値段は300円くらいだったと思うが、これと白ご飯だけで夕食にできてしまう。
締めは肉うどん。麺は極細麺何だけど、メンソールが、唯一ハズレだと思った一品ではあるが、ダシはしっかりと取られてるし、乗せられている肉は美味しかった。でも、ダシと肉がケンカしてる。
型にはまらないというか、個性的という表現がぴったりの店。メンソール的には、XO醤はもう一度食べたい。日本酒やワイン、焼酎に関する造詣は思ったより深いように思う。ランチタイムは、前日までに予約があった場合にのみ営業するらしい。いちおう、要予約だけど、当日電話してもOKだと思う。女将一人なので、三組くらい入ると、サービングはかなり遅くなる。キッチンにこもりがちになるので、オーダーも聞いてもらえなくなる。で、コースにしとくのがお勧め。あるいは、一気にオーダーしとくかだな。
「江梨子、飲みに行こか」
「ごめん、メンソール。今日は体調が悪いから…」
江梨子はそう言い残して走り去ってしまった。走り去らんでもええだろうさ…。
(店 名) 希凡(きぼん)
(ジャンル) 肉料理&一品
(所 在 地) 大阪市北区堂島2-2-33 萬伸社ビル一階
(電 話) 06-6341-1390
(営業時間) 17:00-23:30
(定 休 日) 月曜日
(店 主) 山田貴子
(補 足) 要予約
事前に、コースをオーダーすべしと聞かされていた。コース料理は二種類用意されていて、5,000円と 7,000円。
まずは、前菜の四種盛。枝豆、胡瓜&味噌、もずく酢などの、見慣れた料理なんだけど、なんかひと味違う気がする。何が違うのかがよく判らない。続いては、ミスジのタタキ。この店は、肉料理の店なので、タタキと言えば定番だろう。好みでということで醤油が出されるけど、不要だと思う。造りではなくてタタキなので、脂身が口の中で解けていくような感覚があり、甘みと旨みにおぼれそうになる。続いて出されたのが、生ベーコンと生ソーセージの薫製。注文を受けてから櫻のチップで薫製するらしい。すごくジューシーですごく旨い。
メンソールはこのあたりで不思議なことに気が付いた。料理をしている雰囲気がまったくと言っていいほど感じられないんだな。鍋を振る音も、揚げ物をする音も聞こえない。チャイニーズのように火柱が上がるわけでもないし、イタリアンのようにニンニクの焦げる臭いが漂ってくるわけでもない。女将が料理も接客も一人でこなしているので、アシスタントに指示する声が聞こえるわけでもない。ものすごく不思議な空間&感覚である。その中で、淡々と料理が運ばれる。
そして名物のハンバーグ。このハンバーグは注文から30分ほどかかるらしいので、常連は一番にオーダーしておくらしい。それほど食べたくなる料理らしい。出てきたハンバーグは、皿を揺らせば崩れてしまいそうなほどふわふわしてる。箸で割ってみると、外側はパリパリしているけど、内側はしっとりというかねっとり。外側は香ばしく、内側は甘くてコクがある。不思議な食感があり不思議な味がする。この時も、ハンバーグを焼いている雰囲気はまったく感じることができなかったんだけど、ごく弱火でゆっくりと焼くらしい。
使っている牛肉は、近江牛らしい。豚肉は蔵尾ポークらしい。で、コースにはなかったんだけど、メニューに載ってたので追加オーダーしたのが豚角煮、XO醤、酒盗。豚肉は、バームクーヘンを食べさせて育てるらしい。豚角煮は、肉、脂、皮の三層になっているべしというのがメンソールの考えなんだけど、見事に三層。しかも脂肪部分の旨さといったら感涙もんだった。
ここまでの料理は、すべて微妙に温かい。薫製も暖かいし、角煮も熱々ではなく暖かいという感じ。この温度が女将の主張なのかもしれない。次がステーキ。これも、出来たての熱々という感じではない。微妙という言葉がぴったり来るけど、決して否定的な意味で使ってるわけではない。
肉料理の店なのに、酒盗やXO醤が置かれているのが不思議だったのでオーダーしてみた。酒盗は、自家製なので、あまり塩味を利かせていない。その分、柔らかく添えられている胡瓜の薄切りとよく合う。XO醤の方も自家製で、これがメッチャクッチャ旨い。値段は300円くらいだったと思うが、これと白ご飯だけで夕食にできてしまう。
締めは肉うどん。麺は極細麺何だけど、メンソールが、唯一ハズレだと思った一品ではあるが、ダシはしっかりと取られてるし、乗せられている肉は美味しかった。でも、ダシと肉がケンカしてる。
型にはまらないというか、個性的という表現がぴったりの店。メンソール的には、XO醤はもう一度食べたい。日本酒やワイン、焼酎に関する造詣は思ったより深いように思う。ランチタイムは、前日までに予約があった場合にのみ営業するらしい。いちおう、要予約だけど、当日電話してもOKだと思う。女将一人なので、三組くらい入ると、サービングはかなり遅くなる。キッチンにこもりがちになるので、オーダーも聞いてもらえなくなる。で、コースにしとくのがお勧め。あるいは、一気にオーダーしとくかだな。
「江梨子、飲みに行こか」
「ごめん、メンソール。今日は体調が悪いから…」
江梨子はそう言い残して走り去ってしまった。走り去らんでもええだろうさ…。
(店 名) 希凡(きぼん)
(ジャンル) 肉料理&一品
(所 在 地) 大阪市北区堂島2-2-33 萬伸社ビル一階
(電 話) 06-6341-1390
(営業時間) 17:00-23:30
(定 休 日) 月曜日
(店 主) 山田貴子
(補 足) 要予約