1ba801af.jpg 一軒目の店で飲んでるとき、「メンソール、デートしよ」って言われた。
 メンソールは、友達づきあいしてる女の子から「デートして」て言われることはない。と言うか、言わせることはない。友達づきあいしてれば、彼女がメンソールに対して好意を持っていることくらいはわかるし、わかった時点でメンソールがリードするからなんだけど、たまにあるんだ。こんなことが。友人未満の、全くノーマークな女の子からいきなり「デートして」って言われることが…。

 いきなり言われてメンソールは耳を疑った。いや、はっきりしっかり聞こえたので、耳を疑ったという表現は少し違う。信じられなかった。ここでたじろいだりするとメンソールの男が下がるので、「メンソールのこと、好きか?」、とメンソールが聞き返した。「メンソールのことは好きよ」としっかり答えた。「メンソールは、メッシーとかセフレとかの関係はイヤやで…。意外と純情やから…」と、吹き出しそうになるような浮いた台詞を言ってみる。

 一軒目を出て、駅に向かって歩き始めると、彼女はそっと両手で腕を組んできた。うーん、女の子から手を握られるなんて、電車男みたいやなとか考えたりしてた。

 そんなことがあったので、彼女とのデートに備えて、彼女の故郷近くの野菜や魚介類を使った日替わりアラカルトがメインの店を思い出してた。で、次の日、「デートしようか」、とメールした。しばらくして、「えぇ〜、そんなことできません。彼氏いるし…」との返信が…。ぁ〜、酔っての妄言だったのね…。ショック…。

 落ち込んだメンソールは、やけくそでもって、えぇ〜い、いってもうたれ〜、的雰囲気をまといながら、隠れ家の『COMUSO』へ。この店は、ホテル街の近くにあるので、デートの際には食事後も何かと都合が良かったりする。\(^^:;)...。

 ボトル一本、いってもうたろか…、と思ったが、そういえば明日がオフだったことを思い出してデカンタにした。この日のワインは、オーストラリア産のメルローだった。フードの方は、小皿料理もあるんだけど、メンソールの目に入ったのはコッパの文字。コッパ、豚舌、サラミ、生ハムの盛り合わせ。あとはチーズが欲しいな。クァトロ・フォルマッジョにしようかな…。と思っていたところに、黒板メニューに書かれているモツァレラ・ブッフォの文字に気がついてしまった。ウェイトレスを呼んで、いつ入荷したものか聞いてみると、本日輸入されてきたばかりとのこと、迷わずにそれをオーダーした。

 まず、つきだしの感じで自家製パンが出される。フォカッチャとバゲット。ワイングラスをくるくる回しながら飲んでたら、ウェイトレスにワイン好きと思われたのか、そっとオリーブオイルの入った小皿を出してもらった。ををっ、これはセクシー。塩が入ってりゃもっとセクシーなんだけど…、と思いながら、ちぎったパンをオリーブオイルにつけながら食べる。

 そうこうしてる間に出てきたのが、モツァレラ・ブッフォ。サイズは野球のボール大の球形。センターにはバージンオリーブオイル。右には生ハムが置かれている。まず、モツァレラ・ブッフォをカットする。ナイフでやれば良かったんだけど、面倒くさいのでスプーンを使った。押し切ろうとするスプーンに、モツァレラが最後の最後まで抵抗して、それからすっとスプーンが入る。まず一口。芳醇でフレッシュな味と香り、周辺部の固さと中心部のほどけるような柔らかさ。そしてわずかに感じる酸味。当たり前のことだが、そこいらで食べれるモツァレラとは別格である。次に、オリーブオイルを少量垂らして食べてみる。胡椒を少しつけてみる。最後に、生ハムと共に食べてみると、それぞれの味の変化がものすごく楽しい。

 続いては、コッパ、豚舌、サラミ、生ハムの盛り合わせ。まずは豚舌から。いやー、旨いですぅ〜。サラミを食べて、生ハムを食べて、最後にコッパ。コッパというのは生ハムなんだけど、豚の首の肉が使われるのでコッパという名前が付いてる。塩や胡椒、香辛料なんかを擦り込んでから豚の腸に詰めて熟成させるので、非常に複雑な味わいがある。複雑すぎて形容できないくらい。

 ここまで来ると、メンソールも精神的に一段落できた。しかし、どんな問題でも食いもんで解決してしまうと言うのは、美味しんぼ的発想のような気がする。毒されてきたか…。

 さて、隠れ家なんであんまり教えたくなかった店ではあるけど、勢いと言うことで…。この店は小皿系やアンティパスタ系も美味しいけど、手打ちのパスタも美味しい。メンソール的にはパスタメニューの二ページ目がお勧め。カッペリーニやスパゲッティーニ、タリアテッレあたりは扱ってる店は多いけど、フジッリやピチなんて滅多にお目にかかれない。ちなみにフジッリというのは螺旋形のショートパスタ、ピチは一本一本拠っていく様な感じで作る手延べ麺的なパスタのことね。

 店は、コンクリート打ちっ放し的なあっさりした内装で、BGMはジャズ。壁にはプロジェクタの映像が映されている。ちょっと分かりにくい場所にあるけど、近鉄阿倍野駅南側の、近鉄パーキングビルの西側の通りを南下する。通りがちょっと東側にカーブしかかったところ、西側にある。




(店 名) COMUSO
(ジャンル) イタリアン
(所 在 地) 大阪市阿倍野区松崎町3-6-2
(電 話) 06-6626-3226
(営業時間) 11:30-14:00、18:00-22:30
(定 休 日) 月&第二日曜