fbd70b1f.jpg "Sevillana"なので『セヴィラーナ』と発音するのかと思いきや、『セヴィジャーナ』と発音するらしい。なんともスペイン語は難しい。スペイン本国と南米とでは発音も違うらしいし…。

 さて、日本人にとっては『セヴィジャーナ』といわれるよりは『セヴィリア』と言われた方がわかるかも…。そう、『セヴィリアの理髪師』ね。何?。知らん?。ロッシーニの書いたオペラやで…。メンソールも聞いたことはないような気がするが…。

 それはさておき、セヴィリアというのはスペインの南西部に位置するアンダルシア州にある都市の名前。店のオーナーであるマール・デルカスティーヨさんによれば、スペイン料理の中でも、風味付けにシェリーをたっぷり使うらしい。スペインと言えば、ムール貝の酒蒸しが真っ先に思い出されるけど、この店ではムール貝のシェリー蒸しを出してくれたりする。定期的にではないけれど、フラメンコのライブショーもあったりする。

 ひょんなきっかけでオーナーのマールさんと再会したメンソールは、最近、シェリー飲んでないなぁ…。サングリア飲みたいなぁ…。そんなことを考えていたりした。そんなときに、なぜか偶然に可奈に会った。開口一番、「あのさ、メンソール。可奈の友人の真奈の誕生日の時は、プレゼントあげたよね。どうして可奈にはないのさ」と言われてしまった。「真奈の時は、誕生日パーティの案内が来たし、手ぶらで参加するわけにもいかんからやないか」とメンソール。「可奈の時も、ちゃんとパーティの案内しましたよ〜だ。でもメンソール、来てくれなかったじゃない」と、可奈が続ける。あれ、そうだっけ?…、とメンソールは考え込むが、可奈は意に介していないようで、「ねぇねぇ、何くれるの?」と甘えたようにすり寄ってくる。「よっしゃ、メンソールの熱き抱擁をプレゼントしよう。今週末にホテル予約しといてええかな?」と言うと、「メンソールのバカ」と言って、可奈は人混みに紛れてしまった。あら〜。怒らせちゃった…。

 その直後に、メンソールは可奈に「シェリー飲みに行かへん?」と、メールした。で、可奈と共に『ラ・セヴィジャーナ』へ。「メンソールって、誘い方もダンディなのね。シェリーだなんて」と言われてしまった。テーブルへつくなりメンソールはサングリアをオーダーし、ハモン・セラーノをオーダーする。タパス系を多品種行くか、メイン系で一気に勝負をつけるか迷ったけど、あまり考えずにぼちぼち行くことに…。で、ぼちぼち行き過ぎて、何をオーダーしたか忘れちゃった。ピンチョス系と、豚のローストは食べたような…。あと定番のポテトサラダ…。

 ここへ来たからにはシェリーを制覇しなくては…、とは思ったけど、あまり種類はないのね。各カテゴリー一種類ずつくらい。サングリアを飲み終わったメンソールは、マンサニーニャから初めてフィノ、アモンティリャード、オロロソと四種類のシェリーを飲んじゃった。で、思ったんだけど、取りそろえられているシェリーは、とても軽やかなものばかりだった。ドスンと重たい味が好きなメンソールは、ペドロ・ヒメネスと叫びたくなったけど自重した。ペドロ・ヒメネスというのは、ペドロ・ヒメネス種のブドウを天日干しして干しブドウ状態になったものを原料として使うので、甘くて濃厚な味に仕上がるのだ。「あのさ、可奈。男が甘口のシェリーをオーダーして、それを女性が飲んだら、今夜はOKの合図なんだけど知ってた?」とか言ってみる。「知らないよ」と、可奈は素っ気な
い。「それよりさ、メンソール。メンソールお勧めの、もう一軒のスペイン料理の店、行ってみたいな。連れてってくれる?」と可奈が聞く。「ええけど…」とメンソールが答える。「あのさ、真奈も誘っていい?」という声が聞こえて、「へっ、これはなんかおかしいのでは」と気づくメンソールであった。

「メンソールとツーショットデートはイヤやてか?」
「うん、可奈はもっと若い男と付き合いたいの」
「(。ヘ°)ハニャ」

 メンソールは脱力率120%である。えーい、やけ酒じゃ…、と言うことでオーダーしたのが、ドングリのリキュール。メンソールは初めて見かけたので、「あれはドングリの酒か?」と確認したりした。この店では、日本語があまり通じないので、日本語が達者なスタッフをつかまえるのに一苦労する。で、「ベジョータですから、ドングリです」とのお答。「ベジョータだからドングリだ」というのは、メンソールにはわかるけど他の人だったらわかる人は少ないのでは?。ちなみに、スペイン産生ハムとしてはハモン・セラーのが有名だけど、ちょいと高級品としては、ハモン・イベリコと言うのがある。最近では、イタリアンの店なんかでもイベリコ豚のローストとか行ったメニューがあるから、目にしたことはあると思う。で、餌としてドングリを食べさせたものをベジョータと呼ぶらしい。放牧ならぬ放豚なので、ドングリのみを食べているかどうかはわからないらしいが…。

 ちなみにこのドングリリキュールは、スパイシーなアーモンドといった感じの強烈な芳香を放っていた。味はそれほどではなかったが…。香りを楽しむリキュールなんだろうな…。



(店  名) ラ・セヴィジャーナ(La Sevillana)
(ジャンル) スパニッシュ
(所 在 地) 大阪西区北堀江1-22-26 カーサ北堀江一階
(電  話) 06-6532-5768
(営業時間) 18:00-23:00(平日)、18:00-24:00(金土)
(定 休 日) 日曜日
(ウ ェ ブ) http://sevillana.hp.infoseek.co.jp/