アシャン

シャウト(ほうば/天五)

2007年01月21日12:43
63e57a83.jpg 2006年の末に、チヂミが美味しい韓国料理店が出来たという情報を得た。そのまま、速攻で確認しに行ったら、確かに店はあったけど、12月31日のことなんですでに年内の営業は終了したような感じだった。

 「アシャン、今度、韓国に行くか?」と聞いたら、「行きたい」と、返ってきたので、「じゃ、18:00に…」と、送り返した。

 いつもの通り、待ち合わせ場所には少し早い目に出かけて、一番目立たない場所に立ったつもりだったけど、アシャンにはあっさりと見つけられてしまった。「どうして判るんだ?」と、きいたら、「回りからは一番見えにくい場所で、周りはよく見える場所にいると思ったから」と、言われてしまった。商店街は水曜日に休む店が多いので、ひょっとしたら定休日じゃないかなとも思ったりしたんだけど、ちゃんと営業してた。変形カウンタと、テーブル席が二卓くらいかな。いかにも新しい店という感じでぴかぴかしてる。韓国料理といえばビールかマッコリなので、トリビーと言おうとして一瞬躊躇した。スーパードライなんだな。躊躇したけど、選択肢はこれしかないので、トリビーをオーダーした。

 「メンソールって、相変わらず、女の子の右側に座るんだね」と、アシャンが言った。「うむ、利き手は空けておきたいからな」と、メンソールが答えると、「神恭一郎みたいね」と、アシャンが答えた。うむ、アシャン。恐ろしい娘だな。

 この日のターゲットはちぢみなので、メニューの中のちぢみセクションを探す。結局、ホワイトボードにもあったパジョンをオーダー。あとは、ナムルの6種盛り。これは、常時12種類くらいあるナムルの中から、6種類をセレクトしてくれる。そして、カムジャタン。チャプチェはオーダーしようと思っていたけど、忘れてしまった。カムジャタンをオーダーしたあとで、タクハンマリがあることに気が付いたんだけど、そのままカムジャタンにした。

 まずは、ナムル6種盛りがカウンターに並べられる。6種類全部は覚えてないんだけど、クレソン、島らっきょ、なすび、瓜など…。これがめっちゃ旨そうに見える。で、食べてみるとめっちゃ旨い。ナムルだけで、最初のビールは一気飲みしてしまったので、マッコリを瓶をオーダー。このあたりでちょうどパジョンが運ばれてきた。食べ慣れたパリパリした感触ではなくて、ふわふわした感覚で柔らかい。かといって、お好み焼きのような感触でもない。鉄板の上にニラを並べて、それらを繋ぐためだけにごく少量の生地を使っているという感じ。乗せられている海老などの魚介類もぷりぷり感を残している。その後、別の店で、ジョンの原型に近い料理を食べさせてもらったんだけど、感覚的にはフリッターに近いような料理だった。なので、この日食べた、極端に小麦粉の生地が少ないジョンも、何となく判るような気はする。

 カウンターに並んで座りながら、ショーンの言葉がリフレインしていた。久しぶりにあったアシャン。彼女にもっと近づきたい。近づいて確認してみたい。そんな思いが、爆弾低気圧のもたらす強風のように、メンソールのこころを凍てつかせる。

 パジョンを食べ終わると、簡易コンロが置かれて、カムジャタンが登場する。ほとんどできあがっているので、簡易コンロで調理すると言うよりは、保温するというのが目的だろう。これが、べらぼうに旨かった。カムジャタンはブームなので、知らない人はいないと思うけど、豚の尻尾や背骨を煮込んだスープに、ジャガイモを入れて煮込んだ料理。唐辛子とかエゴマのは、ゴマなども使う。メンソールにとってはそれほど辛くないんだけど、骨に付いている肉は、力を入れなくても骨からするっとはずれてしまうほどだし、ジャガイモがフワッとサラッと崩れていく。うむ、崩れていくという表現は適当じゃないな。マッシュド・ポテトじゃないかと思うくらいのスムーズさで、口の中で解けていくような感覚がある。初体験な感覚だな。
 

 「あのさ、メンソール。メンソールが嫌でなかったら、これから二人きりになれる部屋に行きたいんだけどな」と、アシャンが言った。メンソールを凍結させていた氷が一気に緩んだような気がした。「欲求不満なのか?」と、メンソールが聞く。「ちょっとね」と、アシャンが答える。「そうか…」と、メンソールは答え、メンソールにとってはほぼ六ヶ月ぶりのカラオケボックスへ。で、二人でシャウトした。メンソールの声は、ボックスの防音扉を突き抜けるので、たぶん、迷惑だったような気がする。なんか、アシャンが近くなったような気がした。




(店  名) ほうば
(ジャンル) 韓国料理
(所 在 地) 大阪市北区天神橋5-3-10
(電  話) 06-6353-0180
(営業時間) 17:00-24:00
(定 休 日) 木曜日
(ウ ェ ブ) http://houba.jp/
(備  考) 予約が望ましい。

スナイパーとの再会(墨国回転鶏料理/天満)

2007年01月19日01:02
331fc42c.jpg その日の前日、メンソールは二人のショーン・コネリーに会った。ショーン・コネリーといっても、一人は枚方のショーン、もう一人は平尾のショーン。そういえば、安実果に、二人のショーンを会わせてみたらどうと持ちかけられたことはあるけど、まだ実現してないな…。

 二人のショーン・コネリーは「メンソール、明日出会った娘と恋に落ちるぞ。」と、同じことを言った。ふと目を覚ますと、まだ午前3時過ぎだった。夢か…。そして、ほぼ同時に携帯にメールの着信を知らせるメロディが鳴った。目覚まし時計代わりに使ってる携帯電話を引き寄せ、メールを読む。

 「メンソール、私よ。アシャン。覚えてる?。槇村秀幸の妹」

 妙に目が冴えてたメンソールは、速攻で返信した。

 「朱雀会のアシャンか?」
 「そうだよ、メンソール。やっと見つけた…。会いたいの…」

 「やっと見つけた」って、消息を絶ったのはそっちじゃないか…。それに…。「会いたい」って、言われたら、やっぱり会いたいかな。(^^ゞ。

 「今日の18:00」

 そう返信したメンソールは、再び眠りに落ちた。翌朝、目覚ましの役割を果たして鳴り響いている携帯を手に取ると、深夜のメール交換が夢ではなかったことが判った。もう一度アシャンに、「メキシコに行く」と短いメールを入れた。

 約束の時間に約束の場所で、バラの花束を持ってアシャンを待つ。少し遅れてアシャンが姿を現した。「メンソール、やっぱり昔と変わらない」と、アシャン。「アシャンは森下千里に似てきたんとちゃうか?」と、メンソール。「千里に似てるなんて言われたことないよ」と、アシャンはびっくり顔だった。

 メンソールは先に立って歩き、屋台風のメキシコ料理店へ。ビニールで囲っただけのテラス席もあるけど、目立つので店内のテーブル席へ。入るなり、スパイスの心地よい香に抱き留められる。店内は狭くて、二人がけのテーブルが三卓くらいしかない。メキシコ人のウェイトレスがいるので、よけいに異国情緒をを感じる。「コモ・エスタ・ウステッド?」と聞いてみたら、ちゃんと通じた。ところがメンソールは「コモ・エスタ・ウステッド?」以外のスペイン語といえば「カヴァ」くらいしか知らないので、そこからの会話は続かなかったが…。

 回転鳥料理が名物なんだけど、とりあえず半身(800円)をオーダー。トルティージャは2枚付いてくるが、オプションで追加することも可能。メンソールは、オプションの中からハラペーニョをオーダー。ここは誰がなんと言ってもハラペーニョだろう。もう一つのオプションは、ちょっと迷って香菜をセレクト。もちろん、メンソールが香菜が大好きなんだからだけど、アシャンのシャンは香という字を書くので、同じ発音を含む香菜を合わせてみた。気が付いてくれたかな?。

 トルティージャに鶏肉を一切れ取り、ハラペーニョを乗せ、サルサを乗せて食べる。ハラペーニョがワイルドに口内を刺激したところへスパイスの香とともに鶏肉の旨みが炸裂する。メキシコ料理に香菜は合わないかと思ったけど、そんなことはないな。もちろんメンソールは、テキーラを飲む。ちゃんとショットのセットが出されるのはうれしいんだけど、テーブルが狭いので、ショットを楽しむにはちらり辛いかも…。

 「さて、聞こか…」と、マルガリータを飲むアシャンに、マルガリータ誕生秘話を話し終わったメンソールが言った。「何を…」と、聞き返すアシャンに、「深夜のメールや」と、言い放つ。「メンソールが社長のボディガードやってるって噂を聞いて、気になって探してみたの。きっと、一緒にやっていけると思ったから…」と、ハラペーニョがツボにはまったのか、アシャンは辛さをこらえて涙をこぼしそうになりながら答えた。う〜む。なんかメンソールがいじめて泣かしてるみたいに見えるんちゃうか。メンソールは手を挙げてウェイトレスを呼び、「アロス・コン・レッチェ」とオーダーした。アロス・コン・レッチェは、餅米で作った牛乳プリンみたいなもの。「まぁ、これでも食べ。口の中の火事が収まるで」と、言いながらアシャンに勧める。甘さはかなり控えの牛乳プリンを食べ
るアシャンを見ながら、「メンソールのパートナーになるより、彼女になった方が楽やで。前にも言うたけど…」と、言ってみる。「それはね、メンソール」と、アシャンが言った。「きっとうまく行くのよ。自然にね」

 店を出て歩きながらアシャンが、「メンソール、また会いたくなったら連絡してね」と、言った。「夜中の03:00にメールしてくるようなやつは、メンソールにとっては恋人でしかあり得ん」と、返した。それから、アシャンのメールを着信する直前に見た夢のことを話した。アシャンは、「ふ〜ん、そうなんだ…」としか答えなかった。

 シャンツァイのシャンは香、アシャンのシャンも香か…。そしてメンソールは、昨日の夢を思い出してた。「明日会う娘と恋に落ちる?」、その言葉が頭の中でリフレインした。アシャンと恋に落ちるのか?。



 確か、2007年1月10日がグランドオープンだったと思います。メンソールは、プレオープンに紛れ込もうとして失敗しました。ウェブ (http://www.querico.jp/)を見てもらえると判るとおり、北新地のメキシコ料理店『ケリコ』の系列店で、トルティージャなどは、本店で焼いたものを持ってくるそうです。この界隈、本当にいろんな店が増えましたけど、気軽にリピートできて、一歩店の中にはいるだけで、天満と言うことを忘れてしまいそうになります。15:00から営業しているので、仕事さぼって来てしまいそうです。ちなみに、メキシコを漢字で書くと墨西哥となります。略して墨と書くことも多いようです。店名の墨国の意味はここから来ているようですね。


(店  名) 墨国回転鶏料理(ぼっこくかいてんとりりょうり)
(ジャンル) メキシコ料理屋台
(所 在 地) 大阪市北区池田町8-4
(電  話) 06-6401-8424
(営業時間) 15:00-22:30
(定 休 日) 無休
(ウ ェ ブ) http://www.querico.jp/
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